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看護医療学科 海外インターンシップ2019 in オーストラリア 現地レポートvol.3

2019年8月28日(水)

看護医療学科ではオーストラリアビクトリア州のメルボルンで「海外インターンシップ」を行っています。今年度で4回目の研修になりますが、2018年8月24日(土)から31日(土)の日程で、2回生8名が参加しています。大学の講義に参加したり、高齢者施設を見学したり、オーストラリアの緩和ケアや認知症ケアなどについて学ぶことを目的にしています。また、グローバル化に対応するためのコミュニケーションスキルを身に付けることも目的の一つです。

 

4日目:8月27日(火)

今日は、本来月曜日に訪れる予定であったBlue Cross Livingstone Gardensというナーシングホームを訪問しました。

Flinders Street駅から電車で40分程かけて移動した後、Watsonia駅から施設までは今回の海外インターンシップで大変お世話になっているJulie Paulさん(以後、Julieさん)とTim Paulさん(以後、Timさん)の車でナーシングホームに向かいました。

朝が早かったので眠かったのですが、通勤通学の人たちの様子を目にすることができて新鮮でした。日本のように急いでいる雰囲気がなく、コーヒーを手にしていたり、穏やかな印象を受けました。

 

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▲フリンダースストリート駅のホーム

 

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▲Blue Cross Livingstone Gardens(訪問先のナーシングホーム)

 

施設に到着してからは、さっそく世代間交流の場に参加させていただきました。

 

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▲世代間交流体験の様子

 

この日に訪れていた幼稚園児は、3歳と4歳のクラスで、25人の幼児が少し緊張しながら高齢者の方とコミュニケーションを図っていました。幼稚園は、ナーシングホームから2分の場所に位置しているのですが、幼児のスピードでは15分くらいかけて全員で紐をもちながら移動していました。また、この地域は中国から移民してきた方が多く住んでいるので、幼児の30%は中国、30%はインド・ネパール、30%がオーストラリア、残り10%はその他の国の出身の親をもつ児が参加していました。一方、高齢者はアングロサクソンとオーストラリアの方がほとんどのようでした。幼児が緊張して、高齢者と話せずにいると保育士さんが絵本や色鉛筆を手にして、上手にコミュニケーションの橋渡しをしていました。

 

私たち学生も始めは英語でどのように話しかけたらよいか戸惑いましたが、幼児たちが高齢者の方と一緒に絵本を読んだり絵を描いたり、パズルをすることで会話を進んで行っているのを見て、同じようにうまく物を使うことで会話をはじめるきっかけとしました。そこからはどんどん質問をして幼児たちや高齢者の方々と短い時間でしたが親睦を深めることができた思います。

 

この交流を通して感じたことは、幼児が「できたこと」に対しての褒め方が、オーストラリアの方が表現が豊かであり、幼児たちも嬉しそうだということでした。高齢者の方と幼児が接する機会というのはなかなか無いと思うので、このような交流の場がどんどん増えていけば、それぞれの年代の役割が発揮され、地域の活性化にもつながると思いました。

 

その後、施設マネージャー (クリティカルナース)の説明を受けながら施設の見学をしました。施設内には、週に一度映画を観ることができるシアタールームや好きなようにヘアカットをしてもらえる美容室、インターネットも利用できる図書館がありました。また、開放感のある場所に家族や夫婦で自由に使用できるデイルームがありキッチンも大きくて綺麗でした。どの階からの眺めもよくて、ここが本当に高齢者ケアの施設なのかと疑うほど素敵な場所でした。

 

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▲シアタールーム

 

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▲美容室

 

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▲図書館

 

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▲デイルーム

 

個室も一つひとつに患者さんそれぞれの個性があり、心地よく暮らせるような工夫がなされていました。まず、部屋の入り口には「メモリアルボックス」という、ガラスのケースが設置されていて、自分が今まで大切にしてきたもの、例えば家族との思い出の写真や自分の生まれた家の写真、自国の民族の小物などをショーウインドウのように飾ることができるようになっていました。このことは、自分らしさ(その人らしさ)を大切にしていて、自分が自分であることも意味付けやその人の価値観をとても尊重したケアに繋がっているのだと学びました。部屋の中も見させていただいたのですが、入り口からトイレ、浴室まで1つも段差がなくバリアフリーが徹底されていました。転倒予防のために浴室もかなり広く、ベッドも頭や足の高さ調整が細かくできるようになっていました。また、スタッフの腰痛予防のためにオーストラリアで1998年に策定された「ノーリフト」のポリシーに従って、2人以上のスタッフで移乗したり、リフトの使用を義務付けたりしていました。

 

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▲写真左:浴室・トイレ  写真右:個室の室内

 

説明の後、昼食にサンドイッチとドリンク、スイーツをいただきました。

 

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▲サンドイッチとココア

 

そして、昼食後は認知症の専門看護師(クリニカル・ケア・コーディネーター)の方からお話を伺い、学生1人ずつ英語で質問をし、全体でその内容と意味についてふり返りを行いました。

 

日本とオーストラリアでは異なることがたくさんありました。例えば、認知症ケアのスペシャリストになるための過程、施設を利用する際の費用設定や身体拘束の概念などが異なっていました。施設の運営基準においては、①認知症ケアの専門的な教育を各施設で計画し(この施設では、毎日10分間程度実施)認定書を発行する、②施設使用料は高齢者の財産や収入により設定され、かつ美容室やアクティビティ・ケアの参加など個人によって異なるので、日本のような一律の基準はないこと、③身体拘束はしていなけれども、センサーマットや薬による鎮静は行っており、鎮静ではなく鎮痛(ペインコントロール)の必要性や魔の3ロック(身体拘束・言葉・薬物)の危険性について学習しました。

 

また個別性を大切にし、患者さんの生活や価値観を尊重すること、時代背景を捉えて支援することは私たちが学んでいることと同じであるということを学びました。

 

またメルボルンではポリシーの改定の場に看護師も積極的に参加されているということを知りました。そして看護師さんが“いつも新たな状況に直面したときは自分のチャレンジだと思っている”とおっしゃったことから大変前向きに仕事をされている印象を受けました。そのような看護師さんを見て、私も自分の仕事に誇りを持ちポジティブに働くことができるように頑張りたいと思いました。

 

その後、「memory support」 アクティビティ・ケアについての説明を受けました。

 

このアクティビティ・ケアにも世代間交流が取り入れられており、バリデーションDT(Diversional Therapy)やボランティアによる、人形(Doll Therapy)や大工道具(作業療法 Men’s Sheds)などを用いながらケアを行なわれていることを知りました。昔に体得している、子育てや日常大工仕事など、その人のできる力(もてる力)を大切にしたケアだと思いました。日本にもある、アザラシロボット(写真)もいました。

その人の感性に働きかけるケアとして、オーストラリアでは一般的な「Sensory Therapy」使用する庭には、ミントやローズマリーなどのハーブや植物が植えてあり爽やかな気持ちになれました。

 

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▲memory supportアクティビティ・ケアの説明を受けている様子

 

説明を受けて、今回目標にしていた内容「高齢者との世代間交流の実際と意義」について自分なりに考えてみました。

高齢者の方々にとってのメリットは、幼児や若者と関わることは、若い頃の記憶を蘇らせること、幼児に何かを伝えたり教えることで、自分が人のために何かできるという役割を感じること、一度取得した技術などを継続したり、想起することで記憶を保持できるということにつながるのではないかと考えました。

また、幼児にとってのメリットは、自分が知らないことを経験談とともに知ることができることにあると考えました。

 

そして最後は、「Music Therapy」として、ハープを演奏されているMs. Janet Borgさんのハープセラピーについての話を聴きました。

 

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▲Music Therapyの説明を受けている様子

 

実際に体験させていただいて、とても美しい音色でリラックスできました。

またハープのテンポを一定にすることは心拍が一定であることを想像させるので、そうではなく不規則に演奏するようにしておられ、より自然に感じました。大変貴重な体験をさせていただきました。

その後は施設を後にし、Heidelberg駅からFlinders Street駅に到着して解散しました。

 

今日から本格的な学習が始まり、なかなか英会話に切り替えができないところもありましたが、充実した1日を過ごすことができました。

明日は、日本語を学んでいる学生さんとの交流があるので、積極的に会話できるように頑張りたいです。そしてこの海外インターンシップ研修でたくさんのことを学んで、日本に伝えられるようにしたいです。

学習の内容が中心で文章が硬くなりましたが、うまく空いている時間を見つけて思い切り楽しみたいと思います。

 

   看護医療学科 2回生 今上実玖

 

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【所属カテゴリ】畿央の学びと研究看護医療学科

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