タグ
看護医療学科
2022.07.19
5か国合同でのミニシンポジウム開催 ~ 看護医療学科「 国際看護論Ⅰ」
国際看護論は、2022年度より新カリキュラムの構成のため国際看護論Ⅰ(必修科目)と国際看護論Ⅱ(選択科目)に設定されています。まずは、国際看護論Ⅰのミニシンポジウムの講義について紹介いたします。 このミニシンポジウムは、グルーバル化に対応する看護職の育成のために2019年から世界の看護職や福祉職の方に各国の保健医療福祉の政策や状況についてオンライン講義の形式を導入しています。今回は、ベトナムの方の参加が急遽キャンセルになりましたが、5か国の状況について紹介していただきました。 令和4年7月15日(金)の第5・6・7回「国際看護論」の授業では、オーストラリア(メルボルン)・スウェーデン(ウプサラ市)・台湾(雲林県)・韓国(ソウル市)・日本(奈良:畿央大学)をZoomでつなぎ、『現地の看護職・福祉職の講義を聞き、コロナ禍における先進国と後進国の保健医療福祉の実際と課題を知る』という目的で、『COVID-19は人々にどのような影響をもたらしたのか』という主題に基づき、5人のゲストスピーカーの方に各テーマに沿って紹介していただきました。 オーストラリア(メルボルン) 最初にオーストラリアのMs.Julie.Paul氏による「COVID 19 IMPACT ON AGED CARE DEMENTIA ELDERS IN AUSTRALIA(新型コロナウイルスによるオーストラリアでの認知症高齢者ケアへの影響)」を講義していただきました。 英語でのプレゼンテーションだったため、講義のすべてを理解することができなかったのですが、オーストラリアの現状について学ぶことができました。認知症はオーストラリアで2番目の死因であるということを知りました。日本では、悪性腫瘍や心疾患、老衰などが死因の半分を占めていることや認知症が死因だといわれることが少ないことから、日本とオーストラリアでは認知症の捉え方が少し違うように感じました。 オーストラリアの認知症高齢者の療養所の97%で高齢者やスタッフが新型コロナウイルスに感染する事態が発生し、それまでは当たり前に行われていた他者との関わりを制限する必要になったことを知りました。スライドには、新型コロナウイルス流行前に撮られたであろう高齢者の男性が子どもや友人と笑顔で映っている写真1が載っていました。しかし、新型コロナウイルス流行後の感染対策を行っている状態での写真2では、男性はマスクをしている方とレクリエーションを行っていましたが流行前の笑顔はありませんでした。 このことからも、他者との関わりを制限することで認知症高齢者を感染から守ることはできるものの、制限することで認知機能の低下などの悪影響を及ぼすことを忘れてはいけないということを改めて学ぶことができました。 【英訳】 First, Ms. Julie Paul from Australia gave a lecture on "COVID 19 IMPACT ON AGED CARE DEMENTIA ELDERS IN AUSTRALIA". Since the presentation was in English, I could not understand everything, but I was able to learn about the current situation in Australia. I learned that dementia is the second leading cause of death in Australia. In Japan, malignant tumors, heart disease, and senility account for half of the causes of death, and dementia is rarely said to be the cause of death, so I felt that the way dementia is viewed in Japan and Australia is a little different. 97% of Australia's nursing homes for elderly people with dementia have had seniors and staff infected with COVID-19, forcing them to limit interactions with others that had previously been the norm. I learned that The slide included Photo 1, which was taken before the outbreak of COVID-19, showing an elderly man smiling with his children and friends. However, in Photo 2, where the infection control measures are being taken after the outbreak of COVID-19, the man was having recreation with a person wearing a mask, but there was no smile before the epidemic. From this, it is possible to protect the elderly with dementia from infection by limiting their involvement with others, but we should not forget that limiting has adverse effects such as a decline in cognitive function. Chika Yasuoka, 4th year in Department of Nursing 写真1:コロナ禍前の認知症高齢者 写真2:コロナ禍での認知症高齢者のレクリエーション場面とMs.Julie.Paul氏(写真右上) 看護医療学科 4回生 安岡知香 スウェーデン(ウプサラ市) 次に、スウェーデンウプサラ市の長谷川佑子さんに「スウェーデンの認知症ケア-コロナ後に考えるコロナ禍のケア-」を講義していただきました。 認知症ケアにおいては、一人一人の生きる世界を理解し、自己決定を支えることを基盤に「その人にとってかけがえのない生活」を支援するために多職種で協同してより良いケアを提供していることがわかりました。 スウェーデンの医療現場では、多職種でのチームワークを重視しておられました。患者から最も距離の近い「アンダーナース」が主にケアを行い、看護師はチームリーダーとしてアンダーナースの教育や指導にあたっているとおっしゃっていました。また、スウェーデンでは、緊急を要する場合以外には、FIKA(お茶)をしてリラックスすることを大切にしていました。日本では頑張ることが美徳とされていますが、スウェーデンでは頑張ることが患者や他のスタッフに良い影響を与えないため、「リラックス」して仕事に励むスタイルが一般的であり、日本との業務スタイルの差に驚きました。 コロナパンデミック後の現在は、コロナウイルスは命を脅かす病気ではないとされ、コロナパスは使われず、ワクチン接種者は検査をしない現状になっているとおっしゃっていました。そして、国民のほとんどがマスクを着用していない実態に驚きましたが、国民性や価値観の違いを学ぶことができました。 写真3:スウェーデンウプサラ市の長谷川佑子氏 看護医療学科 4回生 清水こゆき 台湾(雲林県) 次に、陳玲類氏・同時通訳 葛芝岑氏から「コロナ禍における台湾の高齢者看護」のプレゼンテーションがありました。 台湾では、2021年8月までに国内での感染拡大は収束したと思われましたが、2022年3月にオミクロン株の感染急拡大が止まらない状況が発生しました。感染者の状況として、 軽症または無症状の感染者が99%で、年代別にみると20代から50代の割合が多いです。死亡率は慢性疾患を持つ感染者で98%と高いことや、年代別でみると75歳以上の死亡率が53.5%と高いです。しかし、65歳以上の高齢者はワクチンの効果がわからないことや、副作用への不安、外出をしないから安全であるという認識から予防接種率は18歳から64歳までの方に比べて低い状況です。 そこで、オードリー・タン氏(台湾のデジタル担当政務委員)の「高齢者を含めてだれ一人取り残さない社会を創る」ことをフレーズに台湾は、介護施設や生活支援が必要な方に抗原定性検査キットの供給が行われました。そして、介護の場では、サービスを利用する高齢者の健康を維持し、サービスの安全確保に向け、利用者の自宅で簡易検査キットの使用方法を伝えたり、利用者に寄り添って予防接種への不安を軽減し、受けやすい状況を工夫したり、利用者同士で季節折々の行事を行うなど一緒に楽しい時間を過ごせるよう環境において消毒・清掃を徹底されていました。また、他にも面会制限があってもLINEなどのツールで常に連絡や交流をできる工夫もされていました。 また、地域での感染防止対策として、マスクの配布や、感染者が自己申告しやすいよう、感染状況調査システムを簡易化し、地域や学校でのワクチン接種ステーションも拡大されました。 これらのことから、台湾ではコロナ感染による重症率を低く抑えられるよう、ワクチンの接種率向上に向けて取り組まれており、感染予防対策への知識を持ってそれぞれが徹底して行動するよう呼びかけることで、安心感や希望を持って過ごすことができるよう一人一人の本来の生活を変えてコロナと共に過ごす新しい生活の創造に向かっていることを学びました。 写真4:台湾の陳玲類氏(写真右側))・同時通訳 葛芝岑氏(写真左側) 看護医療学科 4回生 池宮有紀 韓国(ソウル市) 次に、韓国の윤 재호(ユン ジェホ)氏により「コロナ禍における韓国の保健医療福祉施策」について講義をしていただきました。 韓国の高齢化率は日本と比較すると低い水準ではありますが、上昇傾向にあり、老人医療費が増加していることに加え、少子高齢化が進行している現状がみられます。そこで介護保険制度である老人長期療養保険制度を導入したことを知りました。このことから、国同士が互いに影響を受け合うことで、協力関係やさらに良い医療へとつながるきっかけとなることを学びました。 日本と韓国での医療の違いの特徴として、①健康保険と老人長期療養保険の保険者は一つであることや、②混合診療可能、韓方医療も給付していること、③病床数を自由、療養病院あり、医療人ではなくても病院の開院が可能であることを知りました。そこから、問題として政府の管理が難しいことや病院の競争が激しくなることを学びました。 韓国におけるコロナ禍による人々の生活への影響として、身体活動が減少したことや家で料理をすることが増えたこと、うつ病の急増がみられていることを知りました。日本でもうつ病患者が増えている現状があることからも、コロナ禍による影響は日本と似ていると感じました。韓国での対処としては「軽い散歩」や「家でできる趣味の開発」などが実施されており、国民の心と生活に寄り添った対策をされているように感じました。また、病院ではITの活用が普及されましたが、ITの使用を難しく感じる人が増えているといった課題が挙げられることも学びました。 写真5:韓国の윤 재호(ユン ジェホ)氏 看護医療学科 4回生 道園彩加 日本 最後に日本の現状について山崎先生から講義を受けました。 日本では、2022年度の7月時点で再び、コロナ感染が拡大しており、第7波の到来とも言われている状況で、国民の生活面では緩和や規制の繰り返しでストレスが生じやすい状況であります。医療や看護の面でも、感染状況が完全には落ち着かないことから、引き続き感染対策の徹底により、医療従事者の行動制限や自粛生活を余儀なくされていることや、まだまだ国民のコロナへの認識もそれぞれであることから、コロナ差別や医療者への中傷も少なからずある状況でストレス増大につながりやすいことが考えられます。 また、病院や高齢者ケア施設では面会制限が続き、特に在宅にいる高齢者はステイホームによるサルコペニアやフレイルの進行、認知機能の低下による弊害が懸念されています。病院や施設において、面会制限や人との交流不足を補うため、ITを取り入れる場面も増えてきてはいますが、高齢者は適応しにくいなどの課題点もあります。 このように、コロナによって様々な影響を受けながらも、看護職の仕事が国内でもクローズアップされて社会的地位を確保することにもつながった機会でもあると気づきました。 看護師をめざす私たちも、今後働くうえで、医療従事者に対する偏見や差別がなくなる世の中であってほしいと願いながら、生活者としても、自身や他人がコロナ感染しても怖がられない、置き去りにしない社会で自分らしく生活できるようになってほしいと思いました。 写真6:全員で記念写真 看護医療学科 4回生 池宮有紀 それぞれ5か国の文化や社会状況により、看護や社会支援の提供方法を、日本と比較することで、それぞれの国との違いを知るだけでなく、日本の良い点も学ぶ機会になりました。しかし看護を提供する、ケアをする人への思いはそれぞれ同じであることも知ることができました。他の国々の看護、社会支援について共有できること、できないことを見極め、ローカライズしていくことが、グローバルな視点で物事を考えていることに繋がり、これからの看護には必要な視点であると思いました。 また、コロナ禍ではそれぞれの国でも、今までと同じ生活は行えないことはありましたが、コロナウイルスを理解し、「何事もできない」で終わらせずに他の方法を用いた取り組みをされていました。特に面会が禁止となり、ICTの活用、ビデオレター、電話での会話など色々な工夫をされていました。またICTの技術進歩は、今まで行えなかったことを可能にもしました。この国際看護の授業のように、奈良県にいながら、オーストラリア、スウェーデン、台湾、韓国から講義を受けることができるようになったこともその一つです。遠方の人とコロナウイルスの感染を気にせずコミュニケーションをすることが出来るのです。 しかしICTに適応が困難な人々もおり、そのような人々への課題への対策や、ICT技術の進歩や開発が期待されます。そしてコロナ禍の状況が落ち着き、マスクが不要となり、家族との触れ合いが行えるようになったことで、改めて人とのコミュニケーションには触れ合うコンタクトが必要あることがわかりました。新しい技術を進歩させながら、人との大切なふれあう機会を維持することが必要です。すでにコロナウイルスを理解し、過敏にならず生活できるような社会、Withコロナに社会が変化しつつあります。私たちはこのような変化を国際看護の講義から他の国を通じて知る機会があり、日本においても個人がその変化を理解し、社会に適応していけるように私たちに何ができるのか、考える機会にもなりました。 お忙しい、時差もあるなか、講義してくださいました先生方、オーストラリアのMs.Julie.Paul氏、スウェーデンウプサラ市の長谷川佑子氏、台湾の陳玲類氏・同時通訳 葛芝岑氏、韓国の윤 재호(ユン ジェホ)氏に貴重な講義をいただき感謝いたします。 この後は、国際看護論Ⅱ(看護医療学科 乾准教授)に続きます。 看護医療学科 助教 杉本多加子 教授 山崎 尚美 【関連記事】 5カ国を結んで学ぶ!コロナ禍の保健医療福祉の実際と課題~看護医療学科「国際看護論」 4ヵ国を結んだ遠隔授業を行いました~看護医療学科「国際看護論」 看護医療学科の活動 「認知症ケア論」で学外施設へフィールドワーク! ~看護医療学科 新たに「認知症ケア論」が開講しました!~看護医療学科 摂食嚥下障害看護認定看護師の講師を招いて 「高齢者の摂食・嚥下のための看護」演習を行いました!~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」 対面とZoomで「七夕交流会」を開催!~Orange Project®畿央大学 「最期のときに、心をこめて。」エンゼルケアの演習を実施しました ~看護医療学科「終末期ケア論」
2022.07.14
「認知症ケア論」で学外施設へフィールドワーク! ~看護医療学科
今年度より「認知症ケア論」が開講されました。1・2年次開講で今年は1回生8名が選択をしています。選択した学生は、身内に認知症のある方がいらっしゃったり、認知症に興味がある学生です。 2022年7月9日(土)はフィールドワークで、橿原市にあるデイサービスと地域交流サロンの複合施設「社会福祉法人 うねび会 ぽれぽれ八木西スクエア」に寄せていただき、施設の見学や運営にかかわる内容を伺いました。 ▼リハビリ機器も充実しているデイサービス 学生の感想からは、施設全体がぬくもりを感じる木造であることや、いろいろな工夫がされていることを学ぶことができました。さらに「認知症の方だけでなく、その家族もサポートして、相談できる環境があるだけで負担が軽くなるのかなと思った。また、同じような状況の人のために、このような施設があるということがもっと広まれば良いなと思った」といった声も聞かれました。 ▼感染対策で2階から見学する学生 そして、若年性の認知症の方やその家族のつどいにも参加させていただくことができました。 ▼真剣にご家族様方の語る内容に聴き入る学生 学生らは、つどいの場に参加して 「認知症という病名でひとを判断してはいけない。そのひとのできることに目を向け、できないことを周囲が助けることが大切だと思った」 「当事者の理解や、家族へのサポートが必要である」 「お互いがお互いを支え合うことで、その人も少しは気持ちが楽になっているのをこの目でみて、すごく大切な集いなのだと感じた」 「今まで、考えていた認知症のある人のイメージとの違いが理解できた」 などと、多くのことを学ぶことが出来たようです。 たいへん貴重な経験をさせていただきました。 施設長様をはじめご協力・ご助力を賜りました皆々様、誠にありがとうございました。 看護医療学科 准教授 上仲 久 【関連記事】 新たに「認知症ケア論」が開講しました!~看護医療学科 摂食嚥下障害看護認定看護師の講師を招いて 「高齢者の摂食・嚥下のための看護」演習を行いました!~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」 「最期のときに、心をこめて。」エンゼルケアの演習を実施しました ~看護医療学科「終末期ケア論」 対面とZoomで「七夕交流会」を開催!~Orange Project®畿央大学 第1回エコマミ公開講座に山崎教授と学生が協力!~Orange Project®畿央大学
2022.07.13
新たに「認知症ケア論」が開講しました!~看護医療学科
今年度より「認知症ケア論」が開講されました。1・2年次開講で今年は1回生8名が選択をしています。選択した学生は、身内に認知症のある方がいらっしゃったり、認知症に興味がある学生です。 ▼きずなやで活動中の平井さんと一緒に記念写真 2022年6月30日(木)より、認知症ケアについての学修が始まりました。第1~3回目は学内での講義です。学生も教員も初めてであり、緊張の中で講義が始まりました。 認知症ケアの原則、診断治療について、山崎教授が講義をして下さいました。また当時者本人、家族の思いについてまほろば倶楽部代表の平井さんが、認知症施策である若年性認知症サポートセンターの仕組みについてきずなや代表の若野さんが、それぞれオンラインで講義をして下さいました。 平井さんは若年性認知症を発症され、ご自身で若年性認知症のある人のサポート、啓発活動をされています。若年性認知症と診断されてから今までの経過をご自身の体験を含めた内容で、きずなやからオンライン配信し、活動中の様子も見学することができました。 若野さんは、若年認知症サポートセンターきずなやの活動内容、支援について他職種との連携や取り組み、地域支援の課題について具体的な内容を講義してくださいました。専門用語も多く難しい内容でしたが、学生は熱心に聞いていました。 また山崎先生からは、日本の認知症ケアについての経緯、現状、今後どうあるべきか、そして学生が看護師になった時に、認知症のある方に提供する看護や支援への在り方について期待や希望を込めた講義内容でもあり、本日の学習が、今後の学生への学習意欲や認知症のある人への思いや考え方に大きな影響を与え、認知症のある人を正しく理解した看護ができる看護師への成長へ繋がっていくのだと思いました。 また認知症ケア論では、畿央大学の先輩方から、オレンジプロジェクトについて紹介がありました。「認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献するための認知症啓発運動」については、当事者の方と地域の方との連携や紙芝居の活動内容について説明があり、オレンジプロジェクトの活動参加について、呼びかけをされていました。 ▼先輩からのオレンジプロジェクトの説明 また本日のアンケートでは認知症のある人のイメージを物忘れする人、自分自身がわからなくなる、道がわからなくなる、同じことを何度も言う、ネガティブになるなどのイメージの表現をしていましたが、これからのフィールドワークでどのように変化していくか楽しみです。また机上での学習と比較し、学びを深めていけると良いですね。頑張ってください! 看護医療学科 助教 杉本 多加子 【関連記事】 摂食嚥下障害看護認定看護師の講師を招いて 「高齢者の摂食・嚥下のための看護」演習を行いました!~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」|KIO Smile Blog 「最期のときに、心をこめて。」エンゼルケアの演習を実施しました ~看護医療学科「終末期ケア論」|KIO Smile Blog 対面とZoomで「七夕交流会」を開催!~Orange Project®畿央大学|KIO Smile Blog 第1回エコマミ公開講座に山崎教授と学生が協力!~Orange Project®畿央大学|KIO Smile Blog
2022.07.12
摂食嚥下障害看護認定看護師の講師を招いて 「高齢者の摂食・嚥下のための看護」演習を行いました!~看護医療学科「老年看護学援助論Ⅱ」
看護医療学科3年次配当「老年看護学援助論Ⅱ」では、2022年7月7日(木)1・2限目に“摂食・嚥下障害看護認定看護師”の伊藤美和先生をお迎えし、「高齢者の摂食・嚥下のための看護」についての演習を行いました。 ▼授業の様子 高齢者が食事をいかにおいしく、自分の力で食べるかということは、生活の質を高めるために必要です。しかし、加齢とともに摂食・嚥下機能も低下するため、もてる力をいかに上手に、安全に活かしていくかが大切です。 授業ではまず、口腔内の観察、残された歯の維持や、入れ歯を正しく使用し、清潔にするためのケア、口腔ケアを実施する時に使用する物品を確認しました。また、摂食嚥下機能の評価として反復唾液嚥下テスト(30秒間唾液の飲み込みを繰り返すテスト)や頸部聴診法(聴診器を使って呼吸音や飲み込み音を観察する方法)を学生同士で行ないました。 コロナ禍でマスク・フェースシールド・手袋を着けての演習でしたが、学生は会話を避けつつ熱心に触診・聴診を用いた観察を行っていました。 ▼嚥下機能検査の演習シーン また、とろみ剤を用いたとろみテストも行いました。臨床では嚥下機能に衰えがある高齢者に対し、誤飲を防止するため水分にとろみをつけることがあります。演習では、それぞれ濃度や違う溶解液でとろみ剤を溶かし、固さや、とろみ具合を確認しました。また時間の経過により固さが変化しいく状態や、とろみ剤を追加することでの変化を確認しました(追いとろみの体験)。実際に臨床で作成する際には、摂取する対象者のことを考えて作成してほしいです。使用する場面を想起しながら演習することができたでしょうか? ▼とろみ剤の準備と、とろみ剤を溶解中の伊藤先生 看護医療学科では、8月の老年看護学施設実習を皮切りに、領域実習が始まります。演習で学んだ内容を活かして、対象者の状態をしっかり観察し、適切なアセスメントができるようになってほしいです。そして、対象者の想いに寄り添った看護ができるよう私達もサポートしていきます。一緒に素晴らしい臨地実習にしていきましょうね。 最後になりましたが、遠方からお越しいただき、たくさんの貴重な講義・演習を通して高齢者の嚥下についてわかりやすくご教授いただいた伊藤先生に深く感謝申し上げます。 看護医療学科 助教 島岡昌代 【関連記事】 「最期のときに、心をこめて。」エンゼルケアの演習を実施しました ~看護医療学科「終末期ケア論」 母性看護学で学生アシスタント制度を導入した新しい取り組みを開始!~看護医療学科 「第15回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 「離島・へき地医療体験実習」発表会を開催しました!~看護医療学科
2022.07.08
対面とZoomで「七夕交流会」を開催!~Orange Project®畿央大学
Orange Project®とは、熊本県(熊本大学・熊本保健大学・崇城大学)と奈良県(畿央大学)を中心に活動している認知症啓発のための学生ボランティア団体で、“認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献する”をコンセプトに、認知症啓発運動を行っている学生を中心とした団体です。2020年には、ロゴやマークが商標登録されました。 認知症になってもやさしい町づくりなどに、学生主体に取り組み始めました。そして「認知症にやさしい広陵町、認知症に強い畿央大学」となることを目的に2019年9月にサークルとして発足しています。 2022年7月7日(水)15時から、対面と zoomで「七夕交流会」を行いました。 この交流会の取り組みはコロナの影響で実施できずにいましたが、今回開催が実現して仲間とともに楽しい時間を過ごすことができしました。参加者は学生10人に加えて、「認知症の人と家族の会」奈良県支部の正楽忠司さんと、広島県の「たぬき倶楽部」代表の竹内裕さんにzoomで参加をいただきました。 はじめにアイスブレイクとして自己紹介を行ない、夏にやりたいことや最近良かったことなどを各自話しました。そして、和やかな雰囲気になったところで、今日は七夕ということで短冊に願いを書きました。認知症の母のことを気遣う内容などももちろんありましたが、中には「彼女がほしい」とか「単位落としませんように…」という願いも書かれており、みんな大爆笑で、和やかな雰囲気となりました! 最後に笹の葉に短冊をつけてみんなで記念撮影をしました。「コロナが終息したら学外の皆さんも含めて対面での活動を行いたいね」という希望も出されました。 とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。みなさん、ありがとうございました。 これからも畿央大学のオレンジプロジェクトをよろしくお願いします! 最後になりましたが、笹を提供いただいた近所のおじさま、誠にありがとうございました。 看護医療学科2回生 中川あみり 【関連記事】 第1回エコマミ公開講座に山崎教授と学生が協力!~Orange Project®畿央大学 畿央大学看護実践研究センター第7回研修会 「地域で・笑顔で 生きるとは」を開催しました。 認知症啓発のための「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」活動報告!~Orange Project®畿央大学 「2021年度Orange Project®記念式典」で学生3名が功労賞を受賞! 広陵中学校の認知症サポーター養成講座にリモートで協力!~Orange Project®畿央大学 多世代まちづくりプロジェクト2021コンペティション、2年連続で「参加者賞」に!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」 広陵町図書館での認知症啓発活動に参加!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」
2022.07.02
「最期のときに、心をこめて。」エンゼルケアの演習を実施しました ~看護医療学科「終末期ケア論」
「終末期ケア論」は、看護医療学科3年前期に必修科目として開講しています。 この授業では、人生の終末期を迎えた対象の心理過程や、がん終末期の身体症状とそれに対する緩和ケアについて、また、死が迫った対象とのコミュニケーション、家族や遺族へのケアなど多彩な内容を取り上げています。 高齢化に伴う多死社会を迎えるわが国において求められる「死にゆく対象への理解」を深め、適切な援助技術を習得することをめざした授業構成としています。今回は、臨終の看護のプログラムであるエンゼルケアの演習についてレポートします。 エンゼルケアは、逝去時に身体や頭髪をきれいに整え、故人の生前の表情や血色に近いメイクを施し、「旅立ちにむけた整え」を行うことを指しています。 エンゼルケアには、ご遺体からの感染予防や整容という目的のみならず、「故人のこれまでに敬意を払う」「ご遺族への哀しみに対するケア」という重要な意味があります。 そのうち今回の授業では、闘病による苦しみから解放された方の表情を柔らかくするためのマッサージや汚れを除去し血色の良いお顔になっていただくためのエンゼルメイクを実施しました。 ▲メイクに不慣れな男子学生も丁寧にマッサージします 履修している学生の中で、身近な人が息をひきとる瞬間に立ち会った者は1人もいないという背景でしたが、4月からの授業で「死」について前向きに学修してきたことで、ご遺体をイメージしたケアにも真摯に取り組むことができました。 ▲生前の表情により近いメイクを心がけます 使用しているモデル人形は、少し肌が黄色くなっているものや、赤味がかかったものなどありましたが、グループ毎に穏やかで苦痛から解放された表情を意識した色味を選んでメイクを施しました。眉を描くことでその人らしさが感じられ、頬に色を入れること色がよくなる様子が、学生のメイクから伝わってきました。 グループによっては、顎や耳たぶに少し赤味を入れて穏やかな表情を創ったり生き返ったような唇を再現できていました。 ▲メイクをしたモデル人形をグループ毎にお披露目する様子 終末期ケア論の授業は、金曜日の1限に行っています。 朝から「死」についてのテーマや治癒が望めない状況にある対象へのケアについて学ぶことは、学生たちへの負担感が大きいのではないかと懸念していましたが、実習を控えた3年生たちは、「いのちと看護」について、自分たちの考えを巡らせることができています。 授業の中で行うディスカッションにおいても「自分の言葉で丁寧に考えを伝える」姿が見られるようになってきました。 この演習を終えて、 「いのちの終わりに関われることは、何かのご縁なので大切にケアしたい。」 「最期のときに、この看護師さんに関わってもらえてよかったと家族に思ってもらえるケアをしたい」と自身が経験したこと、授業で得た学びを紡ぎながら死生観や看護観を構築してくれています。 「最期の数時間に起こったことは、残された者の記憶に留まりつづける」といわれているように、お別れの時に穏やかな表情で送ることは、遺族ケアの第一段階であることを学生と共有できた貴重な演習となりました。 健康科学部 看護医療学科 准教授 對中 百合 講師 大友 絵利香 【関連記事】 逝去時の看護を学ぶ-エンゼルケア演習 ~看護医療学科「終末期ケア論」 看取りを体験した遺族に対する看護の課題~看護医療学科「終末期ケア論」 第15回 奈良県認知症ケア専門士会オンラインセミナー「〜コロナ時代におけるこれからの看取り〜」参加者レポート~看護医療学科 国保中央病院「緩和ケアホーム飛鳥」での見学実習!~看護医療学科「終末期ケア論」
2022.06.29
第1回エコマミ公開講座に山崎教授と学生が協力!~Orange Project®畿央大学
Orange Project®とは、熊本県(熊本大学・熊本保健大学・崇城大学)と奈良県(畿央大学)を中心に活動している認知症啓発のための学生ボランティア団体で、“認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献する”をコンセプトに、認知症啓発運動を行っている学生を中心とした団体です。2020年には、ロゴやマークが商標登録されました。 畿央大学の卒業生たちは2019年から、在学中に熊本大学・熊本保健大学・崇城大学と共に、Orange Project®(認知症支援プロジェクト)に参画し、認知症になってもやさしい町づくりなどに、学生主体に取り組み始めました。そして「認知症にやさしい広陵町、認知症に強い畿央大学」となることを目的に2019年9月にサークルとして発足しています。 ▲写真左から(香芝市 企画部 部長 福森るり様、株式会社関西都市居住サービス 総合企画本部長 後藤浩様、畿央大学 看護医療学科 教授 山崎 尚美、広陵町 企画部 部長 奥田育裕様) 2022年6月26日(日)に、広陵町にあるエコール・マミにおいて『第1回エコマミ公開講座2022』が開催されました。広陵町・香芝市に住む約50名の方々にご参加いただき、Orange Project®の顧問である山崎教授が「もう怖がらなくていい認知症の話~自分らしく認知症とともに生きる~」というテーマのもと、参加者の方が持たれている認知症に対するイメージや認知症の症状・治療、早期発見の重要性について講義を行いました。講義中は、参加者の皆さんが熱心に資料をみたりメモを取ったりする姿を拝見し、認知症に対する関心は大きいのだと再認識しました。 ▲山崎教授講演の様子 ▲参加者の質問に答える山崎教授 講義の中で、オレンジプロジェクトの学生がサークルの概要や現在活動を広げている紙芝居について紹介させていただきました。学生は、コロナ禍になってから人前で実際に発表することが初めてで、非常に緊張していましたが、発表後は参加者から学生に対して「頑張ってね」や「よかったよ」というお声がけもいただき、とても嬉しく思ったと同時に、このような貴重な機会をいただけたことに感謝いたします。 ▲Orange Project®より紙芝居の紹介 また、畿央大学と広陵町が共同で開発した認知機能を知ることができるアプリ「きおトレ」アプリの紹介もされました。終了時間が迫っていたこともあり「きおトレ」アプリについては詳しく説明できなかったのが非常に残念でしたが、多くの参加者が興味・関心を持たれていました。 ▲「きおトレ」アプリに入力される参加者 以前から畿央大学OrangeProject®では、認知症カフェの実施や「きおトレ」アプリの体験を行っていたのですが、新型コロナウイルス蔓延の影響により活動が難しくなっていました。認知症カフェとは、認知症の方とその家族の方が集まることのできるカフェです。利用者を限定していないため、地域の住民など、大人から子どもまで誰でも参加できます。 今後、感染状況もみながら感染症対策を万全に実施し、認知症カフェも開催していきたいと思いますし、その際には少しでも多くの方に参加いただき、「きおトレ」アプリにも触れていただきたいと強く思いました!今回ご参加いただいた住民の皆様にも感謝申し上げます。 *撮影時のみマスクを外しています。 畿央大学Orange Project®に興味がある方は、ぜひご連絡、ご参加ください! 看護医療学科 4回生 谷﨑 華穂 【関連記事】 畿央大学看護実践研究センター第7回研修会 「地域で・笑顔で 生きるとは」を開催しました。 認知症啓発のための「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」活動報告!~Orange Project®畿央大学 「2021年度Orange Project®記念式典」で学生3名が功労賞を受賞! 広陵中学校の認知症サポーター養成講座にリモートで協力!~Orange Project®畿央大学 多世代まちづくりプロジェクト2021コンペティション、2年連続で「参加者賞」に!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」 広陵町図書館での認知症啓発活動に参加!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」
2022.06.22
畿央大学看護実践研究センター第7回研修会 「地域で・笑顔で 生きるとは」を開催しました。
2022年6月19日(日)13:30から、看護実践研究センター 認知症部門主催(センター長:山崎教授)で、第7回 研修会「地域で・笑顔で 生きるとは」がオンラインで開催されました。この研修会は、奈良県認知症ケア専門士会との共催で行われ、およそ30人の方が参加しました。 前半の講師は、認知症の当事者たちを支援する「たぬき俱楽部」代表で、日本認知症本人ワーキンググループメンバーの竹内 裕 氏でした。竹内氏はご自身も若年性認知症と診断された経験から、当事者目線での様々な活動や講演会を積極的に行っておられ、畿央大学の認知症ケアサークルOrangeProjectにも関わってくださっています。 前半は竹内氏と山崎教授の対談で行われました。参加者の方から、「コロナ禍で認知症高齢者の方の介護を配偶者が1人で抱え込んでしまい、認知症が進行してから相談に来られるケースが増えている。その状態が続くとご家族が疲弊してしまうため公的サービスを使っていただきたいが、当事者の意思もありなかなかサービス利用につながらない。」というお話がありました。コロナ禍で外からの情報があまり入らずにずっとご夫婦のみで生活していると共依存の状態となり、新たな刺激を望まなくなるため、当事者やご家族が行きたいと思える場所が増えるといいという意見から、当事者やご家族に認知症カフェやサロンなどを知っていただき、一緒に出掛けようと思っていただくことが必要だとわかりました。竹内氏は、「一緒に出掛けたいと思える場所とは、当事者がやりたいことをやれる場所であり、それを見つけるためにはまず自分がしたいことを伝える。皆さんには、相手と同じ目線で伝えるということを身につけてほしい」と仰っていました。 ▲オンラインセミナーご参加のみなさん1(写真掲載の承諾を得ています) ちなみに、たぬき俱楽部ではランチカフェやソフトボール、夜の町内会など様々な催しを実費制(自己責任)で行っておられたそうです。ランチカフェに関わる人は民生委員やボランティアで、win-winな関係だから続けることができると仰っていました。地域の方がこうした活動に参加されるのは理解者を増やし、地域の交流を深め、また情報発信源として活躍してくださることで、認知症の人とご家族が暮らしやすいまちづくりにつながっていると感じました。 また、山崎教授は、コロナ禍で制限がかかる状態に慣れてきているが、認知症ケアを行う人は何に対してもコロナ禍のせいにして活動を縮小するのではなく、向き合えるようにお願いしたいと話しておられ、コロナ禍でもできる支援を考え、地域に合わせた方法で実践していくことが必要だと考えました。 ▲オンラインセミナー参加のみなさん2(写真掲載の承諾を得ています) 後半は、「アフターコロナにおける職員のメンタルヘルスケア」と題してグループワークとミニ講義が行われました。グループワークは、コロナ禍において、面会制限や勤務体制の交換などでストレスに感じていることや不安などを吐露する目的で行いました。 グループの中では、認知症啓発活動について、専門職の話よりご本人の話の方が届くので、若年性認知症の方の講演会を企画しているという話や、病院勤務の看護師さんが体験した検査や手術などの際の認知症の方に対する対応について話し合いました。 他のグループでは、施設に入居するとコロナ禍で面会ができないため、入所をためらっている方も多いとの話も出ました。長引くコロナ禍の影響で、認知症ケアの現場にも様々な影響が出ている現状を直に伺い、withコロナ時代において認知症の人とご家族が安心して暮らせるために、認知症に対する正しい知識の普及とお一人おひとりの想いに寄り添ったきめ細やかな対応が必要だと改めて実感しました。 また、グループワークの後、看護実践研究センター 認知症部門の上仲准教授がストレスマネジメントの方法として「言葉の花束交換」についてミニ講義をされました。人は「~ねばならない・~であってほしい」という願望(イラショナル・ビリーフ)を使いがちですが、これは事実に基づいておらず気持ちを惨めにするため、事実に基づいた論理性のある言葉(ラショナル・ビリーフ)「~であるにこしたことはない」という言葉に置き換えると気持ちが楽になるという方法です。自分の短所の見方を変える-私も日々落ち込むことが多いので、ぜひ実践してみます。最後に大きな花束をプレゼントしていただいた気分になりました。 今回の研修会で認知症ケアにもコロナ禍の影響がどのように起こっているのかがわかり地域で支えることの重要性を再認識しました。これらを、認知症ケアを学ぶ学生たちに伝えていこうと思います。 看護医療学科 助教 島岡昌代 【関連記事】 第4回看護医療学科卒後教育研修会「看護における臨床判断」を開催しました。 6/26(日)第1回 エコマミ公開講座で看護医療学科 山崎教授が講演を担当します。 2/1(火)「高齢者住まい看取り研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター 2/21(月)「発達障害の一人称体験オンライン研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター 第3回卒後教育研修会「コロナ禍の看護の現状~やさしさをチカラに変える 現場の声から~」を開催しました。 看護実践研究センター第5回研修会「コロナ禍における認知症ケア」を開催しました。 「VR認知症一人称体験オンラインセミナー」を開催しました~看護実践研究センター
2022.06.13
母性看護学で学生アシスタント制度を導入した新しい取り組みを開始!~看護医療学科
2022年度前期から、母性看護学での新しい取り組みとして学生アシスタント制度を導入しました。これは、3回生後期に実施される領域実習の前段階となる「母性看護学援助論Ⅱ」で学ぶ看護技術を、4回生全員に声をかけそれに応じてくださった有志の学生アシスタント達が3回生を見守り、支援しつつ共に技術を身につけるシステムです。 講義の空きコマを利用して、3回生の希望者が自主的に練習していますが、技術試験もあることから毎回みなさん一生懸命に取り組んでいます。学生さんの声を少しご紹介します。 4回生アシスタントの声 コロナ禍での入学で先輩たちとのつながりが断たれ、基礎実習にも行けていないことが不安の原因なのではないかと感じ、一生懸命支えてあげたいと思いました。 肯定的に関わることでさらに上達しようとがんばっている後輩たちがかわいいです。 自分がこれまでできていると思っていたことも、他者が実施している様子を確認すると自分もできていないことに気がつくことができます。 技術手順の曖昧なところは3回生の学生同士で話し合い、お互い高め合っている姿が良かったです。 短時間で完璧に行ってもらうことは難しいため、口頭で説明するだけでなく、それぞれ自分なりに技術を獲得できるよう支援するとよいのではないかと感じました。 今から何を実施すべきか、そのため配慮することは何かを予め頭の中でシミュレーションし臨むことが大切だと思いました。 質問を受け、説明しながらも自身に曖昧なところがあることにも気づけました。後輩に伝えることで視野が広がり、母子に関わる姿勢の重要さに気がつきました。 自分でよりよい方法に気づいてもらえるような声かけやアドバイスには、根拠や理由を説明するようにしました。 復習したことをこうした機会にアウトプットできることで、より知識が身についていると感じています。 3回生に自主練習はどうですか?と尋ねたところ、みんなが目を輝かせながら即答で「楽しいです」と話してくれます。具体的に個々に聞いてみました。 3回生の声 先輩だと、つまらないと思うことでも何でも気軽に聞けます。 初めて先輩から教えてもらえる機会になり、交流できたことで安心しました。 できない気持ちを理解してもらえているので、安心して教えてもらえます。 実習の経験を交えながらの学生目線の助言なので、とても分かりやすいです。 3回生前期の勉強方法なども色々聞けました。 3回生前期の課題が多く大変な時期を乗り越えた経験が、実習を支えるモチベーションになると励ましてもらえました。 勉強不足のため教員に聞きにくいことでも先輩には聞きやすいです。 各技術のポイントを教えてくれるので練習しやすいです。 自分たちだけの練習では、これで良いのか不安ですが、間違っていることは先輩が指摘してくれるので確信をもって練習できます。 演習で行ったやり方以外の方法も教えてもらえました。 技術チェックにむけて、やっておいた方が良いことを教えてもらいました。 看護技術について、演習と違って「実習ではこんな風に行った」ということが聞けて良かったです。 アセスメントのポイントや母性看護学以外のことも気軽に聞くことができたのが良かったです。 みなさんとても生き生き取り組まれている姿が毎回印象的です。サポートシステムにはまだまだ課題もありますが、学生さん達が出会い、つながり、共に学ぶ機会を提供できるよう、さらに学修の場を創造していきたいと願っています。実習に向けて一緒にがんばりましょうね。 看護医療学科 母性看護学領域 岡、川口、松田 【関連記事】 「第15回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3・4回生対象「第14回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 2回生対象「第13回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 2・4回生対象「第12回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「第10回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「第9回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「第8回 基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科
2022.06.06
認知症啓発のための「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」活動報告!~Orange Project®畿央大学
Orange Project®とは 熊本県(熊本大学・熊本保健大学・崇城大学・熊本県立大学)と奈良県(畿央大学)を中心に活動している認知症啓発のための学生ボランティア団体です。“認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献する”をコンセプトに、認知症啓発運動を行っている学生を中心とした団体で、畿央大学では、2019年にサークルとして発足しOrange Project®(認知症支援プロジェクト)に参画し、「認知症になってもやさしい町づくり」などに、学生主体に取り組み始めました。 今回は、現2年生が主体となる初めての活動で、畿央大学のオレンジプロジェクトの先輩が、2020年に「多世代まちづくりプロジェクト 学生コンペティション」で入賞し助成金10万円をいただいた企画「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」の活動の一環を報告させていただきます! 畿央大学オレンジプロジェクトの学生たちで作成した世界に1つしかない認知症の啓発のための紙芝居(パワーポイントで作成)です。この紙芝居は「えがおのわ」というタイトルで、認知症のことを子どもたちに伝えるために作ったものです! 2022年5月23日(月)14時から、鹿児島県にある錦江町立大根占 (おおねじめ) 小学校の4年生に絵本動画を使用した認知症啓発を行うということで、畿央大学のオレンジプロジェクトもリモートで参加させていただきました! 始めに、オレンジプロジェクトの活動を紹介し、次に紙芝居を披露しました。 最初は子ども達がどのような反応をしてくれるのか、Zoomでの活動のためうまくコミュニケーションがとれるのか…など、不安なところもたくさんありました。 しかし、始まると同時に、画面越しに小学生たちの活き活きとした笑顔が確認でき、手を振ってくれる姿を見て、不安が一気に吹き飛びました!子ども達が質問に対して真剣に考え積極的に答える姿や、「困っている人を見たら助けたい!」という感想を聴き、私達が紙芝居を通して伝えたかったメッセージが伝わっていることを実感でき、とても嬉しく思いました。 その後、認知症当事者である丹野さんの動画を見ていただき、無事に終えることができました。 今回の活動はリモートでしたが、さまざまな地域のさまざまな年代の人と繋がれることに気づくことができたと同時に子ども達に伝えることの楽しさを感じることができました。 今後もリモートなども活用しながら活動の幅を広げていけたらと思っています! Orange Project®に興味がある方は、ぜひご連絡ください! 看護医療学科 2年生 中川あみり 【関連記事】 「2021年度Orange Project®記念式典」で学生3名が功労賞を受賞! 広陵中学校の認知症サポーター養成講座にリモートで協力! 多世代まちづくりプロジェクト2021コンペティション、2年連続で「参加者賞」に! 広陵町図書館での認知症啓発活動に参加! 小学生への認知症オンライン講座に参加!
よく読まれている記事
カテゴリ
タグ
キーワード検索
アーカイブ