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看護医療学科

2019.01.07

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.65~11月度勉強会テーマは「糖尿病」!

こんにちは!健康支援学生チームTASK※看護医療学科2回生の余田小春です。 2018年11月29日(木)に「知れば活かせる!糖尿病について」をテーマに11月度勉強会を行いました。   ※TASKはThink,Action,Support for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を超えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。     "糖尿病"とは発症要因から大きく1型、2型に分けられ、日本人では糖尿病患者さんの約95%が2型糖尿病といわれており、「ストレス」、「肥満」、「運動不足」、「暴飲暴食」などの生活習慣に関わる病です。 "糖尿病"と聞いて、聞いたことはあるけれど実際はどういうものであるか分からない、という方は多いと思います。 今回の勉強会を通して"糖尿病"について知り、教育や医療の現場、日常の生活に活かせるようになりました。   ▼勉強会を終えた後にみんなでTASKのT!   看護医療学科2回生 余田小春   ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。

2019.01.04

教育・教授活動に関する自主学習会を行いました~看護医療学科教員レポート

平成30年12月25日(火)行われた全学FD研修会に引き続き、14:40から16:00まで、K204ゼミ室において教育・教授活動に関する自主学習会を開催しました。 助言者として、鈴木克明先生(熊本大学教授システム学研究センター長・大学院教授システム学専攻長)をお招きしました。 参加者は、看護医療学科、健康栄養学科、人間環境デザイン学科、現代教育学科の教員など15名が参加し、日々の教授活動に対する質問や授業や演習設計など教育上の悩みなどフリートークの機会としました。鈴木先生からはまさに「目からうろこ」といった斬新的なアドバイスを頂き大変、有意義な時間を過ごしました。     鈴木先生が何度も強調されたことは「基礎から教えるのではなく、応用から学修して基礎にもどる」ことの意義でした。従来の看護医療学科のカリキュラムでは、1回生は「人体の構造と機能」など専門基礎科目と「基礎看護学」を中心にカリキュラムが組まれています。その後、2回生で専門基礎科目の「疾病の成り立ちと回復の促進」で病態や治療などについて学び、専門科目である「成人看護学・母子看護学・老年看護学・精神看護学・地域看護学」の対象論で概論的なことを学びます。更に2回生の後期から3回生の前期にかけて援助論でそれぞれの対象に対する援助の実際を学び、3回生の後期から臨地実習の中で今まで学んできたことを統合し、実践に役立つ知識と技術を身に付けます。しかし高校を卒業したばかりの1回生にとって、最初に学ぶ専門基礎科目は医学用語ばかりで難しく、またその知識が看護にどのように結びつくかイメージし難いため面白みに欠けます。 鈴木先生のご提案は、2回生・3回生で学ぶ各領域の看護学を1回生で学びます。その際、1人の模擬患者の事例を提示して、病態や治療など自分達で調べるようにしておきます。すると、学生は自ら学び、知識が深まるというものです。その後に専門基礎科目を学修すると、一度自分で調べた医学用語なので理解しやすく、知識の定着が容易にできるということです。 更に、講義についても、「教員がかみ砕いて説明している間では学生は自ら学習しない。毎回小テストを先に行い、自分で調べるようにすると理解が進み、学習したことも忘れないし国家試験対策にもつながる」、また演習科目については、「小テストの代わりにパフォーマンス課題を実施することも効果的である」との助言をいただきました。   演習や実習などにおいて、少し先に体験した学生(先輩が後輩に)にその内容を説明すると、説明を受けた側(後輩)、説明した側(先輩)ともに学びが深まる『ピアチューター』が効果的という報告もありました。このことは、本学の健康支援学生チームTASKが実践している方法であり、認知症カフェや学外ボランティア活動などのフィールドワークにおいても、活用できる教授方法だと考えました。   今回の自主学習会を通して、学生を惹き付ける魅力的な授業について深く考える機会となりました。また、学生の学びが深まるように、授業に対して様々な工夫を凝らし、日々悩み模索しながら学生に関わっている教員の皆様に感銘を受けました。 今回の学びを今後の糧として自己研鑽していきます。   看護医療学科助手 島岡昌代 ●畿央大学FD研修会についての記事はコチラ!

2018.12.26

2回生対象「第7回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科

看護医療学科では、1回生の前期から2回生の前期にかけての1年半で基礎看護学について学び、講義や演習を通して基礎看護技術の修得をめざします。 2回生後期は、3回生後期の各看護学実習に向けて、講義を中心に学びを積み重ねていきます。演習などで基礎看護技術を実施する機会が少なくなるため、意識して練習する機会を持たなければ、せっかく修得した技術もやがて忘れてしまいます。 そこで、学生が自分の基礎看護技術の修得状況の現状を把握し、各看護学実習に向けて意欲的に自己学修に取り組むきっかけとなれば…と考え、「基礎看護技術自己学修会」を企画・開催しました。   平成30年12月7日(金)は、「フィジカルアセスメント(バイタルサインの測定と呼吸音・腹部の観察)」をテーマに自己学修会を行い、27名の学生が参加しました。 1回生後期の履修科目である「フィジカルアセスメント」では、健康上の問題を有する患者さんの身体を観察し、得られた情報から患者さんがどのような状態であるのかを考え、必要な援助を導き出すための視点や方法を学修します。具体的には、脈拍測定や血圧測定、呼吸音の聴診や腹部の観察方法等、患者さんの全身状態を観察するために必要な知識と技術について、学修します。     今回の学修会では、バイタルサイン測定と腹部の観察に加えて、フィジカルアセスメントモデル「フィジコ」と、呼吸音聴診シミュレータ「ラング」を用いた呼吸音の聴診を実施しました。 「フィジコ」と「ラング」は医学教育用シミュレータで、それぞれ健康上の問題を有する患者さん特有の症状を再現することができます。参加した2回生は、教員のアドバイスを受けつつ真剣な様子で取り組んでいました。     【参加した2回生の感想】 昨年の授業時に学び、2回生になってからも何度か復習したはずなのに、すっかり曖昧になってしまった知識を今回の学修会で復習することができました。来年の実習のことを考えると復習しなければならないことでいっぱいだと実感しました。疾患と呼吸の特徴を結び付けて教えてくださったり、先生方の経験を踏まえてバイタルサインの観察のポイントを教えてくださったり、参加できてよかったと感じました。 先生方と仲間と会話を交えながら楽しい雰囲気で復習することができました。「わからへんなあ~」と悩みながらも去年の授業を思い出して懐かしくなりました。これからますます勉強に励み頑張っていこうと改めて考えることができました。    奥田帆乃夏・杉永妃那乃   久しぶりにバイタルサイン測定をしました。半年前までできていたことが、全然できなくなってしまっていたので、自己学修会に参加して良かったです。今までに習った技術を忘れてしまわないように練習が必要だなと感じました。 吉良奈穂    約半年ぶりにバイタルサイン測定を行ってみると、基準値を曖昧にしか覚えていなかったり、血圧計使用前の点検であったり、対象者に聴診器を当てる前に冷たくないように温めておくなど、忘れていることがたくさんありました。来年の臨地実習前に慌てなくてすむように日頃から練習しておくことが大切だと気がつきました。 桑野朋佳      健康上の問題を有する患者さんに適した援助を実施するためには、患者さんがどのような健康状態であるのかを把握し、必要な援助を導き出せる力が重要となります。 今後も、基礎看護技術を修得できるよう努力を積み重ね、3回生後期の各看護学実習で、一人ひとりの患者さんにより良い援助を実践できることを願っています。   看護医療学科 基礎看護学領域 林有学・須藤聖子・小林智子・中西恵理   【関連記事】 2回生対象「第5回・第6回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「母性看護学援助論Ⅱ」教員による授業レポート!~看護医療学科 3回生対象「第4回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「第3回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科

2018.12.07

「第5回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」を開催しました~看護医療学科

平成30年11月28日(水)~12月1日(土)、「第5回 韓国老人福祉(認知症ケア)研修」が畿央大学で開催されました。 この研修は、韓国の老人医療現場における医療のクオリティー向上のために海外の老人医療現場における研修プログラムを実施し、老人医療の先進的なシステムなどを取り入れたいという大韓老人療養病院協会からの依頼で、看護医療学科老年看護学領域の山崎尚美教授が企画した研修会です。韓国の老人療養病院で勤務する看護職や管理者などの医療関係者が、日本の高齢者の認知症ケアを学び、医療現場の見学を通して韓国の高齢者医療の発展につなげる目的で、韓国から9施設37名が畿央大学および施設での研修に来られました。   1日目:11月28日(水) 大阪に入国された一行は、大阪城や大阪市内を観光された後、畿央大学に訪れました。畿央大学では、はじめに冬木正彦学長から歓迎の挨拶がありました。以前の訪問の際に友好の証としてお土産で頂いたハフェタルというお面について触れ、「韓国と関係の深いこの地にある畿央大学に来られたことをとても歓迎します。これからも交流が続きますように」と述べられました。また、今回はチマチョゴリの飾りに使われているノリゲが入った素敵な額をお土産に頂きました。       次に、山崎尚美教授が「日本の認知症ケアにおける現状と課題」について講演をされました。講演の中では、畿央大学老年看護学教員で行っている4つの認知症カフェの取り組みについても紹介がありました。また、認知症の人への理解が深まるように、認知症の人への対応や治療法、認知症の人自らが語ることの意味などについてもわかりやすく説明され、皆さん熱心に聞き入っておられました。 その後、大韓老人療養病院協会のユンジェホ氏から「日本の地域包括ケアで見たコミュニティ・ケア」の講義があり、最後に参加者や病院の紹介をそれぞれの参加者が発表されていました。     2日目:11月29日(木) 午前中は、老人介護福祉施設 『和里(にこり)』を見学されました。和里は、10人程度の少人数が生活するユニットケアを行っており、関西をはじめとする施設職員の研修なども多く受け入れています。和里でのユニットケアの実際や看護・介護の実際を見学されました。     午後は、『平成まほろば病院』や、介護老人保健施設『鷺栖の里』を訪問され、看護・介護の実際を見学されました。また、「平成記念会の褥瘡(じょくそう:床ずれのこと)対策」として、平成記念病院の皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCN:創傷(Wound)、ストーマ(Ostomy)、失禁(Continence)にかかわる専門の知識や技術を有する看護師)の西内みゆき看護師から実際の褥瘡対策実績を交えて褥瘡対策の取り組みについて講義を受けられました。     3日目(11月30日)は朝から奈良東病院やふれあいの里を見学され、その後は奈良観光を楽しまれました。そして4日目(12月1日)に京都観光をした後、帰国の途に就かれました。 急速に高齢化率が上がる韓国において、これらの研修会が韓国のより良い高齢者看護に繋がるのだと考えると、見本となる自分達も今一度高齢者看護について見つめ直し、学生にしっかりと日本の高齢者看護の良い点を教授し、悪しき習慣は払拭していかねばと襟を正しました。   看護医療学科 助手 島岡昌代   【関連記事】 「第2回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」開催~看護医療学科 「第1回大韓老人療養病院協会主催研修」が開催されました~看護医療学科 マダム信子氏の講演会&意見交換会を開催!~第1回認知症の人と課題解決のステーションづくり in 畿央大学 認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。

2018.11.29

国立ハンセン病療養所を訪問~看護医療学科「健康学特論」

看護医療学科2回生の34名は「健康学特論」(看護医療学科2年次後期 保健師課程科目:文鐘聲准教授)の授業において、在日外国人の健康問題やハンセン病の歴史、今なお残るハンセン病への差別や偏見について学習をしました。   ハンセン病は、ごく弱い感染力しか持たない感染症の一種で、現在は日本国内での新規患者はほとんどいません。戦後すぐに抗生剤が導入されたことにより劇的に治癒しましたが、治療が遅れた患者さんは感染症そのものは治っても、後遺症として知覚麻痺などの末梢神経障害を残してしまいました。また、人への感染の危険性はないにもかかわらず、1996年まで療養所への隔離を強制する法律が残っていて、人権上非常に問題がありました。   2018年11月21日(水)には、大阪からバスに乗り、約3時間。岡山県瀬戸内市にある国立療養所長島愛生園を訪問させていただきました。療養所のある長島へ向かうには、邑久長島大橋と呼ばれるわずか135mほどしかない橋を渡ります。ちょうど30年前にこの橋は開通されましたが、それ以前までは橋はなく、完全に隔離された島となっていたため、「人間回復の橋」とも言われています。     長島愛生園歴史館では、学芸員の田村朋久さんより、入所者の方が4年掛けて作られた、療養所の立体地図をもとに、園内の説明をしていただき、その後館内の見学を行いました。     療養所内で実際に使われていたお金や着物(療養所では当時、ハンセン病患者を社会と完全に隔離するため現金や衣類などは一切持ち込めず、療養所内のみで使えるお金や衣類を使用していました。)、療養者が書いた手紙、詩、俳句、当時の写真などが展示されており、療養所内での生活や療養者の心情などハンセン病についてより詳しく知ることができました。     実際に田村さんに解説をしていただきながら、園内を歩いて見学させていただきました。 収容所桟橋では、多くのハンセン病患者とその家族が別れを経験したところで、「ハンセン病を患った子どもが母親に『旅行に行こう』と言われ、喜んで向かったところがこの長島であった。桟橋を渡る頃にはもう母親は帰ってしまった。」という実際にあったお話を聞きました。     続いて、収容所を見学しました。ハンセン病患者は長島に上陸した後、消毒を行うためにクレゾールという消毒液が入った、小さな消毒風呂に入らなければいけませんでした。     急な坂道を上がり、納骨堂で黙祷しました。 ハンセン病患者であることから、社会からの大きな差別を受け、故郷に帰りたくても、家族のことを思い、帰ることができず療養所内で亡くなった方がたくさんいらっしゃるということに心が痛みました。     高台に上がり、小豆島や晴れていたら淡路島まで見ることができるところに「恵の鐘」というものがありました。石材と砂を運び上げる作業を、療養所入所者と職員で行い、1935年に竣工されたそうです。毎日、朝夕の6時に自動で鐘が鳴るようですが、今回特別に学生が鐘を撞かせていただきました。     その後、集会所で大阪ご出身の長島愛生園入所者の方にお話をお聞きしました。 療養所に入所するまでの生活や、療養所へ来た理由、ハンセン病が治癒してから現在までの暮らしなど詳しく話していただき、社会からの差別など胸が苦しくなるようなお話もたくさんありました。差別をした人、ハンセン病を隔離する法律を作ったことについて恨んでいるか、という学生の質問に対して、「誰も恨んでいない。この時代に生まれたことは運命。自分だけではなく、病気をもつ人など、苦しんでいる人は世の中にたくさんいるということを認識できた。過去のことをどう考えても仕方ない。運命だと思えるようになった。」という前向きなお言葉もあり、入所者の強い考えにも驚きました。     短い時間でしたが、長島愛生園を見学させていただき、学習をするまで全く知らなかったハンセン病の歴史や人権について、より深く学ぶことができました。 ハンセン病に限らず、社会の中では多くの差別や偏見があります。誤った認識をしている人がいることによって差別や偏見の目は広がっていくのではないかと考えています。今回学習したことを活かして、まず私たちが正しい知識を持ち、差別や偏見が今後無くなり、人が自由に平等に生活できるような取り組みをしていきたいと思います。                   看護医療学科2回生 谷村彩 安田悠未    【関連記事】 ハンセン病療養所を訪問~看護医療学科 日本における感染症対策ーハンセン病の歴史ーを学ぶ~看護医療学科 ハンセン病療養所長島愛生園を見学~看護医療学科 「ハンセン病療養所訪問学習を通しての学び」報告会を開催しました。~看護医療学科

2018.11.26

「グループホームの看護職のための終末期ケア研修会」を開催!~看護医療学科

平成30年11月23日(金)9:40~12:10、L102教室でグループホームの看護職のための終末期ケアに関する研修会が行われました。 主催は文部科学省基礎研究C 代表:山崎尚美教授の「グループホームの終末期ケアにおける看護連携を強化する教育支援システムの開発」によるものです。 祝日の早い時間でやや寒い日にもかかわらず、施設の施設長、介護福祉士、看護師など35名の参加がありました。はじめに主催者の山崎教授が、研修会の説明および研究協力の依頼などを行ったあと、4人の講師による講演が行われました。 最初は愛知県立大学看護学部副学長である百瀬由美子教授が、「認知症高齢者の終末期ケア」について講演されました。 内容は高齢者の死亡場所の多様化の現状と課題について、特に高齢者の尊厳ある終末期ケアに関して厚生労働省の「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」などを引用しながら、高齢者の思いはそれぞれ多様であることから、職員皆で話し合いケアを行うチームケアの重要性について話をされました。また看護職の役割として、苦痛の緩和や快適な生活環境の提供、精神的安寧が大切であること、高齢者が尊厳ある死を迎えるためにはアドバンスケアプランニング(ACP)の概念である、あらかじめ、どのように看取りを迎えたいのかを話しておくことの重要性も話をされました。     次に、愛知県立大学看護部の藤野あゆみ准教授が、「倫理と意思決定支援」について話をされました。 高齢者の尊厳を守るためには、現状における最善の生き方や死について選択し実践するため、自分で意思決定できない人の意思や思いを代弁する支援が必要であり、認知症の人の特性を踏まえた意思決定をすることが重要であると話されました。 そのためには、認知症の人が何をできるのか、どうしたらできるのかを把握し、認知能力に応じて理解できるような個々の高齢者の強みを活かしながら説明をすることが必要であり、そしてチームは早期から繰り返し本人の意思を聞き、見通しをもって継続的支援を行っていくこと、その都度記録を残しておくことなど話されました。 また、シェアードディシジョンメイキングという家族とスタッフがお互いに情報を共有しながら一緒に治療方針などを決定するなど、本人の人生をたどりながら家族およびスタッフの合意をめざすことの重要性を話されました。     3番目に、愛知県立大学看護部の天木伸子講師が、「一般病院における認知症を持つ人の終末期ケア」について話をされました。 施設での終末期ケアも増えていますが、病院で最期を迎える認知症高齢者は7~8割と多いようです。一般病院における認知症を持つ人への終末期ケアでの医療者の役割として、症状・苦痛に対して迅速な医療的対応ができるというメリットを生かして、過剰でもなく過小でもない適切な医療を提供することがあげられます。取り除ける呼吸困難や痛み、食欲不振などの苦痛を適切に緩和すること、可能な限り早く今までの暮らしに戻れるようにすることが必要であると話されました。身体的苦痛でつらい思いをしていないか、本人の状態や表情などから状態を把握し援助するとともに、安心や快をもたらすケアをすることが大切であり、質評価指標を使うなど、援助の振り返りをしていくことなどが重要であると話されました。     4番目は山崎尚美教授で、平成29年の厚生労働省医局長による新たな「情報通信機器(ICT)を利用した死亡等のガイドライン」から、今まで医師のみにより行われていた死亡確認が、看護師により「死亡の確認」「死亡診断書の代筆」ができるようになったこと、グループホームにおける「看取り加算」や、「看護師がいることによる加算」など、最近のグループホームにおける看取りについて説明されました。 このことから介護職と看護職の連携がさらに重要となっており、職種間の言葉でのやり取りからそれぞれの思いを出しあい、それぞれが自分たちは何ができるのかを考え、責任をもってそれぞれの仕事をすることが連携であると話されました。 また、看取り後のカンファレンスは本人が亡くなってから行うことが多いけれども、亡くなる以前から定期的に行うことが必要なのだと話されました。終末期ケアにおける介護職が看護職に期待する役割や看取り時の看護職の役割など、研究で得られた内容も話をされました。     参加者から、医師との連携のあり方、意思決定の具体例、グループホーム看護職と訪問看護師の役割分担の内容など、実際に看取りをしていて困難な事例をもとに、多数の方から積極的に質問がありました。 2017年には高齢化率が27.7%となり、超高齢社会である我が国において、高齢者の終末期ケアをどのように考え、どのようにかかわっていくのかを学び、施設や病院での看護職の役割を改めて考える機会となりました。  看護医療学科 准教授 南部登志江 【関連記事】 緩和ケア病棟を見学実習!~看護医療学科「終末期ケア論」 「エンゼルメイク」の演習を実施!~看護医療学科「終末期ケア論」 がんから学ぶ「生」と「死」~看護医療学科「終末期ケア論」レポート 認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。

2018.11.22

2回生対象「第5回・第6回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科

看護医療学科では、1回生の前期から2回生の前期にかけての1年半で基礎看護学について学び、講義や演習を通して基礎看護技術の修得をめざします。 2回生後期は、3回生後期の各看護学実習に向けて、講義を中心に学びを積み重ねていきます。演習などで基礎看護技術を実施する機会が少なくなるため、意識して練習する機会を持たなければ、せっかく修得した技術もやがて忘れてしまいます。 そこで、学生が自分の基礎看護技術の修得状況の現状を把握し、各看護学実習に向けて意欲的に自己学修に取り組むきっかけとなれば…と考え、「基礎看護技術自己学修会」を企画・開催しました。     平成30年10月26日(金)は、「仰臥位から端坐位への体位変換・車椅子への移乗介助」をテーマに自己学修会を行いました。仰臥位(仰向け寝)から端坐位(ベッドに腰をかける)への体位変換や車椅子への移乗介助は、実際の看護場面においても実施する機会が多く、患者さんが、安全に安楽に車椅子に移乗するためには、看護者が確実に技術を修得していることが重要です。 参加した20名の学生のほとんどが「あれ?忘れてる…?」と苦戦している様子がうかがえましたが、教員からのアドバイスを受けつつ何回も練習し、徐々にスムーズに実施できるようになりました。    【参加した2回生の感想】 自己学修会に参加すると「できる」と思っていたことのほとんどを忘れていました。今回、復習することができてよかったです。授業のような雰囲気ではなく友達と「どうだったっけ?」と相談しながらできるので、楽しく復習できました! 坂本知香   一度修得したと思っていた技術も一年経ち、いざ実施してみるとスムーズにできなかったり、正確に実施できなかったりしました。一度復習したことによって技術の再確認ができました。参加してよかったです。残りの学修会も頑張ります。 千福杏奈   体位変換や車椅子への移乗など、去年何度も練習していたので私は「できる」と思っていましたが、実際にこの学修会に参加して実践してみると、頭ではわかっているのに体の動かし方がわからず、また看護する上での大切なポイントを忘れていました。一緒に参加した学生とどのように援助をすれば良いか考え、先生方にヒントをもらいながら実践し、とても勉強になりました。定期的に学んだことを復習するべきだなと改めて思いました。また次の学修会も是非参加したいと思います。 田尾歌音     また、11月16日(金)は、「臥床患者の寝衣交換」をテーマに自己学修会を行い、29名の学生が参加しました。久しぶりに実施した寝衣交換に、参加した学生の誰もが四苦八苦していましたが、教員のアドバイスを受けつつ何度も練習し、徐々にスムーズに実施できるようになりました。また事例を設定し、「右半身麻痺のある患者の寝衣交換」を行いました。学生は、どのように援助すれば、患者さんが安全に安楽に更衣できるのか、汗をかきつつ時間が経つのも忘れて、熱心に練習していました。     【参加した2回生の感想】 授業で一度学修したことなのに、うっすらどんな感じだったというやり方しか覚えてなくて、まったく実施できませんでした。しかし、この自己学修会に参加して、もう一度復習することで曖昧だった記憶が、しっかり定着してできるようになったと思います。参加してよかったし、もっと普段から復習する必要があると思いました。 秋野菜美   看護技術の演習の機会がなくなってしまって、すでに学修した内容など、基本的な知識や技術を忘れてしまっていたので、今回の学修会が復習のいいきっかけになってよかったです。定期的に復習をしておかないと、実習のとき大変になってしまうなと思いました。 尾崎菜々     約半年経つと自分では覚えているつもりでも意外と忘れていて、友達と 「こうだったっけ?」と迷い試行錯誤しながらでないと、寝衣交換や車椅子移乗を行うことができませんでした。なので、この自己学修会で自分の忘れている看護技術をもう一度復習することができ、また、友達と試行錯誤することで、半年前には思い浮かばなかった方法を考えたりして、有意義な時間でした。 川西里奈     学年が上がるにつれて学ぶ内容も高度になり、学生生活はますます忙しくなるかと思います。基礎看護技術の練習の必要性はわかっていても、自分だけだとなかなか行動に移せない…という現状もあるかと思います。 しかし、患者さんに適した看護援助を提供するためには、まず、基礎看護技術を修得していることが必要です。今回の学修会をきっかけに、一人でも多くの学生が、より確実に基礎看護技術を修得できるよう自己学修に励むことを願っています。   看護医療学科 基礎看護学領域 林有学・須藤聖子・小林智子・中西恵理   【関連記事】 対象者の清潔援助の必要性を考える~看護医療学科「療養生活援助技術」 3回生対象「母性看護学援助論Ⅱ」教員による授業レポート!~看護医療学科 3回生対象「第4回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「第3回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科

2018.11.08

平成30年度第4回「Kio オレンヂ喫茶(カフェ)in 津越」を開催!~看護医療学科

2018年10月26日(金)、第4回目となる「Kio オレンヂ喫茶(カフェ) in 津越」(認知症カフェ)が開催されました。 「kio オレンヂ喫茶(カフェ) in 津越」は、西吉野町津越地区で文部科学省の科学研究費助成(挑戦的萌芽研究16K15979: 代表 島岡昌代)を受けて行っている認知症施策推進事業(新オレンジプラン)に基づく事業で、「たとえ認知症になったとしても安心して暮らし続けることのできる地域づくり」を目標に、地域住民の方たちとともに創りあげていく認知症カフェです。 「Kioオレンヂ喫茶(カフェ)in津越」では、前半は地域の方が認知症についての理解が深まるような取り組みを行い、後半は「認知症について語る会」として認知症についての思いを語り合う場を設けています。今回は「認知症にならないために気をつけること~頭と身体を鍛えよう~」をテーマに、参加者全員で話し合いました。今回の参加者は、地域住民の方12名、西吉野在宅介護支援センターの方2名、はるす・西吉野の職員の方が1名と、看護医療学科老年看護学教員4名でした。     「認知症にならないために気をつけること~頭と身体を鍛えよう~」についてのミニレクチャー 今回は、認知症にならないためにどんなことに気をつけて生活していけば良いか、山崎先生からミニレクチャーがありました。認知症を予防するための4つの生活スタイルは、社会的な交流を保つ・脳を刺激する活動を行う・運動をする・栄養バランスの良い食事をとるということです。社会的な交流を保つことはこのオレンヂ喫茶に参加してくださっていれば大丈夫ですね。脳を刺激する活動は、クイズを交えた頭の体操をしました。懐かしの昭和歌謡曲クイズでは、全問正解した方もいらっしゃいました。頭を使った後は季節のものを描く、南部先生の『絵手紙』です。目で見たものを頭の中で組み立てて、手先を使い、思い通りに表現する-この作業が実はなかなか難しく、認知症予防にはとっても良いそうです。「何十年ぶりやろう」「この絵、性格出てるよね~」などと話しながら水彩画と会話を楽しんでおられました。     認知症にならないために気をつけること-最後は運動です。今回は『江戸川区シルバー健康体操』に挑戦しました。いつもの『誤嚥にナラん体操』よりも少しテンポアップした体操に必死で身体を動かし、終われば自然と笑みがこぼれていました。     認知症について語る会 今回は認知症にならないために気をつけていることや、このオレンヂ喫茶に参加して感じたことや考えたこと、また、これから行ってみたいことなどを自由に話し合いました。認知症の母親を介護していた経験がある方は、「自分の親を看ている時に認知症の事をもっと知っていたら、もっと優しくできたのにと思う。でも、次は自分や旦那の番やから、認知症の事をいろいろ勉強できて良かった。」「テレビとかで認知症の事をしてたら、興味を持って観るようになった。食べ物とか、気を付けるようになったわ。」「私はお友達とウォーキングを始めました。」など、沢山のご意見を頂き、このオレンヂ喫茶が認知症の啓発活動に繋がっていると確証出来ました。 『Kio オレンヂ喫茶 in 津越』としての活動は今回が最後になりますが、今後も地域住民の方々が「たとえ認知症になったとしても安心して暮らし続けることのできる地域づくり」を続けていけるようサポートしていきたいと思います。   1年間、素敵な場所で『Kio オレンヂ喫茶 in 津越』を開催させていただきありがとうございました。どうぞ皆様お元気で。   看護医療学科助手 島岡昌代   【関連記事】 平成30年度第3回「Kio オレンヂ喫茶(カフェ)in 津越」を開催!~看護医療学科 平成30年度第2回「Kio オレンヂ喫茶(カフェ)in 津越」を開催!~看護医療学科 川上村健康力向上プロジェクト「認知症教室」を開催!~看護医療学科 川上村民生児童委員会の方を対象とした「認知症を正しく理解する講習会」を開催!~看護医療学科 平成30年度第2回「Kioオレンヂ喫茶(カフェ)分かち合いin御所」を開催!~看護医療学科 平成30年度第1回「Kioオレンヂ喫茶(カフェ)分かちあい in 御所」を開催!~看護医療学科

2018.11.07

平成30年度 新生児蘇生法(NCPR)一次コースの講習会を受講!~看護医療学科

平成30年10月29日(日)に、新生児蘇生法(NCPR)一次コースの講習会を受講しました。 看護医療学科の学生を対象にしたNCPR一次コースは、今回で4回目の開催となります。     この講習会は、出生時に胎外呼吸循環が順調に移行できない新生児に対して、いかにして心肺蘇生法を行うべきかを学ぶことを目的としたものです。 「すべての分娩に新生児蘇生法を習得した医療スタッフが新生児の担当者として立ち会うことができる体制」の確立をめざし、日本周産期・新生児医学会では、2007年から新生児蘇生法(NCPR)普及事業をスタートしました。   私たちが開催した一次コースは、看護学生等を対象にしたもので、この講習会受講後に試験を受けて合格すると、所定の手続きを経て「新生児蘇生法修了認定」の資格を得ることができます。本講習会によって、標準的な新生児蘇生法の理論と技術に習熟することにより、児の救命と重篤な障害の回避が期待されます。 「臨床知識編」「実技編」で構成される「基本的な新生児蘇生法の習得」を目的とした約3時間30分の講義と実践です。   朝9時頃から、助産専攻科の実習室での講義からスタート。看護医療学科講師の藤澤弘枝が講義を行いました。     そのあと、蘇生に必要な物品の説明をしてから、私と小児外科の小角卓也先生がインストラクターとして、実際のケース事例をもとに2~3名の学生で何度も何度も何度もシミュレーションをしました!!!     アルゴリズムに沿って、判断・行動、判断・行動・・・、出生後60秒以内には「人工呼吸」が必要なベビーに開始できることが目標です。       みんな真剣そのもの、最後は試験に向けて最後の復習をし、受験です。     2回生でわからないことがたくさんある中、予定時間をかなりオーバーしても「やります!」と練習していました。     一生懸命取り組んだ学生さん6名、全員合格しますように・・・。   看護医療学科 講師 藤澤弘枝   【関連記事】 新生児蘇生法(NCPR)講習会を受講!~看護医療学科 新生児蘇生法(NCPR)一次コース講習会を開催!~看護医療学科 新生児蘇生法(NCPR)Aコースを受講し、全授業が終了!~助産学専攻科 新生児蘇生法(NCPR)の結果発表!~看護医療学科 「NCPR(新生児蘇生法)Aコース」講習会を開催!~助産学専攻科 新生児蘇生法(NCPR)講習会を開催!~看護医療学科

2018.11.01

畿央祭ウェルカムキャンパス がんカフェ「きらめき」を開催!~看護医療学科

平成30年10月20日(土)畿央祭初日に、畿央祭・ウェルカムキャンパスの看護医療学科企画として、がんカフェ「きらめき」を開催しました。 今年度は天候に恵まれ、地域の皆様・保護者の皆様を中心として、また本学の卒業生を含め40名以上の来場者があり、39名の方にアンケートにご回答いただきました。当日は、済生会中和病院がん相談支援センターのがん看護専門看護師である小林さゆり氏をお招きし「がんと診断されて困った時の相談窓口」というテーマで、ご講演いただきました。     講演では、日々、がん患者さんやそのご家族の相談業務に携わっておられる小林氏より、具体的な事例を挙げてわかりやすくご説明いただきました。また、奈良県がんピア・サポーターとのフリートーク、乳がん自己検診モデルやがん検診・がんと就労支援に関する資料の展示、現在開発中の乳がん術後オリジナル入浴着の展示を行いました。 奈良県がんピア・サポーターとは、奈良県がんピア・サポーター養成研修を修了された方々です。当日は、奈良県がん診療連携拠点病院等で開催されている「がんサロン」で、ファシリテーターとして活動されている、がん経験者2名にお越しいただきました。がん治療を経験した当事者として、参加された方々と熱心に語り合っておられました。   ▼ご講演頂いた、がん看護専門看護師 小林さゆり氏   【参加された方々の感想】 「乳がんがかたくて驚きました。月に1度チェックしようと思います。」 「がんの治療費の自己負担の高さに驚きました。」 「講演会の内容がとても良かった。決して他人事ではなく、明日は我が身、でも実際のガンと告知されたらどうしたらいいのか?興味深く聞かせていただきました。」 「がんカフェ初体験でしたが良かったです。病院だと入りにくいので… 講演も良かったです!!」   また、今年度は看護医療学科2回生4名がスタッフとして参加し、来場された方々に手のアロママッサージを行いました。体験された方々から「マッサージ気持ち良かったです。ありがとう。」「みなさん優しくて親切で明るく、心が軽やかになりました。」という感想をいただきました。また、参加した学生にとっても、貴重な経験となりました。     【学生の感想】 アロママッサージをしながら相手の方ともアロマの香りや、ご家族のことなど様々な会話ができとてもよい経験になりました。アロマの香りや、人の手の温かさで相手だけでなく、自分もリラックスできたと感じました。 中田萌香   初めは上手くできるかと不安でしたが、実際に行ってみると「気持ちがよい」「癒される」といった声を聞けてとても嬉しかったです。実施中は会話も自然と弾み、肌と肌の接触によって相手との心の距離を縮めることができるのだと学びました。このような体験ができて、とてもよかったです。 原田美希   アロママッサージをさせてもらって、人それぞれ皮膚の感触も違い、年齢も違うので、その人にあった強さでマッサージするべきだということを学ぶことができました。みんなに気持ちよかったと言ってもらえて嬉しかったです。やっている方もリラックスできたし、自分も気持ちよくなり、落ち着くことができました。 百田葵   アロママッサージを行う中で、がんを経験した方のお話を聞くという、普段聞くことができないようなお話をしていただけたこと、とても勉強になりました。マッサージをしたあとに「気持ちよかったよ」「落ち着くね」「ありがとう」などと嬉しいお言葉をいただいたとき、とても達成感を得ることができました。人のために、何かをする素晴らしさを感じることができるとても良い経験でした。 藤田実夏     2人に1人ががんと診断される時代となり、がんと共に地域で生きる方々も年々増加しています。 しかしながら、がんと診断されたときの衝撃があまりに大きく、その辛さを誰にも打ち明けられないという方々も多く見受けられます。そのような方々にとって「相談できる場所がある」「一緒に考えてくれる人がいる」と知っていただくことで、がんと共に生きる上での大きな力になるのだと、改めて実感しました。 昨年度に引き続き2回目の開催となりましたが、地域に根ざした「大学」という場だからこその、がんカフェ「きらめき」を今後も継続して開催し、がんを治療しながら“生きること”について理解を深める機会を提供できれば…と考えております。 ご参加いただいた皆様方、がんカフェの開催にご協力いただいた皆様方、誠にありがとうございました。     看護医療学科特任助教 中西恵理   【関連記事】 認知症啓発の列島リレー「RUN伴」に参加・協力!~看護医療学科 畿央祭教員企画「第12回奈良県認知症ケア専門士会研修会」~看護医療学科 畿央祭・ウェルカムキャンパス企画 がんカフェ「きらめき」を開催!~看護医療学科