カテゴリー

畿央の学びと研究

2022.07.14

「認知症ケア論」で学外施設へフィールドワーク! ~看護医療学科

今年度より「認知症ケア論」が開講されました。1・2年次開講で今年は1回生8名が選択をしています。選択した学生は、身内に認知症のある方がいらっしゃったり、認知症に興味がある学生です。   2022年7月9日(土)はフィールドワークで、橿原市にあるデイサービスと地域交流サロンの複合施設「社会福祉法人 うねび会 ぽれぽれ八木西スクエア」に寄せていただき、施設の見学や運営にかかわる内容を伺いました。   ▼リハビリ機器も充実しているデイサービス     学生の感想からは、施設全体がぬくもりを感じる木造であることや、いろいろな工夫がされていることを学ぶことができました。さらに「認知症の方だけでなく、その家族もサポートして、相談できる環境があるだけで負担が軽くなるのかなと思った。また、同じような状況の人のために、このような施設があるということがもっと広まれば良いなと思った」といった声も聞かれました。     ▼感染対策で2階から見学する学生     そして、若年性の認知症の方やその家族のつどいにも参加させていただくことができました。     ▼真剣にご家族様方の語る内容に聴き入る学生     学生らは、つどいの場に参加して 「認知症という病名でひとを判断してはいけない。そのひとのできることに目を向け、できないことを周囲が助けることが大切だと思った」 「当事者の理解や、家族へのサポートが必要である」 「お互いがお互いを支え合うことで、その人も少しは気持ちが楽になっているのをこの目でみて、すごく大切な集いなのだと感じた」 「今まで、考えていた認知症のある人のイメージとの違いが理解できた」 などと、多くのことを学ぶことが出来たようです。   たいへん貴重な経験をさせていただきました。 施設長様をはじめご協力・ご助力を賜りました皆々様、誠にありがとうございました。    看護医療学科 准教授 上仲 久   【関連記事】 新たに「認知症ケア論」が開講しました!~看護医療学科 摂食嚥下障害看護認定看護師の講師を招いて 「高齢者の摂食・嚥下のための看護」演習を行いました!~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」 「最期のときに、心をこめて。」エンゼルケアの演習を実施しました ~看護医療学科「終末期ケア論」 対面とZoomで「七夕交流会」を開催!~Orange Project®畿央大学 第1回エコマミ公開講座に山崎教授と学生が協力!~Orange Project®畿央大学

2022.07.13

新たに「認知症ケア論」が開講しました!~看護医療学科

今年度より「認知症ケア論」が開講されました。1・2年次開講で今年は1回生8名が選択をしています。選択した学生は、身内に認知症のある方がいらっしゃったり、認知症に興味がある学生です。   ▼きずなやで活動中の平井さんと一緒に記念写真     2022年6月30日(木)より、認知症ケアについての学修が始まりました。第1~3回目は学内での講義です。学生も教員も初めてであり、緊張の中で講義が始まりました。   認知症ケアの原則、診断治療について、山崎教授が講義をして下さいました。また当時者本人、家族の思いについてまほろば倶楽部代表の平井さんが、認知症施策である若年性認知症サポートセンターの仕組みについてきずなや代表の若野さんが、それぞれオンラインで講義をして下さいました。   平井さんは若年性認知症を発症され、ご自身で若年性認知症のある人のサポート、啓発活動をされています。若年性認知症と診断されてから今までの経過をご自身の体験を含めた内容で、きずなやからオンライン配信し、活動中の様子も見学することができました。   若野さんは、若年認知症サポートセンターきずなやの活動内容、支援について他職種との連携や取り組み、地域支援の課題について具体的な内容を講義してくださいました。専門用語も多く難しい内容でしたが、学生は熱心に聞いていました。   また山崎先生からは、日本の認知症ケアについての経緯、現状、今後どうあるべきか、そして学生が看護師になった時に、認知症のある方に提供する看護や支援への在り方について期待や希望を込めた講義内容でもあり、本日の学習が、今後の学生への学習意欲や認知症のある人への思いや考え方に大きな影響を与え、認知症のある人を正しく理解した看護ができる看護師への成長へ繋がっていくのだと思いました。   また認知症ケア論では、畿央大学の先輩方から、オレンジプロジェクトについて紹介がありました。「認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献するための認知症啓発運動」については、当事者の方と地域の方との連携や紙芝居の活動内容について説明があり、オレンジプロジェクトの活動参加について、呼びかけをされていました。   ▼先輩からのオレンジプロジェクトの説明     また本日のアンケートでは認知症のある人のイメージを物忘れする人、自分自身がわからなくなる、道がわからなくなる、同じことを何度も言う、ネガティブになるなどのイメージの表現をしていましたが、これからのフィールドワークでどのように変化していくか楽しみです。また机上での学習と比較し、学びを深めていけると良いですね。頑張ってください!   看護医療学科 助教 杉本 多加子   【関連記事】 摂食嚥下障害看護認定看護師の講師を招いて 「高齢者の摂食・嚥下のための看護」演習を行いました!~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」|KIO Smile Blog 「最期のときに、心をこめて。」エンゼルケアの演習を実施しました ~看護医療学科「終末期ケア論」|KIO Smile Blog 対面とZoomで「七夕交流会」を開催!~Orange Project®畿央大学|KIO Smile Blog 第1回エコマミ公開講座に山崎教授と学生が協力!~Orange Project®畿央大学|KIO Smile Blog  

2022.07.12

摂食嚥下障害看護認定看護師の講師を招いて 「高齢者の摂食・嚥下のための看護」演習を行いました!~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」

看護医療学科3年次配当「老年看護学援助論Ⅱ」では、2022年7月7日(木)1・2限目に“摂食・嚥下障害看護認定看護師”の伊藤美和先生をお迎えし、「高齢者の摂食・嚥下のための看護」についての演習を行いました。   ▼授業の様子     高齢者が食事をいかにおいしく、自分の力で食べるかということは、生活の質を高めるために必要です。しかし、加齢とともに摂食・嚥下機能も低下するため、もてる力をいかに上手に、安全に活かしていくかが大切です。   授業ではまず、口腔内の観察、残された歯の維持や、入れ歯を正しく使用し、清潔にするためのケア、口腔ケアを実施する時に使用する物品を確認しました。また、摂食嚥下機能の評価として反復唾液嚥下テスト(30秒間唾液の飲み込みを繰り返すテスト)や頸部聴診法(聴診器を使って呼吸音や飲み込み音を観察する方法)を学生同士で行ないました。   コロナ禍でマスク・フェースシールド・手袋を着けての演習でしたが、学生は会話を避けつつ熱心に触診・聴診を用いた観察を行っていました。     ▼嚥下機能検査の演習シーン       また、とろみ剤を用いたとろみテストも行いました。臨床では嚥下機能に衰えがある高齢者に対し、誤飲を防止するため水分にとろみをつけることがあります。演習では、それぞれ濃度や違う溶解液でとろみ剤を溶かし、固さや、とろみ具合を確認しました。また時間の経過により固さが変化しいく状態や、とろみ剤を追加することでの変化を確認しました(追いとろみの体験)。実際に臨床で作成する際には、摂取する対象者のことを考えて作成してほしいです。使用する場面を想起しながら演習することができたでしょうか?     ▼とろみ剤の準備と、とろみ剤を溶解中の伊藤先生         看護医療学科では、8月の老年看護学施設実習を皮切りに、領域実習が始まります。演習で学んだ内容を活かして、対象者の状態をしっかり観察し、適切なアセスメントができるようになってほしいです。そして、対象者の想いに寄り添った看護ができるよう私達もサポートしていきます。一緒に素晴らしい臨地実習にしていきましょうね。   最後になりましたが、遠方からお越しいただき、たくさんの貴重な講義・演習を通して高齢者の嚥下についてわかりやすくご教授いただいた伊藤先生に深く感謝申し上げます。     看護医療学科 助教 島岡昌代     【関連記事】 「最期のときに、心をこめて。」エンゼルケアの演習を実施しました ~看護医療学科「終末期ケア論」 母性看護学で学生アシスタント制度を導入した新しい取り組みを開始!~看護医療学科 「第15回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 「離島・へき地医療体験実習」発表会を開催しました!~看護医療学科

2022.07.09

神戸ファッション美術館で「宝塚歌劇」の衣装を体感!~人間環境デザイン学科「服飾史」

2022年4月6日(土)~6月12日(日)まで神戸市「神戸ファッション美術館」で開催されている「華麗なる宝塚歌劇~衣装の世界~」にて「服飾史」を受講している人間環境デザイン学科アパレル・造形コース3回生が衣装のデザインや装飾、歴史について学びました。         神戸ファッション美術館開館25周年記念として開催された「華麗なる宝塚歌劇~衣装の世界~」には普段間近で見ることはできない宝塚歌劇の実際に使用された衣装がたくさん展示されており、煌びやかな衣装の細部やデザイン画などを見ることができ、とても貴重な経験をすることが出来ました。     資料室では港町であった神戸の歴史ある装飾品やそこに訪れる海兵が実際に着ていたユニフォームを直接触れて見学することが出来ました。また、テキスタイルの原画など学生たちが授業で行っていることと照らし合わせながら見学することもでき、とても勉強になりました。         【参加した学生の感想】   資料館で生地の下絵を見たときに、実際に織られたものや印刷されたものを見て、それぞれで雰囲気が全く違っていることに面白さを感じました。一番印象に残ったのは、特別に案内していただいた資料室での講義です。あまり近くで見ることのない海兵さんのユニフォームや、和服のデザインなどを実際に見て学ぶことができました。凝ったものや綺麗なものが多く、自分の衣服に対する引き出しが増えました。         資料室に保管されていた子ども服のデザインは、神戸にある美術館らしいマリン服のものが多く、とても可愛かったです。展示されていた衣装の中では、2013年の「風と共に去りぬ」で任田幾英さんと小西松茂さんがデザインしたドレスが印象に残りました。様々なデザイン案を目にする事ができ、衣装や宝塚の事だけでなく、緻密に設計されたデザインや大胆な配色を見て色々な刺激を受けることが出来ました。   宝塚歌劇の世界はスパンコールや装飾のディティールまですごくこだわりがあって、魅力的な世界でした。舞台の映像や写真では見えない細かいところまで見ることができて嬉しかったです。赤・黒・金のスパンコールで輝いた衣装が最も印象的でした。実際に宝塚の衣装を間近で見て、細かい装飾まで見ることができました。とても楽しめました。     今回の見学で普段学校では学ぶことのできない知識や、見ること・触れることのできない作品を知ることができ、見聞を広めることが出来ました。この経験を活かし今後の制作活動に励みたいと思います。     人間環境デザイン学科 3回生 平田晴輝       神戸ファッション美術館の皆様、貴重な機会をありがとうございました。服飾後半の授業では、日本服飾史・下着の変遷について学びます。西洋の文化との違いや共通点、現代の私達にどのように繋がっているのか、お話を聞くのが楽しみです。   人間環境デザイン学科 助手 小松智菜美   【関連記事】   「アパレル構成実習Ⅲ」授業レポート~人間環境デザイン学科  

2022.07.08

対面とZoomで「七夕交流会」を開催!~Orange Project®畿央大学

Orange Project®とは、熊本県(熊本大学・熊本保健大学・崇城大学)と奈良県(畿央大学)を中心に活動している認知症啓発のための学生ボランティア団体で、“認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献する”をコンセプトに、認知症啓発運動を行っている学生を中心とした団体です。2020年には、ロゴやマークが商標登録されました。 認知症になってもやさしい町づくりなどに、学生主体に取り組み始めました。そして「認知症にやさしい広陵町、認知症に強い畿央大学」となることを目的に2019年9月にサークルとして発足しています。 2022年7月7日(水)15時から、対面と zoomで「七夕交流会」を行いました。   この交流会の取り組みはコロナの影響で実施できずにいましたが、今回開催が実現して仲間とともに楽しい時間を過ごすことができしました。参加者は学生10人に加えて、「認知症の人と家族の会」奈良県支部の正楽忠司さんと、広島県の「たぬき倶楽部」代表の竹内裕さんにzoomで参加をいただきました。     はじめにアイスブレイクとして自己紹介を行ない、夏にやりたいことや最近良かったことなどを各自話しました。そして、和やかな雰囲気になったところで、今日は七夕ということで短冊に願いを書きました。認知症の母のことを気遣う内容などももちろんありましたが、中には「彼女がほしい」とか「単位落としませんように…」という願いも書かれており、みんな大爆笑で、和やかな雰囲気となりました!         最後に笹の葉に短冊をつけてみんなで記念撮影をしました。「コロナが終息したら学外の皆さんも含めて対面での活動を行いたいね」という希望も出されました。     とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。みなさん、ありがとうございました。 これからも畿央大学のオレンジプロジェクトをよろしくお願いします!     最後になりましたが、笹を提供いただいた近所のおじさま、誠にありがとうございました。     看護医療学科2回生 中川あみり       【関連記事】 第1回エコマミ公開講座に山崎教授と学生が協力!~Orange Project®畿央大学 畿央大学看護実践研究センター第7回研修会 「地域で・笑顔で 生きるとは」を開催しました。 認知症啓発のための「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」活動報告!~Orange Project®畿央大学 「2021年度Orange Project®記念式典」で学生3名が功労賞を受賞! 広陵中学校の認知症サポーター養成講座にリモートで協力!~Orange Project®畿央大学 多世代まちづくりプロジェクト2021コンペティション、2年連続で「参加者賞」に!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」 広陵町図書館での認知症啓発活動に参加!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」

2022.07.02

「最期のときに、心をこめて。」エンゼルケアの演習を実施しました ~看護医療学科「終末期ケア論」

「終末期ケア論」は、看護医療学科3年前期に必修科目として開講しています。 この授業では、人生の終末期を迎えた対象の心理過程や、がん終末期の身体症状とそれに対する緩和ケアについて、また、死が迫った対象とのコミュニケーション、家族や遺族へのケアなど多彩な内容を取り上げています。 高齢化に伴う多死社会を迎えるわが国において求められる「死にゆく対象への理解」を深め、適切な援助技術を習得することをめざした授業構成としています。今回は、臨終の看護のプログラムであるエンゼルケアの演習についてレポートします。 エンゼルケアは、逝去時に身体や頭髪をきれいに整え、故人の生前の表情や血色に近いメイクを施し、「旅立ちにむけた整え」を行うことを指しています。 エンゼルケアには、ご遺体からの感染予防や整容という目的のみならず、「故人のこれまでに敬意を払う」「ご遺族への哀しみに対するケア」という重要な意味があります。 そのうち今回の授業では、闘病による苦しみから解放された方の表情を柔らかくするためのマッサージや汚れを除去し血色の良いお顔になっていただくためのエンゼルメイクを実施しました。   ▲メイクに不慣れな男子学生も丁寧にマッサージします   履修している学生の中で、身近な人が息をひきとる瞬間に立ち会った者は1人もいないという背景でしたが、4月からの授業で「死」について前向きに学修してきたことで、ご遺体をイメージしたケアにも真摯に取り組むことができました。   ▲生前の表情により近いメイクを心がけます     使用しているモデル人形は、少し肌が黄色くなっているものや、赤味がかかったものなどありましたが、グループ毎に穏やかで苦痛から解放された表情を意識した色味を選んでメイクを施しました。眉を描くことでその人らしさが感じられ、頬に色を入れること色がよくなる様子が、学生のメイクから伝わってきました。       グループによっては、顎や耳たぶに少し赤味を入れて穏やかな表情を創ったり生き返ったような唇を再現できていました。   ▲メイクをしたモデル人形をグループ毎にお披露目する様子   終末期ケア論の授業は、金曜日の1限に行っています。 朝から「死」についてのテーマや治癒が望めない状況にある対象へのケアについて学ぶことは、学生たちへの負担感が大きいのではないかと懸念していましたが、実習を控えた3年生たちは、「いのちと看護」について、自分たちの考えを巡らせることができています。 授業の中で行うディスカッションにおいても「自分の言葉で丁寧に考えを伝える」姿が見られるようになってきました。   この演習を終えて、 「いのちの終わりに関われることは、何かのご縁なので大切にケアしたい。」 「最期のときに、この看護師さんに関わってもらえてよかったと家族に思ってもらえるケアをしたい」と自身が経験したこと、授業で得た学びを紡ぎながら死生観や看護観を構築してくれています。 「最期の数時間に起こったことは、残された者の記憶に留まりつづける」といわれているように、お別れの時に穏やかな表情で送ることは、遺族ケアの第一段階であることを学生と共有できた貴重な演習となりました。   健康科学部 看護医療学科 准教授 對中 百合 講師 大友 絵利香   【関連記事】 逝去時の看護を学ぶ-エンゼルケア演習 ~看護医療学科「終末期ケア論」 看取りを体験した遺族に対する看護の課題~看護医療学科「終末期ケア論」 第15回 奈良県認知症ケア専門士会オンラインセミナー「〜コロナ時代におけるこれからの看取り〜」参加者レポート~看護医療学科 国保中央病院「緩和ケアホーム飛鳥」での見学実習!~看護医療学科「終末期ケア論」

2022.06.29

第1回エコマミ公開講座に山崎教授と学生が協力!~Orange Project®畿央大学

Orange Project®とは、熊本県(熊本大学・熊本保健大学・崇城大学)と奈良県(畿央大学)を中心に活動している認知症啓発のための学生ボランティア団体で、“認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献する”をコンセプトに、認知症啓発運動を行っている学生を中心とした団体です。2020年には、ロゴやマークが商標登録されました。 畿央大学の卒業生たちは2019年から、在学中に熊本大学・熊本保健大学・崇城大学と共に、Orange Project®(認知症支援プロジェクト)に参画し、認知症になってもやさしい町づくりなどに、学生主体に取り組み始めました。そして「認知症にやさしい広陵町、認知症に強い畿央大学」となることを目的に2019年9月にサークルとして発足しています。 ▲写真左から(香芝市 企画部 部長 福森るり様、株式会社関西都市居住サービス 総合企画本部長 後藤浩様、畿央大学 看護医療学科 教授 山崎 尚美、広陵町 企画部 部長 奥田育裕様)         2022年6月26日(日)に、広陵町にあるエコール・マミにおいて『第1回エコマミ公開講座2022』が開催されました。広陵町・香芝市に住む約50名の方々にご参加いただき、Orange Project®の顧問である山崎教授が「もう怖がらなくていい認知症の話~自分らしく認知症とともに生きる~」というテーマのもと、参加者の方が持たれている認知症に対するイメージや認知症の症状・治療、早期発見の重要性について講義を行いました。講義中は、参加者の皆さんが熱心に資料をみたりメモを取ったりする姿を拝見し、認知症に対する関心は大きいのだと再認識しました。     ▲山崎教授講演の様子     ▲参加者の質問に答える山崎教授     講義の中で、オレンジプロジェクトの学生がサークルの概要や現在活動を広げている紙芝居について紹介させていただきました。学生は、コロナ禍になってから人前で実際に発表することが初めてで、非常に緊張していましたが、発表後は参加者から学生に対して「頑張ってね」や「よかったよ」というお声がけもいただき、とても嬉しく思ったと同時に、このような貴重な機会をいただけたことに感謝いたします。     ▲Orange Project®より紙芝居の紹介     また、畿央大学と広陵町が共同で開発した認知機能を知ることができるアプリ「きおトレ」アプリの紹介もされました。終了時間が迫っていたこともあり「きおトレ」アプリについては詳しく説明できなかったのが非常に残念でしたが、多くの参加者が興味・関心を持たれていました。     ▲「きおトレ」アプリに入力される参加者     以前から畿央大学OrangeProject®では、認知症カフェの実施や「きおトレ」アプリの体験を行っていたのですが、新型コロナウイルス蔓延の影響により活動が難しくなっていました。認知症カフェとは、認知症の方とその家族の方が集まることのできるカフェです。利用者を限定していないため、地域の住民など、大人から子どもまで誰でも参加できます。   今後、感染状況もみながら感染症対策を万全に実施し、認知症カフェも開催していきたいと思いますし、その際には少しでも多くの方に参加いただき、「きおトレ」アプリにも触れていただきたいと強く思いました!今回ご参加いただいた住民の皆様にも感謝申し上げます。         *撮影時のみマスクを外しています。     畿央大学Orange Project®に興味がある方は、ぜひご連絡、ご参加ください!     看護医療学科 4回生 谷﨑 華穂     【関連記事】 畿央大学看護実践研究センター第7回研修会 「地域で・笑顔で 生きるとは」を開催しました。 認知症啓発のための「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」活動報告!~Orange Project®畿央大学 「2021年度Orange Project®記念式典」で学生3名が功労賞を受賞! 広陵中学校の認知症サポーター養成講座にリモートで協力!~Orange Project®畿央大学 多世代まちづくりプロジェクト2021コンペティション、2年連続で「参加者賞」に!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」 広陵町図書館での認知症啓発活動に参加!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」  

2022.06.22

畿央大学看護実践研究センター第7回研修会 「地域で・笑顔で 生きるとは」を開催しました。

2022年6月19日(日)13:30から、看護実践研究センター 認知症部門主催(センター長:山崎教授)で、第7回 研修会「地域で・笑顔で 生きるとは」がオンラインで開催されました。この研修会は、奈良県認知症ケア専門士会との共催で行われ、およそ30人の方が参加しました。           前半の講師は、認知症の当事者たちを支援する「たぬき俱楽部」代表で、日本認知症本人ワーキンググループメンバーの竹内 裕 氏でした。竹内氏はご自身も若年性認知症と診断された経験から、当事者目線での様々な活動や講演会を積極的に行っておられ、畿央大学の認知症ケアサークルOrangeProjectにも関わってくださっています。   前半は竹内氏と山崎教授の対談で行われました。参加者の方から、「コロナ禍で認知症高齢者の方の介護を配偶者が1人で抱え込んでしまい、認知症が進行してから相談に来られるケースが増えている。その状態が続くとご家族が疲弊してしまうため公的サービスを使っていただきたいが、当事者の意思もありなかなかサービス利用につながらない。」というお話がありました。コロナ禍で外からの情報があまり入らずにずっとご夫婦のみで生活していると共依存の状態となり、新たな刺激を望まなくなるため、当事者やご家族が行きたいと思える場所が増えるといいという意見から、当事者やご家族に認知症カフェやサロンなどを知っていただき、一緒に出掛けようと思っていただくことが必要だとわかりました。竹内氏は、「一緒に出掛けたいと思える場所とは、当事者がやりたいことをやれる場所であり、それを見つけるためにはまず自分がしたいことを伝える。皆さんには、相手と同じ目線で伝えるということを身につけてほしい」と仰っていました。     ▲オンラインセミナーご参加のみなさん1(写真掲載の承諾を得ています)     ちなみに、たぬき俱楽部ではランチカフェやソフトボール、夜の町内会など様々な催しを実費制(自己責任)で行っておられたそうです。ランチカフェに関わる人は民生委員やボランティアで、win-winな関係だから続けることができると仰っていました。地域の方がこうした活動に参加されるのは理解者を増やし、地域の交流を深め、また情報発信源として活躍してくださることで、認知症の人とご家族が暮らしやすいまちづくりにつながっていると感じました。   また、山崎教授は、コロナ禍で制限がかかる状態に慣れてきているが、認知症ケアを行う人は何に対してもコロナ禍のせいにして活動を縮小するのではなく、向き合えるようにお願いしたいと話しておられ、コロナ禍でもできる支援を考え、地域に合わせた方法で実践していくことが必要だと考えました。   ▲オンラインセミナー参加のみなさん2(写真掲載の承諾を得ています)     後半は、「アフターコロナにおける職員のメンタルヘルスケア」と題してグループワークとミニ講義が行われました。グループワークは、コロナ禍において、面会制限や勤務体制の交換などでストレスに感じていることや不安などを吐露する目的で行いました。 グループの中では、認知症啓発活動について、専門職の話よりご本人の話の方が届くので、若年性認知症の方の講演会を企画しているという話や、病院勤務の看護師さんが体験した検査や手術などの際の認知症の方に対する対応について話し合いました。 他のグループでは、施設に入居するとコロナ禍で面会ができないため、入所をためらっている方も多いとの話も出ました。長引くコロナ禍の影響で、認知症ケアの現場にも様々な影響が出ている現状を直に伺い、withコロナ時代において認知症の人とご家族が安心して暮らせるために、認知症に対する正しい知識の普及とお一人おひとりの想いに寄り添ったきめ細やかな対応が必要だと改めて実感しました。   また、グループワークの後、看護実践研究センター 認知症部門の上仲准教授がストレスマネジメントの方法として「言葉の花束交換」についてミニ講義をされました。人は「~ねばならない・~であってほしい」という願望(イラショナル・ビリーフ)を使いがちですが、これは事実に基づいておらず気持ちを惨めにするため、事実に基づいた論理性のある言葉(ラショナル・ビリーフ)「~であるにこしたことはない」という言葉に置き換えると気持ちが楽になるという方法です。自分の短所の見方を変える-私も日々落ち込むことが多いので、ぜひ実践してみます。最後に大きな花束をプレゼントしていただいた気分になりました。   今回の研修会で認知症ケアにもコロナ禍の影響がどのように起こっているのかがわかり地域で支えることの重要性を再認識しました。これらを、認知症ケアを学ぶ学生たちに伝えていこうと思います。     看護医療学科  助教 島岡昌代     【関連記事】 第4回看護医療学科卒後教育研修会「看護における臨床判断」を開催しました。  6/26(日)第1回 エコマミ公開講座で看護医療学科 山崎教授が講演を担当します。 2/1(火)「高齢者住まい看取り研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター 2/21(月)「発達障害の一人称体験オンライン研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター 第3回卒後教育研修会「コロナ禍の看護の現状~やさしさをチカラに変える 現場の声から~」を開催しました。 看護実践研究センター第5回研修会「コロナ禍における認知症ケア」を開催しました。 「VR認知症一人称体験オンラインセミナー」を開催しました~看護実践研究センター                  

2022.06.20

広陵町商工会主催「くつしたの町 歩こう会」に学生2名が協力!~人間環境デザイン学科 清水ゼミ

人間環境デザイン学科 4回生 清水ゼミの植山真智と松村理菜です。 私たちは、令和4年5月15日(日)に行われた、広陵町商工会青年部主催の「くつしたの町 歩こう会」に企画の段階から協力させていただきました。   大学のある広陵町は「くつしたの町」として、日本一の靴下生産量を誇る町ですが、生活形態の変化や就職先の多様化の影響で、子ども達が靴下産業に親しむ機会が失われてしまいました。そこで、「広陵町の靴下をもっと子どもたちに知ってもらいたい!」という思いで企画されました。   参加者は、イズミヤスーパーセンター広陵店から出発し、町内の靴下工場3軒を歩いてめぐり 、様々な体験を通じて靴下産業に触れていただきます。ゴールした時には、「くつしたの町」に住んでいるという郷土意識を持ってもらえることをめざしました。   お話を伺ったのは今年の2月頃のこと。昨年12月に私たちが企画実施した「竹馬★クイズラリー」を知った、広陵町商工会青年部の皆さまより、イベントの一部の企画運営のお手伝いのご依頼をいただきました。 私たちが担当したのは、靴下工場「ヤマヤ株式会社」のイベントの企画運営と、歩こう会のゴールでお渡しする、参加者アンケートの作成及び分析です。4月から商工会の方々とオンライン会議を重ね、イベントやアンケートの内容を決定しました。     ▼オンライン会議の様子     イベント当日。靴下工場「ヤマヤ株式会社」に到着した子どもたちは、まず、野村社長から広陵町とくつ下の歴史を学びました。その後、予備知識をつけた状態で、私たちのクイズイベントに参加してもらいました。 私たちが企画したイベントは、『くつしたペアリング・クイズ』です。 広陵町内で生産された種類豊富な靴下の山を前に、スクリーンに映し出された靴下に関する数々のクイズにチャレンジしました。     ▼広陵町でつくられた靴下       子どもたちは、「回答Aと思った人は赤色の靴下を、回答Bと思った人は黄色の靴下を・・・」と色や柄の指示を受けて、バラバラになった靴下の山からペアの靴下を探し出しクイズを解いてもらいました。 付き添いの大人の方々も一緒に、靴下のペアを探すのに苦労しながらも、真剣にゲームに参加し、クイズを通じて靴下に関する様々な理解を深めてもらうことが出来ました。クイズ終了後は、景品として広陵町で作られている靴下をプレゼント! 子どもたちもとても喜んでくれました。     ▼ゲームの様子。子どもたちも楽しんでくれました!       換気や手指消毒など、感染症対策に配慮して実施した、今回のイベントでしたが、アンケート結果からは、他の工場でも、靴下に関する様々な体験を通じて、「くつしたの町」広陵町を目一杯楽しんでくれたようです。自由記述欄は子どもたちの笑顔があふれたコメントで埋め尽くされていました。保護者の皆さんからの回答からも充実した1日だったことがわかりました。「今度は、イベントのお手伝い側に回りたい」や、「大人向けのイベントも行ってほしい」など、次につながる様々なアイデアもいただきました。   イベントの最後に、今回、このような楽しい企画にお声かけをいただいた商工会青年部の皆さんと記念撮影を行いました。今後も、たくさんの地域の輪が広がることを願っています。   最後になりましたが、「歩こう会」に参加していただいた地域の皆様、ヤマヤ株式会社様、そして、商工会青年部の皆様に、心より感謝申し上げます。     ▼広陵町商工会青年部の皆さんとスーパーセンターイズミヤ広陵店『ミニ機関車の乗車体験会』会場にて     人間環境デザイン学科4回生 植山真智、松村理菜     【関連記事】 【広陵町×河合町】小学生を対象とした「竹馬★クイズラリー」を実施しました!~人間環境デザイン学科清水ゼミ 大和高田『きらきら☆ステーション』完成までの道のり~人間環境デザイン学科プロジェクトゼミ 広陵北小学校と連携してまちづくり調査!vol.3~人間環境デザイン学科清水ゼミ 広陵北小学校と連携してまちづくり調査! vol.2~人間環境デザイン学科清水ゼミ 広陵北小学校と連携してまちづくり調査!vol.1~人間環境デザイン学科清水ゼミ 竹取公園ツリーハウス『みんなのひみつきち』披露式典~人間環境デザイン学科プロジェクトゼミ~

2022.06.16

修了生の幾嶋祥子さんと冬木正紀准教授の発明が特許を取得しました~健康科学研究科

大学院健康科学研究科の修了生である幾嶋祥子さん(修士(健康科学))と冬木正紀准教授が発明した乳汁分泌を促進する装置により、冬木学園が特許権を取得しました。この発明は、幾嶋さんの修士研究および本学の次世代研究開発プロジェクト(萌芽的研究)の成果であり、母乳育児を支援する発明です。     特許第7076079号 「乳汁分泌促進器」   幾嶋さんと冬木准教授からのコメント 本発明では、熟練助産師と同等の乳汁分泌促進マッサージを行える軽量でハンズフリーな人工筋肉リングを発明しました。 わが国では妊婦の約9割が母乳哺育を希望していますが、生後1ヶ月時点での母乳哺育率は5割に留まっています。このギャップは、母乳哺育を確立するまでに生じる様々な困難に起因しています。乳汁分泌促進は、産後早期から頻回に継続的に行うことが重要ですが、産後の母親は心身ともに非常に敏感で、乳汁分泌促進を含めたセルフケアを行うことは容易ではありません。 乳汁分泌促進を助けるツールとして、入院中は吸引式の電動搾乳器がありますが、家庭で使える程にはコンパクトではなく、また、使用時には手で持つ必要があるため、吸引式の電動搾乳器は、家庭で乳児の養育等に忙しい母親が継続的に使用するのは難しいです。 そこで、我々はハンズフリーで使用できる乳汁分泌促進用マッサージ器を発明しました。   下記の本発明の写真をご覧下さい。ウレタン製の3つの軟突起が付いた黒い人工筋肉リングが、滑りにくく通気性の良いウレタン製のメッシュ状固定パッドにより、搾乳トレーニングモデルの乳房に固定されています。写真下部の透明なチューブを通して人工筋肉リングに数気圧の圧縮ガスを給排すると、リングの内径が縮小拡大し、その動きに合わせて、リングの内側に取り付けた軟突起が助産師の指の様に乳房内部の乳管集約部を刺激します。     ▲:本発明の写真   そして、本発明が模倣している熟練助産師の手技の例を下記に示します。(株)MCP製の搾乳トレーニングモデルMC009を用いた熟練助産師の手技との比較実験では、仰臥位と立位に相当する平置きと縦置きの状態の同モデルにおいて、本発明により熟練助産師の手技と同程度量の模擬乳汁の漏出が確認されました。   ▲:本発明が模倣している熟練助産師の手技   本発明は母親が家庭内で日常的に使用することを想定したものですが、病院への適用も望まれます。今後は褥婦の方達によるモニタリングを行い、開発を進める予定です。       【関連記事】 イベントプログラム「これからも『ひと』と『ロボット』は共存できるのか」を開催! 健康科学研究科の庄本康治教授と冬木正紀准教授の発明が特許を取得しました。 冬木特任准教授らの光分解反応に関する洋書が出版されました~教育学習基盤センター 冬木特任准教授の発明が新たに特許を取得しました~教育学習基盤センター 教育学習基盤センター