2023.10.18
生活期リハビリテーションにおける理学療法士の役割と働き方~理学療法学科 第9回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」
最前線で活躍する卒業生が講演!
第9回テーマは「生活期リハビリテーションにおける理学療法士の役割と働き方」
理学療法学科では昨年度から新たに「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催しています。
リーダーシップをもった次世代の理学療法士育成を目的にし、臨床現場はもちろん、スポーツ現場や地域リハ、教育機関など幅広い分野の第一線で活躍する卒業生がその魅力や想いを後輩のためだけに語ります。在学生にとっては入学後早期から職業理解を深め、自らのキャリアを考えることやモチベーション向上へとつなげる絶好の機会になります。
他大学に先駆けて理学療法学科を開設した畿央大学にしかできない先進的な取り組みです。
今年度は、第7回の佐藤 秀幸さん(4期生/甲南医療センター)、第8回田津原 佑介さん(3期生/貴志川リハビリテーション病院)に続き、今年度3回目となる第9回は木村 圭佑さん(7期生/(株)アールイーコンセプト 事業部長)を講師に迎え、「生活期リハビリテーションにおける理学療法士の役割と働き方」をテーマに講演いただきました。木村さんは卒業後、大阪狭山市にあるさくら会病院で理学療法士として急性期・回復期・外来リハを経験。病院でのリハビリを終えた方の生活や入院を繰り返す方の再発防止ができないかという問題意識から生活期リハビリや、予防領域への興味を持つようになり、生活期領域に関わる(株)アールイーコンセプトに入社。現在は事業部長として社内全体を統括されています。
講演では、「地域住民の医療・介護・健康づくりの拠点となる、かかりつけヘルスケアコミュティを創造する企業」という企業理念のもと、フレイル予防プロジェクト、要支援・事業対象者向けデイサービス、要介護者向けデイサービス、訪問看護ステーションという4つの事業を説明いただきました。
説明の中で、加齢、病気、ケガなど心身の状態が変わる中、継続的にかかわる為には、その状態に合った受け皿を作ることが必要とし、現在事業を複数展開していること、利用し続けてもらうためにも、もらって嬉しい計画書づくりや、コミュニケーションをとれる機会を増やす為に、データ管理やトレーニングメニュー作成を簡略化することなど、利用者の視点に立った取り組みが端々に見受けられたように感じました。
講演後の質疑応答では、1回生だけでなく、学外実習を終えた4回生からも質問があり、それぞれの疑問に対して、丁寧にご対応いただきました。
講演後も質問に来る学生の姿があり、在学生の為に時間を割いていただきありがとうございました。
木村さんから後輩の皆さんへのメッセージ
セミナーに参加してくださった皆様、遅い時間にも関わらずありがとうございました。セミナーの冒頭で皆様にお尋ねした「生活期リハビリテーションのイメージ」と、セミナーを終えてからのイメージは変わりましたか?
今回セミナー後にいただいた質問に「デイサービスや訪問サービスをなかなか卒業できない場合どうするのか?」というものがありました。確かにサービスを利用しなくても生活が安定していれば、利用終了することは可能かもしれません。ですが、利用終了した後その方はどう過ごすのでしょうか?デイサービスに行かなくなったものの、その後運動せず閉じこもってしまえば、また体が弱ってしまいます。私が、生活期リハビリテーションで大事にしているのは、その人のその時に応じた受け皿を提供し、安心して自分らしい生活を送っていただくことです。今回のセミナーでもその部分を一番伝えたいと思い、お話しさせていただきました。その時に応じた受け皿を提供するために、理学療法士として、適切な評価や治療を行うスキルを磨くことはもちろん大切ですが、評価や治療の手前で、その人としっかり話をして、信頼関係を築くことはもっと大切なことだと思います。
理学療法士を目指す皆様には、これからさまざまな壁や困難があるかと思います。しんどくなることも、疲れてしまうこともあるかと思います。知識を深めるために勉強すること、適切な評価や治療のために技術練習をすることは、大切ですが大変なことです。大変な思いをしてまで何のために勉強し、技術を磨くのでしょうか?その本質は、担当する方に信頼してもらうこと、喜んでもらうことではないでしょうか。知識、技術を高めることが最終目標ではなく、その先にある担当患者様、利用者様との信頼関係や、喜んでいただくことを目標にすれば、大変なときも踏ん張れるのではないかと思います。理学療法士を目指した初心を忘れず、卒業までの大切な時間を過ごしていただき、また理学療法士として一緒にお仕事ができれば幸いです。
次回は11月29日(水)18:00〜19:30、小森 清伸さん(7期生/堺市立総合医療センター)を講師に迎え「理学療法士としての目覚め」をテーマに講演いただきます。
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