カテゴリー

畿央の学びと研究

2018.12.10

大学院生が第42回日本高次脳機能障害学会学術総会で発表!

12月6日、7日に神戸国際会議場で開催された第42回日本高次脳機能障害学会学術総会に院生4名が参加し、演題発表をしてきました(以下)。   ① 藤井慎太郎(博士後期課程)「半側空間無視における反応時間の空間分布特性―机上検査と日常生活場面の乖離を埋める新たな評価の視点―」 ② 高村優作(博士後期課程)「半側空間無視の諸症状とその回復過程―データベースから抽出した典型症例の症状と回復過程の分析―」 ③ 大松聡子(博士後期課程)「著明な右視線偏向を呈した半側空間無視症状の病態メカニズム―情動喚起画像を用いた評価と介入―」 ④ 大松聡子(博士後期課程)「運転動画視認時における半側空間無視症例の視線特性の定量的評価」 ⑤ 寺田萌(修士課程)「自動詞ジェスチャー模倣時の視覚探索特性と失行重症度の関連性~模倣障害を呈した脳卒中症例における検討~」   本学会のテーマは「Neuropsychological Rehabilitationの原点とトピック」となっており、幅広い症状の症例を通じたディスカッションが活発にされていました。ここ5、6年は毎年のように参加していますが、今年は特に我々が取り組んでいる半側空間無視症状に関する報告が多かった印象です。     私たちは、半側空間無視の研究チームで1つのセッション5演題並びで発表しました。無視症状に関する病態特性や回復過程、介入の視点、3D空間の評価、自動車運転…と臨床に即した流れで聞いて頂けたのではないかと思います。発表時間はもちろんですが、終わった後でも多くの方とディスカッションし大変有意義な時間でした。特に、最近取り組み始めた自動車運転動画の視線分析に関して、脳卒中後の自動車運転再開に長年取り組まれている方々に興味を持って頂き、内容について意見交換できたことが非常に有難かったです。 今後も研究チームの一員として、ますます研究活動に取り組んでいき、セラピストや症状に悩まれている方々に貢献していきたいと思います!   大学院(健康科学研究科 博士後期課程) 大松聡子

2018.12.07

12/15(土)日本理学療法学生協会(JPTSA)畿央大学主催関西支部大会のご案内

テーマ「産業理学療法~理学の力で産業革命~」 こんにちは!日本理学療法学生協会(JPTSA)畿央大学運営委員広報部、理学療法学科2回生の石川 江里です。 今回は2018(平成30)年12月15日(土)に畿央大学にて開催される「畿央大学主催 関西支部大会」について紹介いたします。   ▼こちらが昨年の支部大会の様子です!   日本理学療法学生協会は、学生同士の情報交換、視野の拡大、モチベーションの維持・向上などを目的に活動している学生団体です。主な活動として支部大会を全国各地で年に数回開催しています。内容は講演者の方をお呼びしての講演会や学生同士のディスカッション、最後には懇親会といった参加して下さった皆さんが仲良くなれるような時間も設けています。他大学にもたくさんの友達ができ、たて・よこ・ななめのつながりが生まれることも支部大会の醍醐味となっています。     今年度の畿央大学の運営委員は理学療法学科1~3回生の55名で構成されており、それぞれ総務、企画、広報、会計の4つの部署に分かれ、運営に関わっています。私は広報部に所属し、一人でも多くの理学療法を学ぶ学生さんたちに来て頂けるようにするため、SNSやホームページを通じて、また他大学へ直接出向き、支部大会の宣伝を行っています。 Twitter:日本理学療法学生協会、日本理学療法学生協会関西支部@畿央大学 Facebook:日本理学療法学生協会   畿央大学主催関西支部大会 産業理学療法~理学の力で産業革命~ 【日時】平成30年12月15日(土)10:00~(受付9:00開始) 【場所】畿央大学 冬木記念ホール 【内容】講演、ディスカッション、学生発表、懇親会など   講演①蒲田先生[「産業×理学療法」経営・開発・臨床・研究・教育を同時進行で進める!] 講演②高野先生[本邦における産業理学療法の可能性~産業理学療法の経済効果~]   【参加費】2,000円     私たちがめざす理学療法士は、一般的に何か障害を患った患者様に対して理学療法を行うことで、基本的動作能力の回復に貢献しています。理学療法の対象となる疾患には痛みを伴うものも多くあるため、理学療法と痛みを切り離して考えることはできません。 他にも、他大学・他学年の学生とのアイスブレーキングやディスカッション、最後には懇親会も予定しております。一人でも多くの理学療法学生に参加していただきたいと思っております!当日参加も大丈夫です!運営委員一同、たくさんのご参加を心からお待ちしております!   お申し込みはこちらから!   日本理学療法学生協会 畿央大学運営委員広報部 理学療法学科2回生 石川江里   【関連記事】 日本理学療法学生協会(JPTSA)「畿央大学主催 関西支部大会」2017 活動報告! 12/10(日)日本理学療法学生協会(JPTSA)畿央大学主催関西支部大会のご案内! 日本理学療法学生協会(JPTSA)が開催したJapan Study Tourに参加!~理学療法学科 日本理学療法学生協会「畿央大学主催 関西支部大会」2016 活動報告!

2018.12.07

「第5回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」を開催しました~看護医療学科

平成30年11月28日(水)~12月1日(土)、「第5回 韓国老人福祉(認知症ケア)研修」が畿央大学で開催されました。 この研修は、韓国の老人医療現場における医療のクオリティー向上のために海外の老人医療現場における研修プログラムを実施し、老人医療の先進的なシステムなどを取り入れたいという大韓老人療養病院協会からの依頼で、看護医療学科老年看護学領域の山崎尚美教授が企画した研修会です。韓国の老人療養病院で勤務する看護職や管理者などの医療関係者が、日本の高齢者の認知症ケアを学び、医療現場の見学を通して韓国の高齢者医療の発展につなげる目的で、韓国から9施設37名が畿央大学および施設での研修に来られました。   1日目:11月28日(水) 大阪に入国された一行は、大阪城や大阪市内を観光された後、畿央大学に訪れました。畿央大学では、はじめに冬木正彦学長から歓迎の挨拶がありました。以前の訪問の際に友好の証としてお土産で頂いたハフェタルというお面について触れ、「韓国と関係の深いこの地にある畿央大学に来られたことをとても歓迎します。これからも交流が続きますように」と述べられました。また、今回はチマチョゴリの飾りに使われているノリゲが入った素敵な額をお土産に頂きました。       次に、山崎尚美教授が「日本の認知症ケアにおける現状と課題」について講演をされました。講演の中では、畿央大学老年看護学教員で行っている4つの認知症カフェの取り組みについても紹介がありました。また、認知症の人への理解が深まるように、認知症の人への対応や治療法、認知症の人自らが語ることの意味などについてもわかりやすく説明され、皆さん熱心に聞き入っておられました。 その後、大韓老人療養病院協会のユンジェホ氏から「日本の地域包括ケアで見たコミュニティ・ケア」の講義があり、最後に参加者や病院の紹介をそれぞれの参加者が発表されていました。     2日目:11月29日(木) 午前中は、老人介護福祉施設 『和里(にこり)』を見学されました。和里は、10人程度の少人数が生活するユニットケアを行っており、関西をはじめとする施設職員の研修なども多く受け入れています。和里でのユニットケアの実際や看護・介護の実際を見学されました。     午後は、『平成まほろば病院』や、介護老人保健施設『鷺栖の里』を訪問され、看護・介護の実際を見学されました。また、「平成記念会の褥瘡(じょくそう:床ずれのこと)対策」として、平成記念病院の皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCN:創傷(Wound)、ストーマ(Ostomy)、失禁(Continence)にかかわる専門の知識や技術を有する看護師)の西内みゆき看護師から実際の褥瘡対策実績を交えて褥瘡対策の取り組みについて講義を受けられました。     3日目(11月30日)は朝から奈良東病院やふれあいの里を見学され、その後は奈良観光を楽しまれました。そして4日目(12月1日)に京都観光をした後、帰国の途に就かれました。 急速に高齢化率が上がる韓国において、これらの研修会が韓国のより良い高齢者看護に繋がるのだと考えると、見本となる自分達も今一度高齢者看護について見つめ直し、学生にしっかりと日本の高齢者看護の良い点を教授し、悪しき習慣は払拭していかねばと襟を正しました。   看護医療学科 助手 島岡昌代   【関連記事】 「第2回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」開催~看護医療学科 「第1回大韓老人療養病院協会主催研修」が開催されました~看護医療学科 マダム信子氏の講演会&意見交換会を開催!~第1回認知症の人と課題解決のステーションづくり in 畿央大学 認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。

2018.12.06

英語スピーキング力向上事業「レアジョブチャレンジ」事前説明会レポート~現代教育学科

オンライン英会話でスピーキング力をアップ! -事前説明会編-   こんにちは、現代教育学科4回生の下坊美月(学生広報スタッフ)です。 平成30年12月5日(水)、「オンライン英会話を活用した英語スピーキング力向上事業」(名付けて、レアジョブチャレンジ!)の参加者を対象に事前説明会が行われました。その内容について報告させていただきます。   ▲事前説明会の様子   このプロジェクトは、2018年度畿央大学教育改革事業として大学からの支援を受けて行われており、教育学部現代教育学科の中学校・高等学校教諭一種免許状(英語)の取得を希望している1回生から3回生の学生を対象に、オンライン英会話を使って英語スピーキング力の向上を目指すというものです。現在、英語教育においては、学校の教科だけでなく入学試験でも変革が進められており、これからますます高い英語運用能力が求められます。私自身も英語力を向上させるために、資格試験や大学の短期語学留学に参加してきましたが、普段の生活では英語を話す機会はなかなか得られません。そこで始まったのが今回の「レアジョブチャレンジ」です。参加する学生にはこれから3ヶ月間、スピーキング力の向上を目指して、株式会社レアジョブが提供するオンライン英会話を行ってもらいます。参加者は、12月中旬からの3か月間、毎日25分、英語講師とマンツーマンでオンライン英会話を行います。このオンライン英会話の特徴は、好きな時間に、自分の都合で予約し、さらにPCやスマホ、タブレットなどを使ってどこでもレッスンを受けることができるところです。大学の授業等で学んだ語彙や表現を使う絶好の機会となります。   私は、以前にレアジョブ英会話を経験したことがあるため、後輩たちの「学習支援サポーター」として参加させていただくことになりました。まず今回の企画の参加人数の多さに驚きました!参加者はなんと15名!参加を希望していた学生はもっといたようです。3ヶ月で参加者の英語力がどのように変化をしていくか、今から大変楽しみです。では、参加する学生の意気込みを紹介します!   現代教育学科1回生 谷野仁美さん 留学のような毎日英語を話せる機会ができて嬉しいです。三年後の教員採用試験の役に立つように、毎日25分を3ヶ月、しっかり続けていきたいと思います!   現代教育学科1回生 横田香織さん このレアジョブチャレンジを機会に、自分自身の話す力がどれだけあるのかを知り、講師の先生方と話すことで語彙力を伸ばし、英語を話す機会を増やしていきたいです!   現代教育学科1回生 大木畑沙良さん 畿央大学の短期語学留学を経験させてもらい、英語をもっと勉強して知りたいと思う気持ちが大きくなりました。でも、自分自身の英語力(特にスピーキングやリスニング)は、普段の生活では高めることが難しいので、レアジョブチャレンジのような貴重な体験を通して自分の力をつけていきたいです。なので、これから精一杯頑張っていきます!   現代教育学科2回生 吉村風香さん オンライン英会話を通して、英語力を伸ばします!抵抗なく英語を話せる様になることが目標です!   現代教育学科2回生 矢野昌輝さん 講師の方と毎日、三ヶ月間も英語でコミュニケーションを取れることは滅多にできないことなので、一回一回の英会話を大切にして自分の英語力の向上につなげていきます!   現代教育学科2回生 林聖起さん 3か月間の英会話レッスンで、英会話力向上に加え英検準1級ならびにTOEIC700点以上を目標として日々のレッスンに全力を尽くしたいと思います!   現代教育学科3回生 日比野里紗さん 英検準一級の二次対策にも確実に繋がると思うので、頑張って準一級を取るためにレアジョブでスピーキング力を高めたいです!   ▲参加者の皆さん:3か月間頑張る意気込みが、力強いガッツポーズに出ています!   皆さんが安心して英会話を楽しめるよう、私も全力でサポートしていきたいと思います!これから3ヶ月間、一緒に頑張りましょう!   現代教育学科4回生 下坊美月   ◆レアジョブの詳細は、下記から確認ができます。 レアジョブ英会話

2018.12.06

学生広報スタッフblog vol.244~奈良テレビ「ゆうドキッ!」取材レポート!

こんにちは!学生広報スタッフ:現代教育学科2回生の岡田舞香です。 平成30年11月26日(月)奈良テレビ放送のテレビ番組「ゆうドキッ!」(月~金曜日17時58分から放送)が畿央大学に取材に来ました! 私たちは、オープン教室で「模擬授業」をしました。     2週間ぐらい前に取材の話を聞いたときは、「リハーサルもできひんし、準備期間短すぎ!」と思いましたが、貴重な体験だと思ったので協力させてもらうことにしました。 それからは、空き時間に授業の準備や打ち合わせをして、結局リハーサルをしないまま当日!話を聞いた時からずっと全然緊張していなかったのに、取材時間前の授業を受けている時に急ドキドキして、授業の内容が全く入ってきませんでした(笑)     さっそく本番! 本番はもちろんすごく緊張して、顔が引きつっていたと思います(笑) TV局の伊藤アナと芥田さんはとても優しくて、一緒に参加してくれた友達も助けてくれたので、みんな笑顔になれる最高の模擬授業になったと思います!     ◆12月7日(金) 17:58〜 奈良テレビ放送 「ゆうドキッ!」 是非見てくださいね!   現代教育学科2回生 岡田舞香   【関連リンク】 ●奈良テレビ放送 ゆうドキッ!  ●奈良テレビ放送 ゆうドキッ! 公式Twitter 

2018.12.03

第11回日本運動器疼痛学会で大学院生が発表!

平成30年12月1日(土)、2日(日)に、びわ湖ホール:ピアザ淡海(滋賀県)にて開催された「第11回日本運動器疼痛学会」に参加してきました。   今回の学会では「新時代への挑戦ー日本人にあった専門性の融合と共有ー」をテーマに、医者や看護師、臨床心理士も含めた様々な職種の方が一堂に会し、医療現場、社会において疼痛に関わる問題点や今後必要とされるべき取り組みについて情報交換が成されました。 私も博士研究の内容を発表させて頂き、同じリハビリ職種だけではなく医師や看護師の方との意見交換を行う中で、自分がやろうとしている研究を疼痛医療の集学的な取り組みの中で考えることができ、非常に有意義な時間となりました。 我々の研究室からは以下の発表が行われ、いずれも活発に議論が成されていました。     <口述発表> ・佐藤剛介(客員研究員)「経頭蓋直流電気刺激とペダリング運動との併用介入が疼痛閾値および気分に及ぼす影響」 ・重藤隼人(博士課程在籍)「中枢性感作と心理的因子の疼痛強度に対する関係性」   <ポスター発表> ・今井亮太(客員講師)「術後1週間の疼痛改善度が1ヶ月後の疼痛強度を決定する」 ・西 祐樹(博士課程在籍)「慢性膝痛患者の日常生活における歩行の詳細分析」 ・田中陽一(博士課程在籍)「日中の活動が慢性疼痛の日内変動に及ぼす影響ー腕神経叢損傷後疼痛を有する1症例での検討ー」 ・藤井 廉(修士課程在籍)「腰痛を持つ労働者の痛み関連恐怖による重量物持ち上げ動作の動作特性」   今回の学会を通して改めて、疼痛医療にかかわる職種間連携の必要性を再認識することができました。一つの職種だけでは複雑な慢性疼痛には立ち向かっていけません。各職種が横のつながりを意識し、自分の専門性をチームの中で発揮しくことが重要なことだと感じました。 今後も疼痛研究に関わる研究室間のつながりも大切にしていきながらチームとして社会に貢献できる活動を行っていきたいと思います。 最後になりましたが、このような機会を与えて頂きました森岡周教授、畿央大学に深く感謝申し上げます。   畿央大学大学院健康科学研究科 神経リハビリテーション学研究室 博士後期課程1年 田中 陽一

2018.11.29

国立ハンセン病療養所を訪問~看護医療学科「健康学特論」

看護医療学科2回生の34名は「健康学特論」(看護医療学科2年次後期 保健師課程科目:文鐘聲准教授)の授業において、在日外国人の健康問題やハンセン病の歴史、今なお残るハンセン病への差別や偏見について学習をしました。   ハンセン病は、ごく弱い感染力しか持たない感染症の一種で、現在は日本国内での新規患者はほとんどいません。戦後すぐに抗生剤が導入されたことにより劇的に治癒しましたが、治療が遅れた患者さんは感染症そのものは治っても、後遺症として知覚麻痺などの末梢神経障害を残してしまいました。また、人への感染の危険性はないにもかかわらず、1996年まで療養所への隔離を強制する法律が残っていて、人権上非常に問題がありました。   2018年11月21日(水)には、大阪からバスに乗り、約3時間。岡山県瀬戸内市にある国立療養所長島愛生園を訪問させていただきました。療養所のある長島へ向かうには、邑久長島大橋と呼ばれるわずか135mほどしかない橋を渡ります。ちょうど30年前にこの橋は開通されましたが、それ以前までは橋はなく、完全に隔離された島となっていたため、「人間回復の橋」とも言われています。     長島愛生園歴史館では、学芸員の田村朋久さんより、入所者の方が4年掛けて作られた、療養所の立体地図をもとに、園内の説明をしていただき、その後館内の見学を行いました。     療養所内で実際に使われていたお金や着物(療養所では当時、ハンセン病患者を社会と完全に隔離するため現金や衣類などは一切持ち込めず、療養所内のみで使えるお金や衣類を使用していました。)、療養者が書いた手紙、詩、俳句、当時の写真などが展示されており、療養所内での生活や療養者の心情などハンセン病についてより詳しく知ることができました。     実際に田村さんに解説をしていただきながら、園内を歩いて見学させていただきました。 収容所桟橋では、多くのハンセン病患者とその家族が別れを経験したところで、「ハンセン病を患った子どもが母親に『旅行に行こう』と言われ、喜んで向かったところがこの長島であった。桟橋を渡る頃にはもう母親は帰ってしまった。」という実際にあったお話を聞きました。     続いて、収容所を見学しました。ハンセン病患者は長島に上陸した後、消毒を行うためにクレゾールという消毒液が入った、小さな消毒風呂に入らなければいけませんでした。     急な坂道を上がり、納骨堂で黙祷しました。 ハンセン病患者であることから、社会からの大きな差別を受け、故郷に帰りたくても、家族のことを思い、帰ることができず療養所内で亡くなった方がたくさんいらっしゃるということに心が痛みました。     高台に上がり、小豆島や晴れていたら淡路島まで見ることができるところに「恵の鐘」というものがありました。石材と砂を運び上げる作業を、療養所入所者と職員で行い、1935年に竣工されたそうです。毎日、朝夕の6時に自動で鐘が鳴るようですが、今回特別に学生が鐘を撞かせていただきました。     その後、集会所で大阪ご出身の長島愛生園入所者の方にお話をお聞きしました。 療養所に入所するまでの生活や、療養所へ来た理由、ハンセン病が治癒してから現在までの暮らしなど詳しく話していただき、社会からの差別など胸が苦しくなるようなお話もたくさんありました。差別をした人、ハンセン病を隔離する法律を作ったことについて恨んでいるか、という学生の質問に対して、「誰も恨んでいない。この時代に生まれたことは運命。自分だけではなく、病気をもつ人など、苦しんでいる人は世の中にたくさんいるということを認識できた。過去のことをどう考えても仕方ない。運命だと思えるようになった。」という前向きなお言葉もあり、入所者の強い考えにも驚きました。     短い時間でしたが、長島愛生園を見学させていただき、学習をするまで全く知らなかったハンセン病の歴史や人権について、より深く学ぶことができました。 ハンセン病に限らず、社会の中では多くの差別や偏見があります。誤った認識をしている人がいることによって差別や偏見の目は広がっていくのではないかと考えています。今回学習したことを活かして、まず私たちが正しい知識を持ち、差別や偏見が今後無くなり、人が自由に平等に生活できるような取り組みをしていきたいと思います。                   看護医療学科2回生 谷村彩 安田悠未    【関連記事】 ハンセン病療養所を訪問~看護医療学科 日本における感染症対策ーハンセン病の歴史ーを学ぶ~看護医療学科 ハンセン病療養所長島愛生園を見学~看護医療学科 「ハンセン病療養所訪問学習を通しての学び」報告会を開催しました。~看護医療学科

2018.11.28

第16回日本神経理学療法学会学術集会で教員・大学院生など5名が発表!~健康科学研究科

平成30年11月10・11日(土・日)に大阪国際会議場にて第16回日本神経理学療法学会学術集会が開催されました。本学会は「次代を担う」をテーマに開催され、2000名以上の方が参加されました。   本研究室からは信迫助教をはじめ、植田さん(客員研究員)、高村さん(博士後期課程)、藤井さん(博士後期課程)、水田さん(博士後期課程)が発表を行いました。   演題名は以下の通りです。   <口述発表> ・信迫悟志「脳卒中後失行症と視覚‐運動統合障害に共通した責任病巣―映像遅延検出課題とVoxel‐based lesion‐symptom mappingからの証拠―」 ・植田耕造「Pushingの出現に付随して自覚的姿勢垂直位の傾斜を認めた重度左半側空間無視の一症例」 ・高村優作「空間性/非空間性注意の包括的評価による半側空間無視の回復過程の把握」 ・水田直道「脳卒中後症例における運動麻痺と歩行速度からみた歩行障害の特性―運動学/筋電図学的な側面からの検討―」   <ポスター発表> ・藤井慎太郎「脳卒中患者における静止立位時の側方重心偏倚の特徴に着目した重心動揺特性分析」     たくさんの方が参加されており、フロアでは活発な議論がされておりました。   また、特別公演「私らしさを取り戻すということ―身体性システム科学の視点から―」と、シンポジウム「中枢神経障害の歩行再建を担う」では森岡周教授が情報提供をされました。どちらの講演もSynofzikの論文から、感覚運動表象、概念的表象、メタ表象という3つの階層を軸に、社会的人間としての役割も含めた「私らしさ」の重要性について、行為主体感・身体所有感の視点から説明をされていました。     2日目には第52回日本理学療法学術大会と第15回日本神経理学療法学会学術集会の表彰式が行われました。 前者の最優秀賞で森岡教授,後者の学術集会長賞で信迫助教がそれぞれ表彰されました!     近年、装具療法や電気刺激療法に加え、経頭蓋磁気刺激やロボティクスなど、様々な視点からの介入が注目されており、講演や演題発表においてもその効果やメカニズムに触れた内容がたくさんあったように思います。また、再生医療の治験に関する講演もあり、今後ますます神経理学療法の分野が広がっていくであろうことを感じました。   どの介入も有効性が報告されており、臨床応用されていくことが期待される一方、介入ありきではなく、病態特性を考慮した適応と限界についても考えていく必要があるのではないかと思いました。こういった場で時間を共有し、たくさん議論する中で、研究と臨床がつながるように方向付けしていくことが、より良い医療を提供するために重要であると感じた二日間でした。   最後に、学会運営や準備、発表や参加をしたみなさまに、貴重な時間を提供していただいたことを深く感謝いたします。   畿央大学大学院 健康科学研究科 修士課程 古賀 優之

2018.11.26

「グループホームの看護職のための終末期ケア研修会」を開催!~看護医療学科

平成30年11月23日(金)9:40~12:10、L102教室でグループホームの看護職のための終末期ケアに関する研修会が行われました。 主催は文部科学省基礎研究C 代表:山崎尚美教授の「グループホームの終末期ケアにおける看護連携を強化する教育支援システムの開発」によるものです。 祝日の早い時間でやや寒い日にもかかわらず、施設の施設長、介護福祉士、看護師など35名の参加がありました。はじめに主催者の山崎教授が、研修会の説明および研究協力の依頼などを行ったあと、4人の講師による講演が行われました。 最初は愛知県立大学看護学部副学長である百瀬由美子教授が、「認知症高齢者の終末期ケア」について講演されました。 内容は高齢者の死亡場所の多様化の現状と課題について、特に高齢者の尊厳ある終末期ケアに関して厚生労働省の「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」などを引用しながら、高齢者の思いはそれぞれ多様であることから、職員皆で話し合いケアを行うチームケアの重要性について話をされました。また看護職の役割として、苦痛の緩和や快適な生活環境の提供、精神的安寧が大切であること、高齢者が尊厳ある死を迎えるためにはアドバンスケアプランニング(ACP)の概念である、あらかじめ、どのように看取りを迎えたいのかを話しておくことの重要性も話をされました。     次に、愛知県立大学看護部の藤野あゆみ准教授が、「倫理と意思決定支援」について話をされました。 高齢者の尊厳を守るためには、現状における最善の生き方や死について選択し実践するため、自分で意思決定できない人の意思や思いを代弁する支援が必要であり、認知症の人の特性を踏まえた意思決定をすることが重要であると話されました。 そのためには、認知症の人が何をできるのか、どうしたらできるのかを把握し、認知能力に応じて理解できるような個々の高齢者の強みを活かしながら説明をすることが必要であり、そしてチームは早期から繰り返し本人の意思を聞き、見通しをもって継続的支援を行っていくこと、その都度記録を残しておくことなど話されました。 また、シェアードディシジョンメイキングという家族とスタッフがお互いに情報を共有しながら一緒に治療方針などを決定するなど、本人の人生をたどりながら家族およびスタッフの合意をめざすことの重要性を話されました。     3番目に、愛知県立大学看護部の天木伸子講師が、「一般病院における認知症を持つ人の終末期ケア」について話をされました。 施設での終末期ケアも増えていますが、病院で最期を迎える認知症高齢者は7~8割と多いようです。一般病院における認知症を持つ人への終末期ケアでの医療者の役割として、症状・苦痛に対して迅速な医療的対応ができるというメリットを生かして、過剰でもなく過小でもない適切な医療を提供することがあげられます。取り除ける呼吸困難や痛み、食欲不振などの苦痛を適切に緩和すること、可能な限り早く今までの暮らしに戻れるようにすることが必要であると話されました。身体的苦痛でつらい思いをしていないか、本人の状態や表情などから状態を把握し援助するとともに、安心や快をもたらすケアをすることが大切であり、質評価指標を使うなど、援助の振り返りをしていくことなどが重要であると話されました。     4番目は山崎尚美教授で、平成29年の厚生労働省医局長による新たな「情報通信機器(ICT)を利用した死亡等のガイドライン」から、今まで医師のみにより行われていた死亡確認が、看護師により「死亡の確認」「死亡診断書の代筆」ができるようになったこと、グループホームにおける「看取り加算」や、「看護師がいることによる加算」など、最近のグループホームにおける看取りについて説明されました。 このことから介護職と看護職の連携がさらに重要となっており、職種間の言葉でのやり取りからそれぞれの思いを出しあい、それぞれが自分たちは何ができるのかを考え、責任をもってそれぞれの仕事をすることが連携であると話されました。 また、看取り後のカンファレンスは本人が亡くなってから行うことが多いけれども、亡くなる以前から定期的に行うことが必要なのだと話されました。終末期ケアにおける介護職が看護職に期待する役割や看取り時の看護職の役割など、研究で得られた内容も話をされました。     参加者から、医師との連携のあり方、意思決定の具体例、グループホーム看護職と訪問看護師の役割分担の内容など、実際に看取りをしていて困難な事例をもとに、多数の方から積極的に質問がありました。 2017年には高齢化率が27.7%となり、超高齢社会である我が国において、高齢者の終末期ケアをどのように考え、どのようにかかわっていくのかを学び、施設や病院での看護職の役割を改めて考える機会となりました。  看護医療学科 准教授 南部登志江 【関連記事】 緩和ケア病棟を見学実習!~看護医療学科「終末期ケア論」 「エンゼルメイク」の演習を実施!~看護医療学科「終末期ケア論」 がんから学ぶ「生」と「死」~看護医療学科「終末期ケア論」レポート 認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。

2018.11.26

2018年度「マミポコ親子ひろば」後期第3回活動報告!

近隣の未就園児の親子を対象に、第2・第4火曜日の午前10:00から畿央大学の和室を親・子・大学生のコミュニケーションの場として提供している「マミポコ親子ひろば」。 好きな遊び、手遊び、絵本の読み聞かせ、体操遊びなどをして元気いっぱい活動しています。     【第3回:11/13(火)】 ○好きな遊び ○手遊び「やきいもグーチーパー」 ○絵本「いもほりよいしょ!」 ○ふれあい遊び「くっついた」「スイスイスイーツ」   今回は7組の親子が参加してくださいました。 前回の活動から新しくなったボールプールに、ボールの他に新聞紙をちぎったものを入れ、好きな遊びではビリビリと破る感覚を楽しんだり高いところから新聞紙を落としてヒラヒラ舞い散る不思議さを親子と学生全員で感じたりして楽しみました。     また活動日までに、卵のパックやペットボトル、トイレットペーパーの芯などの廃材を持ち寄りビーズやフェルトと組み合わせ、0歳から3歳の子どもたちが幅広く安全に遊べるように学生たちで考えた手作りのおもちゃを作りました。子どもたちが興味を持ったり楽しそうに遊んでいる姿をみたりしてとても嬉しかったです。   活動の終わりには毎回恒例の手作りのオリジナルメッセージカードを渡しています。 今回はキノコのメッセージカードです。     活動日を重ねるごとに周りの子どもたちに興味をもつ子、関わりをもつ子が増えお互いに関わり合う姿が見られるようになっています。これからも子どもたちの発達や思いにそった環境や遊びを精一杯考え、より安心安全で楽しく活動できる場を作っていけるよう学生一同努力して行きたいと思います。   次回の活動日は11月27日(火)です。次回もよろしくお願いいたします。   マミポコ親子ひろば代表 現代教育学3回生 福塚祥子   【関連記事】 2018年度「マミポコ親子ひろば」後期第2回活動報告! 2018年度「マミポコ親子ひろば」後期第1回活動報告! 2018年度「マミポコ親子ひろば」第5回活動報告! 2018年度「マミポコ親子ひろば」第3・4回活動報告! 2018年度「マミポコ親子ひろば」第2回の活動報告! 2018年度「マミポコ親子ひろば」初回の活動報告!