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理学療法学科

2015.08.27

学生広報スタッフBlog vol.178~理学療法学科1回生「レクリエーション理論」授業レポート!

こんにちは、学生広報スタッフのKです。 今回は理学療法学科1回生の個性が一番溢れ出ていた「レクリエーション理論」の授業の一部について紹介しようと思います!レクリエーションはたとえば、理学療法士ならば高齢者の方と一緒にゲームなどをして楽しむものが多いです。レクリエーションは「娯楽」と言えばわかりやすいかもしれません。理学療法士として学ぶレクリエーションは、自分が遊ぶだけでなく「娯楽」の中から、高齢者の方たちに日常生活における楽しさや生きがいなどを発見してもらうためのプログラムの作成や展開を学びます。   レクリエーション理論は人を楽しませたり、場を盛り上げるために積極的になることなどを目的とし、授業ではその一歩として「自分の特技」や「好きなもの」を皆の前で披露する機会がありました。音楽室での演奏から、好きなホラーの紹介、茶道までさまざまでしたが、今回はグラウンドとアリーナで披露されたものをご紹介します!   ▼野球 ▼アルティメット ▼バトミントン ▼バスケットボール   全員の前での披露は緊張しましたが、自分の特技や好きなものを発表するみんなはとてもキラキラしていて、「本当に好きなんだなぁ」と感じることができました。また「この人はこれが好きなのか!」と驚かされることもあり、友人の意外な一面も知ることができたり、発表者の話を聞き、自分も体験することでそのことに興味を持つ、よい機会にもなりました。この授業を通してお互いのことを知り、さらに絆を深めることができたのではないでしょうか!! またこれからも理学療法学科の学生さんの様子についてレポートできたらと思っています!

2015.08.27

チーム医療ふれあい実習実践発表会を開催しました!

理学療法学科1回生、看護医療学科1回生、健康栄養学科臨床栄養コース2回生の学生たちが学科の枠をこえたグループを編成し、実際にチーム医療が実践されている医療現場(病院・施設)を訪れて、チーム医療を担う専門職としての資質や態度を養うのが本校の特色ある学び「チーム医療ふれあい実習」です。 将来医療にかかわる職業を希望している学生がヘルスケアチームを構成する専門職の役割と機能を学びます。 今年の「チーム医療ふれあい実習」は、8月17日(月)に学内での事前研修、18日(火)~20日(木)の3日間、下記の10の病院施設に分かれ、チーム医療の在り方や患者さんに携わる様々な職種・施設設備などを実習を通じて学び、これらの学びのまとめと今後の学生生活にどう活かしていきたいかを8月21日(金)14:00から冬木記念ホールにて各病院施設ごとに発表いたしました。     実践発表会には、各病院施設でお世話になったご担当者の方々の多数ご参加いただきました。 ご参加いただきました各病院施設のご担当者様にお忙しい中、ご来校いただき感謝申し上げます。   今回、お世話になった病院施設 市立奈良病院、市立岸和田市民病院、奈良医療センター、西大和リハビリテーション病院、奈良西和医療センター 健生会土庫病院、平成記念病院、済生会中和病院、奈良東病院、ベルランド総合病院   今回参加した学生さんの体験レポート 健康栄養学科2回生 私たちのグループでは、 ①他の職種と自分たちが目指す職種とがどういったところでつながっているのか、それぞれの職種の役割について学ぶ。 ②患者さんや医療従事者とのコミュニケーションを積極的にとる。 ③病院と地域のつながりについて知る。 ④今、大学で学んでいることがどのように現場で生かされているのか確かめる。 ⑤自分自身の課題を発見し、今後に生かす。 と、5つの目標を決めて実習に挑みました。 【1日目】 午前中は、施設見学でした。テレビでしか見たことのないような救急室を見せていただいたり、カテーテル室では実際に患者さんの治療が行われていて医療従事者の方がたくさんいて緊張しました。カテーテル検査では、患者さん一人に対して医師、看護師、放射線技師、臨床検査技師の最低6人体制で進められていました。ここではしっかり声出しすることによる確かな情報伝達、日頃からのコミュニケーションの大切さなどを学びました。ICUも見学させていただきました。ICUにつながる手術室は医療の高度化に合わせて機械を導入できるようとても広いつくりになっていました。 産科や小児科など見学したすべての病棟が患者さんのことを考えた環境づくり、無駄のないような動線作りをされていました。その中でも緩和ケア病棟は、ファミリーキッチンや家族用の控室、あとガーデンがあったり、患者さんだけでなくその家族への配慮もしっかりなされていました。 午後には薬剤部、栄養管理室、検査科の見学をしました。医療に携わる様々な職種の仕事内容について知ることができ、それぞれの人たちがどのようにして連携し、チーム医療が成り立っているのか学生なりに理解がとても深まったのではないかと思います。病院で働く看護師さんでさえ見たことがないようなところも見学でき、本当に貴重な経験をさせていただいているのだなと感じました。   【2日目】 病棟に入り、入院患者さんの日常生活の様子、患者さんに関わる各職種の役割と機能及び連携について学びました。嚥下(食べ物を飲み込みこと)困難な患者さんにゼリーを食べさせていたのは言語聴覚士さんでした。患者さんの喉の動きをしっかり見て、実際に栄養指導するところも見ることができました。人によって食生活に対する意識が全く違うので、その人の意識レベルに合わせた指導を行っていました。説明も分かりやすく、私もそのように人に伝えられるような知識をつけていかなければいけないと感じました。また、良い面だけでなく、人によっては耳を傾けてくれないという指導の難しさも知りました。 患者さんと1対1でお話もしました。色々なお話ができてとてもい良い時間を過ごせました。患者さんとのコミュニケーションに関しては、相手を理解しようとする気持ちが大切だということを学びました。そのあとのグループでのカンファレンスでは、メンバーそれぞれが体験したこと、感じたこと、学んだことについて話し合いました。他のメンバーの体験や意見を聞けるのはチームのメリットだなと思いました。またカンファレンスでは、日ごとにメンバーの積極性が増していきました。 【3日目】 リハビリテーション、外来診察、入退院支援センターなどの見学をしました。理学療法士さんが、患者さんの希望、日常生活に合わせて細かなリハビリを患者さんとともに行っていたのが印象的でした。入退院支援センターには豊富な知識と経験をもった専門・認定看護師さんがおられ、患者さんにとってとても心強い所であると思います。看護師さんとソーシャルワーカーさんとの連携も大切にしておられました。 この3日間の実習では本当に貴重な経験がたくさんできました。医療が想像以上に様々な人々によって支えられていることを知りました。他学科と合同で実習したことによって視野が広がったと思います。専門知識をさらに深めることやコミュニケーション能力の向上などみんながそれぞれの課題を見つけることができたんじゃないかなと思います。 実習施設のスタッフの方々、患者さん、実習に携わる先生方、本当にありがとうございました。 健康栄養学科2回生 植囿明子   理学療法学科1回生 今回の実習は主にチーム医療を学ぶという目的があり、私が実習に行かせていただいた病院の特徴として、高齢者の方が多いということがありました。 多職種によるカンファレンスやいろいろな職種の方のお話を聞き、お仕事を見学させていただき、チーム医療の大切さや個々の職種の役割、どのように情報交換をしているのかを学び、この実習を通して患者さんを診る上で一番大切なのはコミュニケーション能力だということがわかりました。コミュニケーションが大切なのは何気ない会話から患者さんの情報や体調を聞き出したり信頼関係を築くことはすごく大事だということを知りました。コミュニケーションをとることができないと患者さんから拒絶されることもあるからだそうです。私が見学させていただいた理学療法士の方もリハビリの最中によく会話をしていて、患者さんも楽しそうでした。大学生活において周りの観察やあらゆる人と関わっていくなど、コミュニケーション能力や注意力などを養っていこうと思います。 この病院に来て特に印象に残っているのは、病院全体の明るい雰囲気と働いている方たちや患者さんの笑顔です。食堂には折り紙などで飾り付けがされていてあらゆる壁には魚や花の写真が多く貼られていたりと患者さんが楽しく、自分らしく過ごせるように工夫も多くなされていました。ほかには週に一回開かれる「音楽療法」や毎日お昼に開かれる「喫茶」などがあります。これらの工夫はリハビリへの意欲向上にもつながるそうです。 今回の実習で「理学療法士になりたい」という気持ちが大きくなり、勉強をもっとしなければいけないとモチベーションが上がりました。それは私だけでなく実習に行ったみんながそうだと思います。 この経験を忘れず今後の勉学も頑張っていこうと思っています。 実習を受け入れてくださった病院のスタッフの皆様、本当にありがとうございました。 理学療法学科1回生 来海恵   看護医療学科1回生 私はこの実習で、様々な職種を知り、それぞれの専門性を理解することを目標としていました。各部門の見学をさせていただき、理学療法士や作業療法士、栄養士、薬剤師などの専門性や連携について学ぶことができたことで、目標が達成できたのではないかと感じます。そして私はこの見学から、1人の患者さんに対して多くの医療従事者が関わっていることを学びました。一方、多くの医療従事者が協働するからこそ、ミスを防ぐために何重にも確認を重ねているということも知り、病院全体で患者さんの安全・安楽を守っていることを学びました。 また、言語聴覚士さんの「小学校では“ひらがな”から習うので、どうしても“ひらがな”が1番わかりやすいと思いがちだけど、患者さんによっては漢字の方がわかりやすく感じる方もいる」という話を聞いて、思い込みで判断するのはよくないと感じ、この学びから今後は、科学的根拠に基づいた知識を意識して勉強していこうと思いました。 実習中に、患者さんとお話させていただく機会があり、患者さんの気持ちを知りたいと思った私が「入院生活はどうですか」と尋ねると患者さんは「95歳になって、もう家族も見舞いに来てくれなくなって、孤独です。看護師さんは忙しいから、こんなおじいちゃんには仕方ないけど、若い子には相手してあげてほしいですね。」とおっしゃいました。その言葉に私は頷くだけで何も答えられず、自分のコミュニケーションスキルの未熟さを実感しました。学びの発表で、「話せないから話さないのではなく、話せないからこそ積極的にコミュニケーションをとっていかなければならない」と言っている人がいて、学びの共有からとても大切なことを学ぶことができました。 実習を通して、現場の方々のように患者さん中心の医療をするためには、まだまだたくさんの勉強が必要であると感じました。今後勉強をしていく中で、コミュニケーションスキルを高め、病棟でお話していただいた患者さんにどのような言葉を返すのが適切であったのかを自分なりに見つけていきたいと思います。 看護医療学科1回生 蓮尾夏美   参加した学生さんたちは、「チーム医療ふれあい実習」でそれぞれ、いろいろな”気づき”があったと思います。この”気づき”をこれからの学生生活に生かしてほしいと願います。 看護医療学科 講師 小林 智子

2015.07.28

ニューロリハビリテーションフォーラムを開催しました~ニューロリハビリテーション研究センター

平成27年度の畿央大学ニューロリハビリテーションフォーラムを、7月25日(土)に開催致しました。 このフォーラムは、ニューロリハビリテーションセミナーでの情報や知識などの神経科学的知見に基づき、どのように実際の症例の症状を捉え、クリニカルリーズニングしていくか、参加者と共に議論しながら模索していく場として、昨年度から開始いたしました。   今回は畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの高次脳機能学部門、身体運動制御学部門にそれぞれ関連する内容から構成されました。   高次脳機能学部門からは、失行症の症例呈示を信迫が行いました。オープニングとして松尾教授から失行についての説明および失行発現に関わる神経ネットワークの説明、リハビリテーションの問題点として臨床試験が少なく、エビデンスが不足していることが指摘されました。クロージングでは、森岡教授より失行の病態を細分化して評価すること、またインパクトに関する調査の必要性が示されました。症例呈示に関しては、フロアから症例に関する質問、評価に関するアドバイスを頂くことができました。また発表後にも、症例について、失行に関する神経科学的知見やリハビリテーションについて、多くの方とディスカッションさせて頂き、大変有意義な時間となりました。     身体運動制御学部門からは、渕上先生より脳卒中後歩行障害の症例呈示が行われました。オープニングでは岡田助教より歩行障害に関する神経基盤、歩行障害からの回復に関する神経機構、そして有効性が報告されているリハビリテーションについて紹介がありました。 渕上先生による症例呈示では、病期により優先順位が刻々と変化していく中で、その問題を的確に捉えていく手続き、そしてその回復に関するニューロリハビリテーション技術の適用と検証が示されました。時間の関係で、プレゼン中のディスカッションは制限されてしまいましたが、終了後にも多くの方が残ってディスカッションされており、有意義な症例呈示となりました。またクロージングでは、冷水准教授より歩行障害とその回復に関する神経科学的知見を臨床において応用していく困難さが示されると同時に歩行障害例に対して神経科学的知見を適用し、科学的根拠に基づき、思慮深く治療を選択していくことの重要性が示されました。     得てして曖昧になりがちな臨床作業を出来るだけクリアにし、最適な介入手段を選択していくことはリハビリテーション全体にとって、そして患者さんの利益を考えても、とても重要なことだと思います。しかしながら、臨床では、熟考できる時間は限られていますし、1人では荷の重い作業になります。そのため、本フォーラムのように、実際の臨床例を基に、様々なフィールドを持つ臨床家が集まり、問題をシェアし、共にディスカッションする機会は非常に重要と思います。形態は変更いたしますが、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターでは、このような場を提供し続けて行きたいと思います。   最後に参加して頂いた皆様と症例呈示にご協力して下さった患者様に深謝いたします。 ありがとうございました。   畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 特任助教 信迫悟志

2015.07.07

新学術領域研究(研究領域提案型)に採択!~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

文部科学省科学研究費補助金(平成26~30年度)新学術領域研究(研究領域提案型)「脳内身体表現の変容機構の理解と制御」の公募研究に、本学ニューロリハビリテーション研究センターが申請した「身体失認・失行症における身体性変容の解明とニューロリハビリテーション法の開発」が採択されています。       7月4日(土)に実施された「第2回身体性システム領域全体会議」に畿央大学ニューロリハビリテーションセンターの森岡センター長、大住助教、信迫助教が参加し、研究代表者である森岡センター長が研究計画を発表しました。この会議には、生理学研究所、産業技術総合研究所、情報通信研究機構、東京大学、京都大学、大阪大学などの研究機関が参加しており、その一画に本学が参画できたことに喜びを感じると同時に、襟が正される思いがしました。   内容は非公開であるため詳細は述べられませんが、どの研究機関もこの身体性システム領域の発展に貢献するであろう優れた研究計画を発表されておられ、大変勉強になりました。   また一流の脳科学者、工学研究者との交流が得られ、貴重なブレインストーミングの機会となりました。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターも、この脳科学とシステム工学とリハビリテーション医学との癒合である身体性システム領域の発展に貢献し、その応用であるニューロリハビリテーション技術の開発・発展を推し進めるべく邁進します。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 【関連リンク】 【文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究 「脳内身体表現の変容機構の理解と制御」】 【公募研究C03-4 身体失認・失行症における身体性変容の解明とニューロリハビリテーション法の開発】

2015.07.06

2015年3月卒業生の論文が、医学書院「総合リハビリテーション」にアクセプト!~理学療法学科

今春2015年3月に理学療法学科を卒業し、医療法人社団苑田会に就職した諸橋直紀さんの学生時代に執筆した論文『肝機能障害モデルラットにおける予防的運動が肝機能と筋機能に与える影響』が医学書院の『総合リハビリテーション』にアクセプト(論文を投稿し、掲載のために採用されること)されました。   諸橋さんの喜びの声   この度、学生時代に執筆させていただいた論文『肝機能障害モデルラットにおける予防的運動が肝機能と筋機能に与える影響』が『総合リハビリテーション』にアクセプトされました。そのことを当時のゼミ担任の今北先生から聞いた時は、率直に嬉しさと感謝の気持ちでいっぱいになりました。今回のアクセプトは今北先生を初めとする多くの方のご声援、お力添えがなければ絶対に成し遂げることができませんでした。支えてくださった皆様に心より感謝申し上げます。そして、今回の採択を機にさらに本分野の研究が進み、多くの患者様の利益になることを願ってやみません。 今回の研究や論文投稿を通して感じたことが2つあります。 1つ目は、「追究する楽しさ」です。これは臨床に出てから感じたことでもありますが、“何かわからないこと”“明らかにしたいことを探求する”“発見する”“知的好奇心を満たしていくこと”は非常に楽しいことです。これらを学生時代に感じておくことは、臨床に出た時の“生涯学習の鍵”となるように思います。今後も疑問を持ち、原因を考え、それを明らかにしたいという知的好奇心を持って勉強していきたいと思います。 2つ目は、「結果が形になること」です。結果が形になるというのは想像していたよりもはるかに感動するものでした。しかし、この結果がゴールでもなければスタートでもなく、長い人生で考えた時の点でしかないということです。結果を残すことは重要ですが、それだけに一喜一憂せず、患者様や多くの方の幸せを願って日々努力したいと思います。 本気でやれば、本気で応えてくれる仲間や先生がいます。その事実に感謝して、これからも頑張りたいと思います。   在学中のゼミ担任 理学療法学科今北教授より 今年3月に卒業した諸橋君の論文が採択されました。この研究は卒業研究として仲間と一緒におこなったもので、在学中に投稿論文を書き上げました。このことはすごいことだと思います。私が信州大学、広島大学大学院と教育を積んだ中でも学部生の間に論文を投稿したというのは見たことも、聴いたこともありません。卒業が迫っているなかで、国家試験の勉強もやりながら、さらに論文を書き上げたチカラは驚きに値します。 私の中でも新しい挑戦であり、学士力を超えた大学教育が出来たのではないかと思っております。すべての学生に対して一定のレベルまで到達させる教育も非常に大切です。加えて、それ以上を望む学生に対して、本人の可能性を引き出してあげることの大切さを学ばせていただく、良い機会でした。本当にありがとう、そして、おめでとう!! ちなみに、この研究課題は、今年東京で行われた第50回日本理学療法学術大会においても、セレクション演題として採択されました。 ダブルでおめでとう!!         ~学生時代のゼミの風景~

2015.06.19

書評:森岡周教授執筆「発達を学ぶ―人間発達学レクチャー―」

5月29日に協同医書出版社より、リハビリテーション脳科学の第一線で活躍する健康科学部理学療法学科教授兼ニューロリハビリテーション研究センター長 森岡 周教授の『発達を学ぶ 人間発達学レクチャー』が出版されました。   ※クリックすると、出版社のページに移動します。   【書評:ニューロリハビリテーション研究センター助教 信迫 悟志】 私が知っている「人間発達」の教科書というと、生物学的な意味での発達や心理学など専門領域から見た発達、また「〇〇のための人間発達学」など特定の集団に対しての発達であったりと、偏りが多い印象がありました。 しかしながら、本書は「人間らしさ」とは何か?という問いから始まり、それを「姿勢・動作・行為」、「認知・知性」、「感情・社会性」の3要因に分けて解説され、生物としてのヒトの発達ではなく、あくまで「人間らしさ」の発達として描かれています。 これは、著者である森岡周教授が、特定の学問だけを追究する専門家ではなく、集学的な視点を必要とするリハビリテーションの専門家であり、同時に「人間らしさ」の根源とも言える脳の専門家だからこそ成し得るのだと思います。 また3要因を独立して描くのではなく、それぞれが有機的に相互作用すること自体を発達として描きながら、教授の専門である認知神経科学的知見を随所に散りばめ、「人間らしさ」の発達を論じておられます。 3要因について、大人がいかに子どもの発達のつまずきに気づき、何を観察し、どのように子ども達の未来を作っていくのか、そして最後には複眼的に捉える思考法としてまとめてあり、発達障害に関わるセラピストに留まらず、全ての大人が読むべき内容となっているのではないでしょうか。 一方で、途中には、実のお子さんが描かれた身体描画を掲載されておられ、科学者であり、リハビリテーション専門家であると同時に一人の父親である教授の姿が思い起こされ、数ある教授の著作の中でも、私秘的な作品になっていると思います。   子どもを見る「まなざし」とは、未来の我々が住む社会への「まなざし」である。そんなマインドが込められた本書を、一度手に取ってみられてはいかがでしょうか?   この本は、理学療法学科の2年次後期開講の専門基礎科目「人間発達学」の教科書として使われる予定です。   【関連リンク】 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター

2015.06.12

足趾の機能に関する研究論文が国際学術誌に掲載!~理学療法学科教員

国際学術誌『Journal of Foot and Ankle Research』に掲載!   足趾(足の指)の握力は、足のどのような特徴と関係しているのか? 足趾握力の関連要因について調査した研究論文「Associations between toe grip strength and hallux valgus, toe curl ability, and foot arch height in Japanese adults aged 20 to 79 years: a cross-sectional study」が、「Journal of Foot and Ankle Research」という足関節や足部を専門にした国際学術雑誌に掲載されました。   我々は体力測定機器メーカーと共同で足趾筋力測定器を開発し(福本, 他.2011.; Uritani, et al. 2012. )、未就学児から高齢者までを対象に足趾握力の標準値の作成や足趾握力と体力あるいは障害との関係についての研究を進めています。これまでに2,000名近い成人を対象として、日本人の足趾握力の標準値を調査し、論文として発表してきました。(Uritani, et al. 2014.)     今回の研究論文では足趾握力は外反母趾の程度や土踏まずの高さなどとは関係せず、足の指をどれくらい柔軟に曲げることができるかに関係していたことを報告しています。     この学術誌の論文は「オープンアクセス」という、誰もがweb上で論文にアクセスして無料で読める方法で公開されています。今回我々が発表した論文は「Highly accessed」と表示されており、多くの研究者・臨床家の関心を引きアクセス数が多い論文として掲載されています(平成27年6月10日現在)。 今後も研究をさらに進め、我々の研究から得られた知見を社会に還元していきたいと思います。   理学療法学科 助教 瓜谷大輔   ▼今回掲載された足趾握力の関連要因に関する論文はこちらからご覧になれます。 http://www.jfootankleres.com/content/8/1/18 ▼以前に発表した足趾握力の標準値に関する論文はこちら。 http://www.jfootankleres.com/content/7/1/28     【瓜谷助教 関連記事】 WCPT Congress 2015で、本学理学療法学科教員が日本人初受賞! 理学療法学科教員が衣料品メーカーと商品開発の共同研究!

2015.06.10

第50回日本理学療法学術大会で卒業生・大学院生・教員あわせて30演題を発表!~ニューロリハビリテーション研究センター

2015(平成27)年6月5日~7日にかけて、東京都の東京国際フォーラムにて第50回日本理学療法学術大会が開催され、森岡教授を中心とした畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター(以下、研究センター)の多くのメンバーが参加・発表を行いました。   本学会は、日本理学療法士協会が主催する理学療法に関する最も大きな学術大会です。今年は第50回の記念大会として様々な企画が行われました。特に国際講演、国際シンポジウム、英語での演題発表といった英語でのセッションが設けられたことが、本大会の特徴のひとつでした。 研究センターからは学部卒業生、大学院生・修了生そして教員まで、非常に多くの者が演題発表を行い、私も含めて関連演題も合わせると30演題にも及ぶ発表を行いました。なかでも、大住(研究センター特任助教)、植田(博士課程修了生)、高村(修士課程2年)の3名は英語で演題発表を行いました。質疑応答も英語で活発に行われました。 本大会のもうひとつの特徴として、様々なテーマでシンポジウムが開催されたことでした。「これからの理学療法研究 ―世界への発信―」と題されたシンポジウムにおいては、森岡教授が「神経科学理学療法研究の立場から」というテーマでシンポジストを務められました。講演では、研究センターのメンバーの国際雑誌に掲載された多くの研究成果を交えて講演をされました。     1日目の夜に研究センターの懇親を深める目的で懇親会を約30名で行いました。懇親会には、研究センターの客員教授である国立障害者リハビリテーションセンターの河島則天氏、客員研究員である京都橘大学の兒玉隆之氏、脳血管研究所美原記念病院の菊池豊氏もご参加いただきました。今後の研究活動に繋がる様々なご意見を頂くことができ、貴重な機会となりました。リハビリテーションに関連する研究のフロントランナーである先生方とお話しする機会が得られる本学大学院の環境の良さを、改めて実感することができ、今後の研究活動への意欲をより一層高めることができました。   この様な貴重な経験ができたのは、畿央大学の研究活動に対する手厚い支援があってのものです。この様な環境で学ばせて頂いていることに深く感謝致します。   畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターは、高次脳機能学部門・社会神経科学部門・身体運動制御学部門・発達神経科学部門の4部門で構成され、設置目的は、①『我が国のリハビリテーション関係諸氏に対して、ニューロリハビリテーションに関連する情報を提供しその発展に寄与する。』②『近隣の地域住民に対して脳の健康やニューロリハビリテーションに関連する情報を提供し、健康維持に寄与する。』であります。今後も、社会に貢献できる研究成果を出せるよう研究センター一同、更なる研究活動に励んで参りたいと思います。   畿央大学大学院健康科学研究科 修士課程2年 片山 脩   【関連サイト】 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 畿央大学大学院健康科学研究科

2015.06.01

平成27年度 運動器リハビリテーションセミナー「エビデンス編」を開催しました。

平成27年度運動器リハビリテーションセミナーがスタート!     5月の締めとなる最後の日曜日である5月31日に、平成27年度運動器リハビリテーションセミナーが開催されました。 本セミナーはもともと卒業生に対するリカレント教育の意味を含んだセミナーでしたが、第1回目となる「エビデンス編」では外部からの聴講者が80%を占め、臨床で活躍している先生方も多数申し込んでくださいました。ありがとうございました。   今回のエビデンス編では、 ① 「骨量減少とその予防」 担当:理学療法学科教授 峯松 亮   ② 「運動と免疫機能」 担当:理学療法学科教授 今北 英高   ③「 メカニカルストレスが関節に与える影響について」 担当:理学療法学科助教 瓜谷 大輔   ④「難解なバイオメカニクスの知識を臨床応用する」 担当:理学療法学科准教授 福本 貴彦   という4つのタイトルで構成し、それぞれの内容に存分の文献的考察を加えて各教員がお伝えしました。基本的な知識から今までに公表されている研究論文をまとめる中で、理学療法士・作業療法士としての免疫機能の考え方について少しでも役に立てればという意味も込めてお話させていただきました。終了後に参加者の方から色々とお話をいただき、特に、最近では癌リハなどにも免疫機能が関連していることを聞きまして、次回には少しでもそのような内容が取り入れられたら…考えております。     このようなセミナーの場では、参加された先生方から直接お声を聴かせていただくと、私たちも大変うれしく思います。何かありましたら、お気軽にお声をかけていただくなり、メール等で連絡いただければ幸いです。また、今後、私たちの研究活動などにも参加や見学も大歓迎です。少しでもこの機会を次につなげていただけると光栄に思います。 アンケートでは満足いただけたセミナーだったと聞きまして内心ホッとしておりますが、さらに参加していただいている先生方に、少しでも最新情報をお届けできるよう、私たちも努力していきます。   第2回目 上肢・体幹編(8月2日) 第3回目 下肢編(11月8日) 第4回目 臨床研究編(2月7日) ⇒詳細はオフィシャルサイトをご覧下さい。   役に立つ情報をわかり易くまとめあげてお待ちしております。ふるってご参加くださいませ。 ご参加いただいた先生方、誠にありがとうございました。   理学療法学科 教授 今北 英高

2015.05.01

国際交流レポート~理学療法学科の学生が「JAPAN STUDY TOUR」に参加!(第2弾)

運営スタッフとして参加した学生からの報告!!   初めまして。理学療法学科3回生の山崎久未華です。 3月27日(金)~29日(日)に京都大学で行われたJapan Study Tour(JST)の報告会が4月26日に行われました。私はその運営スタッフとして関わることで、貴重な経験をすることができました。 この度、「JSTで得たもの」「スタッフとしての思い」について書かせていただきたいと思います。   そもそもJapan Study Tourとはどんな企画か。   以前の記事で、本学から参加した2回生の松塚さんも書いてくれていたのですが、海外の理学療法士を目指す学生を日本に招待して、日本と海外の学生が一緒に理学療法について学ぼうという企画です。具体的には世界的にも有名な先生をお呼びしてのレクチャー、ディスカッション、 病院・施設見学、観光を通して、海外のPT学生と交流を深めることを目的としたものです。【JSTホームページより詳細はこちら!(外部リンク)】   日本理学療法学生協会の国際部主催のもとで行い、スタッフは学校を問わず、全国の理学療法学科の学生に募集を呼びかけ、約10大学から約30人が集まりました。畿央大学からも4人が参加しています。   この企画自体はJPTSAとしても初めての試みであり、つまり、”まっさらの企画”でした。   ■スタッフ会議の様子   私は、約1年前、この企画の存在を知ったとき、「これだ!」と思い、飛びつきました。幼いころから海外に興味・憧れがあり、しかし海外に行く勇気がなかった私にとって、日本で海外の人と触れ合うことができる企画なんて絶好のチャンスだと思ったのです。しかもそれが自分の目指している職業(理学療法士)を目指す学生同士が集まる企画だというのだから尚更のこと。そういう気持ちから張り切って始めました。 私が主に担当した仕事は、各国の学生に発表してもらうプレゼンテーション班の代表とポロシャツのロゴのデザインです。 その仕事を通してどう感じたか、私自身の感想を正直に言うと、大変でした、でも人生で一番充実していた1年だったと思います!辛かった時期がなかったとは言えません。すごく忙しくてJSTのことを考えなかった日はないくらい、常に頭のどこかにJSTがありました。うまく進められず焦ったり、学校との両立に悩んだり、体調も崩しやすくなったり、取り返しのつかない失敗をしたり、いろいろありました。でももしタイムスリップしてこの1年をやり直せたとしても、私は絶対JSTスタッフをやります。それくらいJSTにベタ惚れでしたし、その思いは今でも変わりません。   ■JSTスタッフ、フランス人参加者と共に   そんなJSTのロゴを作らせてもらったこと、そのロゴをたくさんの人に気に入ってもらえたこと、そのポロシャツを喜んで着てくれる人がいたこと、これは本当に幸せなことで、私だけが味わえる醍醐味なのではないかと思います(笑) 少し紹介させていただくと、こちらがそのロゴです。   ▼▼▼ロゴマーク▼▼▼   実はこのロゴ、白の太い部分だけ見てみると、憧れの職業「PT(理学療法士)」が浮かび上がってくるのがわかりますでしょうか?探してみてください!(笑)   そして一番メインの仕事だったプレゼンテーション班についてご紹介します。内容は各国の学生に「自国の理学療法の魅力」について英語で発表してもらうものです。日本の発表は、私と他大学のスタッフの二人で行いました。流れがなかなか決まらなかったり、考えれば考えるほど何が言いたいのかわからなくなったりと、うまくいかないことも多く反省だらけです。でも何とか完成することができ、当日発表したときは本当に気持ちよかったです。   ■各国プレゼンテーション・ディスカッションの様子   ■畿央大学生の参加者、サポートしてくださった松本先生。ありがとうございました!   JSTを通して私は本当にたくさんのものを得ることができたと思います。一番やってよかったと思えることは、たくさんの出会いがあったことです。スタッフをはじめ、日本人参加者、海外参加者ともにたくさんの友達ができました。また、たくさんサポートしてくださった先輩方や現役理学療法士の方々、このJSTがなければ出会えなかった人がたくさんいます。これは財産です。本当にJSTに携われてよかったです。   ありがとうございました。 理学療法学科3回生 山崎久未華