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畿央の学びと研究
2021.08.11
4回生から3回生へ、ホスピスケアについて学びの伝達~看護医療学科「終末期ケア論」
「終末期ケア論」は、看護医療学科3回生前期の必修科目として開講しています。この授業では、がんで大切な家族を失った遺族の体験を聴く、がん終末期の対象の療養場所やそれぞれの場でのサポートを考えるなど、看護実践の場で終末期ケアを行う医療人として学びを深めることを目指した授業構成をしています。 その一つに、病院インターンシップ実習をホスピス・緩和ケア病棟で経験した4回生から、3回生に学びの紹介を行うという授業があります。 今回は、授業の様子を4年生の学生がレポートします。 4回生は、6月に2週間の病院インターンシップ実習を経験しています。今回は、COVID-19の影響を受けて、国保中央病院飛鳥で実習予定であった3名は、オンライン中心の実習となりましたが、終末期がんの患者さんとその家族、または遺族のケアについて事例を用いた場面設定を行い、ロールプレイやディスカッションを通して多くの学びを得ました。 ■国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥実習生から3回生へ 国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥でリモート実習をさせていただいたグループでは、「死のシミュレーション体験」を実施しました。「死のシミュレーション体験」とは、自分の大切なものを事前に14個抽出しておきます。今回は、喉にしこりがあることに気づいた時から受診、治療を行い、死を迎えるまでのストーリーを聴き、大切な局面で大切なものを一つずつ手放しながら、自身の最期を迎える疑似体験をしました。 ▲大切なものを一つずつ悩みながら手放す様子 「死のシミュレーション体験」は、私たちが実習中に、国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥の立ち上げ時から、数年間ホスピスで勤務をされた山崎優美代看護師(現:医療法人拓誠会 辻村病院医療介護統括室)からの講義を受けた際に経験させてもらったものです。 自分たちが、この経験で終末期患者さんのつらさに少しは近づくことができたと実感したため、この授業で3回生に紹介しました。3回生が少しでもリアルに体験してくれるよう、ストーリーも自分たちで工夫をして創り上げました。 実施後のグループ討議では、それぞれの3回生の学生がそれぞれの価値観に基づいて、喪失するものを選んだことを話し合ってくれました。このことから、患者さんにもそれぞれの価値観があるということが学べたと思います。また、たくさんの喪失体験をされる終末期の患者さんの大切なものを1つでも多く守ることができるように関わることも看護師としての重要な役割です。 短い時間ではありましたが、3回生の学生の心に何か一つでも学びや気づきがあり、それらを後期から始まる領域別実習に活かしてほしいと思います。また、看護の道をめざす人にとって、少しでも「看護師の在り方」「生と死」について考えるきっかけになれば嬉しいです。 ▲死のシミュレーション体験後に自分たちの思いを語り合う3回生 看護医療学科4回生 小柳明梨・山内蒼生・李美憂 ■市立東大阪医療センター緩和ケア病棟実習生から3回生へ 市立東大阪医療センターの緩和ケアで実習させて頂いたグループでは、一般病棟とは少し違った緩和ケア病棟の構造や特徴、実際に働く師長さんや、リーダー看護師の役割、コロナ禍の緩和ケア病棟、実習を受けての自分たちの看護観などについてお話させて頂きました。 常に患者さんの目標や思いを第1に考えている緩和ケア病棟で、人に寄り添うということの本質を学ばせて頂きました。またコロナウィルスによって患者さんは面会の制限や、季節のイベントの中止などの影響を受けています。このような状況の中で緩和ケア病棟の看護師さんは患者さんへの温かみのある関わりを常に考えられていました。これから領域別実習に臨まれる3回生の皆さんに、私たちが感じた診療の補助や療養の世話だけではない、患者さんに寄り添うという看護師の大切な役割を少しでも伝えることが出来ていれば嬉しいです。私たちも、3回生の皆さんの前でお話することで、これまでの学びをより深めることが出来ました。今後も自身の看護観について深く考えていきたいと思います。 ▲ディスカッションする3回生の学生に質問を投げかける様子 看護医療学科4回生 井藤舞咲・田渕結夏・外園舞 【関連記事】 逝去時の看護を学ぶ-エンゼルケア演習 ~看護医療学科「終末期ケア論」 看取りを体験した遺族に対する看護の課題~看護医療学科「終末期ケア論」
2021.08.10
小学生向けに「ストロートンボ」動画を公開!~2021年度「マミポコ・キッズ」前期第3回活動
こんにちは、マミポコ・キッズです! 私たち「マミポコ・キッズ」は、畿央大学に地域の子どもたちを招待して、様々な遊びを行ってきました。しかし、現在は新型コロナウイルスの影響により、対面での活動が難しい状況にあります。そこで、前回に引き続き子どもたちが何か楽しめることを遠隔で提供できないかと考え、子どもたちが1人あるいはお家の方と楽しめる遊び第3弾の動画配信を企画・制作しました。 今回の動画では、ストローを使った「ストロートンボ」を紹介しています。ストローや牛乳パックなど、家にあるもので簡単に作ることができます。飛ばし方のコツも詳しく説明しているので、ぜひ動画をご覧になってください! <準備・撮影の様子> ※感染対策を徹底したうえで、練習や準備作業をしています。 どんな動画に仕上がっているか、ぜひご覧ください! 次の配信に向けて楽しい動画を企画中ですので、お楽しみに! 子どもたちのたくさんの笑顔があふれる活動をめざして頑張ります! 今後とも、マミポコ・キッズをよろしくお願い致します。 現代教育学科3回生 御崎夢乃(ゆめ) 森美月 (みー) 【関連記事】 小学生向けに「でんでらりゅうば」動画を公開!~2021年度「マミポコ・キッズ」前期 第2回活動 小学生向けに「切り絵で遊ぼう」動画を公開!~2021年度「マミポコ・キッズ」前期 第1回活動
2021.08.06
東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#4~福本先生編
2020東京オリンピック・パラリンピックの理学療法サービス部門で「TOKYO2020MEDスタッフ」として奈良県から参加する4名はすべて本学理学療法学科の教員・卒業生・修了生で、選手村や競技場の救護室に配置されてアスリート支援を行っています。東京に出発する前に福本准教授に東京五輪への想いや意気込みを語っていただきました! 福本 貴彦先生 畿央大学理学療法学科/健康科学研究科 准教授 理学療法士(運動器専門理学療法士) オリンピック・パラリンピック:選手村総合診療所(伊豆分村、河口湖分村) ▼福本准教授(右から2番目) <福本准教授の社会活動> 奈良県理学療法士協会 スポーツメディカルサポート委員会 委員長 奈良県理学療法士協会 学校保健・特別支援担当委員会 委員長 奈良県教育委員会学校保健課題解決ワーキング会議構成員 講師 ー学校における運動器検診について実施要領などを選定 奈良県教育委員会運動部活動指導の工夫・改善支援事業 コンディショニング担当 ー依頼のあった学校の運動部でコンディショニング指導 ー自治体教育委員会からの依頼でスポーツテスト 斑鳩町教育委員会(中学生) 田原本町教育委員会(小学生・幼稚園児) 宇陀市教育委員会(幼稚園児) 三宅町教育委員会(幼稚園児) NPO奈良スポーツ育成選手を守る会 理事 ー奈良県下のスポーツ検診を実施 <メディカルサポート> 全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園大会) センバツ高等学校野球大会(春の甲子園大会) 奈良県高等学校野球連盟主催大会(春季・秋季近畿大会予選、夏大会予選) 奈良マラソン 鳥人間コンテスト(京都大学ShootingStars)パイロット指導 セレッソ大阪、ギラヴァンツ北九州、奈良クラブ、ポルベニル飛鳥、バンビシャス奈良などのサポートなど ▶(五輪前に)今思うことは? 本番を前にして、とにかく「感謝」の気持ちであふれています。 【感謝1】教育学部のムース先生へ 救命措置を含む応急処置、コンディショニング、テーピングなどの治療技術も多くの研修を受けてきましたが、やはり重要となるのは英会話でした。 組織委員会が準備してくれた英語教材を教育学部のムース先生に確認いただいたところ、ネイティブの表現と違うところを指摘していただきました。英語教材を作成したのが理学療法士なので、どうしても専門用語が入ってしまっているようです。私たちが臨床する際に、カルテ情報と患者様へ伝える言葉は変えて、患者様へはなるべく医学用語を使わず、伝わりやすいように話をするよう心がけています。これが英語となると大変です。 そこで、 〇組織委員会が用意してくれた教材 〇私どもが事前研修で得た情報をもとに作成した仮想台本(臨床編)(事務手続き編) トータルA4で20枚ほどの資料について、英訳→音声ファイル化をムース先生にしていただきました。 また、台本を元に実技を交えた英会話レッスンを90分×4コマ+α実施していただきました。 ムース先生にお力添えいただいたことを十分に発揮できるようしっかりと復習をして大会に臨んで行こうと思います。 感謝2:大学教職員の皆さんへ つい先日、人権教育のパンフレットを学生に配布するとともに、少しだけ学生に話をさせていただきました。コロナ差別に対し、法務省が動き始めるなど新型コロナウイルス感染症やワクチンに関する誤解や偏見に基づく不当な差別が社会問題となっています。 TOKYO2020組織委員会もボランティア向けコピーで『東京をブルーに染めましょう!』というのがありました。スタッフユニフォームがブルーなので、家を出るときからユニフォームを来て会場入りしてください!と義務付けられていました。しかし、大会スタッフがユニフォームを着ていることであらぬ差別を受けているということが起こり、結局は会場まで私服で移動し、会場内でユニフォームに着替えることになりました。 このような状況のなか、大学内で多くの教職員の方から温かいお声掛けをいただきます。『頑張って』『大変だけど負けるな』『まず自分自身の体調に気を付けて』などなどなど…本当にありがとうございます。学内では誤解や偏見に基づく不当な差別はみじんも感じません。素晴らしい畿央スピリッツだと思います! ▼理学療法学科教員陣 【感謝3】勤務調整について 今大会は1年延期からの緊急事態宣言下での実施など、組織委員会もバタバタした中での準備でした。実際、私たちのシフト決定や入管証明の発行などは選手村開村後も行われているようです。そのような状況下で、学科長をはじめ学科内教職員、総務部の方など、シフト決定が遅れていることに関し、ご配慮いただいています。急に『来週から3週間東京に行ってきます!』なんて、普通に考えるとおかしいですよね…『いつから行くの?』『まだ組織委員会から確定シフト届いてないんです』という会話を多くの方としてきました。 現在はオリンピック期間のシフトは確定しました。パラリンピック期間はざっくり確定し、追加シフトの確定を待っている状況です。 (このブログを書いている)選手村開村から6日、開会式を4日後に控えた7月19日現在、まだシフト確定していないという状況であることをお認めいただき、温かく送り出していただける環境に感謝申し上げます! 東京での経験は、10月13日(水)に開催される理学療法特別講演会「2020東京五輪の活動報告」(在学生・卒業生対象)でお伝えします。 アスリート支援に興味がある畿央大学の皆さん、気軽にご参加ください! 【関連記事】 東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#2~唄さん編 東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#1~加納さん編 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。
2021.08.05
親子一緒に楽しめる遊び動画を公開!~2021年度「マミポコ・親子ひろば」前期第3回活動
「マミポコ・親子ひろば」は、近隣の未就園児とその保護者の皆さんに遊びと交流の場を提供する取り組みです。親・子・大学生のコミュニケーションの場として、自由遊び、手遊び、絵本の読み聞かせ、体操遊びなどを提供し、元気いっぱい活動をしてきました。 現在、コロナ禍で対面での実施が難しいため、親子一緒にお家で楽しめる遊びを考え、動画配信することになりました。まだまだ皆さんと会うことが難しい中で、少しでも明るく楽しい気持ちになっていただければと思います。是非ご覧ください! 【第3回:8/6(金)】 〇製作「すいかシーソー(2歳6か月~)」 〇製作「紙皿でひまわり(4歳~)」 今回は夏にぴったりなすいかとひまわりの製作を行いました。 どちらもお家で簡単に準備して出来るのでぜひやってみてください!!! 〈準備・撮影の様子〉 ※感染対策を徹底したうえで、練習や準備作業をしています。 これからも、より安心・安全に楽しく活動できるような内容を考えていきたいと思います。 子ども達や保護者の方々の笑顔を見られることを楽しみにしています! 動画は順次配信していく予定ですので、チェックしてください! 現代教育学科3回生 荒井斗子 岡村遥佳 【関連記事】 手遊びと紙人形劇の動画を公開!~2021年度「マミポコ・親子ひろば」前期第2回活動 親子で簡単にできる手あそび動画を公開!~2021年度「マミポコ・親子ひろば」前期第1回活動
2021.08.03
5カ国を結んで学ぶ!コロナ禍の保健医療福祉の実際と課題~看護医療学科「国際看護論」
令和3年7月30日(金)の第15回「国際看護論」の授業では、ベトナム(ハノイ市)・台湾(雲林県)・韓国(ソウル市)・スウェーデン・オーストラリア(メルボルン)と、日本(奈良:畿央大学)をZoomでつなぎ、国際的な看護の実際を学びました。 各国の看護の本質は日本と同じであるものの、実際の看護の実践の仕方や働く環境は大きく異なることを学びました。 この日は、『現地の看護職の講義を聞き、コロナ禍における先進国と後進国の保健医療福祉 の実際と課題を知る』という目標に基づき、『COVID-19は人々にどのような影響をもたらしたのか』という主題に基づき、5人のゲストスピーカーの方に各テーマに沿って紹介していただきました。 まず、世界の中のわが国(日本)の現状について山崎先生から講義をうけました。 写真:WHO 世界の感染状況より引用 世界では上記の図のような感染状況にあり、日本では2019年2月にロイヤルプリンセス号の発症からスタートしており、現在第5波が到来しています。そこで、さらなる感染予防対策の重要性とワクチン接種の促進を促していますが、なかなか進んでいない現状にあります。 さらに、医療従事者や看護職に対するコロナ差別や行動制限、病院や高齢者ケア施設では面会制限が続き、特に在宅にいる高齢者はステイホームによるサルコペニアやフレイルの進行、認知機能の低下による弊害が懸念されています。反面、看護職の仕事が国内でもクローズアップされて社会的地位を確保することにもつながるのだと思いました。当初の感染経路は国によって異なっていますが、私たち医療者は感染者の方の一日も早い回復を願うことと、医療従事者に対する偏見や差別がなくなる世の中であってほしいと思いました。 そして世界の先進国・後進国はどうなのか、現地で生活する看護職・福祉職の方に現地からの報告を聞きました。 ①ベトナム(ハノイ市) まず、リーティビッチ・ホップ氏から「コロナ禍におけるベトナムの高齢者看護」のプレゼンテーションがありました。 ベトナムでは、海外帰国者による感染拡大から始まりましたが、現在も大半は海外からの持ち込みであり現地の人の感染者数は少ないという報告でした。しかし、新型コロナワクチンの接種率が東南アジアで最も少なく、日本と比べると、高齢者の新型コロナワクチン接種が進んでいない現状があることがわかりました。そのため、現在は1日に5,000人以上もの新規感染者が発生していることから医療崩壊が起こっており、医学生・看護学生・検査学生も応援として現場にかかわっていることを知りました。 日本では学生が実習以外で実際の医療現場に関わることはないため、ベトナムとの違いに驚きました。また、集団接種が行われていますが、37℃という気温が高い中で行っているため、医療従事者の方々は疲弊しているというベトナムの現状を学ぶことができました。 コロナ対策としては、買い物チケットというものがあり、買い物チケットに記載されている日にしか買い物に行くことができなかったり、施設ではこれまで屋内で行われていたレクリエーションは屋外で行われるようになったりと密になるのを避け、人との接触をできるだけ減らすための取り組みがされていることを学びました。 ▲講義の様子(写真上)、ベトナムの買い物チケット(写真中)、ベトナムのナーシングホームでの感染防止(写真下) ②台湾(雲林県) 次に、陳玲類氏・同時通訳 葛芝岑氏から「コロナ禍における台湾の高齢者看護」のプレゼンテーションがありました。 台湾では、パイロットの感染からはじまり、ホテルなどの観光業者から新型コロナウイルスの感染が急激に拡大しており、働き方の変化や生活習慣の変化が余儀なくされていました。しかし、台湾では、オードリー・タン氏の「高齢者を含めてだれ一人取り残さない社会を創る」ことをフレーズにデジタル化とワクチン接種のシステム化を図った官僚としての働きが世界中からも注目されており、昨年の早期からマスク配付の管理やワクチン接種を遂行されていました。 働き方の変化ではテレワークを中心に行い、仕事全体を減少させるといった取り組みが行われており、生活習慣の変化ではマスクをつける生活が日常的となり、5人以上の集まりを減らす、検温や手洗いをしっかりするなど、台湾の衛生福利部・政府や地域が感染防止に向けて、感染対策に全力で取り組んでいると学ぶことができました。 また、新型コロナウイルスの影響は看護にも大きな影響を与えていました。居宅サービスでは、実際に利用者の家に訪問することが困難であるため、リモートでレクリエーションを実施するための工夫をされていました。レクリエーションで使用する教材は利用者の家にはないため、居宅レクリエーションバックというものを作っていました。これを利用者の家にまで届け、自宅でも楽しんでレクリエーションが実施できる工夫についても学ぶことができました。その他にも居宅サービスでは、生活に関わる支援や生活の豊かさの向上、生活訓練、認知トレーニングにも視点を向けサービスの提供を行うために活動されていました。 ▲講義資料(台湾での生活の変化について) ③韓国(ソウル市) 次に、ユン・ジェホ氏から「コロナ禍における韓国の保健医療福祉施策」の講義をしていただきました。 新型コロナウイルスの影響は、大邱の教会から感染が始まり教会の礼拝が関与していましたが、日本と感染状況はあまり変わらず、本年度の7月にもまたコロナウイルス感染者が増加してきていることがわかりました。 日本と韓国での医療の違いは、大きく3つある事を知りました。 1.健康保険と老人長期療養保険(介護保険)の保険者は1つである(国民健康保険公団) 2.混合診療可能、韓方医療も給付(行為、薬) 3.病床数が自由、療養病院あり(病院単位)、医療人ではなくても病院の開院が可能 このことから、韓国では“政府が行う給付の管理が激しい”ことや“病院の競争がより激しい”ということがわかりました。日本では、病院や診療所の開院は医師・歯科医師または助産師と限られているので、誰でも開院ができることを知って非常に驚いたと同時に、違いを学ぶことができました。 また、新型コロナウイルスにより、日本と同様に韓国でも生活が変化していたこともわかりました。例えば、出前料理や自宅で料理をすること、会食が減り一人で飲むことが増加していました。韓国での生活の変化は日本と似ていると感じました。 ユン・ジェホ氏の講義で特に印象に残ったことは、アプリケーションの変化でした。韓国では、ワクチンの予約やワクチン証明書、残りのワクチン数の確認などすべてスマートフォンのアプリで行うことができ、ITの活用がとても普及されていると驚きました。しかし、IT活用が増加したことによって、ITをうまく活用できない人も増加しているという課題もあることを学びました。 ▲韓国の感染の特徴(上)と地域別の感染状況(下) ④スウェーデン 次に、スウェーデン在住の長谷川佑子氏から「スウェーデンの感染防止対策」を講義していただきました。スウェーデンでは、医療はチームワーク・チームケアが重視されています。「アンダーナース」といって患者さんのケアを中心に行う人がおり、看護師の介入が必要でないときはアンダーナース任せることを知りました。 また、看護師はチームのリーダーとしてアンダーナースの指導や教育を担っており、コロナ禍で働くことへの不安が募っているアンダーナースの不安を軽減することも看護師の役割であるため、コロナウイルスで疲弊しているスタッフのマネジメントをすることが大変であったとおっしゃっていました。また、日本では頑張ることが美しいとされていますが、スウェーデンでは頑張ることは患者さんやほかのスタッフのストレスとなるため、「リラックスして仕事をする」ことがベストであり、日本の医療スタイルとの違いを学びました。 現在のスウェーデンでは2回目の新型コロナウイルスのワクチン接種率が約50%と進んでおり、新規感染者も1.2人と少なく7月からはICUもほぼ通常に機能していると学びました。マスクも1割ほどしか着用していないことを知り、日本ではほぼ全員がマスクを着用しているため、スウェーデンでは感染が再度拡大しないのかとても心配になりましたが、国によって価値観の違いなのだと実感できました。 ▲スウェーデンの感染防止対策(写真上) 、現在のスウェーデン国内のホリデイの様子(写真下) ⑤オーストラリア(メルボルン) 最後にオーストラリアのJulie.Paul氏による「コロナ禍におけるメルボルンの感染防止対策」についてです。英語でのプレゼンテーションだった為、理解する為に緊張して聴講しました。オーストラリアでは、パンデミックの影響により、合計約800人の命が奪われたことを知りました。2020年、オーストラリアでのほとんどの死因は新型コロナウイルスによるものであり、ビクトリア州では高齢者介護が大多数を占めていたそうです。不十分な感染管理、スタッフの枯渇、病理検査の遅延、契約の追跡の延長などが理由として挙げられていました。ロックダウンを阻止するために、日本と同じように「テイクアウトのみの飲食店」「病院、施設への訪問制限」「社会的距離のルール(1.5メートル)」「可能な限りリモートワーク」などを行って対策していることがわかりました。 世界的に注目されているコンタクトトレーシングの活用により、新型コロナウイルス蔓延遅延に努めていることもわかりました。パンデミックから得た教訓は、今後社会が同じような規模で惨禍に襲われたときの対策に活かす必要があると感じました。 ※コンタクトトレーシング:陽性患者と濃厚接触した可能性があることを、そのデバイスのユーザーに知らせる技術。 【引用】ICT技術を活用した新型コロナウイルス感染症対策:(2021年7月30日). ▲講義資料(コンタクトトレーニングの紹介) 以上のように、本日のグローバルな視点での遠隔授業はとても興味深い内容であり、多くの学びを得ることができ、貴重な時間となりました。看護の本質は同じであっても、国によって取り組みの内容や医療や福祉では多くの違いがありました。しかし、どの国も人々の健康を守ることにおいて様々な取り組みをされていることは同じであると学ぶことができました。これから現場に出ていく者として日本だけでなく、世界にも目を向け学び続けていきたいと思います。 授業を受けた他の学生からのアンケートもご紹介させていただきます。(回答者からアンケートの承諾済のものを抜粋) ■ 海外からもオンラインを使用し講義をしていただけたことに驚きました。昨年度からオンライン型の講義を複数の講義で行い、対面とは異なる課題もあると思いましたが、国際的な交流をするにあたって非常に便利な点もあると思いました。 ■ 最後のシンポジウムはなかなか聞くことのできない話を聞くことができたとともに、新たな授業形式で大変興味深かったです。コロナ禍で直接は会えないからこそ、インターネットを活用して海外の方の話を聞くというのは今の時代に最適な授業だったと思いました。 ■ 国際看護論で学んだ内容は興味深いことばかりで、おもしろかったです。またこれまで知らないことがほとんどで、今後視野を広げて働くためにも海外のことを知ることはとても大切なことだと思いました。 看護医療学科4回生 下辻穂加 竹中絵理 德田真奈 冨松里帆 村上有希
2021.08.02
「服飾史」授業レポート~人間環境デザイン学科
人間環境デザイン学科3回生の「服飾史」の集中講義がスタートしました。 この授業では、昔から今日にいたるまでの服飾の変遷を学びます。そして、服飾のはたした機能を知り、その変化の意味を理解することを目標とします。日本服飾史・西洋服飾史・下着の変遷等、各分野の専門の先生にご指導いただきます。 第1回目~5回目は、西洋服飾史の授業です。神戸ファッション美術館学芸員の中村圭美先生にご担当頂き、18世紀から現代までの西洋服飾スタイルについて学びました。 学内での授業では、画像や映像を使って西洋服飾史についての講義をしていただきました。服飾史には、その時代の歴史背景が深く結びついている事、また名前を聞いたことのある有名ブランドのスタイルについても解説していただきました。 ▲7月20日の講義風景 2021年7月24日(土)は神戸ファッション美術館で講義を受けました。 はじめに、普段入ることの出来ないファッション資料室で、美術館のコレクションをご紹介していただきました。 昔の手書きのテキスタイル図案などを実際に手に取り、中村先生の説明を聞きました。 西洋のボタンやリボン、レースなどのコレクションや、神戸ブランドファミリアのコレクション、港の町神戸ならではの軍服のコレクションにも触れることができました。目で見て、手に取り、触れることで当時の技術の繊細さを感じることが出来ました。 棚には軍服や有名ブランドのコレクションが並んでいます。着用できませんが、触れることで素材感を確かめることができました。 また、美術館では現在、『ドレスコレクション展「スポーツの祭展@神戸ファッション美術館」』としてコレクション展示がされています。講義で紹介していただいた各時代のドレスを着たマネキンが、現在でもなじみのあるスポーツを楽しんでいる様子が展示されていました。 当時は実際にこのようなドレスを着てスポーツを楽しんでいたそうです。また、360度全方向から見ることが出来るので、写真だけでは分からないドレスの広がり方や動き方が分かりました。 18世紀~19世紀に作られた衣装は、200年近く時がたった今でも擦り切れや色褪せはなく、驚くほど綺麗な状態で展示されていました。今と同じように、当時にもその時代の「流行り」があり、ドレスのデザインから装飾、髪型やお化粧まで再現されています。ミシンなどの機械がない時代にこんな技が出来るのかと驚くものばかりでした。 ▲18世紀~19世紀の人々が時空を超えてコラボレーションし、スポーツを楽しむ様子 中村先生に分かりやすく解説していただきながら見学することで、時代ごとに少しずつ変化していくスタイルを学ぶことができました。思わず「可愛い!」と声に出るデザインや装飾を見ていると、時代は違えども、人の好みは共通しているのだなと実感しました。 中村先生、神戸ファッション美術館の皆様、普段の座学では経験できない貴重な機会を作っていただきありがとうございました。お話を聞き、自分の目で見て作品に触れることは、一生忘れることのない学びに繋がります。 特別に見せていただいたたくさんの作品、資料を忘れることなく、1年後の卒業研究に活かしてほしいと思います。 服飾史後半は、日本服飾史、下着の変遷についての講義です。西洋の文化との違いや共通点、現代の私達にどのように繋がっているのか、お話を聞くのが楽しみです。 人間環境デザイン学科 助手 小松智菜美 【関連記事】 キャンパス内のあちこちでデッサン!~人間環境デザイン学科「デッサンⅠ」
2021.07.28
「薬害の実情」と「患者の人権」を学ぶ~看護医療学科「保健医療福祉システム論Ⅰ」
看護医療学科4年次生必修科目である「保健医療福祉システム論Ⅰ」では、公衆衛生と社会福祉のシステムとそのあり方を学んでおります。まだまだ収まることのない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についても、様々な資料を解説し、理解を深めてきました。その中には、感染者や医療従事者が差別を受けている現状を法務省のリーフレット等も用い、差別と偏見の解消に向けた方策も考えていきました。 2021年7月22日(水)の授業では全国薬害被害者団体連絡協議会 副代表世話人の勝村久司氏をお招きし、「『薬害の実情』と『患者の人権』~医療倫理や患者安全について考えながら~」と題した内容について講演いただきました。昨年度は遠隔講義でしたが、今年度は感染対策をとった上で、対面での特別講演という形をとることができました。 勝村氏は、「陣痛促進剤(子宮収縮剤)」の被害によりわずか9日間の命しかなかった、娘さんの星子さんのことがきっかけで、薬害被害に関する活動を展開されることになりました。講演の中では、薬害は人災であること、陣痛促進剤は感受性の個人差がかなり大きいがその理解が医療従事者の中でも十分ではないことを非常に懸念されておられました。 中でも、薬害等の不誠実な医療を防止するためにはリスクマネジメントがとても重要であると指摘され、情報公開や人権の尊重、副作用被害等の医療事故防止のためには健全なチーム医療によって専門性を発揮し、患者・家族を中心とした情報共有が大事であることを説かれました。その実践例として、診療報酬明細書の開示につながったことも紹介されました。 最後に、最終学年にあたる受講生に対して、市民・患者・医療被害者の立場から看護師にのぞむことは、「学問的良心」と「職業的良心」を常に持ち続けることであると話されました。 学生も今回の講演の内容を重くそしてしっかりと受け止めていました。学生たちの感想から一部紹介したいと思います。 【学生A】 夫として、父親として、そして家族としてこれまで多くの場所で講演をされてきたと思いますが、それでも悲しみと悔しさの体験を話すことはとても苦しかったのではないかと感じました。その中で、薬害がどのような事故があるのかを知っておくことにより、私たちが加害者や被害者にならないための学びの機会をいただけてとてもありがたいと感じました。臨床で働く前に、こういったことがあったと知っておくことで、患者や家族に寄り添う心の大切さ、誠意ある対応や行動がいかに重要かを改めて学ぶ機会になりました。こういう実際の声を聞く機会はほとんどないため、こういう機会が医療従事者になる前の心構えを学ぶ機会になりえるのだと感じました。医療従事者になる者として、薬害の被害が起こらないように、丁寧なインフォームドコンセントや、患者の声を聞き、その人が安心・安全な医療を受けることができるように行動していきたいと思います。 【学生B】 陣痛促進剤について、このような大きな被害が広がっていること、被害にあっていても気づかずに被害者となっていない方が多くいることを初めて知りました。講演を拝聴し、すごく胸が締め付けられるほど苦しかったというのが正直な思いです。ですが、被害を受けた当事者の方、そのご家族にとっては計り知れないほどの苦しさ辛さがあるのだということを想像すると、医療従事者を目指すものとして、なぜ防げたはずの事態を防ぐことができなかったのかと悔しさを感じました。被害が広がっているにもかかわらず、必要ではない場合にも陣痛促進剤を使用することが当たり前になってしまうことが非常に恐ろしいと思いました。患者中心に物事を考えることが大切であると改めて強く思う機会となりました。これ以上被害が増えることがないことを祈ると同時に、私自身も被害者に、加害者にならないように適切な知識を持ち、意思表明をすることの重要性を感じました。今回の講演では実際のお話を拝聴することができ、非常に貴重な機会となりました。ありがとうございました。 学生たちは、あと半年で医療の現場に飛び込んでいきます。今回の勝村氏の講演は学生たちにとって非常に大きな学びとなりました。 勝村先生にはこの場を借りて改めて厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。 看護医療学科 准教授 文鐘聲 【関連記事】 「薬害の実情」と「患者の人権」を学ぶ~看護医療学科「保健医療福祉システム論Ⅰ」
2021.07.27
東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#3~楠元さん編
2020東京オリンピック・パラリンピックの理学療法サービス部門で「TOKYO2020MEDスタッフ」として奈良県から参加する4名はすべて本学理学療法学科の教員・卒業生・修了生で、選手村や競技場の救護室に配置されてアスリート支援を行う予定です。そのうちの一人、楠元さんに東京五輪への想いや意気込みを語っていただきました! 楠元 史さん 理学療法学科2011年卒業/健康科学研究科修士課程2017年修了 理学療法士(運動器認定理学療法士) 社会福祉法人恩賜財団 済生会奈良病院 リハビリテーション部 NPO法人ポルベニルカシハラスポーツクラブ/ポルベニル飛鳥 ▶そもそもどうして理学療法士に? 理学療法士という職業と出会ったのは、高校2年生で部活(サッカー)をしていた時に大事な試合前に怪我をした時。そこでお世話になった病院に理学療法士がいたことがきっかけです。高校卒業時に実業団への道と理学療法士の道を迷いましたが、理学療法士をめざすことを決めました。高校は部活ばかりの生活でなかなか勉強をしてこなかった私ですが、運よく合格できたのが畿央大学です。 大学を卒業後はスポーツの患者さんも受け入れているような病院に入職しましたが、これまでずっと主には一般の患者さんを担当してきました。 現在は一般の病院とクラブチームのトレーナーを兼務しています(兼務に至る経緯はのちほど…)。 ▼高校時代の楠元さん ▶なぜ五輪に? 日本でオリンピックが開かれると決まってからも、正直、自分がその大会に参加することは想像していませんでした。入職してからずっと一般の患者さんしか担当しておらず、ましてやスポーツ現場の経験もなかったので。でも「いつかスポーツの現場で働いてみたい」という気持ちや、高校時代には夢は大きくオリンピックの舞台をめざしていたので、心のどこかで「オリンピックに関わってみたい」という思いはあったのだと思います。 そんな時に日本理学療法士協会から東京2020大会の理学療法士スタッフの募集案内が来ました。スポーツ現場の経験もほぼなく、スポーツについての資格も、研修会もあまり参加してこなかった私にとって、すごく難しいだろうなと思いました。諦めきれずにダメ元で書類だけでも…と送ってみたところ、書類選考を通過し面接も見事に通過して、オリンピック・パラリンピックに参加する権利を得ることができました。 ▼大学院健康科学研究科修士課程在籍時代の楠元さん(右から2番目)お世話になった森岡教授(中央)と ▶大会参加が決まってから まずはやはり英語の不安がのしかかってきました。英語の歌をダウンロードして聞いたり、英会話の本を買って口ずさんでみたり、単語の復習をしてみたりと、自分に出来ることから始めてみました。また、スポーツの最高峰の舞台に行くのに、スポーツの現場のことを知らなさすぎると思い、小学生の頃にお世話になっていたチームの代表に連絡し、クラブチームのチームトレーナーの勉強をさせてほしいと相談したところ、快諾していただき、スポーツ現場での活動を始めることとなりました。そのチームがポルベニル飛鳥という、現在、JFLをめざして関西リーグを戦っているチームです。 はじめはトレーナーの見学といったところから始めるはずだったのですが、運悪くと言いますか、運よくと言いますか、先に所属していたトレーナーが辞めることになり、急遽すべてのトレーナー業務を私がすることに!現在の一般病院の勤務とトレーナーを兼務する形に至りました。 ▼ポルベニルでのサポート風景 ▶大会では何を? 主にはパラリンピック期間、河口湖の選手村(分村)のクリニックで、アスリートのケアやコンディショニングの対応をする予定となっています。数日だけ東京の選手村(本村)でも活動する予定となっています。 ▶本番に向けて 戦っている舞台の大きさやレベルは違えど、アスリートに接するようになり、勝負の一瞬、それが1秒でも1分でも90分でも、その一瞬のために多くの時間を使い、努力を積み重ねなければその舞台には立てないことを、身を持って学ばせてもらっている毎日です。アスリートだけでなく、2013年にこのTOKYO大会が決まってから調整に調整を重ねてきたにも関わらず、だれもが予想しなかったこの感染症が流行ってしまった中でも、大会を開催できるように調整していただいている大会の組織委員会のスタッフ、他のボランティアスタッフ、アスリートを支える家族やチームスタッフなど、それぞれの方々の想いが詰まった大会に参加できることを光栄に思い、私も最高のパフォーマンスを発揮できるように最後まで良い準備をしていきたいと思います。 また、大会参加にあたり快く送り出してくださった職場やクラブチーム、派遣を後押ししていただいた奈良県理学療法士協会、普段のクラブチームの測定などからお世話になっている畿央大学の福本先生や英語の教材を提供していただきましたムース先生、このような記事をとりまとめていただいている広報センター職員の皆さんなど、私の周りの支えて下さっているすべての方に感謝を申し上げます。 この感謝と理学療法士である誇りをもって、最高の舞台を楽しんできたいと思います! ▼奈良マラソンでのサポートの様子(左:福本准教授) 【関連記事】 東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#2~唄さん編 東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#1~加納さん編 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。
2021.07.26
分娩異常時の助産診断の実際(母体急変時の初期対応)~助産学専攻科「生命倫理」
2021年7月2日(金)土橋厚子先生に「生命倫理」の科目の中で、「分娩異常時の助産診断の実際(母体急変時の初期対応)」について教えていただきました。 講義では、母体急変時の初期対応として、急変に気づくためのバイタルサインや分娩時モニタリングの判読、初期対応方法、チームメンバー間のコミュニケーションの重要性について学びました。 演習では、学生が医師や助産師、産婦、家族など各役割に分かれて、分娩時大量出血が起こった場面を想定し、役割を演じながらデモンストレーションを行いました。 事例のデモンストレーションを通して、初めての急変対応だったので、目の前に起こっていることに必死で産婦や家族への声かけや説明が不足していることに気づきました。産婦や家族は何が起こっているのか分からず、不安を抱いています。医師は救命処置を行うことに集中しているため、心理面でのサポートは助産師の役割であると感じました。声かけだけでなく、医療者の表情や言動にも配慮していく必要があると考えました。 また、間接介助助産師が指示待ちをしていたり、直接介助助産師がリーダーシップをとれていなかったりしたため、チーム間での連携が不足していました。連携が不足すると、処置が遅れてしまい、医療事故の原因になるなど母子の生命に危険を及ぼしてしまいます。 今回の演習から、自分の強みと弱みを見つけることが出来ました。そして、弱みを強みに変えるためにはどのようにしたら良いのか自分自身で振り返り、チーム医療に生かして急変時に対応できるようになりたいと思いました。 助産学専攻科 木村優見 中田萌香 【関連記事】 マタニティヨガ・ベビーマッサージの特別演習~助産学専攻科 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」 熟練助産師に学ぶ!母子のための骨盤ケア!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」 産婦人科医に学ぶ!超音波診断法!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」
2021.07.26
マタニティヨガ・ベビーマッサージの特別演習~助産学専攻科
2021年6月24日(木)、ふみ子助産院の院長である森田婦美子先生にマタニティヨガとベビーマッサージを教えていただきました。 【マタニティヨガ】 マタニティヨガとは、妊娠中でも行えるようにプログラムされたヨガです。マタニティヨガを行うことで気分をリラックスささせることができ、瞑想しながら赤ちゃんの存在を感じ、赤ちゃんとの対話の時間を得ることができます。また、助産師に妊娠中の不安や疑問について質問する機会になったり、妊婦さん同士で交流したり、悩みを共有する場にもなります。 私たちもマタニティヨガを実際に体験し、さまざまなヨガのポーズに合わせた呼吸法を学びました。はじめは普段意識しない呼吸を意識することが難しく感じましたが、徐々に自然にできるようになり、リラックスし、とても気持ちが落ち着きました。 また、瞑想をしてお腹の中にいる赤ちゃんに話しかける時間があり、妊婦さんにとってはゆっくりと赤ちゃんに向き合いその存在を感じることのできる時間になることを学びました。 ヨガのポーズをする中で、自分の姿勢や筋力、柔軟性の特徴など知らなかった部分を知ることができ、マタニティヨガは自分自身の身体と向き合える機会になることも学ぶことができました。 ※写真撮影時のみ、マスクを外しています。 【ベビーマッサージ】 ベビーマッサージとは、赤ちゃんの肌に直接触れることを目的とした、赤ちゃんとお母さん・お父さんのスキンシップ方法のひとつです。赤ちゃんにとっては精神的に安定する、ぐっすり眠るなど多くの効果があり、親子のコミュニケーションの促進や、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」の分泌により、お母さんやお父さんのストレス軽減にもつながります。 実際に自分たちで作ったベビー人形を使って、ベビーマッサージを体験しました。 ベビーマッサージは、愛情をこめて赤ちゃんの肌にやさしく丸い手で触れなでること、上から下への動きと中枢から末梢への動きをすることがポイントであると学びました。そのポイントを押さえていれば他に特別な技術は必要なく、自宅でも手軽に毎日行えるところが魅力だと感じました。 妊娠中から自身の身体を知り向き合うことや、赤ちゃんに触れながらコミュニケーションを取ることの大切さを学ぶことができました。 助産学専攻科 鶴岡理紗 平野和 【関連記事】 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」 熟練助産師に学ぶ!母子のための骨盤ケア!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」 産婦人科医に学ぶ!超音波診断法!~助産学専攻科「助産診断技術学Ⅰ」
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