2023.07.19 

4回生から3回生へ学びの伝達「緩和ケア病棟の実際―病院インターンシップ実習を経験した上級生とのディスカッションー」~看護医療学科「終末期ケア論」

「終末期ケア論」は、看護医療学科3年前期に必修科目として開講しています。この授業では、がんで大切な家族を失った遺族の体験を聴く、がん終末期の対象や療養場所やそれぞれの場でのサポートを考えるなど、看護実践の場で終末期ケアを行う医療人として学びを深めることをめざした授業構成になっています。その一つに、病院インターンシップ実習をホスピス・緩和ケア病棟で経験した4回生から、3回生に現場での学びを紹介する授業があります。

 

2023年7月11日(火)の授業では、4回生の秋山遥香さん、平田優奈さん、三代木洸瑠さん、近澤奈央さん、橋本恵梨奈さん、平田希安さん6名が講師として、6月に実施された「病院インターンシップ実習」での学びについて語ってくれました。その授業の様子を4回生の学生がレポートします。

◎国保中央病院緩和ケアホーム「飛鳥」実習生から3回生へ

国保中央病院の緩和ケアホーム「飛鳥」で実習させていただいたグループでは、グループワークとして「苦痛のある患者に対しての関わりについて」を話し合ってもらいました。

終末期にある患者さんは、症状による身体的苦痛や、死を近くに感じていることに対する精神的苦痛など、多くの苦痛を感じています。また、患者さんの多くは認知症やせん妄などにより、自身で苦痛を正確に伝えることが難しい状態にあります。様々な状態の患者さんを想像しながら、どのような関わりをすることで患者さんの苦痛に寄り添うことができるのか考える機会になっていれば嬉しいです。

 

 

 

看護医療学科 4回生

秋山 遥香、平田 優奈、三代木 洸璃

 

◎市立東大阪医療センター実習生から3回生へ

市立東大阪医療センターの緩和ケア病棟で実習させていただいたグループでは、「デスケースカンファレンスの検討」を実施しました。「デスケースカンファレンス」とは、患者さんへの看護の中で「できたこと」「できなかったこと」を振り返り、次の看護につなげてケアの質を向上させること、死に直面した看護師の精神的なケアとして重要なカンファレンスです。私たちが実際に参加させていただいたデスケースカンファレンスの2つの症例を3回生に紹介し、グループに分かれてディスカッションをしてもらいました。

 

 

実施後、患者さんや家族に対して考えたことを発表してもらいました。

講義ではなかなか聞くことのない、実際に臨死期にある患者さんや家族の症例を踏まえて必要なケアを考えるきっかけになったのではないかと思います。また、実際にディスカッションを通して考える機会となったことで、患者さんや家族がどのような想いを抱くのか理解し、看護師としてどのように関わるべきか考えることができたと思います。この学びをもとに、緩和ケアだけでなく一般病棟においても必要となる「患者さんの苦痛に寄り添う看護」とは何かを考え、実習に活かしてもらえると嬉しいです。

 

看護医療学科 4回生

近澤 奈央、橋本 恵梨奈、平田 希安

 

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