2025.02.26 

プロジェクトゼミ 御所まち旧和光ビル跡地活用提案 ~ 人間環境デザイン学科 陳ゼミ 前川ゼミ 吉永ゼミ

人間環境デザイン学科では、プロジェクトゼミという特色のあるゼミ活動を2回生の後期、3回生の通年と約1年半の期間取り組みます。学内での活動もあれば、学外へ出て地域課題に対して実践的に取り組む活動もあります。

 

今年度は3ゼミ(陳ゼミ・前川ゼミ・吉永ゼミ)が通年で御所市の御所まちという歴史的なエリアの建物解体跡地の活用方法について御所まちに住む住民のみなさまや行政の方々と実践的に取り組みました。

御所まち まち歩き

2024年7月に、市役所の方々のご案内で御所まちのまち歩きを行いました。

 

 

御所まちにはお寺や街なみが古くから残っていて昔にタイムスリップしたような感覚になります。

 

 

御所まちでは、江戸時代に整備された背割下水環濠が昔の姿のまま残っているなど、まちが大切に引き継がれてきたことがわかります。

 

 

まち歩きでは、地元の方が私たちに建物を見せていただいたり、学びの多い体験でした。

 

 

まち歩きの経験を学内のゼミにもち帰り、メンバーで感想を議論したり、歴史を調べたり学びの時間をとります。

ワークショップを開催し、地域の方と意見交換しました。

8月には、地域住民のみなさまとワークショップに参加しました。住民と学生がテーブルに分かれて「どのような場所にしたいか」を意見交換しました。

 

 

住民のみなさまから御所まちのことを教えていただいたり、学生視点で見た御所まちの感想を議論しました。ワークショップで出た意見や感想をまとめて発表し、世代を超えた交流の機会になりました。

 

 

毎週の各ゼミでは跡地活用方法について、歴史的に分析したり、建築をデザインするだけでなく、広場としてのランドスケープ計画など議論を重ねていきます。敷地模型を作ったり、スタディ模型パースを作成して検討を繰り返します。

中間発表会を開催し、案をブラッシュアップしていきます!

12月には御所市のホールで、住民のみなさまへの中間の発表会がありました。計画5案をスライドと模型を用いてプレゼンテーションしました。

 

 

時間をかけて作成した模型を住民のみなさまが熱心に見ていただき、感想や私たちの気づかなかったことなどをアドバイスいただき、地域住民のみなさまが熱心に跡地の活用を考えられていることに刺激をいただきました。そのアドバイスを再度各ゼミで案をブラッシュアップしていきます。

御所まちの未来を住民の皆さまと一緒に考えました。

2025年1月に最終プレゼンテーションを御所市役所で住民のみなさまに行いました。

 

 

たくさんの方にお集まりいただき、歴史ある御所まちの未来について一緒に考える良い機会となりました。

 

学生の感想

A 班 Mさん(吉永ゼミ)

A班は議論を重ね、御所まちにとってより良い提案を考えてきました。私たちのゼミでは、古い木造建築の移築を提案しました。古い建物の構造躯体と瓦を移築し、屋根だけの、街の人たちの庭のような場所を提案しました。

 

また、御所市は、葛城山、棚田、御所まちという連続するまちがあるため、今回の提案に棚田を取り入れ、棚田テラスを提案しました。屋根のかかる場所があり、棚田のような庭があるという連続性があります。

 

移築してきた大きな屋根の下には最小限のトイレと防災備蓄的な倉庫を計画して、多目的に使える場所としました。棚田テラスでは、地域の人が休憩する場所として使えたり、観光客の休憩場所、みんなの庭としてまちに開かれます。

 

また、祭りなどイベントの際にも活用されます。お店をされたい方がイベントとしてお店を出せたり、日本酒の飲み比べイベントを開催するなど、地域活性化にも繋がります。ビルの跡地が、みんなの大きな庭になり、地域のみなさんに愛される場所になればいいなと思います。

B班 Mさん(吉永ゼミ)

歴史的な町並みが残る御所まちの入り口となる今回の敷地において、私達は歴史的景観の保護を最優先に考え、取り組んできました。

近年、御所まちでは古民家を活用したカフェや銭湯など、観光・地域活性化の取り組みが進められています。しかし、その一方で、人を雇ったり管理を続けることの難しさも課題として感じられます。そこで今回の敷地では、管理やメンテナンスが容易で、周辺住民の方々が自由に使える「庭」のような場所を提案しました。

 

住民の方々にとって日常的に親しまれ、観光客にも開かれた空間となることを目指しました。
また、このエリアは重要伝統的建造物群保存地区の選定を目指しているため、歴史的景観の保護も重要なテーマでした。そのため、敷地のファサードには今後取り壊される予定の空き家などの古材を再利用し、景観との調和を大切にすることを考えました。

 

駅からのアクセスも良く、歴史を感じながら散策できる御所まち。その入り口として、住民の方々や観光客に愛される場所となることを願っています。

C班 Tさん(前川ゼミ)

遠見遮断や商店街、江戸時代の町並みや昭和の町並みなどが、積層しながら残っている「御所まち」は、今井町とは異なる伝統的な町で、その中で行う旧和光ビルの跡地の活用の検討は、住民にとって重要なものだと感じました。

 

そのため、ゼミ内で活用検討を行った時は、アイデアを出すのに難航しましたが、御所まちならではの敷地に焦点を当て、この土地ならではの提案を考えることを目標に進めました。

 

その際出てきたアイデアである、地下広場や御所キオスクなどは、ここでしかできない空間デザインであり、ひとつの成果だと思っています。住民のみなさまに向けて提案した経験は、とても貴重なものとなりました。

D班 Sさん(陳ゼミ)

D班は多様な使い方ができる広場と、まちの人が癒されるガーデンを中心に考えました。約半年間の長期にわたっての提案で、地域の方や役所の方からいただく様々な要望に応じた設計を行うのが難しかったです。

 

デザイン面や機能面、景観の規制といった様々な条件を考慮しながら、話し合いを行い、グループで協力して提案を行うことができました。

E班 Tさん(陳ゼミ)

御所まちの提案は今までの提案とは違って、多くの視点から土地を見て、考えさせられました。建物の高さや周りの建物との調和、土地と町全体との配置関係などの「環境面」とコンセプトや利用目的、利用者への使われ方などの「施設面」がうまくマッチした提案を考えるのは大変でしたが、とてもやりがいを感じました。

 

 

今後もプロジェクトゼミでは、学外に出て地域課題に対して実践的な提案などを行なっています。

 

人間環境デザイン学科

講師 吉永 規夫

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