2024.07.09
「当事者主体で環境改善を目指す!」フィールドワークで学びを深めました~看護医療学科「認知症ケア論」vol.3
看護医療学科では1・2回生の選択科目として「認知症ケア論」があります。「認知症」に対する理解を深め、学生が社会の一員として正しい知識を備え、主体的に行動していく基盤を作ることが目的で、1回生の21名が受講しています。
今回の認知症ケア論のフィールドワークでは「一般社団法人 SPSラボ若年認知症サポートセンターきずなや」を訪ねました。「(通称)きずなや」とは、2009年に地域で孤立する若年性認知症の人と家族に対して居場所や活動拠点をつくる目的でスタートした奈良市大和田町にある民間施設です。現在は、若年性認知症の人や若者達の孤立・孤独な環境を当事者主体で改善していくことをサポートするための、社会環境調整と具体的アクションの後方支援を目的に活動されています。
令和6年6月29日(土)、前日まで雨天が続き心配しましたが、当日は雨もあがり、どちらかというと蒸し暑い日になりました。バス停からの上り坂が続くため、学生達が無事に到着するか心配しましたが、学生達は元気いっぱいで安心しました。
学生達にとって、センター代表の若野 達也氏やピアサポーターの平井 正明氏にお会いするのは2回目。
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初めての場所に来る緊張感もありましたが、元々民家だったお家を利用している施設のため、実家に帰ってきたような安心感を覚える、窓に広がる緑いっぱいの風景に囲まれるお部屋で若野氏のお話が始まりました。学生達は、若野氏が専門職を目指したきっかけや「きずなや」や「グループホーム(若野氏がきずなやの前に立ち上げた施設)」を始める経緯、活動を続ける中で若年性認知症だけでなく、若者世代の感じている生きづらさなどの課題に向かう姿勢などのお話を真剣に聞いていました。
今回は、追分(おいわけ)梅林やキャンプ場などの見学もさせていただきました。きすなやでは「認知症の人が働ける場所」として奈良市の追分梅林を後世に残そうと認知症の人や地元の方と活動しています。
▼自分たちで選んだお弁当を美味しくいただきました。
▼お昼からは、ピアサポーターの平井氏のお話とグループワークで学びを深めました。
4月から始まった「認知症ケア論」も12回目になりました。講義やフィールドワークを通して、そろそろ自己の課題を見つけることはできましたか。「認知症フレンドリー社会」を目指してこれからも、たくさんの人との出逢いを大切にして、つながっていきましょうね。
次は、まとめの発表会や森ノ宮医療大学で開催されるシンポジウムに参加します。あと少し一緒に頑張りましょうね。
参加学生の感想
●マニュアルや教科書だけでなく、自分の目で確かめることが大切だと学ぶことができ、その人なりの暮らしを重視することが重要だと学んだ。
●今まで何となくのイメージしかもてなかった「私ができること」が具体的に考えられて、これから何を学べば良いのか、何をどうすれば対象者の役にたてるのか、ひとつの案のようなものを学ぶことができた。
看護医療学科 助教 伊藤 千春
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