2018.07.09 

保健師をめざす学生の「地域看護学実習 学びの報告会」を開催!~看護医療学科

平成30年6月29日(金)に、保健師資格取得をめざす4年生の学校保健実習・産業保健実習での学びの報告会を開催しました。地域看護学実習は、学校保健実習か産業保健実習(どちらか選択制)と保健所実習で構成されています。平成30年6月4日(月)~22日(金)までを学校保健実習および産業保健実習期間として、学校保健実習では、奈良県内の県立高校5校と養護学校(特別支援校)2校と八尾市内の小学校(特別支援学級を中心に)に10名、産業保健実習では、2つの実習施設(企業)で10名が実習に参加しました。
 
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それぞれの分野と対象が異なるため、公衆衛生看護活動の特性や対象者の発達段階の特性に応じた活動に参加し、学生が行った活動を通して実習目標に沿った学びの報告をしました。
 
発表を聞いての学生の学びの内容をご紹介します。
 
≪学校保健実習の発表を聞いて≫
生徒一人ひとりの健康を保持・増進するためには、学校だけでなく行政や関連機関との連携が重要であることが分かりました。また、同じ発達段階でも学校により健康課題は違うので、課題を明確にし、アプローチ方法も発達段階に合わせて行う必要があると学びました。
産業保健においても学校保健においても、対象がどのような環境に置かれているのか、集団での課題を分析し、健康課題を把握した上で対象者の生活背景を踏まえ支援方法を考えていくということは共通していると考えました。
学校保健と産業保健では対象が違いますが、対象が健康に生活を送ることができるよう支援していくという方向は同じであるので、保健師としてその方向性に向け対象に合わせた支援をしていくことが大切であると学ぶことができました。

井上知波

 

学校では、子どもたちを支援するうえで保護者だけでなく、地域住民や教育委員会、病院などの様々な関連機関との連携をとり、必要時につなげられるようにすることが大切であると学びました。また、保健師は就学前の乳幼児健康診査で子どもの状態を把握しているので、その子どもにとって適切な教育が受けられるように、地域の各学校の特徴を理解し、適した教育体制への支援をしていくことも重要な役割であることを学ぶことができました。学校保健についても今回の発表会を通して、これまでの授業内容と実際の活動が結びつくことで理解を深めることができ、充実した学びを得ることができたと思います。

山口真由

 
▼産業保健実習風景①実習事業場である初田製作所企業製品の説明を聞く
地域看護学実習発表会2-1
 
▼産業保健実習風景②実習施設健康管理室にてメンタルヘルス事例検討
地域看護学実習発表会3-1
 
≪産業保健実習の発表を聞いて≫
産業保健における健康管理の活動および体制、保健師の役割を理解することができました。企業では、健康管理対象者(従業員)に対して健康診断やメンタルヘルス対策を実施し、対象者の健康を守るために様々な対策がされているのだと実感しました。また、作業環境の状況を知るために職場巡視を行い、対象者の置かれている環境を把握することで健康課題を見つけることにつながると学びました。また、学生が実施した保健指導内容を聞いて、健康診断の数値だけでなく、その人にとっての行動の目的を知り、対象者の価値観を尊重した保健指導の展開をすることで行動変容につなげていくことが保健師の役割であると学ぶことができました。

吉森由稀

 

対象者の言動から、行動変容ステージのどの段階にいるかを把握して、段階に応じた保健指導を行うことが大切であるということを学びました。無関心期の人に保健指導を行っても、対象者はお節介であると感じてしまい、聞く耳を持たないという状況でした。しかし、健康を維持していくためには対象者自身が気付き行動を起こすことが大切です。そのため、そういった人には一方的な指導ではなく、まずは自身の健康状態に目を向けてもらうために、質問を工夫して健康に対しての気づきや関心を持ってもらうことが大切であると学びました。また、関心期など行動を変えようとする意識がある人には、必要な情報提供や具体的にどのように行動変容をしていけば良いのかという具体案を提示し、一緒に目標を立ててセルフケア能力の向上を図っていく関わりが大切であると学びました。今後の保健指導には、行動変容ステージの段階を把握して、アプローチを変えていくことで、よりセルフケア能力が向上すると考えました。

野中沙起

 

▼学校保健実習で作成した保健教育媒体

地域看護学実習発表会4-1

 

▼産業保健実習で作成した保健指導媒体

地域看護学実習発表会5-1

 

教員として

産業保健実習では、対象者の方のアセスメントを事前に行いましたが、実習指導者様から保健指導が一方的にならないように、対象者の立場で行うことの重要性を具体的に指導していただきました。

また対象者の方の保健指導中の言動から、学生の保健指導に不足していたことやどう展開すればよかったのかという課題への理解が深まったことが、学生の報告から感じ取ることができました。

実習前は緊張し、不安げな表情であった学生が、実習に臨む中で保健師の役割を理解し、実習終了時には言語化でき、とても良い表情に変化をしていることを目の前で感じることができました。学校保健実習においても、発表内容から実際に対象者である生徒さんに接し、養護教諭の活動に参加して、看護活動のプロセスや看護職の役割は同じであることを学んでいました。この経験が9月から実施される保健所実習、市町村への実習につながっていくよう、教員として保健師をめざす学生の成長を促すサポートを行っていきたいと思います。

実習の実施にあたり、実習指導者様をはじめ施設の方々のご理解とご協力ならびに御指導をいただきましたことを深く御礼申し上げます。

                           看護医療学科助教 丸山睦

 
 
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