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健康科学研究科

2024.08.14

本学にて第33回奈良県理学療法士学会が開催されました。~健康科学研究科・理学療法学科

2024年7月28日(日) 畿央大学にて第33回奈良県理学療法士学会が開催されました。ボランティアとして参加した学生のレポートとともに学会の様子をご紹介します!   2024年7月28日(日)、畿央大学にて第33回奈良県理学療法士学会が開催されました。本学理学療法学科の岡田洋平先生が学会長ということで、同じく学科教員の瀧口先生、私梶原が準備委員として参加するだけでなく、実習を終えたばかりの理学療法学科4回生の9名も運営補助のボランティアとして参加してくれました。   今回は「挑戦する理学療法:やさしさを力に未来を拓く」というテーマで開催されました。学会の特別講演ではニューロリハビリテーションセンターの信迫先生が講師を務めて下さり、他の講演や演題の発表者にも本学卒業生が参加してくれていました。     学生ボランティアは会場の設営や参加登録の案内、講師・座長への水の手配、それぞれの会場を仕切っている運営スタッフの細かなサポートなどを行ってくれました。運営の都合上、どうしても会場を離れることになるスタッフに代わり、指示に従ってテキパキと働く学生ボランティアのおかげもあり大きなトラブルなく学会を終えることができました。   ご参加いただいた参加者、当日運営スタッフ、学生ボランティアのみなさまに深く感謝申し上げます。   理学療法学科 助教 梶原 由布   ボランティア学生の学会参加レポートをご紹介 2024年7月28日(日)、第33回奈良県理学療法士学会が本学で開催されました。本学で開催ということから、理学療法学科4年生のボランティア学生9名が運営補助として参加しました。   学会の内容としては、運動器や神経、内部障害についての発表、特別講演や教育講演といったリハビリテーションの実践に関する発表などがあり、私たちこれから理学療法士として働く学生にとっても非常に有意義な1日となりました。 ボランティア学生は、初めてのことに戸惑いながらも、スタッフとして来ていただいた様々な病院の先生方と一緒に当日の会場設営や受付・誘導といった仕事を実行しました。また、当日には奈良県の理学療法士の方々が集まったため、3回生の評価実習や4回生の総合臨床実習でお世話になった方々と再会することもありました。   当日は運営補助の合間に先生方の発表や特別講演を聞くことができました。学会では、授業で学ぶことができなかった実際の臨床現場での内容や、多種多様な症例について知ることができ、多くの学びを得ることができました。また、初めてこのような学会に参加したため、会場の空気に圧倒されていましたが、学生時代から多くの理学療法士が集まる学会の空気に触れることができ、とても良い経験ができたと感じます。   「挑戦する理学療法 やさしさを力に未来を拓く」をテーマとした講演を聴取し、今後理学療法士として働くうえでどのようなスキルが必要なのか、興味ある分野への挑戦することの大切さを感じました。   今回、学会の運営補助を行ったことで、今後理学療法士として働きたいという目標から、このような学会で他の理学療法士の方々に対して発表できるように日々学びを深めていきたいという新たな目標ができました。このような機会を与えてくださった、学会運営スタッフの皆様に感謝申し上げます。   理学療法学科4回生 中尾 有結、繁地 佑果、吉村 拓磨 関連記事 7/28(日)、畿央大学で「第33回奈良県理学療法士学会」が開催されます(学生無料) 本学教員の編集した「エビデンスから身につける物理療法」第2版が発行! 卒業生に学ぶチーム医療のリアル~理学療法学科 第3回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」

2024.08.05

「認知症の人と家族の交流会 in KIO」を開催!~看護実践研究センター認知症ケア部門

看護実践研究センター認知症ケア部門では、認知症を持つ人とその家族の生活の安定が図られる地域における支援体制の確立、さらに認知症を持つ人自ら認知症に向き合い共存していく生活への支援をめざし、地域住民や介護職、医療職、福祉職と連携活動を進めています。   昨年度、「身近な地域で、認知症本人の思いを知り、住民1人1人ができることから地域づくりを進める取り組み」が認知症基本法にも位置づけられました。その目的に沿って、今年度は、「認知症の人と家族の思いに耳を傾ける」をテーマに3回シリーズで交流会・講演会の開催を計画しました。   2024年7月26日(金)の第1回目は、「認知症の人と家族の交流会」を認知症の人・介護するご家族を中心に、日々の思いや介護等の情報交換、交流を目的に開催いたしました。     今回の交流会は、猛暑の中にもかかわらず、総勢26名(協力機関の関係者含む)の方に集まっていただきました。参加者の6割が60代以降の方で、全体では、30代から80代と幅広い年代の方に参加していただきました。 交流会の様子 全体自己紹介の後、少人数のグループに分かれ、「認知症」や「介護」に対する思いを伝えあいました。その後、①男性介護者、②親(対象とする)介護者、③看取り後、④ボランティア、サポーターの各グループに分かれ、同じ境遇の参加者同士、あるいは関心のあるグループに参加して交流する時間を持ちました。短い時間ではありましたが、すべての参加者が発言し、他者の語りに耳を傾け、貴重な時間はあっという間に経過しました。     交流会の感想 介護はつらいなど暗いイメージだったが、そうではないことを聞けた。 男性介護者の大変な介護(家事や洋服のコーディネート、化粧等身の回りの世話など慣れないことの連続)の事を聞かせてもらえたこと。 (同じ認知症でも個々それぞれで)他の家族の状況とは色々違うこと。 現在はボランティアをしていませんが、(看取った後、その経験を生かして自分にできることがあれば)また出来るかなと思い始めました。 ご自身の体験談を話された方が「長く話してごめんなさい」と言われた時に「ここはそのような場所ですよ」と言われた言葉が心に残りました。そのような場所が増えることが望まれます。 今回は、夫を介護する人、妻を介護する人、親を介護する人、介護を仕事とする人、最愛の方の介護を終えボランティアとして活動する人、経験も立場もそれぞれ異なった方の語りを聴かせていただける交流会になりました。一人ひとりが感じたこと、想いを語る場所の大切さを実感し、また地域の方と専門職の方などの情報交換ができる貴重な場所になることもわかりました。   また今回は、機関の方にご協力を頂きました。皆様のおかげでこのような交流会が開催できたと感謝しております。引き続き皆さんと共に考え、大学としての役割を担える活動を続けていきたいと考えております。   協力頂いた機関(順不同) ・香芝市地域包括支援センター ・葛城市地域包括支援センター ・広陵町地域包括支援センター ・SPSラボ若年認知症サポートセンターきずなや ・奈良県若年性認知症サポートサンタ― ・認知症の人と家族の会奈良県支部 ・まほろば倶楽部   ご協力ありがとうございました。   看護実践研究センター 認知症ケア部門 看護医療学科 助教 伊藤 千春   関連記事 ▼「看護実践研究センター」に関する過去の記事 「障がい児の愛着形成支援」について研修会を開催!~看護実践研究センター プロジェクト研究成果発表会を開催しました!~看護実践研究センター 認知症予防講座「歌って、笑って若返り」を開催しました~看護実践研究センター認知症ケア部門 看護実践研究センター認知症ケア部門主催「高齢者看護・ケアに活かすホリスティック・ナーシング」講演会を開催しました。  

2024.07.31

大阪経済大学との合同研究発表会を実施!~地域リハビリテーション研究室

2024年7月23日(火)に大阪経済大学 人間科学部 高井教授の研究室と合同研究発表会を実施しました。高井先生は社会ライフデザインコースにて社会健康学を中心に学部生および大学院生指導を行なわれており、特に地域リハビリテーションの予防分野においては我々地域リハビリテーション研究室と近い視点で研究をされています。   本学からは私(高取)と松本准教授、D3の山本氏、M2の池本氏他、客員研究員の中北氏、仲村渠氏の9名の参加でした。 今回は我々が大阪経済大学に訪問し、まず、本研究室M1院生(鳥居、置田)、M2院生(久保田)の研究計画、進捗の発表と意見交換を行い、続いて高井先生が指導されているM2院生の研究進捗やM1院生の方々と意見交換させていただきました。     本学からはM1の鳥居氏が「回復期リハビリテーション病棟入院患者の転倒恐怖感と身体活動量の関係について」、置田氏が「介護老人保健施設における認知症入所者の身体認識誤差と転倒との関係」という現在計画中の研究についてプレゼンテーションを行いました。M2の久保田氏からは修士中間発表会を控えた進捗報告として「介護老人保健施設における笑いヨガが身体活動量に及ぼす影響」のプレゼンを行いました。   高井研究室の大学院生は中国籍の留学生がおり、看護師、介護福祉士の資格を有しておられるため、我々リハビリテーション専門職とはまた違った視点でのご意見をいただくことができました。高井先生の研究室では現在、在日中国人専門のデイサービスの現状と課題についての質的研究を進めておられ、在日中国人高齢者がデイサービスに求めているものや価値観、健康感が日本人高齢者とは大きく異なることをデータと共に示していただき、私自身非常に刺激となりまた勉強となりました!   特に日本ではデイサービスのプログラムとしてリハビリテーションや体操が取り入れられているところが多く、いわゆるリハ特化型デイサービスも数多く存在していますが、在日中国人高齢者のデイサービスでは運動の要素は全く必要とされていないところが多いということに、今後外国人高齢者が増えていく現状にあって、日本のデイサービスの多様性についても考えさせられる内容でした。   ▼高井研究室のM2 張氏のプレゼンテーション     発表会のブレイクタイムでは高井先生にご用意いただいたサンドイッチや軽食を食べながら雑談タイムもあり、会話の中において院生の皆さまの意識の高さと日本語力の高さには驚かされました(私は英語もろくに話せないので・・)。M2久保田氏の「笑いヨガ」については中国人専用のデイサービスで使えるのではないかと興味を持っていただきました。   ▼最後に記念撮影!     やや院生教育がマンネリ化しつつあり、新たな刺激を取り入れたいということから皆で話し合った結果、実現した今回の合同研究発表会でしたが、院生の方々や指導教員である我々にとって非常に刺激をいただき、今後の研究活動へのモチベーションが高まりました! 今後もまた我々と近い研究領域を持つ他大学との交流を積極的に行っていきたいと思います。   畿央大学 大学院 健康科学研究科 教授 高取 克彦   関連記事・リンク 地域リハビリテーション研究室 【快挙】本学の研究グループがパーキンソン病の姿勢障害の5因子を抽出することができました 7/28(日)、畿央大学で「第33回奈良県理学療法士学会」が開催されます(学生無料) 第28回 日本ペインリハビリテーション学会 学術大会で大学院生が一般口述演題奨励賞を受賞しました!~健康科学研究科 第66回日本老年医学会学術集会で修了生と教員が発表しました!~健康科学研究科|KIO Smile Blog チームKIOによる快挙!第28回日本ペインリハビリテーション学会学術大会でポスター演題最優秀賞を受賞!~健康科学研究科 【快挙】大学院生の研究において、脳卒中患者の物体把持の測定における新しいアプローチを開発しました。 OARSI2024(世界関節症会議学術大会)で教員が研究成果を発表しました~理学療法学科  

2024.07.08

【快挙】本学の研究グループがパーキンソン病の姿勢障害の5因子を抽出することができました

本学大学院研究生/西大和リハビリテーション病院の藤井 慎太郎氏らの研究グループによる成果が、Journal of NeuroEngineering and Rehabilitation誌に掲載されています。     パーキンソン病には、臨床徴候や疾患進行速度などの違いから異なるサブタイプが存在し、姿勢障害の特徴にも様々なサブタイプの存在が想定されています。 パーキンソン病患者が姿勢障害における特徴分類を目的に、健常者とパーキンソン病患者に対して静止立位時の重心動揺を計測し、様々な特徴量を持つ変数に「因子分析」を行いました。その結果、姿勢障害の構成要素(因子)とした、揺れの大きさ、前後・左右・高周波(揺れの頻度)、閉ループ制御(揺れに基づく修正能力)の5つの因子を特定することができました。またそれらの因子を用いた「クラスター分析」を試みることにより、6つのサブタイプに分類可能であることを世界ではじめて見出しました。 興味深いことに、疾患重症度が同じであっても、異なるクラスターに分類されるケースが多く見られました。このことは、疾患重症度だけで姿勢制御の問題を評価するのではなく、姿勢制御を包括的に理解し、その観点から病態を捉える必要があることを示しています。   今回の研究成果は、姿勢障害のタイプに基づいた適切なリハビリテーション介入に貢献することが期待できます。今後はパーキンソン病患者で生じる体幹の前屈や側弯といった姿勢異常や筋活動特性を包含した姿勢障害の特徴分類への展開を予定しています。 関連記事 パーキンソン病患者における静止立位時の足圧中心の包括的多変量解析~ニューロリハビリテーション研究センター

2024.07.05

7/28(日)、畿央大学で「第33回奈良県理学療法士学会」が開催されます(学生無料)

  2024年7月28日(日)に第33回奈良県理学療法士学会が本学で開催されます。 大会長は本学理学療法学科の岡田洋平准教授が務めるほか、学会では本学教員、修了生、院生が多数講演を行い、一般演題においても本学の卒業生、大学院生も発表する予定です。   「挑戦する理学療法:やさしさを力に未来を拓く」というテーマのもと、本学キャンパスで各分野最前線で活躍する先生方の講演を直接聞くことができる貴重な機会です。   学生は無料で参加できますので、臨床・研究に挑戦している理学療法士の姿にぜひ触れてみてください。 なお、学会参加には事前登録が必要になります(2024年7月18日まで)   参加登録     主な登壇者(本学関係者)は以下の通りです。     特別講演 9:40~10:20 子どもの運動の不器用さ(発達性協調運動障害DCD)に挑戦する 信迫 悟志氏 畿央大学健康科学研究科 准教授 健康科学研究科 修士課程修了   15:35~16:20 内部障害領域における物理療法の活用 吉田 陽亮氏 奈良県西和医療センター勤務 健康科学研究科 博士後期課程修了 理学療法学科1期生   教育講演 10:30~11:10 めまい・ふらつきに対するリハビリテーション~前庭理学療法という新たな領域~ 塩崎 智之氏 奈良県立医科大学勤務 健康科学研究科 修士課程修了   13:00~13:40 患者の想いを考慮した理学療法の実践~Shared Decision Makingという新しい同意の取り方~ 尾川 達也氏 西大和リハビリテーション病院 勤務 健康科学研究科 博士後期課程修了 理学療法学科3期生   関連リンク 学会 ホームページ   大会プログラム 関連記事 本学教員の編集した「エビデンスから身につける物理療法」第2版が発行! (尾川さん登壇)卒業生に学ぶチーム医療のリアル~理学療法学科 第3回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」

2024.07.03

「障がい児の愛着形成支援」について研修会を開催!~看護実践研究センター

看護実践研究センター地域包括ケア部門は、乳幼児から高齢者までの看護分野における連携および他職種との連携と協働からのケアシステムおよびケアのあり方を探求するとともに、それらに関連する情報を提供し、健康増進に寄与することを目的とした研修会や事業活動をしています。   看護実践研究センター地域包括ケア部門は、母子分野の事業活動として、「安心感の輪子育てプロジェクト」を展開しています。   ▶「安心感の輪子育てプロジェクト」についての関連記事はこちら   そのプロジェクトの一環として、6月28日(金)に奈良県社会福祉総合センターで開催されました、令和6年度奈良県児童福祉施設連盟職員研修会で「障がい児の愛着形成支援」の講師として看護医療学科の田中と前田が参加しました。児童養護施設、児童自立支援施設、乳児院、福祉型障がい児入所施設、医療型障がい児入所施設、児童発達支援センター等の職員37名のご参加がありました。     研修会では、安心感の輪子育てプログラムを用いた愛着についての説明、今までの科研費の研究で明らかになった障がい児の愛着形成支援についてお話しし、子どもとの遊びの場面でのかかわり方についてロールプレイを実施しました。       事前質問では、「他人とのコミュニケーションを取りにくい、障がいのある子の“愛着形成”ついて」「定型発達児と障がい児の“愛着形成”の違いは何か」「重度の障がいの子どもと関わっていますが、感情等の表出が少ない重度の障がいの子どもでも、毎日関わっていたら“愛着形成”はできていきますか」など様々な疑問の声をいただきました。   終了後のアンケートから、「愛着形成支援の5つのポイントや、ロールプレイが役立ちそうです」「ロールプレイを自分なりに実践し深めていき、新しい発見をしていきたい。子どもとの関係性について改めて大切さに気付いた」というお声をいただきました。     今後も、障がい児のお子様とその家族の、一人ひとりの気持ちに寄り添う支援を行い、地域全体で障がいを持っても安心して暮せる街づくりを目指していけたらと思います。 *科研費基盤研究C24K14212 の助成を受けたものです   畿央大学 看護実践研究センター 看護医療学科 准教授 田中 陽子   【関連記事】 プロジェクト研究成果発表会を開催しました!~看護実践研究センター 認知症予防講座「歌って、笑って若返り」を開催しました~看護実践研究センター認知症ケア部門 看護実践研究センター認知症ケア部門主催「高齢者看護・ケアに活かすホリスティック・ナーシング」講演会を開催しました。 看護実践研究センター第9回研修会「地域共生社会の実現に向けて~様々な在留資格による外国人介護職受け入れの現状と課題~」を開催しました。 新たな産育コミュニティをめざして「マタニティクラス」を開催しました!〜看護実践研究センター 看護実践研究センター「親子のつどいサロン秋祭り」を開催しました

2024.06.30

第28回 日本ペインリハビリテーション学会 学術大会で大学院生が一般口述演題奨励賞を受賞しました!~健康科学研究科

畿央大学大学院 健康科学研究科 博士後期課程3年の古賀 優之です。2024年6月8日(土)、9日(日)に長崎で開催された第28回 日本ペインリハビリテーション学会 学術大会 において、私たちは「人工膝関節全置換術患者における疼痛/運動恐怖と膝の運動学的データの関連性」というテーマで発表し、一般口述演題奨励賞を受賞しました! 学会発表内容のご紹介 人工膝関節全置換術は、膝の痛みや歩行・階段昇降動作の困難さを改善するのに有効ですが、比較的大きな手術侵襲が伴うことから術後のリハビリテーションにおいて膝周囲に過度な力が入り、膝の曲げ伸ばし運動が不規則な動きになる症例を経験することがあります。そこで私たちは、骨指標にマーカーを貼り付け、ベッド上でシンプルな膝の屈伸運動を撮影した動画データをトラッキングして、その角度変化から運動学的データ(速さ、大きさ、躊躇、円滑さ)を算出しました。運動学的データと痛みや恐怖心の強さとの関連を分析したところ、術後1週の安静時痛が術後2週の円滑さ低下の要因となっていることや、術後1週の運動の小ささが術後2週の安静時痛の要因となっていることが示唆されました。       本研究は、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの森岡 周教授による指導のもと、同大学院研究生の藤井 慎太郎氏、客員研究員/長崎大学生命医科学域(保健学系)西 祐樹氏と共同で進められた研究であり、この場をお借りして心より感謝申し上げます。   また、本学会では客員准教授の生野 公貴先生がポスター演題最優秀賞、修士課程を畿央大学大学院で修了されている田中 創氏が一般口述演題最優秀賞を受賞されている他、各種講演・セミナーの講師や座長、シンポジスト、一般口述・ポスター演題発表など、大学院生や修了生が幅広く活躍されており、ペインリハビリテーション領域における畿央大学の貢献をあらためて感じる機会となりました。   ▶生野 公貴 先生 ポスター演題最優秀賞のブログ記事はこちら         本学会で感じた熱量を次の研究に繋ぎ、ペインリハビリテーションのさらなる発展の一助となれるよう、引き続き研鑽に努めていきたいと思います。   健康科学研究科 博士後期課程3年 古賀 優之   関連記事 チームKIOによる快挙!第28回日本ペインリハビリテーション学会学術大会でポスター演題最優秀賞を受賞!~健康科学研究科 第66回日本老年医学会学術集会で修了生と教員が発表しました!~健康科学研究科 【快挙】大学院生の研究において、脳卒中患者の物体把持の測定における新しいアプローチを開発しました。 OARSI2024(世界関節症会議学術大会)で教員が研究成果を発表しました~理学療法学科 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.1~淡路さん×渕上さん 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.2~岩佐さん×赤口さん  

2024.06.20

第66回日本老年医学会学術集会で修了生と教員が発表しました!~健康科学研究科

2024年6月13日(木)~15日(土)にかけて第66回 日本老年医学会学術集会が愛知県名古屋市(ウィンクあいち)で開催されました。畿央大学 大学院健康科学研究科 地域リハビリテーション研究室からは一般演題として、高取 克彦教授と私 中北 智士(客員研究員/紀の川市役所・貴志川リハビリテーション病院)が口述発表を行いました。       学会発表内容のご紹介 高取 克彦教授:「運動を中心とした地域在住高齢者の『通いの場』における参加者の状態像から見た類型化の試み」     地域リハビリテーション活動支援事業で関わっている奈良県生駒市の運動主体の通いの場の新たな類型化を試みたもので、同じような体操を実施している運動拠点間でも、比較的年齢が若く元気なグループから参加者全員が高齢で心身機能の危険性が高いグループまで、状態像が異なることを明らかにしたものです。 これまでの通い場に対する支援は、体操指導や体力測定など画一的なプログラムであることが多く、本研究はリハビリテーション専門職種の強みを生かし、各運動拠点に応じた支援の必要性を示唆しました。   中北 智士:「COVID-19パンデミック前後における地域在住高齢者のフレイルステータスの変化:過疎・非過疎地域での比較」   和歌山県紀の川市におけるCOVID-19パンデミックの影響を、同一自治体内の過疎地域と非過疎地域で調査したもので、過疎地域でよりパンデミックの影響を受けていることが明らかとなりました。フレイル対策推進のためには、このような地域内格差を把握し、地域特性に応じた介入の重要性を示唆しました。   第66回日本老年医学会学術集会は「4つの愛(I :Integration, Innovation, Interdisciplinarity, Artificial Intelligence)で拓く老年医学の展望」というテーマで開催されました。日本の大きな課題の一つである認知症関連や自動車運転、ICT活用など時代を反映した発表が増えている印象でした。また、大規模データを活用した研究発表が多い一方で、地域課題の解決につながる研究や研究成果の社会実装の重要性を感じました。 老年医学会は多職種の方々が参加されているため、様々な視点から意見交換がなされています。これからも偏った知識とならないよう、新たな知見に触れ、地域社会に還元できるように取り組んでいきたいと思います。   畿央大学 大学院健康科学研究科 修士課程修了生 客員研究員 紀の川市役所/貴志川リハビリテーション病院 中北 智士 【参考記事】 チームKIOによる快挙!第28回日本ペインリハビリテーション学会学術大会でポスター演題最優秀賞を受賞!~健康科学研究科 【快挙】大学院生の研究において、脳卒中患者の物体把持の測定における新しいアプローチを開発しました。 OARSI2024(世界関節症会議学術大会)で教員が研究成果を発表しました~理学療法学科 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.1~淡路さん×渕上さん 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.2~岩佐さん×赤口さん

2024.06.17

チームKIOによる快挙!第28回日本ペインリハビリテーション学会学術大会でポスター演題最優秀賞を受賞!~健康科学研究科

第28回 日本ペインリハビリテーション学会 学術大会 において、ポスター演題最優秀賞を受賞しました! 健康科学研究科 客員准教授の生野 公貴です。先日、長崎で開催された第28回日本ペインリハビリテーション学会 学術大会において、私たちの研究がポスター演題にて最優秀賞を受賞しました。   今回我々は「神経障害性疼痛に対するしびれ同調経皮的電気神経刺激による自覚的疼痛強度と脳波の変化:症例報告」というテーマで発表しました。 学会発表内容のご紹介 神経障害性疼痛は、異常感覚やしびれ感などを伴い、生活の質を大きく損なうことがあります。我々はしびれ同調経皮的電気神経刺激(TENS)という新たな介入方法を開発し、その有効性が注目されてきつつありましたが、その作用メカニズムはまだ不明でした。そこで今回の研究では、脊髄炎によるしびれ感や触覚アロディニア(痛覚過敏)を呈する症例に対し、しびれ同調TENSを用いてその効果を脳活動とともに検証しました。その結果、しびれ同調TENSにより自覚的疼痛強度が低下した時の脳波は、脳の前頭領域のアルファ波のパワー値が増大しており、感覚領域からの結合により生じている可能性が示唆されました。   この研究は、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの大住 倫弘准教授や、現在大学院生であり、私の勤務先の同僚でもある井川 祐樹氏、畿央大学大学院出身者で現在客員研究員かつ長崎大学生命医科学域の助教であられる西 祐樹氏との共同研究であり、まさにチームKIOによる研究です。     まだまだ予備的な段階ではありますが、この受賞に恥じないよう、また痛みに困っておられる患者様のお役に立てるよう今後も研究を続けたいと思います。   健康科学研究科 客員准教授 生野公貴   【関連記事】 理学療法学科 海外インターンシップ2024 vol.2~フランスの理学療法士と交流! 理学療法学科 海外インターンシップ2024~タイの理学療法士が来校! 【快挙】大学院生の研究において、脳卒中患者の物体把持の測定における新しいアプローチを開発しました。 その人らしさに寄り添う理学療法~理学療法学科 第11回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」 TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.91~新1回生対象説明会&機器体験会を開催! OARSI2024(世界関節症会議学術大会)で教員が研究成果を発表しました~理学療法学科 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.2~岩佐さん×赤口さん 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.1~淡路さん×渕上さん 2024年度 新入学生研修 学科別レポートvol.2~理学療法学科  

2024.05.24

プロジェクト研究成果発表会を開催しました!~看護実践研究センター

看護実践研究センター は、建学の精神である「徳をのばす」、「知をみがく」、「美をつくる」を基本理念に置き、保健、医療または看護を専門とする職業人、および研究者に対して、最新の看護実践に関する情報を提供し、看護実践研究を推進することを目的とし 2019年4月に開設されました。開設2年目には「その人らしく幸せに生きる」をテーマとしてプロジェクト研究の公募を行いました。     そして、2024年5月22日(水)看護実践研究センタープロジェクト研究成果発表会を開催しました。   指定研究「認知症高齢者のための意思決定支援ツールの開発(研究代表者 對中百合准教授/研究分担者 大友絵利香准教授、山崎尚美前看護実践研究センター長(現、四天王寺大学看護学部長))」が、3年間の計画でスタートしました。しかし、折しもCOVID-19の猛威によりデータ収集が難航し、1年の研究期間の延長を経て、成果発表に至りました。   今回は「軽度認知症高齢者の看取りを含めた終末期プロセスにおける意思決定支援ガイドラインの作成」について、高齢者の看護にあたる地域包括ケア病棟、特別養護老人ホーム、訪問看護ステーションの看護師を対象に実施した予備調査としてのインタビュー調査、および本調査としてのグループインタービュー調査の結果に絞り、研究代表者の對中准教授より発表されました。     この調査では、軽度認知症高齢者の看取りを含めた終末期プロセスにおける意思決定支援と意思確認の手がかりが明らかとなりました。前者については①対象者の意思を尊重、②家族の意思を支援、③地域、多職種との連携、④ACP※(アドバンスケアプランニング)の普及の4カテゴリーが生成され、後者については①生活状況から意思を推測、②チームで対象者の意思を推測、共有、③対象者の言動から推測、④嗜好から意思を推測、⑤性格から意思を推測、⑥治療や看護に拒否を示す態度、⑦家族からの情報、⑧多側面からの理解、⑨今までの様子を辿る、⑩書面に残された意思表示、⑪繰り返される言葉が手掛かり、⑫示された行動の12カテゴリーが生成されたことが報告されました。また、地域包括ケア病棟、特別養護老人ホーム、訪問看護ステーションのそれぞれの施設による特徴も見出されたことが報告されました。 ※ACPとは、将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、 本人を主体に、そのご家族や近しい人、医療・ ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、本人による意思決定を支援する取り組みのことです。   多死社会を迎える我が国において、死すべき運命にある人の尊厳ある死を視野に入れた『QOD(Quality of Death)』を高めるための医療の必要性が叫ばれ、その整備が喫緊の課題となる中、大変示唆に富んだ結果が示されたといえ、今後の発展に大いなる期待が寄せられます。     発表会には20名を超える教職員の参加があり、熱心に耳を傾ける姿がありました。また、発表後の質疑応答は時間を超過してもなお、質問が続くなど活発な討論がなされ、関心の高さが窺えました。     看護実践研究センターでは、看護実践にかかわる研究拠点として、研究の活性化を支援し、地域社会への還元を進めて参ります。現在、第2期プロジェクト研究も公募中です。今後とも皆様のご理解、ご協力をお願いいたします。     看護実践研究センター長 山本裕子   【関連記事】 看護実践研究センター 認知症予防講座「歌って、笑って若返り」を開催しました~看護実践研究センター認知症ケア部門 看護実践研究センター認知症ケア部門主催「高齢者看護・ケアに活かすホリスティック・ナーシング」講演会を開催しました。 看護実践研究センター第9回研修会「地域共生社会の実現に向けて~様々な在留資格による外国人介護職受け入れの現状と課題~」を開催しました。 新たな産育コミュニティをめざして「マタニティクラス」を開催しました!〜看護実践研究センター 2023畿央祭・ウェルカムキャンパスで、がんカフェ「きらめき」開学20周年記念拡大版を開催!~看護医療学科 看護実践研究センター「親子のつどいサロン秋祭り」を開催しました