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理学療法学科
2017.03.14
冬のスポーツ実習2017(in 白馬村)レポート vol.5~助力が見たスポーツ実習
2月21日(火)~24日(金)まで、長野県北安曇郡白馬村の白馬五竜スキー場で行われた平成28年度のスポーツ実習(冬季)。1年生の受講生113人、アシスタントとして2年生・3年生の助力12人、教員10人、合計135人が参加しました。助力として頑張ってくれた2名からのレポートです! 【理学療法学科2回生レポート】 スポーツ実習には理学療法学科からは5名が助力として参加させていただきました。 私たちは怪我や健康面のサポートのために参加し、テーピングやストレッチの指導を行います。そこで、スキーとスノーボードでは膝や足関節を傷めることが多いために前日の準備としてテーピングの練習を行いました。初めてテーピングを巻く学生が多く、特に足関節で1番始めのアンダーラップを巻く段階で苦戦しました。他にも強く巻いたり弱く巻いたりするなどの力加減が難しかったですが、お互いに教え合い、先生に質問しながら練習することでなんとかテーピングが出来るようになりました。また実習では色々な体格の学生にテーピングしないといけないため助力同士で交代しながら何度も練習し、全員で実習に担えました。 【参考記事】甲子園メディカルトレーナーに学ぶテーピング技術!~理学療法学科3年次配当「義肢装具学実習」 いざスポーツ実習が始まってみると、やはり膝や足関節が痛いと訴える学生が多かったです。どのように動かせば痛いのかを確認しテーピングなどの対処をしていきました。触診も実際に行ったため、筋の走行などの解剖学や運動学の知識の必要性を思い知らされました。 また、初めてスノーボードやスキーをする学生が多いため筋肉痛になる学生が多かったです。そこで夜のレクリエーションとしてストレッチを行いました。身体のどこが筋肉痛なのかを1回生に聞き、どのようなストレッチをすればいいのか考えるのは難しかったです。しかし、ストレッチのあとに1回生から「身体が楽になった!!」という言葉をもらえたときにはやり甲斐を感じました。 今回、助力として参加させていただくことで新しくテーピング技術を身につけること以外にも教育学科や看護医療学科の助力の方、先生方と協力することで周りをまとめる力をつけることもできたと思います。助力として冬季スポーツ実習に参加でき、本当に良かったです!! 理学療法学科2回生 中山明里紗 【現代教育学科2回生レポート】 今回助力として参加して、まず去年受講生としてでは気付かなかった実習の成功の裏にあるたくさんの方々の協力、助力という立場がいかに重要で難しい立場かと、さまざまなことに気付けた4日間でした。 レクリエーションなどでは、助力がリーダーシップをとり、実習生をまとめたり、助力、実習生ともに結束力を高めたりする場面もありました。このことから、人をまとめる事の難しさを感じると同時にやりがいと、仲間の大切さを、改めて感じることができました。 そして何よりよかったのが、大きな問題なく受講生が充実した実習を送れたことです。 ウィンタースポーツは正しく学び、正しく行うことで素晴らしい競技であること、班などのチームワークの大切さに気づいた、など受講生からたくさんの嬉しい言葉が聞こえて来ました。 また僕たち自身も多くの学びや気づきに出会えました。助力として様々なしんどいこともありましたが、無事実習が終了して良かったと思います。僕たち学生スタッフにとっても学びと実り多き実習になりました。 現代教育学科 2回生 小山輝 【関連記事】 冬のスポーツ実習2017(in 白馬村)レポート vol.4 冬のスポーツ実習2017(in 白馬村)レポート vol.3 冬のスポーツ実習2017(in 白馬村)レポート vol.2 冬のスポーツ実習2017(in 白馬村)レポート vol.1
2017.02.24
TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.39~シニアキャンパス「体力測定計画」に協力!その2
こんにちは、健康支援学生チームTASK※、理学療法学科2回生の東川和輝です。2月20日(月)に広陵町×畿央大学「KAGUYAプロジェクト」の一環で行なわれたシニア向けのイベント、第2回畿央大学シニアキャンパスが開催されました。その中で今回僕は体力測定企画のお手伝いをさせていただきました。この企画では「サルコペニア」という日常生活に支障をきたすほどの筋肉減少(筋肉減少症)と「フレイル」いう加齢に伴い身体の予備能力が低下し健康障害を起こしやすくなった状態についての講義を行い、実際その状態になっているのかどうかの計測と予防運動、ディスカッションを行いました。 ※TASKはThink,Action,Support for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を超えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。 計測は体組成計測定、握力測定、歩行速度の計測を行ったのですが、ほとんどの方がサルコペニア、フレイルの基準値より良く、その結果に一安心と笑顔を見せられていました。僕自身も計測してみたのですが、基準値ギリギリだったのはここだけの話(笑) 予防運動ではスクワットと片足立ちでバランスを保つということを行いました。みなさん苦戦されていたのですが、椅子を使って座るようにスクワットをしたり、指一本を椅子において片足立ちしたりすることによって安定した運動を行えるようになっておられました。 最後のディスカッションでは「近隣で運動するのに良い場所はどこなのか」というテーマで話し合い、共有しました。ここで一番驚いたことは、みなさん初対面にもかかわらず、終了の合図があるまでたくさんお話をされていたことです。僕なら絶対に緊張してあまり話すことができないだろうなと思うのですが、シニアのみなさんの健康についての関心の高さや地域のつながりの良さが垣間見えた時間でした。 シニアキャンパス終了後には一緒に計測のお手伝いをした地元広陵町の介護予防リーダーによる住民ボランティアKEEPさんとTASKとの勉強会に参加させて頂きました。 地域での活動や世間話などお互いにたくさんお話しをしたのですが、お話しさせていただいた方は家族が病気になったときに畿央大学に大変お世話になったそうです。その恩返しみたいなものでKEEPとして大学と一緒に地域に貢献していきたいとおっしゃられていました。この話を聞いて、畿央大学と地域のつながりは強く、大切なものなのだと改めて感じました。 今回のイベントでたくさんの方と交流ができとても良い経験をさせていただきました。今後とも地域の方々やKEEPさんと活動を共にし、よりつながりを強くしていきたいと思います! 【関連記事】 第2回畿央大学シニアキャンパスを開催しました。 TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.38~シニアキャンパス「体力測定計画」に協力!その1 TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.37~シニアキャンパス「認知症カフェ」に協力! ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。
2017.02.23
海外インターンシップ先の中国医薬大学(台湾)の学生が来学!~理学療法学科
2016年9月8日(木)~13日(火)に行われた海外インターンシップで交流した中国医薬大学(CMU)の学生さん達が、日本で病院実習があり、2月3日(金)に畿央大学を訪問してくれました!Judy、Carrie、Fish、Melodyの4人です。 お互いにお土産を交換し、お菓子を食べながら日本での病院実習のことなどを話しました。 その後、理学療法学科の実習室などのキャンパスを案内して、信迫先生と大学院生の方に畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターを紹介していただきました。 ▲ニューロリハビリテーション研究センターにて 私たちが普段、何気なく使っていた実習室もCMUのみんなからは「2つも教室があるの?」「広いね!」と、とても驚かれました。物理療法の機器にも興味津々で、先生方の説明も熱心に聞いていました。 そして、CMUについてのプレゼンの後には可愛らしいダンスを披露してくれて、私たちもお返しに恋ダンスを踊りました。クオリティは全然でしたが!(笑)みんなでわいわいと楽しかったです^^ 最後に、2月3日は節分だったので日本の文化について説明し、全員で北北西を向きながら恵方巻を食べ、最後に豆まきをしました。「鬼は~外、福は~内!」と唱えながら4人も初めての日本行事を楽しんでくれたみたいです。 海外インターンシップで仲良くなった台湾の友達が日本に来て、再会ができてとても嬉しかったです!多くの学生がその後もSNSでつながったり、LINEなどで連絡を取り合ったりしているので、この機会が持てたのだと思います。海外インターンシップでのつながりを今後も大切にして、同じ夢に向かって切磋琢磨できたらいいなと思います! また、昨年から始まった理学療法学科の海外インターンシップがこれからも続いていくことを願っています。 Judy、Carrie、Fish、Melody、忙しい中ありがとうございました!! 理学療法学科3回生 中岡彩樹 【帰国したCMUの学生からメッセージが届きました!】 Thank you for taking care for us. We really enjoy our visit to the hospital and Kio university. Teachers and friends here are sooooo nice and so warm. We really hope the friendship between Kio and CMU can last forever. Thank you professor, O tsu ka ra sa ma de shi ta! Sincerely, Judy 【関連記事】 海外インターンシップ先の中国医薬大学(台湾)から教員2名が来学!!~理学療法学科 理学療法学科 海外インターンシップ in 台湾 vol.4~日本に戻って報告会を開催! 理学療法学科 海外インターンシップ in 台湾 現地レポートvol.3 理学療法学科 海外インターンシップ in 台湾 現地レポートvol.2 理学療法学科 海外インターンシップ in 台湾 現地レポートvol.1
2017.02.23
海外インターンシップ先の中国医薬大学(台湾)から教員2名が来学!!~理学療法学科
2017年1月19日(木)、中国医薬大学 China Medical University(台湾)から理学療法学科のYu-Jung Cheng先生とYu-Hsiu Chu先生が来学されました。 理学療法学科では、今年度から「海外インターンシップ」をスタートしました。中国医薬大学はその訪問先の一つです。 初めて来学されたYu-Hsiu Chu先生のご専門は「高齢者の健康」で、現在、軽度認知症の方への進行予防の運動指導を行っておられます。また、台湾では日本をモデルにした介護保険が始まる予定になっているので、リハビリテーション病院やデイケア施設を有する西大和リハビリテーション病院を訪問させて頂きました。実際に見学し、広いスペース、スタッフ、設備が充実しており、実践内容についても非常に参考になったようです。 Yu-Jung Cheng先生は今回2度目の来学でしたので、大学見学ではなく研究についての情報交換を行いました。先生は動物を用いた基礎研究を専門にされており、今北英高教授と非常に分野が近いので、実際に実験室でマウスの脳梗塞モデルを作成する方法をデモンストレーションしていただきました。糸のように細いマウスの脳の血管にアプローチするため、顕微鏡を用いながら行わないとできません。お互いにスキルを共有しながら、気が付けば6時間も続けていたようです。 今後はさらに、インターンシップの内容の充実はもちろん、教員や大学院生間で研究のコラボレーションの可能性も拡がりそうです。 【関連記事】 理学療法学科 海外インターンシップ in 台湾 vol.4~日本に戻って報告会を開催! 理学療法学科 海外インターンシップ in 台湾 現地レポートvol.3 理学療法学科 海外インターンシップ in 台湾 現地レポートvol.2 理学療法学科 海外インターンシップ in 台湾 現地レポートvol.1 中国医薬大学と大学間提携(MOU)を締結しました~理学療法学科
2017.02.23
TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.38~シニアキャンパス「体力測定計画」に協力!その1
健康支援学生チームTASK※、理学療法学科2回生の西村です! 2月20日(月)、畿央大学のキャンパスで行われた「第2回畿央大学シニアキャンパス」にTASKのメンバーとして参加させていただきました。これは、広陵町×畿央大学「KAGUYAプロジェクト」の一環で行なわれた、シニア向けのイベントです。 ※TASKはThink,Action,Support for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を超えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。 私は「体力測定企画」の担当だったのですが、測定値を元に筋肉量を計算する項目があり、計算していると「その計算どうやってするんや?」と何人かの方から声をかけられました。知りたい理由を伺うと「なんでも自分で知っておきたい」「脳トレのため」といった理由でした。参加されていた方々の健康に対する意識の高さに驚きました。 また、KEEP×TASK勉強会では実際の現場での貴重な話を聞くことができ、とても有意義でした。みなさんに喜んでもらえることが活動のモチベーションになっているとお聞きし、参加者も企画者も共に幸せになるようないい循環が生まれている、このKAGUYAプロジェクトがもっと広がって欲しいと思いました。またこのような機会があれば、積極的に参加していきたいと思います! 理学療法学科2回生 西村勝志 【関連記事】 第2回畿央大学シニアキャンパスを開催しました。 TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.37~シニアキャンパス「認知症カフェ」に協力! ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。
2017.02.23
冬のスポーツ実習2017(in 白馬村)レポート vol.2
平成28年度のスポーツ実習(冬期)が始まりました。1年生の受講生113人、アシスタントとして2年生・3年生の助力12人、教員10人、合計135人が、2月21日(火)~24日(金)まで、長野県北安曇郡白馬村の白馬五竜スキー場で「スポーツ実習」を行っています。 スポーツ実習(2日目)の様子を二人の学生からお伝えします。 ――――――――――――――――――――― 実習としては二日目ですが、初めて雪の上に立ちました。とてもいい天気で、歩くだけで汗ばむほどの陽気でした。 私にとって、人生初のスノーボードで、右も左もわからない状態でした。それでも、インストラクターの方が丁寧に教えてくださり、すこしずつ滑ることができるようになりました。(森口) 経験者のチームで頑張りましたが、まわりのレベルに驚き、上手くなりたいなと、強く思いました。また、いろいろなコースに挑戦することができ、急な斜面では、スピードのコントロールが難しく、こわごわ滑ることしかできませんでした。(岩井) フリー滑走の時間では、実習の時間に教えていただき、練習したことを復習し、活かして滑ることができました。自分の成長を実感することができました。 お昼ごはんは、いろいろな種類があって、どれも美味しそうに見えました。明日は、今日と違うものを食べて、実習の間に多くの種類を食べたいと思います。アイスがおいしそうでした。 レクリエーションでは、理学療法学科の助力の先輩方が少しでも疲労を減らすためにストレッチをしてくださいました。ストレッチも、自分達でできるよう、覚えておきたいと思いました。 明日の筋肉痛が怖いですが、残り二日間、さらなる成長ができるよう、頑張りたいと思います! 教育学部現代教育学科1回生 森口渚月 健康科学部理学療法学科1回生 岩井佳穂 【関連記事】 冬のスポーツ実習2017(in 白馬村)レポート vol.1
2017.02.20
卒業研究で広陵町住民の方のデータを測定!~理学療法学科瓜谷ゼミ
今回、理学療法学科瓜谷ゼミでは卒業研究として「足趾握力・足部形態と歩行時の膝関節バイオメカニクスとの関係」という研究を行っています。簡単に説明すると、足指の握力や足の形と歩行中の膝の動きがどのように関係しているかを調べています。これらが明らかになることにより、今後の膝関節の障害予防や理学療法における新たなアプローチの開発につながることが期待されます。 そこで平成29年2月14日(火)、16日(木)の2日間、畿央大学運動機能実習室にてデータの測定を行いました。今回は高齢者を対象としたので、広陵町シルバー人材センターの方々36名の皆さんにご協力いただきました。多くは60代、70代の方でしたが、中にはなんと90歳近くの方もおられました! そしてそれぞれ歩行分析・足趾握力・膝伸展筋力・フットプリントを測定しました。長時間の測定になりましたが、いろいろなお話をしながら、こちらも楽しく測定させていただきました!! 今後は測定したデータの解析を進めるとともに、高齢者や大学生だけでなくその他の年代の方でもデータを取らせていただこうと考えています。最後になりましたが、今回ご協力いただいた広陵町シルバー人材センターの皆さまに感謝申し上げます。 理学療法学科3回生 浅野紗也香 【関連記事】 アジア理学療法学会(ACPT)に参加、発表!~理学療法学科瓜谷ゼミ 卒業研究で助成向けパンツを共同開発!~理学療法学科瓜谷ゼミ
2017.02.13
大学院生の研究成果がInternational Journal of Developmental Disabilitiesに掲載!~健康科学研究科
発達障害児の運動機能に身体知覚の歪みが関係していることを明らかに 脳性麻痺に限らず発達障害児は、全身や手先の不器用さを伴うことが報告されています。この原因として、身体イメージや身体図式とよばれる自己身体の知覚、認識の問題が指摘されていますが、この関係を客観的に調査した研究はこれまでありませんでした。畿央大学大学院健康科学研究科修士課程修了生(日本バプテスト病院)の浅野大喜らは、運動障害をもつ発達障害児の運動機能と、身体イメージの指標とされている他者に触れられた場所を同定するtactile localization能力が関係していることを明らかにしました。この研究成果は、International Journal of Developmental Disabilities誌(Associations between tactile localization and motor function in children with motor deficits)に掲載されています。 【研究概要】 出生後早期の脳損傷により運動障害を呈する脳性麻痺児は、運動障害だけでなく身体運動の知覚にも問題があることが示されています。また、自閉症スペクトラム障害などの発達障害児にも運動の不器用さ、身体知覚の問題が指摘されています。これらの運動の困難さの原因として、自己の身体イメージや身体図式といった自己身体の知覚、認識の発達不全が関与していると考えられていますが、下肢については客観的に調査された研究はありませんでした。そこで、研究グループは、運動障害をもつ脳性麻痺や発達障害児を対象に、触れられた手指、足趾、下肢の場所を同定する触覚位置同定(tactile localization)能力と運動機能との関係について調査し、手指の認識と手の巧緻動作、さらに下肢全体のtactile localization能力と下肢の運動機能との間に相関関係があることを見出しました。 研究の詳細は畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターホームページでご覧になれます。
2017.02.07
大学院生の研究成果がJournal of Rehabilitation Medicine誌に掲載!~健康科学研究科
運動が脊髄損傷後の神経障害性疼痛を軽減させることを明らかに -安静時脳波解析による検証- 脊髄を損傷すると神経障害性疼痛が生じることがあります。脊髄損傷後の神経障害性疼痛は高い確率で出現し、心理的な苦痛や生活の質の低下を引き起こします。畿央大学大学院健康科学研究科博士後期課程の佐藤剛介らは、有酸素運動(車椅子駆動)により脊髄損傷後の神経障害性疼痛の緩和や負の気分状態が改善し、運動野周囲のα帯域の活性を変化させることを明らかにしました。この研究成果は、Journal of Rehabilitation Medicine誌(Effects of wheelchair propulsion on neuropathic pain and resting electroencephalography after spinal cord injury)に掲載されています。 【研究概要】 脊髄損傷後には運動麻痺・知覚麻痺・自律神経障害が生じ、神経障害性疼痛を始めとした様々な二次的障害を引き起こします。脊髄損傷後の神経障害性疼痛は様々な健康指標を低下させ、治療が難しいことが知られています。この脊髄損傷後の神経障害疼痛は、脊髄が損傷することにより脳と手足の神経を中継する視床と呼ばれる部位の機能異常を引き起こすことが原因の一つと考えられています。この視床の機能異常は脳波を測定した際にα波の変化で表され、具体的にはα波のピークを示す周波数であるPeak alpha frequency(PAF)が低下します。こうした脊髄損傷後の神経障害性疼痛に対して、有酸素運動を行うことで痛みを緩和させることが報告されており、有酸素運動による鎮痛効果は新たな視点として注目されています。さらに、健常者の実験では有酸素運動により負の気分状態が改善することやPAFが増加することが明らかにされています。しかし,これまで脊髄損傷の患者において運動による鎮痛効果と安静時脳波活動(PAFの変化)との関係は明らかにされていませんでした。 今回、研究グループでは脊髄損傷の患者さんが日常生活で使用する車椅子を駆動する運動を行うことでPAFを増加させ、神経障害性疼痛と負の気分状態への効果を検証しました。主観的運動強度で「ややきつい」~「きつい」程度の15分間の車椅子駆動の結果、足や背中の神経障害性疼痛の主観的疼痛強度の減少と負の気分状態が改善し、中心領域(運動野に相当する領域周囲)におけるPAFの増加が認められました。 この研究成果は、有酸素運動が脊髄損傷後の神経障害性疼痛や負の気分状態に対して有効であるとともに、脳波測定のような神経生理学的指標を用いて運動により視床の機能異常が一時的に軽減することを明らかにしたことになります。 研究内容の詳細については畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターホームページでご覧になれます。
2017.02.07
大学院生の研究成果がClinical Rehablitation誌に掲載!~健康科学研究科
畿央大学大学院健康科学研究科博士後期過程の今井亮太らは、橈骨遠位端骨折術後患者に腱振動刺激による運動錯覚を惹起する(引き起こす)ことで痛みの軽減のみならず、手関節の運動機能の改善が認められたことを示しました。また、この効果は術後2ヵ月経っても持続していました。その研究成果はClinical Rehabilitation誌(Effect of illusory kinesthesia on hand function in patients with distal radius fractures: a quasi-randomized controlled study)に1月12日に掲載されました. 【研究概要】 2015年に今井らは、橈骨遠位端骨折術後患者に腱振動刺激による運動錯覚を惹起させることで、痛みの感覚的側面だけではなく情動的側面(不安や恐怖)の改善が認められたことを報告しました。またこの時、2ヵ月後まで効果が持続したことも示さました。しかしながら、理学療法において痛みを改善軽減させることは重要ですが、1番の目的は手関節の運動機能(ADL)の獲得であるにも関わらず、調査ができていませんでした。そこで本研究では、2ヵ月後まで手関節の運動機能を評価して検討しました。その結果、運動錯覚を惹起しなかった群と比較して、運動錯覚を惹起した群では有意に手関節の運動機能の改善が認められました。 詳細はニューロリハビリテーション研究センターホームページでご覧になれます。
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