2023.07.15 

河合町佐味田の居場所計画 「佐味田みんなの縁側」制作・発表~人間環境デザイン学科 陳ゼミ

私たち陳ゼミでは河合町役場と佐味田地区の皆様と協力して『佐味田みんなの縁側』を制作しました。

2022年11月から、私たちは河合町の皆様に新しい居場所計画として、縁側を作り、設置する計画を提案しました。

河合町佐味田の居場所計画で「佐味田みんなの縁側」“縁台”を提案!~人間環境デザイン学科 陳ゼミ

 

春休みの5日間を使って、ゼミのメンバー14名で制作に取り組みました。今回、制作の縁側には明日香村産の桧を使用し、つなぎ目は釘を使用しない「ホゾ加工」に挑戦しました。作業は以下A、B、Cの3つの班に分かれて進めていきました。

 

A班:大きい縁台の制作

材料の傷や汚れの有無を確かめ、切る部分、穴をあける部分に印をつけました。つけた印通りにのこぎりで材料をカットしました。枠組みは脚をはじめに作ります。機械やのみを使って「ホゾ穴」を開けました。

 

▼木材を切る作業 と「ホゾ穴」を開ける作業です。

 

 

▼パーツは「ホゾ」を「ホゾ穴」に差し込むことで接続します。

 

 

▼木槌を使いピッタリはめ込みました。

 

 

 

立体表現の授業で学んだことを生かしながら進めました。木材が太いので、まっすぐかつ印通りに切ることが見た目以上に難しく感じます。サイズ調整が難しく、 上手くはめることができず苦戦しました。

 

B班:小さい縁台の制作

まず、材料の寸法や傷の有無を確かめ、切る部分や穴をあける部分に印を付けました。つけた印通りにのこぎりで材料をカットし、パーツ同士の接合部分はホゾ加工をして、「ホゾ」を差し込む「ホゾ穴」は機械で開けました。

 

▼縁台の寸法に合わせて材料をカットした様子です。

 

 

 

▼接合部分の「ホゾ」と「ホゾ穴」を制作しました。

 

 

▼パーツごとに鉋とやすりをかけ、角をとってつるつるにしました。

 

 

▼ホゾ穴にホゾ部分を差し込み、実際に椅子の脚部分を組み立てていきました。ホゾとホゾ穴の大きさが上手く嚙み合わなくて、ミリ単位の微調整をするのが大変でした。

 

 

▼組み立てた脚部分に、座面の板を張り付けました。脚部分と座面の板の裏側にドリルで穴を開け、ダボを入れて接合しました。

 

 

C班:光箱の制作

まず、材料に寸法を書き込み、傷の有無を確かめ印をつけました。付けた印を元に、ノコギリで材料をカット、接合部分のホゾ部分とホゾ穴部分の位置を何度も確認し、ホゾはノコギリで、ホゾ穴は機械であけました。組み合わせる部分が本当に正しいのか、C班のみんなで討論し、図面から組み合わせる部分を理解することに苦戦しました。

 

 

 

▼確認した資料を元にホゾ穴にホゾを差し込み、フレームを組み立てていきました。

 

 

 

▼次に、光箱の正面と側面に貼る、和紙を制作します。雨にぬれても劣化の心配がない、プラスチックの和紙を使用しました。絵柄は春夏秋冬をイメージしたデザインです。油性のマジックペンで書いたら完成です。

 

 

 

▼できたフレームに、「夏のテーマ」の和紙を貼り付けました。最後に、防水・防腐として柿渋を2回塗装して完成です。

 

 

現地設置、最終調整

発表の2週間前の4月28日に現地を訪れ、高さの調整やライトの設置などを行いました。高さの調節では、設置場所に傾きがあるので水平器を座面に置き、縁台が水平になるように、縁台の下にゴムを入れて、水平の調節を行いました。

 

 

光箱のライトの設置では、ライトを入れる部分のパーツを別でつくり、最後にそれを光箱の枠にはめ込みました。光箱の枠にぴったりはまるサイズでカットし、ライトを取り外しする部分は、ライトの寸法に合わせて木材を組み合わせ、ダボで接合しました。

 

 

釘を使わずに設置し、ライトの取り外しが可能であるつくりにするには、どのようにすればよいかを考えるのが難しかったです。

 

発表会・引き渡し

そして、5月12日に佐味田みんなの縁側の製作発表では佐味田地区の皆様にお集まりしていただき、贈呈式を執り行い、縁側の制作にあたっての工程や工夫点を発表しました。

 

 

 

縁側にとても興味をもってくださり、楽しそうに会話を交わしている様子が見られ、とても嬉しく感じました。

 

 

▼設置完了

 

 

 

▼夜になり電気が点灯すると、さらに趣を感じられる空間となります。

 

 

感想

ホゾやダボは以前にも授業で習ったことがありましたが、今回の制作活動の中で実際に作ってみたことで、その仕組みや実際どれぐらいの長さや深さが必要なのかを学ぶことができました。釘を使わずベンチを作るのは大変でしたが、昔ながらの技法を学びながらみんなと制作をするのは楽しく、完成したときには達成感も感じられました。ベンチと同時に設置した「自由帳」にもベンチを喜んでくれる住民の方々の声が寄せられており、嬉しかったです。今後も引き続き制作物の管理と運営を続けていこうと思います。

 

 

「佐味田みんなの縁側」の計画・制作活動に関わったメンバー
人間環境デザイン学科 陳ゼミ

藤原彩那 靏見綾乃 櫻井香織 石田風歌 天野夏菜 上野山陽香 大谷麻結 川端ひより 戸田菜月 富久菜乃華 中谷天音 廣瀬舞果 林和樹 濱畑桃花 前川慧帆 吉田香葉

 

 

 

人間環境デザイン学科 3回生
富久菜乃華・廣瀬舞果・川端ひより・濱畑桃花・中谷天音

 

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