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看護医療学科

2016.08.29

看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地リポートvol.4

看護医療学科では今年度から初めて海外インターンシップを行うことになりました。今年はオーストラリア ヴィクトリア州 メルボルンで実施されることになり、8月20日(土)から28日(日)の日程で、2回生5名、4回生3名の計8名が参加しています。ラ・トローブ大学、高齢者施設や認知症ケアに関する研修センター、緩和ケア病棟を訪問し、オーストラリアの文化や歴史、その中で築かれてきた保健・医療・福祉制度について学びます。   現地リポート4:8月25日(木)   今日は前日と同じく電車に乗り、Banksia Palliative Care Service1に行きました。同じ場所ですので、駅から施設まで自分たちだけで歩きました。施設の中に入ると施設の方が笑顔で迎えてくださり、ティータイム後講義に入りました。 「緩和ケアにおける疼痛の緩和は大変重要である」と前日にも講義を受けましたが、今日のテーマは疼痛マネージメントについてでした。 痛みのアセスメントには身体的、心理的、社会的、文化的、精神的、性的、検査、薬歴の見直し、そしてケアプランの9つの視点で行われることが説明されました。情報収集、アセスメント、ケアプランを立てるにもコミュニケーションが重要ということは日本と同じだと思いました。痛みの定義についてこの2日間のセッションでどのように変化したかについて発表しました。研修を受ける前は「死に近い人が受けるケア」という緩和ケアにネガティヴなイメージをもつ学生が多く、またその実際も「患者さんを社会的、精神的、身体的にケアする」という漠然としたものでしたが、講義を受けてみて、痛みには今までの生活の経緯が関係することや、心理的な痛みがあり、緩和ケアは死ではなく、QOLに視点を向けて行われることを学びました。オーストラリアの緩和ケアの実際についての講義内容のおおよそは、ホテルに戻ってからのショートカンファレンスや先生の通訳などがあったため理解できました。しかし、私たちはまだ日本の終末ケアを学んでいないので、緩和ケアの基本的な知識が浅く、また日本における緩和ケアの現状に関する、日本との比較をしたり事前に勉強したことを深めたりするには至りませんでした。おそらく、英語力が質問できる程であれば学びがもっと深まったと思います。 今回のオーストラリアで学習したことを活かして、日本の緩和ケアや終末期の定義について学んでいきたいと思いました。   お昼ご飯を食べた後、Banksia Palliative Care Service1のボランティアスタッフの方の送迎で、Broadmeadows Palliative Care unitを訪問しました。     Broadmeadows Palliative Care unitは、緩和ケアと高齢者ケアの視点で運営されており、Banksia Palliative Care Service1など3つの施設と連携している病棟です。 その病棟には、高齢者ケアを受けている人が8人、緩和ケアを受けている人が20人おり、その患者を看護するために、レジスターナース(看護師)が30人、エンロールナース(准看護師)が4人、その他に医師はもちろんのこと、理学療法士、ソーシャルワーカー、ダイバーショナルケアワーカー、パストラルケアワーカーなど色々な職種が働いていました。 病棟には、シフト交代のミーティングやケースカンファレンスを行うための部屋や、患者が家族と話せるプライベートな部屋などを設けていました。また、病室には転倒防止のために、ローベッド(低床ベット)が設置してありました。日本ではベッドに転倒防止のために柵がついてありますが、オーストラリアでは抑制を一切禁じられているので、柵ではなくベッド自体を低くすることで転倒を防止しているのだと学ぶことができました。 また、病棟を見学していると、偶然にLa Trobe大学から実習にきていた看護学生と話すことができました。彼女は、私たちと同じ2回生でメルボルンの看護基礎教育について、説明を受けました。   ▲中心がLa Trobe大学の実習生、右端がユニットマネージャーの氏John氏   廊下のボードには、お礼の手紙や、亡くなった方のメモリアル会(遺族会)の手紙を飾ってあり、亡くなっていく人たちのケアをするパストラルケアワーカーという職種について学びました。短い訪問でしたが、学びの多い訪問でした。   ホテルへ戻り、7時から始まるショートカンファレンスまでの自由時間で、買い物に出かけました。これまでも、多民族国家ならではの国際色豊かな料理を食べていましたが、ついにこの日、オーストラリア料理のお店で、カンガルー肉を食べました。味はビーフのようで、とっても美味しかったです。店員さんも、親切に根気強く聞いてくださり、わかりやすく説明してくださって、とてもよい思い出になりました。     また、ホテルでにもどりショートカンファレンスで、1日のまとめをした後に、学生全員でトラムに乗り、スカイデッキ88という展望台に行きました。夜景が綺麗で楽しい思い出のひとつになると思います。 いよいよ、明日は研修最終日です。最後まで集中力を保持して頑張りたいと思います。     看護学科2回生 高田咲貴 種山美里 【関連記事】 看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地リポートvol.3 看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地リポートvol.2 看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地リポートvol.1

2016.08.25

看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地リポートvol.2

看護医療学科では今年度から初めて海外インターンシップを行うことになりました。今年はオーストラリア ヴィクトリア州 メルボルンで実施されることになり、8月20日(土)から28日(日)の日程で、2回生5名、4回生3名の計8名が参加しています。ラ・トローブ大学、高齢者施設や認知症ケアに関する研修センター、緩和ケア病棟を訪問し、オーストラリアの文化や歴史、その中で築かれてきた保健・医療・福祉制度について学びます。全4編でお届けする予定です。   現地リポート2:8月23日(火) 今日は、朝からLa Trobe大学でした。私たちは2つのグループAとBに分かれて、La Trobe大学の学生たちの日本語の授業に参加しました。     【1限目】 グループAの学生は、1年生の授業に参加しました。授業内容は日本語のリスニング練習や文法です。私たちはLa Trobe大学の学生の間に座って、わからないところを手助けしました。 グループBの学生は2年生の授業に参加しました。授業内容は、教室に映し出されたスライドに様々な質問が日本語で記載されており、その質問をLa Trobe大学の学生が読み、私たちが回答するという会話の学習でした。     【2限目】 グループAは、1年生の授業に参加しました。この授業では、初めに単語の読み書きのテストを行っており、その採点の協力をしました。次に、カタカナの書き方の練習を行っており、書き順や発音を一緒に確認しました。 グループBは、3年生の授業に参加しました。この授業では、元柔道選手の谷亮子さんに関する記事を使って長文読解を行っていました。各テーブルに分かれ、長文の復唱を行い、漢字の読み方や難しい内容についての理解を私たちがサポートしました。   【昼休み】 日本語サークルの学生(約15名)と一緒にコミュニケーションをとりながらお昼ご飯を食べ、その後、大学のスポーツセンター、Bar、アクティビティ、正門、旧門、礼拝堂を案内してもらいました。様々な話をし、一緒に写真を撮るなどして交流を深めました。   【3限目】 グループAとBが合同で授業に参加しました。この授業では、4つのテーブルに分かれて、テーブルごとに意見交換を行いました。今回の授業では主に学生のアルバイトについて、オーストラリアと日本のアルバイトの違いなどについて話し合いました。オーストラリアのアルバイトの時給は約$11ということでした。アルバイトの内容が飲食店(マクドナルドなど)や洋服屋であるなど日本と同じ部分もあるなど互いに英語や日本語を使用しながら情報交換をしました。 テキストの日本語の長文を私たちが読んで、それに対する問を一緒に解くなど、日本語の学習をアシストする中で私たちも英語を用いる機会を得て語学学習ができました。     【4限目】 また二つのグループに分かれて授業に参加しました。グループAが参加したクラスでは、3限目にいなかった学生が来ており、授業としては3限目と似た内容でした。グループでの話し合いに積極的に参加しました。課題として日本の学生に質問をし、その内容をレポートにて提出するものがあったことから、日本の生活についての質問を受けました。 グループBの学生は、1年生の授業に参加しました。 小グループに分かれ与えられたテーマでロールプレイングが行われていました。正しい日本語を使えているか、など質問を受けLa Trobe大学の学生とペアを組んで英語と日本語を互いに組み合わせながら意見交換を行いました。     【まとめ】 オーストラリアは多民族国家です。La Trobe大学に在籍する学生の国籍や文化的背景も様々ですが、それぞれが互いの意見を尊重し話を聞く様子を見ることができました。こういう姿勢が国際的な知識共有や多様な考えを育むことにつながるのだと思いました。 また、La Trobe大学で関わった学生たちの勉学への意欲は高く、授業中にも活発に発言をします。学生たちとの交流はオーストラリアの文化や大学生活などの知識を深めただけではなく、そうした「学ぶ姿勢」についても考える機会となり充実した1日を過ごすことができました。     看護医療学科4回生 河合優希・山下夏美   【関連記事】 看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地リポートvol.1

2016.08.24

看護医療学科 海外インターンシップ in オーストラリア 現地リポートvol.1

看護医療学科では今年度から初めて海外インターンシップを行うことになりました。今年はオーストラリア ヴィクトリア州 メルボルンで実施されることになり、8月20日(土)から28日(日)の日程で、2回生5名、4回生3名の計8名が参加しています。 ラ・トローブ大学、高齢者施設や認知症ケアに関する研修センター、緩和ケア病棟を訪問し、オーストラリアの文化や歴史、その中で築かれてきた保健・医療・福祉制度について学びます。4月から事前学習も進めてきました。 チームワークもなかなかのものです。ブログ第1弾は、2回生コンビ、岡野葵さんと塩崎萌さんがまとめてくれました。全4編でお届けする予定です。 看護医療学科 教授 堀内 美由紀   看護医療学科の海外インターンシップがついに始まりました!!!8月20日(土)の夕方、私たちは関西空港に集合して親に見送られて旅立ちました。     香港を経由して無事にオーストラリアのメルボルンに到着しました。コアラが出迎えてくれました。     8月21日(日)に到着!天候は、不安定で晴れたり、突然雨が降ってきたりしました。 ホテルに荷物を置いた後、市内を観光しました。 まずトラムに乗るためのマイキーを購入。そしてスーパーマーケットに行き、朝食やお菓子、水などを買いました。     晩御飯は有名なハンバーガーショップで大きなハンバーガーとポテトを買い、ホテルに持ち帰って食べました。おなか一杯になりました!!     8月22日(月)、朝7時半のトラムに乗って、最初の研修先であるLa Trobe大学へ向かいました! La Trobe大学は敷地内にバスが通っているほど広いです。     トラムの駅で二人の学生が降り過ごして…一駅分走ってやってくるというハプニングがありました。笑     まず、オリエンテーションを受け、日本とオーストラリアの違いについて Julie Ellis先生と情報交換をしながら確認しました。そして、創傷ケアについてWilliam McGuiness先生から、看護教育制度と保健医療システムについてJulie Ellis先生から講義がありました。オーストラリアと日本では似ているところもあり、また違う部分もありました。 その後、実習室へ移動しました。下の写真の一番右が、オリエンテーションとオーストラリアの看護教育制度と保健医療システムについて講義してくださったJulie Ellis先生です。     実習室では、まず創傷ケアの演習を行いました。創傷ケアでは滅菌操作の技術が求められ、今まで習ってきたことを使うことができました。     次に助産コースの実習室にも入らせていただきました。分娩介助では畿央大学にはない、分娩シミュレーターの妊婦さんを使っていました。脈拍もうち、おなかが張る感じや胎児の回旋やウェット感、まばたきや話もでき、さらに瞳孔が開くなど細部までリアルな母体でした。ぜひ畿央大学にもほしいなーと助産師を目指している人たちで話していました。     本場の英語に苦戦しましたが、先生方のフォローもあり、すべてはないですが、ある程度理解することができました。 お昼ご飯は大学の食堂で食べました。大学内に店があって、中国料理やイタリアンやインドなどの店がありました。こちらもボリューミーでおなか一杯になりました。   そして16時頃にホテル付近まで帰ってきて、昨日とは違う大きなスーパーに寄って買い物をしました。ホテルに帰り、ショートカンファレンスで、今日学んだことの情報共有を行いました。8人の学生間でも聞き取れている部分や解釈に違いがありました。しかし、それぞれ意見を出し合うことで、講義を聞いているときにはわからなかったことが理解できたり、新しい疑問がわいたり、学びを深めることができました。   その後、晩御飯は先生たちも一緒にタイ料理を食べに行きました。今までの料理とは違ってさっぱりした、スパイシーな料理でした。そのあとはホテルに戻って、明日の準備のため鶴を折ったり、ブログを書いたり、みんなで話したりして過ごしました。     明日はLa Trobe大学の授業に参加します!!英語が難しくてなかなか理解しにくいですが、頑張ります!   看護医療学科2回生 岡野葵・塩崎萌

2016.08.24

第47回日本看護学会-急性期看護・看護教育-学術集会参加レポート~看護医療学科

看護医療学科3年次配当「急性期看護学実習」では、高度救命救急センターでの1週間の臨地実習を行っています。3回生の学生は、生命危機に瀕する事故や外傷、疾患のために救急車電搬送された患者さんに施される初療の見学や一命をとりとめたあとの集中治療室における看護の実際にふれ、多くの学びや医療人として命の尊さを考える機会を持っています。 そこで、昨年度の実習に参加した学生を対象に高度救命救急センターでの初療に対してどのようなイメージを持っているのか、またその実習が学生に与える影響がどのようなものかを演題に実習を担当した教員が、研究成果を発表しました。     まず、7月15・16日に沖縄県宜野湾市で開催された急性期看護の学術集会では、急性期看護学の林田麗准教授が、『看護大学生の高度救命救急センター初療に対するイメージと実習の影響』という演題で「生命の危機状況にある患者さんや家族を取り巻く医療現場に対して抱いたイメージが、〈難しい〉〈複雑な〉というものである一方、〈真面目な〉〈立派な〉〈尊い〉〈誇らしい〉という肯定的な捉え方もしていること」「この実習のあと看護師になろうという思いが強くなっている」という結果を報告しました。 会場では、「自分たちの学校でも救命救急センターの初療実習をしたいと考えている」という教員や「学生を受け入れる場合、臨床指導者に何が求められるか」など臨床側からの意見や質問をいただき、活発な議論を行うことができました。     会場のある宜野湾市は、真っ青な空と海がとてもきれいでした。しかし、爆音を響かせて飛行するオスプレイの往来を目にし、沖縄が抱える深い問題を考える機会となりました。   続いて、8月4・5日に滋賀県大津市で開催された看護教育の学術集会では、基礎看護学の林有学教授が、『高度救命救急センターでの実習指導のありかた』という演題で「学生は、救急看護の実習に対して、逃げ出すことなく頑張ろうという姿勢で臨んでいたこと」「初療見学の体験がある学生は、医療現場をよりリアルに感じる機会を得ていたこと」などを報告しました。こちらの会場でも、「現在、自分の学校では初療見学を行っていないが、是非今後取り入れることを検討したい」という前向きな意見交換ができました。     夏の琵琶湖は、休日を楽しむ外国人や子供たちで賑わっており、その様子をみることで心が癒されました。これから始まる急性期看護学実習への士気が高まった私たちでした。   健康科学部看護医療学科 大友絵利香

2016.08.17

保健師をめざす学生による健康情報発信!~看護医療学科「産業保健実習」

私たちは、5月31日(火)から6月3日(金)まで、看護医療学科4年次配当「産業保健実習」で近畿労働金庫様に行かせていただきました。実習では、実際に職場巡視や保健指導をさせていただき、産業保健における保健師の活動を通して多くの学びを得ることができました。   今回の実習で、私たちは「健康貯金箱」という健康便りを二つ作成しました。この健康便りは、保健師さんが従業員の方々に理解してほしい健康情報を発信しているもので、不定期ですが10年以上にわたって継続的に発行されています。「健康貯金箱」は、印刷されたものが食堂などたくさんの人が集まるところに掲示され、従業員の方の個人のパソコンでも見ることができます。     「健康貯金箱」の作成にあたり、一つ目のテーマは学生で考えるように言われたので、季節柄熱中症が多く発生する時期であったため、熱中症をテーマしました。仕事の特徴として、ビル内で過ごす人と外回りの人がいるため、どちらの人にも予防するために注意してほしい内容を考えました。関心をもって見てもらえるように、タイトルや文字・イラストの使い方を工夫することが必要だと指導を受けました。   二つ目は、テーマに「睡眠時無呼吸症候群」を指定されましたが、二つとも共通して、タイトルは色や文字が目立つようにし、また具体的に症状などを示すことで、見る方が自分自身に該当するかどうか分かるように工夫しました。   最初はデザインを重視して作成していましたが、従業員の方に忙しい中でも見てもらいたいところや強調したい部分はどこなのか、伝える目的を考え、理解を促す工夫をすることや、タイトルや見出し一つにしても、少しでも従業員の方の興味を引くことができるように考え、作成していくことが大事であると学びました。   実習終了後、私達が作成した「健康貯金箱」が食堂などに掲示され、従業員の方のパソコンにニュースとして発信されることを聞き、情報が残るという責任の重たさを感じています。改めて、提供する情報の信頼性を高めるために、しっかり調べ、根拠のあるものを発信することが重要だと学びました。 看護医療学科 4年生 谷野 西村   ≪指導保健師のコメント≫ 元々は1つのテーマについて作成していただく予定が、構成を練るのも、指導したことについての加筆・修正も非常にスピーディーで、短い実習期間にも関わらず結果的に2つも作成していただきました!ありがとうございました。   どちらのテーマも伝えたい内容は盛りだくさんの中、A4サイズに1枚という限られたスペースで、いかに端的に分かりやすく伝えるかということを考えるのは非常に難しかったと思います。   また、多忙な労働者に少しでも興味を持ってもらえるよう、内容はもちろんですが、見出しやレイアウト、イラスト等の構成は大事です。さらに、我々の職場は金融業ということもあり、データや数値を提示すると有効で、関心を持ってくれる人が多くなります。このように、見てもらう人たちの状況や特徴等を把握し、考えながら作ることがとても大切だと思うので、内容よりは作る際の姿勢や考え方等をお話させていただくことが多かった気がします。   今回はお二人の誠意や真心が詰まった、弊庫の職員のための「健康貯金箱」を作っていただき、私たちも大変嬉しく思っています。顔と顔を合わせて話す時はもちろんですが、紙面からもきっと作成者の思いやハートは伝わります!いつまでもその温かいハートを大事にしてくださいね。   ありがとうございました。お疲れ様でした。 大内保健師

2016.07.27

老年看護学施設実習打合せ&ミニシンポジウムを開催!~看護医療学科

7月21日(木)3,4限に、老年看護学 施設実習打ち合わせ会およびミニシンポジウムを開催しました!   老年看護学 施設実習打ち合わせ会 7月21日(木)に、8月中旬に看護医療学科3年次実習の先陣を切って行う「老年看護学施設実習」の打ち合せ会を行いました。大学での施設実習打ち合わせ会は今年度からの初めての取り組みです。 従来は教員が実習し施設に出向いて実習の打ち合わせを行っていましたが、今年度からは学生が学んでいる様子や学びの場を知ってもらう目的もあり、指導者の皆様に大学にお越し頂くことになり、12施設15名の方にご出席いただきました。     まずは実習を担当する教員、指導いただく指導者さん方の自己紹介を行いました。その後、老年看護学山崎教授から「老年看護学実習要項」にそってパワーポイントを使用して実習目標、目的、スケジュール、注意事項の説明と指導者さんへの依頼がありました。   その後は施設毎に分かれて指導者さんと各施設担当教員が膝を突きあわせて打ち合わせを行いました。改まった形式では難しいことも本音で打ち合わせを行うことができました。       老年看護学援助論Ⅱ ミニシンポジウム 同じく7月21日(木)、この夏から実習を行う3回生を対象に、実習への動機づけを目的に、実習でお世話になる病院・施設から4名の講師をお招きしてミニシンポジウムを開催しました。   まず、講師の方々から高齢者が治療、生活をしている場とそこでの看護師の役割についてお話しいただきました。病院からお越し頂いた講師の方々は入院されている高齢者が退院後また自宅で生活できるために看護師は何をするのかについてもお話し頂きました。ある講師は、ご自宅での生活を看護師が知っておくこと、またある講師は、リハビリテーションにおける看護の役割は『しているADL(日常生活動作)の発展・維持であること』など、ご自身の看護観を交えてお話しくださいました。     高齢者の生活を中心としたケアを行う介護老人福祉施設、介護老人保健施設から来られて講師の方々は、その人らしく生活を送ってもらえることについてお話されました。ある講師は「6時に起きる方もおられれば8時に起きる方もいる。何時に起きて、何時に食事を摂るかはその方が決めること」「季節を感じてもらえるように七夕まつりなど季節の行事を取り入れていること」などをお話しされました。     講演のあとは質疑応答を行い、シンポジウムを終えました。日々高齢者のケアに携わっているからこそ出てくる、高齢者一人一人を大切に思われている言葉に学生も教員も学ぶことの多いシンポジウムでした。 看護医療学科 講師 寺田 美和子

2016.07.21

看護医療学科授業レポート~「看護技術基礎論」

7月13日(水)1~4限、1回生は、クラス別に分かれて「ベッドメイキング」と「臥床患者さんのシーツ交換」を行いました。 この演習では、多くの時間をベッド上で過ごされる患者さんに、できる限り快適な日常生活を送っていただけるように、ベッド上の環境を整えることを目的としています。   ベッドメイキングとは、患者さんが過ごすベッドを作ることです。この時に重要なのは、シーツにしわを作らないことです。しわがあると、その上に寝る患者さんはとても不快に感じ、褥瘡を引き起こすことがあります。学生は、1つのベッドを3~4人で使い、2人で作成する方法を行いました。   三角コーナーを作りシーツをマットレスの下に入れる時はボディメカニクスを活用します。     最初は、「なかなかしわがとれない」「どうやったらしわのないベッドが作れるの?」など、思うようにできない様子でしたが、教員の助言を受けながら、繰り返し練習をすることで、「上手くできた」「しわがなくなった」と達成感とともに笑顔が見られました。   次は、「臥床患者さんのシーツ交換」を行いました。 シーツ交換は、汚れたシーツの交換というだけでなく、ベッド内の換気という意味でも重要です。まずは、看護者2人、患者に分かれてグループで事前学修を活用し話し合いながら清潔なシーツに交換する方法を行いました。   グループで話し合いながら患者さんのシーツを交換する方法を模索中です。      最後に代表グループにデモンストレーションを行ってもらい、ポイントを学修しました。    代表グループのデモンストレーションの様子をみんな真剣な表情で見ています。     今回実施した演習は、これまで学修した知識と技術を統合して実施することが重要です。看護の基本技術として身につけてほしいと思います。 みなさん、しっかり練習しましょう!     看護医療学科 講師 須藤聖子

2016.07.15

保健師をめざす学生の「地域看護学実習 学びの報告会」を開催 !

看護医療学科4年生で保健師科目を選択している学生22名が、5月30日~7月8日まで「地域看護学実習」に行きました。地域看護学実習では、学生は「学校保健実習」または「産業保健実習のどちらかを選択し、保健所は全員実習となります。 報告会の開催は、それぞれの実習施設で体験する保健事業や活動が異なるため、学びをまとめて報告することで、共有を図ることを目的としています。 学校保健実習では、1週間の実習期間中、高校と小学校、養護学校で実習を行いました。学校保健活動や学校安全活動の実際を体験し、媒体を実際に作成して生徒の健康課題に応じた保健指導のあり方を学びました。   ▼学生が作成した掲示物   産業保健実習では、3つの事業場全てで、通常は立ち入ることができない作業中の職場巡視を体験しました。また個人への保健指導を実際に行い、対象者の労働と日ごろの生活や意識と健康との関連を考え、その状況に応じた効果的な保健指導のあり方を学ぶことができました。熱意あふれる指導保健師の活動を通して保健師魂を感じ、産業保健活動の魅力を感じた1週間でした。   ▼産業保健の実習風景   保健所実習では、県内3つの保健所で、家庭訪問や感染症対策、健康推進事業に参加しました。それぞれ参加した保健事業が異なっていましたが、個人への支援や管轄市町村への支援活動を通して、地域特性に応じて地域の関係機関との連携を図り、協働している実際の保健師活動について学ぶことができました。     以下、学生の感想をご紹介します。   産業保健実習の報告を聞いて 今回の産業保健実習の発表を聞いて、保健師は数少ない人数で、職場で働く全労働者を対象に支援するため、広い視野、観察力などもとても重要になると解りました。また、保健師は、労働者の健康課題に対して、その職場(労働)の特性と労働者の健康状態を関連させて支援することで健康を守り、職場全体の利益につなげていると思いました。職場巡視をすることで健康課題の予防に努めることもとても重要であると学びました。 学校保健では児童・生徒またその保護者、教職員を対象に支援を行っていて、児童・生徒個人および集団としての健康課題への対応をしていました。産業保健では働く成人が対象であったので、日本では、人が生まれてから、成長・発達していく中で、学校生活を終えて社会に出ても職場で支援を受けることができるケアシステムの中にいることが理解できました。保健師は、人の一生を通して支援している専門職であることを改めて学ぶことができました。(学校保健実習学生)   学校保健の報告を聞いて 学校保健においては、養護教諭は子どもの成長発達に合わせて、対象者やその家族が健康に安心して地域で生活できるように、必要な健康教育や保健指導を行い、障害を持ちながらでもその子に合わせた生活が送れるようにサポートすることが大切であると思いました。そのためには、必要な関係機関と子ども、家族などの間に立ち、つなげることが必要であると思いました。(産業保健実習学生)   保健所の報告を聞いて 3つの保健所でそれぞれ実習内容は異なっていましたが、保健所で取り組まれている事業や、実際の事例を通して改めて保健師が地域の関係職種をつなぐ役割を担い、活動されていることを学ぶことができました。また、それぞれ地域の特徴があり、その特徴を生かした支援を保健師が他職種と連携して行っていくことが重要だと学ぶことができました。後期からは市町村実習が始まりますが、今回の実習で学んだことを生かし、頑張りたいと思います。   難病の家庭訪問やがんサロンでのがん患者のピアサポート、感染症発生時の防護服であるPPE着脱演習など私たちが経験できていないことも報告を聞くことで学ぶことができました。一方で保健所保健師の役割は広域的な地域支援や他職種との連携など共通点があると学ぶことができました。   他の保健所の実習のまとめを聞いて、保健所ごとに地域の特性に違いがあり、特性に応じた事業が行われていることがわかりました。しかし、どの保健所でも保健師の役割は保健活動の指針に基づいており、また、他職種や関係機関との連携が密に行われることで地域のネットワークの構築に繋がっていることを学びました。     今回は、保健師実習5単位の中の2単位の実習でした。実習前は、少し不安げな様子でしたが、実習を通して保健師の活動と役割への理解が深まったようで、実習終了時には良い表情になり、たくましさも感じられました。9月から市町村で3週間の実習と1週間の学外演習が始まりますので、これからその準備が本格的に始まります。   看護医療学科教授 松本泉美

2016.07.12

台湾から講師を迎えて「第2回認知症ケア研修会」を開催しました。

第2回認知症ケア研修会が、6月27日(月)畿央大学L304教室で開催されました。 テーマは「認知症高齢者を支える地域システム」で、講師は台湾社団法人雲林県老人長期ケア協会付属小太陽デイサービスセンター所長の陳 玲穎(チン リンイン)氏です。小太陽デイサービスセンターから陳氏をはじめ4人の方が来られました。陳さんは、6月26日(日)の日本看護福祉学会でも招聘講演をしてくださいました。     研修会の参加人数は、平日の開催であったこともあり24名でした。朴さんという通訳者の通訳を交えながらの講演でした。 認知症を抱えていても、住み慣れた地域で生活がしたいとの願いは万国共通です。台湾も高齢化が進んできていて、そのスピードも世界最速とのことでした。ケアサービスの資源が少ない台湾の農村部で認知症者をどう支えていくかということは重要な課題となっています。小太陽デイサービスセンターの設立は、1992年の震災がきっかけとのことでした。     陳氏をはじめとする小太陽デイサービスセンターでは、地域での認知症ケアサービスの研究・開発に取り組んでいます。また日本での研修や施設見学などを行い、施設ケアに取り入れています。6月24日(金)も「和里(にこり)」や「萌の里」など奈良県下の施設を見学されていました。また現在は台湾農村部の新たな介護モデルの開発にも取り組んでいます。 パワーポイントで紹介していただいた小太陽デイサービスセンターは、日本の施設と同じような木を中心とした柔らかい雰囲気の建物で、利用者がホッとするような施設でした。     講演の後はK204ゼミ室で茶話会を行い、質問や意見を交換しました。「認知症の人と家族の会」奈良県支部からも2人の参加がありました。参加者の方で台湾語を話せる方が2名おられ、自然と通訳をしてくださり会話が盛り上がりました。内容としては、台湾の認知症ケアの現状への質問が多く寄せられていました。 通訳と笑顔とジェスチャーでコミュニケーションを図る楽しい会となりました。日本ばかりでなく、世界情勢にも目を向け、そこからまた日本の認知症ケアを考えることの必要性を感じた研修会でした。   看護医療学科 南部登志江

2016.07.12

麻薬取締官による特別講義~看護医療学科「看護倫理」

7月5日(火)看護医療学科3年次配当「看護倫理」の授業で、現役の麻薬取締官(近畿厚生局麻薬取締部 坂 厚志氏)を講師としてお招きし、特別講義を行いました。助産学専攻科の学生も合わせた合同講義には、約100名の学生が出席しました。     この講義は、将来医療従事者になる者として、学生が正しい知識を得ることで「乱用薬物は絶対使用しない・医療用麻薬はその使用目的により適切に使用することが必要である」という 認識の向上を図ることを目的として、昨年から実施しているものです。 薬物は、ネット等で簡単に手に入り、若者にまで広がっている状況があります。特別な人だけの話ではないことを理解し、‟誘われても断ることができる力”としてのライフスキル獲得が必要となります。     また3回生は、8月中旬過ぎから病院や施設での実習が始まるため、疼痛ケアが必要な方を受け持つ可能性もあることから、医療用麻薬についても理解できるようにと、この時期に実施しています。   「医療人に課せられた社会的使命―薬物の怖さを熟知し効能を最大限に活かす―」をテーマとして、講義をしていただきました。芸能人やスポーツ選手の逮捕の話題から始まり、実際の薬物使用者の自宅の様子などの写真が提示され、学生たちの顔も真剣な表情に変わりました。最初は軽い気持ちのつもりが、薬物依存となり自分をコントロールできなくなる過程や、薬物だけでなく、何かに囚われる「依存」は誰でも起こる可能性があることとその要因についてわかりやすく説明していただきました。   医療用麻薬では、日本は国際比較でまだまだ消費量が少ないこと、疼痛緩和ケアチーム稼働が低率であること、医療用麻薬に対する世論調査の結果で、30%以上の人が「だんだん効かなくなる」「最後の手段だ」と思っているなど、まだまだ理解されていない状況を示していただきました。看護者として正しい知識を持ち、終末期だけでなく疼痛ケアが必要な方のQOL向上のために、どのような役割を担う必要があるか考える機会となりました。   当日は新聞社の取材もあり、助産学専攻科の学生が応じて率直な感想を述べていました。     なお、この講義は、講師の坂様および看護倫理担当の堀江先生のご理解とご協力のもと、実施することができました。ありがとうございました。                    看護医療学科 教授 松本泉美 【関連記事】 2015年度 麻薬取締官に学ぶ麻薬と医療用麻薬の現状~看護医療学科「看護倫理」