2024.09.25
「チーム医療ふれあい実習」レポート!~理学療法学科
理学療法学科1年生75名が、2024年8月27日(火)~8月31日(土)に「チーム医療ふれあい実習」に参加しました。「チーム医療ふれあい実習」は、チーム医療に携わる専門職としての資質や態度を養い、職種間の協働の重要性について学ぶ、本学の特色ある実習です。
「チーム医療ふれあい実習」の特色
①:1年次の入学早期に実施
入学早期実習をEarly Exposure Programと言います。
Early Exposure Programの教育効果として、
● 入学して間もない時期から、現場に出て、実際働いている専門職の姿を見る。
● 自分たちが将来専門職としてかかわる患者さんたちと関わる。
● 大学で学んでいること(理論)と医療の現場で起きていること(実践)とのつながりを感じる。
など、学生のモチベーションにつながりやすいと言われています。
特色②:単一施設ではなく、異なる施設で実施
近年、医療機能の分化・連携が重要視されており、機能の異なる施設を急性期型の病院、回復期・療養型・生活期を含むリハビリテーション病院で実習をすることで、それぞれのチームの形や理学療法士の役割も異なることを知ることができます。
特色③:医療施設だけではない
本実習では医療施設だけではなく、障害者スポーツセンターにも訪れます。障害者スポーツに関わる理学療法士はまだ少ないのが現状です。アダプテッドスポーツは、けが・病気・障害があるからできないのではなく、性別や年齢、体力、障害の有無などにかかわらず、誰もが参加できるようルールや用具を工夫したスポーツです。「障害とは何か」を考えさせられる機会となります。患者さんの退院後の生活として、スポーツ活動を提案できることは、社会復帰やQOL向上にもつながります。
実習風景
西大和リハビリテーション病院(回復期、療養型、生活期)での実習
平成記念病院(急性期、亜急性期、回復期)での理学療法士のあり方についての講義
各専門職からの講義を受け、リハビリテーション室では1対1で実際の理学療法場面を見学したり、ウェルウォークというリハビリテーション支援ロボットを体験させていただきました。
大阪市舞洲障がい者スポーツセンター(障がい者スポーツ)での実習
ちょうどパリパラリンピックが始まるタイミングだったので、施設を利用されている選手が出場していたり、パラリンピックでのサポートの経験のお話も聞くことができました。
▼ 学生からの質問
▼ 視覚障害体験・さまざまなタイプの車いす試乗
オンラインでの発表会
最終日は、台風の影響により対面ではなく、オンラインで、3日間の学外実習を「チーム医療における理学療法士の徳・知・美」というテーマにまとめ、発表会を行いました。
学生たちは、3~5名のグループ内で学びを共有し、オンライン上でパワーポイントを共同編集し、限られた時間ではありましたが、プレゼンテーションをまとめ、分担して発表することができていました。
▼ 最終日の学内発表会の発表スライドやオンライン発表会の様子
発表会では、それぞれの気づきや学びは少しずつ異なっていたものの、共通して、傾聴や共感などを含めた態度・コミュニケーションや基礎医学の重要性について発表してくれました。
学生の感想
● チーム医療ふれあい実習を終えて、非常に有意義な時間を過ごせたと思っています。理学療法士の方が普段のリハビリで意識していることを直接聞くことができ、患者さまのことを第一に考える姿勢を感じました。また、患者さまに「ありがとう、頑張ってね」という優しい言葉をもらい、自分も理学療法士として病気や怪我に悩んでいる方の力になりたいと強く思いました。今回の実習で感じたことを忘れず、日々成長できるよう努力していこうと思います。
理学療法学科 1回生 大塚 陽南子
● チーム医療ふれあい実習を通して、私たちは「自分のなりたい理学療法士像」をより明確にすることができました。初めて理学療法士が現場で働いている姿を見学させて頂き、「患者様が何を望んでいるのか」を汲み取り、目標を定め、患者様と共に治療に取り組む姿勢が、一流のセラピストにとって重要であると学ぶことができました。また、患者様にとって最善の医療を提供するためには、多職種と連携・協働し、信頼関係を築く架け橋であるコミュニケーションを大切にすることが不可欠であると実感しました。そして、これからの学習のモチベーションにつなげることができました。
理学療法学科 1回生 古川 裕貴
最後に・・・
専門職になるためには現場での実習が欠かせません。実習に向けて、4月から「チーム医療論」という講義を通して、準備を進めてきました。しかし、わかってはいたものの思い通りに、患者さんとコミュニケーションがとれなかったこともあったようです。彼らの感想から、本実習が学生のモチベーションを高め、「こんな専門職になりたい」という想いをつくる手助けになったのではないかと感じております。
彼らのやる気の火を消さぬように、引き続きサポートしていきたいと思います。
最後に、この場を借りて、ご協力いただきました患者様、施設・指導者の方々に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
理学療法学科
准教授 松本 大輔
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