2016年6月の記事
2016.06.09
平成28年度運動器リハビリテーションセミナー「エビデンス編」を開講しました。
平成28年度の運動器リハビリテーションセミナーが始動! 平成28年5月22日(日)、「骨にかかる力」「高齢者の運動機能と免疫機能」「メカニカルストレスが関節に与える影響について」「運動器検診の動き」の4つのテーマを軸に、運動器リハビリテーションセミナーエビデンス編が本学にて開催され、35名(うち卒業生2名)が参加しました。 運動器に関する基礎的知識から応用・関連知識に加え、運動器検診についての講演もありました。運動器の健康はADLやQOLの維持、健康寿命の延伸にも大きく影響します。ロコモティブシンドローム、虚弱とサルコペニアなど運動機能の低下予防だけでなく、運動器検診にみられるように運動機能の向上にも我々理学療法士は目を向ける必要があります。私たちもセミナーを開催する度に、参加者の皆さんと共に多くのことを学び、吸収する意欲がわいてきます。本セミナーをさらに盛り上げ、興味を持っていただけるよう今後も努力していく所存です。 理学療法学科 教授 峯松亮 リカレントを目的とした本セミナーですので、例年は畿央大学の卒業生が多くを占めるのですが、今回はほとんどが一般聴講生という構成となりました。こうなりますと、講師陣の緊張感もなお一層上がります!(卒業生ならテンションが上がらないというわけではありません!) 「エビデンス編」ということで、最新の情報や動きなどについて各分野の教員が講義しました。その膨大な情報量に講義後も多くの聴講者が講師に質問に行く光景が印象的でした。運動器(整形外科系)検診については学童期の検診が平成28年度より開始されたことがまだまだ医療現場では知られていないこと、検診自体の問題点などを聴講者より講師が逆に習うという一コマもありました。 何より講師陣が楽しみにしているこの運動器リハビリテーションセミナー!次回、上肢・体幹編以降も様々なコンテンツを用意してお待ちしております。お楽しみに! 理学療法学科 准教授 福本貴彦 【次回以降のプログラム詳細は下記URLよりご覧いただけます】 平成28年度運動器リハビリテーションセミナー
2016.06.08
熊本のための募金活動、御礼と報告!~災害復興ボランティア部HOPEFUL
5月23日(月)から、エコール・マミさんの連絡通路をお借りして行っていた平成28年熊本地震に対する募金活動が6月4日(土)に終了しました。 たくさんの方にご協力していただき165,215円の義援金を集めることが出来ました! 連日の募金活動にご協力頂き誠にありがとうございました。皆さまからお預かりした大切なお金は私たちが責任を持って熊本県の義援金受け取り口座に全額寄付させて頂きます。また、募金活動のために場所をお貸しして頂いたエコール・マミさん、ありがとうございました。 復興にはまだまだ時間がかかります。HOPEFUL以外が行っている支援にもご協力よろしくお願いいたします。 これからも畿央大学災害復興ボランティア部HOPEFULの活動へのご理解ご協力をよろしくお願いいたします。 また、熊本県やその近隣地域では、ホテルの予約キャンセルなど観光業へも大きな被害が出ています。観光に行き、お土産を買う。それだけでも現地にお金を還元し、支援にもつながります。是非夏休みの旅行には九州、熊本県を訪れてみてはいかがでしょうか? 現代教育学科2回生 田中 友章 【関連記事】 エコール・マミで熊本のために募金活動を行います!~災害復興ボランティア部HOPEFUL
2016.06.07
第17回日本認知症ケア学会大会参加レポート~看護医療学科
2016年6月4日(土)~5日(日)に神戸国際展示場で開催された第17回日本認知症ケア学会大会に、看護医療学科老年看護学教員5名が参加しました。『認知症初期集中治療チーム』『認知症高齢者の終末期ケア』『認知症カフェ』『認知症を持つ高齢者との世代間交流』などなど、認知症を持つ方を取り巻く課題と希望を学ぶことができました。 第1日目には『終末期ケア』について、山崎尚美教授が「グループホームの終末期研修会に参加した受講者の死生観」について発表しました。同じ尺度を用いて研究している参加者から自分の研究結果との相違についての質問や今後も継続して研究を行ってほしいとの強い要望が寄せられました。また、南部登志江講師は「関西地域2件のグループホームの職員に対する終末期ケア研修会の評価」について発表しました。終末期ケアに積極的に取り組んでいる施設についての質問などがありました。 『認知症カフェ』は山崎教授を中心に老年看護学教員が定期的に開催しており、私たちが特に関心があるテーマのひとつです。島岡昌代助手が「介護老人福祉施設と協働した地域密着型認知症カフェの実践報告と課題」を発表しました。実践報告らしくカフェの対象者や料金設定、実施時の課題等について質疑応答が行われました。 2日目には、奈良県認知症ケア専門士会(会長 山崎尚美教授)は「地域で支える認知症ケアのあり方‐SPS若年認知症サポートセンターきずなやの活動‐」をテーマに専門士会企画を実施しました。「SPS若年性認知症サポートセンターきずなや」の若野達也氏を講師にお迎えして、主に若年性認知症を持つ方の働く場・地域の居場所の提供のための活動についてご講演頂きました。110人の参加があり、講演後は同じ活動に取り組んでいる参加者からうまくいかないときのアドバイスを求める質問や、「絆やモデル」を参考にこれからこの活動に取り組みたいと考えて多数の質疑応答が続きました。 展示ブースには、学会会場内では若年性認知症を持つ方や病気で離職した方が作った製品の販売がありました。どの演題やシンポジウム、企画も質疑応答が活発に交わされ参加者認知症を持つ方へのケアへの関心の高さ、熱意を感じました。 看護医療学科 老年看護学 山崎 尚美 南部 登志江 島岡 昌代 吉井 重子 寺田 美和子(文責)
2016.06.06
学生広報スタッフblog vol.208~6月5日(日)オープンキャンパスレポート!
こんにちは!学生広報スタッフ兼オープンキャンパススタッフの藤田直樹です。オープンキャンパススタッフに1回生が加入して初めてのオープンキャンパスが、6月5日(日)に開催されました! 当日は約400名の高校生と保護者の方が来場され、冬木記念ホールもいっぱいに! オープンキャンパスに「スタッフ」として初めて参加する1回生たちは、最初は戸惑いながらも先輩たちのアドバイスを聞いたり、仕事を見よう見まねで少しづつ実践し、保護者や高校生の方とも笑顔で接することができていました! スタッフ同士でも学科・学年を超えて、 たくさんの方と出会うことができました! オープンキャンパススタッフをたくさんの方に体験して欲しいと思います! 次回のオープンキャンパスは7月16日(土)、17日(日)! 当日にスタッフに当たっている皆さん、がんばっていきましょ~!
2016.06.06
近鉄連携「香芝SAフードコートメニュー開発プロジェクト」質問会を開催しました。
近鉄香芝サービスエリア支配人と副支配人に学生が質問! 昨年(平成27年)度、畿央大学は近畿リテーリング香芝サービスエリア(SA)と連携し、フードコートメニュー開発事業を行い、西名阪香芝SA上下線で「かぐや姫のホット抹茶ラテ」や「太陽さんさんゼリー」が人気メニューとして定着しています。 今年(平成28年)度は大和ポークを使用した丼物メニュー開発の依頼があり、畿央大学健康栄養学科(指導教員:中谷友美先生、餅田尚子先生)の食品開発コースを中心とした学生36名が参加しています。 平成28年6月2日(木)16時30分から近鉄リテーリング香芝SA山中久次支配人と山本淳副支配人にお越しいただき、学生たちの質問にお応えいただきました。 まず、山中支配人と山本福支配人から香芝SAで使用している実際の『丼』を見せていただき、丼の基準の確認を行いました。その後、個別グループごとの対面質問会へ入っていきました。 あらかじめグループみんなで考えた質問・疑問についてお聞きし、学生たちは熱心にメモを取っていました。前回のプレゼンテーション会からこの質問会までに香芝SAへ実際に行き、メニューを食べ、来客層を観察したグループが多く、具体的な質問が多く出ていました。 近鉄SAとしては学生たちの斬新なアイデアを求めています。SAへ来る方の年齢層・男女比率・滞在時間を考慮したメニューでないといけません。SAではプロの調理人もいますがほとんどが主婦パートのため誰もが素早く作れ、お客様の待ち時間を短縮できる工夫が必要です。そして、年間を通して供給される食材を使って人気メニューランキングの上位にあがることをめざします。 〈今後の予定〉 6月16日(木)レシピ試作・検討会(近鉄SAの方の意見をお聞きして修正を加えます) 7月9日(木)コンテスト実施・結果発表・表彰式 【関連記事】 近鉄連携「香芝SAフードコート メニュー開発プロジェクト」がスタートしました。 近鉄連携「香芝SAフードコート メニュー開発プロジェクト」~第1回目プレゼンテーション会を開催!
2016.06.03
台湾での海外インターンシップに向けて準備スタート!~理学療法学科
理学療法学科3回生16名が、台湾にインターンシップへ! 2016年1月に中国医薬大学 China Medical University(台湾)と大学間提携を締結し、理学療法学科としては初めて9月8日(木)~13日(火)に海外インターンシップを実施する予定です。希望者を募ったところ、3回生16名の参加が決定しました。4月からは授業の空いている時間を活用し、みんなで集まって準備に取り掛かっています。 現在は『日本について』や『畿央大学について』、『日本の医療について』などいくつかのトピックスに関して調べてまとめあげ、プレゼンテーションするというところまで到達しました。また、その一方で、海外に渡航するのが初めての学生たちもいますので、パスポートを申請したり、海外渡航に関する心得なども学んだり、とすべてにおいて新しい学習経験を積んでおります。これからは、このまとめ上げたプレゼンテーションを英語にしていき、そして、それを英語で紹介すること、さらには日常的な英語コミュニケーションを身につけるべく計画を学生たちが率先して企画しています。 現在は、木曜日の4コマ、5コマで集まって活動していますが、それ以外にも、海外インターンシップのLINEグループを作成し、帰ってからも色々とディスカッションしています。さらにこれからは、金曜のお昼休みにみんなで集まって、英会話のレベルアップに取り組むようです!!もちろん教員たちも参加してレベルアップしていきます。今後の展開が非常に楽しみな海外インターンシップです。 理学療法学科 教授 今北英高 【関連記事】 中国医薬大学と大学間提携(MOU)を締結しました~理学療法学科
2016.06.02
書評「リハビリテーションのための脳・神経科学入門 改定第2版」
今回ご紹介する書籍は、本学の森岡教授が改定執筆された「リハビリテーションのための脳・神経科学入門 改定第2版」です。本書は、2005年に出版された「リハビリテーションのための脳・神経科学入門」の改訂版であり、神経可塑性、脳卒中後の運動機能回復、運動制御、身体性、運動イメージ、運動学習、疼痛などの最新の神経科学的知見が網羅されており、文字通り「リハビリテーションのための」テキストになっています。 改定版を読むと同時に、2005年に出版された「リハビリテーションのための脳・神経科学入門」(通称:緑本)を改めて読み返してみました。すると、運動制御に関する箇所が私自身による鉛筆のメモ書きで真っ黒になっていました。このメモ書きの内容から回想してみると…出版当時の私は畿央大学理学療法学科の学生であったこともあり、神経系理学療法の授業の参考図書として「緑本」を読んでいたことを思い出しました。おそらく当時は、「テストに出そうだから」という愚かな理由でこの部分を鉛筆で真っ黒にしたのだと思いますが、奇しくも私の最近の研究テーマは疼痛疾患の運動制御となっております。この研究テーマは間違いなく臨床現場での経験によって導かれたテーマであり、「テストに出そうだから」という理由ではないことから、当時の授業で使用された「緑本」の中には臨床現場に出てから重要となる科学的エビデンスが詰まっていた事を再々認識しました。そして、改定2版の運動制御に対応する章を再度読むと、そこには「身体所有感」「運動主体感」「身体イメージ」などのアップデートされた内容が新たに加えられていました。おそらく、初版からの11年間で身体性研究が進んだことが影響しているのだと思いますが、他の章でもこのような科学の進歩を感じられる箇所は沢山ありました。そのような科学の進歩をリアルタイムで感じ、それをリハビリテーションに役立つ情報に翻訳されていることが本書の最も優れた点ではなかろうかと思います。 本書は改定前の「緑本」よりも非常に多くの情報あるいは引用文献の分量となっており、「リハビリテーションのための」という目的は十二分に果たされていると思います。さらに「あとがき」から察するに、このような膨大な神経科学的知見をどのようにリハビリテーションの「現場」に応用していくのかが、我々の世代には求められているように思います。 最後にはなりましたが、リハビリテーションに役立つ最先端の神経科学的知見を網羅するだけではなく、リハビリテーション専門家が最低限共有すべき情報を示して頂いている本書に改めて敬意を表します。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 特任助教 大住倫弘 ▼第51回日本理学療法学術大会での先行販売では売上1位に。また6月2日(火)現在、Amazonの「神経科学」カテゴリでも売上1位を記録しています。
2016.06.02
健康科学研究科博士後期の大学院生が、第51回日本理学療法学術大会で「最優秀論文賞」を受賞!
平成28年5月27(金)~29日(日)に札幌コンベンションセンターにて第51回日本理学療法学術大会が行われました。今学会は、日本における理学療法士の学会で最も大きな学術大会であり、12の分化学会から成り立っています。その中、第50回日本理学療法学術大会における受賞者,そして日本理学療法士学会編集発行の2015年度「理学療法学」に掲載されている研究論文から選出され、それらに対する表彰式が行われました。私(今井亮太)は、「理学療法学第42巻1号」に掲載された原著論文「橈骨遠位端骨折術後患者に対する腱振動刺激による運動錯覚が急性疼痛に与える効果-手術後翌日からの早期介入-」が最優秀論文賞となり、今学会で表彰されました。これで私自身、5度目の表彰・受賞となりました。 本研究論文は、橈骨遠位端骨折術後患者に対し、あたかも自分の手が動いているかのような錯覚(腱振動刺激を用いた)を惹起させることで、痛みや痛みに対する不安、関節可動域への効果検証を行ったものです。結果、介入1週間後に痛み、心理面、関節可動域に有意な改善を認め、さらに2ヵ月後まで効果が持続することを明らかとしました。 本研究結果の理学療法への示唆は、疼痛理学療法においては、対象者の不動期間、痛み経験、破局的思考、不安を考慮した理学療法の実施が重要であるという点と、腱振動刺激は痛みの知覚をさせることなく、運動錯覚を惹起させることが可能であり、術後翌日といった早期介入が可能な有効な手段であることを示した点にあります。さらに、急性疼痛の軽減だけでなく、その後の痛みの慢性化防ぐことができる可能性がある方法であることも示しています。 現在はこの効果機序を検証するための研究を行っています。これにより、本介入方法の適応・不適応をより明確にすることができ、臨床で広く一般化された方法として使用されることを目的としています。 私が研究対象としている「痛み」は、不快な知覚、あるいは情動体験と定義されています。恐怖や嫌悪だけでなく不安や妬みなども痛みを修飾します。さらに、不快な知覚は人それぞれ違っており、バックグラウンドや生活環境によっても痛みは増悪することも考えられます。そのため、痛みに対するリハビリテーションは病態を多角的に捉え、対応することが求められています。私が所属する畿央大学大学院神経リハビリテーション学研究室、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターでは、「高次脳機能学部門」「社会神経科学部門」「身体運動制御学部門」「発達神経科学部門」の4つの領域で研究を行っています。大学院での授業では包括的にすべての講義を聞き、ゼミでは様々な分野から指摘・助言を頂ける環境です。このような研究領域を超えたコミュニケーションを図れることは、ニューロリハビリテーション研究センターの強みであり、このような環境で研究を行えたからこそ、今回の受賞に繋がったものと考えています。 最後に、研究を指導し受賞に導いて下さいました森岡周教授をはじめ、畿央大学ニューロリハビリテーションセンター特任助教の大住倫弘先生、本学大学院の神経リハビリテーション学研究室の皆様に深く感謝申し上げます。今後も、痛みを有する患者さんに有益な研究成果を発信し続けられるように、更なる研究活動に取り組んでいきます。 畿央大学大学院健康科学研究科 神経リハビリテーション学研究室 博士後期課程 今井亮太
2016.06.01
奈良県認知症ケア専門士会総会・第5回研修会を開催!~看護医療学科教員レポート
5月29日(日)奈良県認知症ケア専門士会総会および第5回研修会が畿央大学L302、L303講義室にて開催され、計44名が参加されました。 研修会1部は武田以知郎先生(明日香村国民健康保険診療所所長)をお招きして、『地域包括ケアシステムにもとづく認知症ケアのあり方-認知症ケアの話題-』をテーマにご講演頂きました。 最初は「ふたり一組になって握手と笑顔で挨拶をしてください」と武田先生からお願いがあり、握手と笑顔で参加者同士が打ち解けて講演がスタート。認知症の基礎を簡単に復習したあとは、今日のメインテーマである「認知症をよく理解するための9大法則」として、今話題の地域包括ケアの例や奈良県内の認知症カフェについて、政策を中心に最新の知見の報告をしていただきました。また、認知症ケアの薬物療法、非薬物療法についてもユマニチュード®やバリデーションなどの実際も紹介されていました。一方的な講演ではなく随時ペアワークを取り入れ日常ケアをしている認知症を持つ方の様子を思い出したり、ロールプレイでケア提供者の役を演じ、普段の自分のケアを振り返ったりの楽しく和やかな講演会でした。 ※ユマニチュード®:体育学を専攻する二人のフランス人、Yves Gineste (イブ・ジネスト)とRosette Marescotti (ロゼット・マレスコッティ)によって作り上げられた35年の歴史を持つ、知覚・感情・言語による包括的なコミュニケーションに基づいたケア技法(ジネスト・マレスコッティ研究所 日本支部HPより) ※バリデーション:アルツハイマー型認知症および類似の認知症の高齢者とコミュニケーションを行うための方法の一つ。認知症の高齢者に対して、尊敬と共感をもって関わることを基本とし、お年寄りの尊厳を回復し、引きこもりに陥らないように援助するコミュニケーション法。(公認日本バリデーション協会HPより) 最後には、某寿司屋さんのコマーシャルをYoutubeで流し、模範的な認知症ケアのあり方を涙ながらに学びました。「今日の講演を聴いて明日からどうしていこうかペアで話してください」と締めくくりの課題を出されあと、武田先生の「握手で終わりましょう」の声で参加者同士、感謝の握手をして1部を終了しました。 2部は奈良県認知症ケア専門士会恒例の「専門士カフェ」です。今回は『ワールド・カフェ』・『他花受粉』を取り入れ、4人ずつのグループがお茶やお菓子を楽しみながら、ラウンド毎にメンバーが入れ替わりました。『認知症ケア専門士として今できそうなこと』をメインテーマに活発な意見交換が行われました。主な内容は認知症を持つ方ご本人に今できそうなこと、そのご家族に今できそうなことについてでした。最後は進行役の「明日からできることにすこしでも取り組みましょう」の言葉で2部も終了しました。 終了後も参加者同士の意見交換や名刺交換などが続き参加者の認知症ケアへの意識の高さを感じた研修会でした。 看護医療学科 講師 寺田 美和子
2016.06.01
第51回日本理学療法学術大会で20演題の発表、最優秀論文賞も受賞!~ニューロリハビリテーション研究センター
ニューロリハビリテーション研究センター特任助教の大住倫弘先生と私(信迫悟志)が、第51回日本理学療法学術大会に参加・発表してきました。その他、理学療法学科と健康科学研究科に所属する多くの先生方が参加・発表されました。 今学術大会より12分科学会・5部門に分かれて行われるようになり、非常に多岐に渡る内容で全ての講演・演題を把握できませんし、私が見て・聞いたものに限り報告させて頂きます。 神経理学療法学会の「運動制御と身体認知を支える脳内身体表現の神経基盤」と題した内藤栄一先生のご講演では、腱振動錯覚の神経基盤としての反対側一次運動 野と右半球前頭-頭頂ネットワークに関するお話がなされました。腱振動錯覚は、運動を行わずして、反対側一次運動野を活動させることが可能であり、運動療法が行えない麻痺や固定肢の回復に有用である可能性を指摘されました。 実際、本研究室博士課程の今井亮太さんは、この腱振動錯覚を利用した橈骨遠位端骨折術後急性疼痛に対する介入効果を調査しており、理学療法学に掲載されたその論文「橈骨遠位端骨折術後患者に対する腱振動刺激による運動錯覚が急性疼痛に与える効果 : 手術後翌日からの早期介入 」が、本学会において、最優秀論文賞として表彰されました。このような内容が、日本の理学療法界において最も権威ある学術誌で認められたことは、本学のニューロリハビリテーション研究を推し進めていくうえで、非常に大きな勇気と力になるものと感じます。 私は、小児理学療法学会と神経理学療法学会で2つの演題を発表させて頂きました。小児理学療法学会の方では、理学療法にはあまり馴染みのない模倣抑制や視点取得といった内容を含んだものでしたが、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を使用していることもあり、多くの方にご意見を頂くことができました。私が楽しみにしていた小児理学療法学会で行われた「教育現場と理学療法士」のシンポジウムでは、羽田空港で発生した事故の影響で、ご講演者がお一人登壇できなくなってしまいましたが、特別支援学校における支援の在り方について非常に考えさせられる時間となりました。一方で、この分野は科学的追及が困難な部分がある領域かと思われますが、私の研究分野でもあり、障害を抱えた子どもたちに価値ある研究を行わなくてはならないと思いを強くいたしました。 またもう一つの演題発表であった神経理学療法学会の方では、映像遅延装置システムを用いた視覚フィードバック遅延検出課題を用いた基礎研究であり、これまた理学療法にはあまり馴染みのないものでしたが、幾つかの的確な指摘を頂くこともでき、大変勉強になりました。この神経理学療法学会や日本支援工学理学療法学会では、tDCSや経頭蓋磁気刺激(TMS)などのニューロモデュレーション技術を使用した臨床研究やロボティクス技術を使用した臨床研究が数多く報告されるようになり、ニューロリハビリテーション技術は理学療法の一手段として定着しつつあるのを感じました。 私が拝聴した研究発表はいずれも高い精度で行われており、理学療法研究が非常に進歩しているのを強く感じました。その中でも、個人的に非常に面白く、今後が楽しみに感じたのは、本学理学療法学科の前岡浩准教授の研究報告でした。独創的で、これを臨床研究として活かすためには、どのようにしたら良いか、色々と思いを巡らされる内容でした。 その他、本研究室からは約20演題の発表がありましたが、皆さんそれぞれ良いディスカッションができたようで、次の研究へのモチベーションが高まったようです。 最後に本学会においても、森岡周教授の著書『リハビリテーションのための脳・神経科学入門 改訂第2版』が、売り上げ1位だったようです(ちなみに私も分担執筆させて頂いた阿部浩明先生編集の『高次脳機能障害に対する理学療法』は、3位だったようです)。先述したように、この日本理学療法学術大会においても、ニューロリハビリテーション技術に関する研究報告が非常に多くなってきましたが、その流れは森岡教授が10年前に著された第1版から始まったと考えると、敬服いたします。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 特任助教 信迫悟志
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