2023.07.04 

災害時に避難所を運営する模擬体験ゲームに取り組みました!~災害復興ボランティア部HOPEFUL

みなさんこんにちは!災害復興ボランティア部HOPEFULです。

 

2023年7月1日(土)、ボランティアチームけれけれで活動しておられる方2人とHOPEFUL前代表者で健康栄養学科卒業生の田宮さんに来ていただき、一緒に「避難所運営ゲーム(HUG)」をしました。HOPEFULからは、9人が参加しました。

 

HUGとは、避難所運営を皆で考えるためのひとつのアプローチとして静岡県が開発したもので、避難者の年齢や性別、国籍、それぞれが抱える事情が書かれたカードを、避難所の体育館や教室に見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるか、また避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを模擬体験するゲームです。

 

まずはゲームの内容や条件、やり方の説明を聞きます。時期は2月、雨の日を想定して行います。

 

 

しっかり理解した後は、2グループに分かれてゲーム開始!

 

 

読み手が避難者の情報が書かれたカードをどんどん読み上げていきます。避難所は小学校なので、体育館や1年~6年の教室の他にも保健室、図書室、家庭科室、理科室、校長室、職員室、プール…などたくさんの部屋や施設があります。

 

「子ども部屋をつくる?」「傷病者をひとつの部屋に入れようか」「歩行困難だから入口に近いところがいいんじゃない?」など、意見を出しながら避難者を振り分けていきます。

 

 

疾患のある高齢者、アレルギーやぜんそくのある子ども、体調不良者やけが人、乳幼児を連れた妊婦さん、障害者、歩行困難者、ペットを連れた人、日本語が話せない外国人、両親とはぐれた子ども、ひとりごとが激しい人、認知症の人、人工透析が必要な人、糖尿病の人、盲導犬を連れた全盲の人、泥酔している人、ホームレス…それぞれの事情を考慮しながら部屋に入れていきますが、悩んでいる間にも、たくさんの人が次々と避難してきます。

 

毛布やテント、仮設トイレ、食料などの支援物資も次々と届き、どこに設置するのか、誰に優先的に配るのか…相談しながら決めていきます。

 

授業で習った内容もグループ内で共有しながら、進めていきました。

 

 

終わったあとは、自分たちの避難所を振り返り、グループ内で意見交換をしました。どこが良かったのか、どういう時に困ったのか、反省点などを書き出し、話し合います。

 

「発熱や吐き気がある人とそうでない人を同じ部屋にすると感染症が広がる恐れがあるのでは?」

「他人の男女が隣り合わないように配慮する必要があるよね」

「トイレをここに設置したけど、これで良かったのかな?」

「家庭科室や理科室は包丁や薬品があるから、小さい子どもを入れるのは危険だ。」

「家が全壊した人は長く避難所にいるはずだから、授業の早期再開を目指すためには教室に入れない方がいいんじゃない?」

「マスコミの取材を忙しくて断ってしまったけど、この忙しさを伝えてもらうためにも受けるべきだったかな?」

「障害や病気のことなど、知識がないとどう対応していいか分からないね」

「動物がいる部屋の近くは騒音やにおい、アレルギーなどに配慮しないといけないね」

「トリアージなどの専門用語が出てくると、グループ内の共通認識ができていないから大変だった」

「グループ内であまり連携がとれていなかったかも」

「途中で助産師さんが来てくれた時、すごく心強かったね」

「車で避難してきた人は車で寝泊まりしてもらったけど、エコノミークラス症候群にならないように配慮するべきだったんじゃないかな」

など、たくさんの意見が出ていました。

 

 

その後はそれぞれのグループの避難所を見てみて、いいところを共有します。

 

「そこにテレビ置いたんだ!」

「何時に物資が届くか掲示板に書いてあると、不安が軽減されるかもしれないね」

「地域ごとに分けると近所同士の繋がりがあるから安心できるかもね。安否確認もしやすいし。でももしかしたらご近所トラブルがあるかもしれない」

「犬は室内に入れたんだね。確かに2月だから外は寒いかも」

「疾患ごとに部屋を分けていると、物資が届いた時にどの部屋に届ければいいか分かりやすくて良いね」

など、同じ人が避難してきていても、部屋の使い方や分け方などが異なり、新しい発見がたくさんありました。

 

 

「避難してきた人の中で、動ける元気な人には運営を手伝ってもらうのもいいかもね」といった意見や、「遺体が運び込まれてきたらどうしたらいいんだろう?」といった疑問も出ました。

 

避難所をどのように運営すれば良いのか、避難者のニーズにどう応えるべきかなどを考えることができ、防災について勉強することの重要性を深く感じました。このゲームの中で困ったことや悩んだことを大切にし、今後の学びにつなげていきたいです。

 

災害復興ボランティア部「HOPEFUL」代表

現代教育学科3回生 青山 幸加

 

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