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畿央の学びと研究
2017.07.07
冬木特任准教授の発明が新たに特許を取得しました~教育学習基盤センター
今年4月に引き続き、教育学習基盤センターの冬木正紀特任准教授の人工筋肉に関する発明により、本学園が特許権を取得しました。この発明は本学が推進している次世代研究開発プロジェクトにおける萌芽的研究の成果であり、人体装着型の医療用ロボットなど次世代型ロボットの核となる人工筋肉の耐使用年数を低コストで飛躍的に伸ばす発明です。 特許第6154088号 「流体圧式アクチュエータ用弾性体チューブ及びアクチュエータ」 冬木特任准教授からのコメント 本発明では耐久性が飛躍的に向上した人工筋肉を発明しました。そして今回の発明は、前回の特許発明よりもシンプルかつ低コストな発明です。人工筋肉とは空気等の流体の出し入れにより伸縮するアクチュエータ(駆動装置)であり、筋力補助用の人体装着型ロボットやロボット義肢など、生活の質的向上のための次世代型ロボットの駆動装置として期待されています。 しかし、従来の人工筋肉は耐久性が低いという欠点があり、低い耐久性の原因は、人工筋肉が伸縮する際に内部のゴムチューブと外皮のメッシュが擦れてゴムチューブが傷つき破損することでした。 前回の発明では内部のゴムチューブの表面に耐摩耗用の静電植毛層を設けることに思い至り、人工筋肉の寿命を20倍以上に伸ばすことに成功しています。静電植毛とは下地に専用の接着剤を塗り、静電場を利用して下地に垂直に細い繊維を高密度に植え込む手法です。 今回の発明の特徴は、前回よりもシンプルで低コストな静電植毛により高耐久性を実現したことです。 すわなち、前回の発明ではゴムチューブ表面への静電植毛のパターンは縞状やドット状に限定していました。その理由は、あらかじめ植毛層(繊維と接着剤の層)に隙間を設けて、ゴムチューブ表面の伸縮により、植毛層がひび割れてめくれることを防止するためでした。 今回の発明ではゴムチューブ外周全面に植毛を行う最もシンプルなパターンの静電植毛を行っても、耐久試験において従来の20倍以上の耐久性を確認できました。試験後には非常に細かいひび割れのみが検出されたため、細かいひび割れでは植毛層の顕著なめくれが起こらなかったと考えられます。 ▼左が前回の発明、右が今回の発明 【開発した人工筋肉内部の模式図】内部のゴムチューブGの表面に植毛層Fを形成して外皮のメッシュSとの摩擦を受け流します。Tは空気を給排するターミナルです。今回の発明においては、植毛層のパターンを最もシンプルにしても非常に高い耐久性が実現できることを見出しました。 一般的に静電植毛加工の材料費は非常に安く、一回分で数円程度ですが、植毛作業のコストは植毛のパターンが複雑になると上昇します。特にゴムチューブのような曲がった構造を持つ部材への加工では作業コストの上昇が顕著です。そのため、最もシンプルなパターンの植毛により人工筋肉の飛躍的な耐久性向上を実現した今回の発明は、超高齢・人口減少社会における次世代型ロボットの実用化を一層促進することが期待されます。 【関連記事】 冬木特任准教授の発明が特許を取得しました。~教育学習基盤センター 教育学習基盤センター
2017.07.05
指定難病の一つ「多発性硬化症」を学ぶ~看護医療学科「成人看護学対象論」
6月27日(火)3限目、看護医療学科2年次配当「成人看護学対象論」で、多発性硬化症友の会・兵庫県支部より講師をお招きして、講義をしていただきました。 多発性硬化症は指定難病のひとつで、中枢神経系の脱髄疾患です。若年成人の女性に発症する割合が高いと言われています。症状は視力低下・視野欠損、知覚障害、運動障害など障害される神経によってさまざまです。学生たちは多発性硬化症の病態や症状・治療について事前学習をして講義に臨みました。 講師の先生は、多発性硬化症でありながらも看護師として活躍しています。事前にその情報は学生たちに提示していなかったので、学生たちは、さっそうと登壇した方が(まさか)患者様ご本人?とは思えなかったようです。このことから、外見だけで人を判断することの危うさや、病気を抱えて社会生活を営んでいる人々への認識を新たにしていました。 講義では多発性硬化症という病気について資料を配布して説明され、多発性硬化症の診断に至るまでの経験を話していただきました。多発性硬化症と診断された時の衝撃については「一生脱げない鎧をまとったような」と表現され、そのときの医療者の配慮に欠けた対応についても話をしていただきました。また、多発性硬化症と診断された時にインターネットで目にした「寝たきり」「失明」「脳萎縮」の3つの言葉が頭を離れなかったこと、しかし入院中に医師から病気について丁寧に説明された経験を踏まえ「敵を知らないと戦えない」と病気と向き合うためには知識を持つことが大事だと話してくださいました。 先生は現在も体の正中がずれた感覚があること、常に横隔膜の周囲を柔道の帯で締めつけられている感覚があることとそのため呼吸がしづらくなること、しびれ、指先の巧緻性が低下しているなどのさまざまな症状を抱えながらも看護師として仕事もされています。今、多発性硬化症であることも看護師であることも誇りであるということも話して下さり、最後は看護師をめざす学生たちにエールを送って下さいました。 学生たちは先生がたどった経験から、病気を診断された患者様の気持ちを配慮して、自分がその立場だったら、そして看護師としてどのように接していけばよいか真剣に考えていました。そして、看護の対象者を理解し、その人にとって本当に必要な看護を導き実践することの重要性を実感していました。 先生のおっしゃった「生きる力を支える看護」は学生にとって印象深い言葉になったようです。今回の学びを忘れずに、患者に寄り添える看護師になってほしいと思います。 看護医療学科 教授 山本裕子
2017.07.04
卒業生がWCPT-AWP&PTAT CONGRESS 2017で研究成果を発表!~理学療法学科
2017年3月に卒業したばかりの瓜谷ゼミ卒業生が、タイのバンコクで開催された世界理学療法連盟の国際会議で研究成果を発表! 平成29年6月28日(水)~6月30日(金)にかけて、タイのバンコクで開催されたWCPT-AWP&PTAT CONGRESS 2017に理学療法学科瓜谷大輔先生と瓜谷ゼミの卒業生である坂口と西田で参加し、ポスターセッションにて発表を行ってきました。卒業研究のテーマで行った『顎関節症と運動イメージの関係性』について追加で研究を進め、発表しました。 瓜谷先生はメルボルン大学で在外研究を続けており、オーストラリアからバンコクまで駆けつけてくれました。 普段聞きなれない英語に戸惑いながらも、積極的にたくさんの人に話しかけ、とても有意義な時間を過ごすことができました。また、英語があまり聞き取れない私たちに対しての現地の方々の優しさに触れることができ、とても感動しました。 そしてワットポーや王宮など、日本とはまた違ったタイの文化にも触れることができました。 発表に至るまで、大変なこともありましたが、実際に発表することでたくさんの方とディスカッションする楽しみや、新たな視点に気付かされることなど、たくさん得たことがありました。今後の研究、臨床に還元していけたらと思います。 この度、研究にご協力頂いた方、お力添えして頂いた先生方ならびに瓜谷先生、本当に有難うございました。 理学療法学科11期生(2017年3月卒業) 西田朋子 【関連記事】 アジア理学療法学会(ACPT)に参加、発表!~理学療法学科瓜谷ゼミ 平成29年度 在外研究説明会を開催しました。 WCPT Congress 2015で、本学理学療法学科教員が日本人初受賞!
2017.07.03
1回生218名が大阪教育大学附属池田小学校を見学!~現代教育学科
平成29年6月15日(木)、教育学部現代教育学科1回生218名が大阪教育大学附属池田小学校(以下、附属池田小学校)を訪問しました。教育学部の必修科目であるベーシックセミナーと現代教育論との拡大授業として行われており、今年で8年目となります。学生にとっては学外で学校現場の様子を学ぶ貴重な機会となっています。 今回の訪問の目的は、まず、教育にかかわる仕事を志す学生として学校現場の児童の学習や生活の様子に触れ、教員の児童への関わり方や学習および生活の指導のあり方を学ぶこと、そしてSafety Promotion Schoolに認定された附属池田小学校における安全で安心な学校づくりについて学ぶことでした。 附属池田小学校では、平成13年6月8日に起こった痛ましい事件後、安全で安心な学校をめざして教職員・保護者・大学関係者が一体となって努力が続けられてきました。平成22年に日本で初めてWHOのInternational Safe School に認証されました。そして、平成27年3月には、わが国独自の学校安全のスタンダードとなるSafety Promotion Schoolに認証されています。 当日は晴天、10時過ぎに集合し、附属池田小学校にお邪魔しました。 【児童の皆さんによるお出迎え】 児童の皆さんが入口まで迎えに来て、各教室まで案内してくれました。 【授業参観】 各教室にわかれて授業を参観させていただきました。1年生から6年生まで、国語や算数、音楽・英語、水泳などの授業を見学しました。「オープンスペースやガラス張りの教室の環境にも配慮を感じた」、「子どもたちに考えさせたり発表をさせる時間を作ったり、子どもが参加しながら受けられる授業だった」、「疑問が出た時など、先生が子どもたちに問いかけをしていて、みんなで考えられる環境を整えていた」などの感想がありました。 【給食】 給食時間も教室に入らせていただき、持参したお弁当を一緒に食べました。 【休み時間】 「先生!」と呼ばれたり、サインを求められたりして嬉しそうな学生。「先生と呼ばれることに喜びを感じました」という声も聞かれました。児童の皆さんと遊んだり卓球を楽しんだりと、様々な交流をしました。 【附属池田小学校事件に学ぶ】 「安全で安心できる学校づくり」について、安井学科長より講話があり、事件のこと、安全で安心できる学校づくりに関する取り組みについて学びました。亡くなられた児童8名を悼み献花をした後、学校内を見学させていただきました。 「黙とうをささげながら、このような事件を二度と起きないように後世に語り継ぎ、安全管理を徹底させないといけないと思った」「『子どもを一番に考えなければいけない』という言葉が心に響いた」「校舎をすべて建て替えるのではなく、一部だけ変更することで亡くなった8人の思い出の学校をなくさないという心遣いに感動した」などの意見がありました。 大学へ帰り、附属池田小学校で学ばせていただいた経験をもとに、振り返り学習を行いました。 以下、学生のレポートから一部を紹介します。 <学校教育コース> 今日は授業参観や子どもとの触れ合いを通して現場の雰囲気を感じ、これからのモチベーションにつながる経験となりました。 特に初めて「先生」と呼ばれ、教師という仕事の責任の重さを強く感じました。教師は子どもの命を預かる仕事です。いざというとき、子どもを守ることができるのか、自信をもって頷くことはできませんが、備えて行動することはできると思います。 今日感じたことを忘れず、これからに活かしていきたいです。 安全対策がどれほど大切なことなのか、教師の判断がいかに大きなものなのか、それから今生きていることがどれほど幸せなことなのかなど、一つの講義の中で深く考えることがたくさんありました。入学してまだ間もないこの時期にこのような貴重な体験・経験をしたことで、教育に関してもっともっと知りたい、そして教師になりたいという強い気持ちが芽生えました。 <保健教育コース> 実際この状況で完璧な対応が出来る自信は今の私にはありません。これだけの重みを背負って将来教師になるために、大切な8名の幸せが失われたことを決して忘れず、これからたくさんの命に寄り添っていく立場として強い決意を持って大きく成長していきたいと思います。 安全を考えて作り上げられた学校ですが、その設備が児童にとっては居心地の良い環境になっており、安全と環境の両面が考えられました。(略)先生になるということは、子どもの命を守る、ということだととても実感しました。(略)将来先生になった時に子どもたちを守ることができるのか、支えることができるのだろうか、(略)この実習を通して改めて先生になるとはどういうことなのかを考えるいい機会になりました。 <幼児教育コース> 今回初めて「先生」と呼ばれる立場になり、そして、安井先生や佐々木校長先生のお話を伺う中で、「先生」はただ子どもたちに教育をするだけではなく、子どもたちを守る使命もあると強く感じました。同時に、私がもしあの事件のような状況に置かれたとき、「何ができるだろうか」「命をかけて子どもたちを守れるだろうか」と自分自身に問いかけることがたくさんありました。将来子どもの教育に携わる職業を目指している者として、仕事の責任の重さを感じ、しっかり覚悟をもたないといけないと思いました。 池田小学校に行くまで、事件のことを全く知らなかったことに、教員を志望する身として大変恥ずかしく思いました。 「どんなときにも子供に寄り添い、盾になることが必要」という言葉も心に残りました。校長先生がおっしゃっていたように、「子どもがかわいい」という気持ちを大切にすることで子どもを守るための行動ができるのだと思います。学校内を安全で安心できる場所にしておくことが教師の責任であると改めて感じました。 今回の訪問でたくさんのことを学ばせていただきました。大人数での訪問にもかかわらず、今回の訪問を快く受け入れて下さった附属池田小学校の校長先生ならびに教職員の皆さま方に感謝申し上げます。 そして、附属池田小学校の児童のみなさんにも心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。 教育学部現代教育学科1回生担任団
2017.06.30
2017年度「マミポコ親子ひろば」第4回活動報告!
近隣の未就園児の親子を対象に、第2・第4火曜日の午前10:00から畿央大学の和室を親・子・大学生のコミュニケーションの場として提供している「マミポコ親子ひろば」。自由遊び、手遊び、絵本の読み聞かせ、体操遊びなどをして元気いっぱい活動しています。 6月27日(火) 今年度4回目のマミポコ親子ひろばを開催し、以下の内容で交流を楽しみました。 〇自由遊び 〇絵本「おつむてんてん」 〇ふれあい遊び「ばすごっこ」 今回は2組の親子が参加してくださいました。自由遊びではボールプールを出しました。はじめは不思議そうに見ていた子ども達でしたが、遊びに慣れてくると夢中になって学生と遊んでいる姿が見られました。絵本の読み聞かせでは、子どもがおかあさんのひざの上に座り、絵本の真似っ子をしながら親子の触れ合いを楽しんでいてくれたように思います。触れ合い遊びでは、前回も楽しんでくれていたバスごっこを行いたくさんの笑顔を見ることができました。少しずつ、子ども同士やお母さん同士も交流していける場にして行きたいと思っています。 次回の活動は7月11日(火)に和室で行います。七夕製作を行う予定ですのでぜひたくさんの参加お待ちしております! なお、今年度は定員にまだ余裕があります。新規のご参加受付しております。 お申し込みはコチラから! 現代教育学科3回生 笹井綾子 【関連記事】 2017年度「マミポコ親子ひろば」第3回活動報告! 2017年度「マミポコ親子ひろば」第2回活動報告! 2017年度「マミポコ親子ひろば」初回の活動報告!
2017.06.28
マダム信子氏の講演会&意見交換会を開催!~第1回認知症の人と課題解決のステーションづくり in 畿央大学
マダム信子氏による講演会 「第1回認知症の人と課題解決のステーションづくり in 畿央大学」を開催! 6月23日(金)12:10~12:50、L303講義室にて「第1回認知症の人と課題解決のステーションづくり in 畿央大学」と題して、マダム信子氏の講演会が行われました。今回の企画は、認知症の当事者や家族の方が地域で安心して生活できる一助となるよう、一般社団法人SPSラボ若年認知症サポートセンターきずなやと看護医療学科の山崎教授がコラボして開催したものです。 マダム信子氏の講演には、学生・教職員合わせて40名の参加がありました。昼休みということもあって、お弁当を食べながら講演を聞く人も多く見られました。 まず、一般社団法人SPSラボ若年認知症サポートセンターきずなやの菅さんが、きずなやの紹介をしました。若年認知症や認知症の当事者と家族に対し、居場所や働く場所を提供するなどの支援を行っており、その活動は新聞やテレビでも紹介されています。代表者は認知症の人を10年以上支援されている若野達也氏です。 その後、マダム信子氏の講演が行われました。信子氏は株式会社カウフードシステム代表取締役で、洋菓子店「マダムシンコ」を展開しています。企業家の立場から認知症の人に関する支援活動をしており、今回の講演も「学生や地域の人に認知症についてもっと興味や理解をしてほしい」という思いから行われたものです。 今回の講演の中で、自分が認知症の活動を支援するきっかけとなった、お母様の話をされました。「母親が大好きで愛していた」「両親においしいものを食べてほしかった」こと。お母様が認知症になった時、自分が優しく接したら、母親も優しく返してくれたこと、穏やかで最後まで認知症とは思わなかったこと。けれど、「もっと認知症のことを理解していたら母親にもっと優しくできたのに」との思いを持っておられること。両親とお兄様を亡くされていることから認知症の支援活動をはじめて3年目だそうです。信子氏が「母が大好き」という気持ちで精一杯接していたことが、お母様もBPSDなどの症状も見られず、信子氏の前では優しい母親のままで過ごせたのではないでしょうか? 講演終了後、一度退室してからまた教室に入ってこられて質問を受けてくださり、学校への思いなどを述べられていました。 <この講演会の様子は、マダムシンコHPでも紹介されています。> その後13:00~14:30までK204ゼミ室で意見交換会が行われ、介護予防リーダー養成講座の修了生によるボランティアグループKEEP(Kouryo・Kashiba Elderly Encouragement Project)メンバーをはじめとする地域の方や学生、当事者や支援者、教職員16名の参加がありました。その中で地域の方が「どう取り組んだらいいのかよくわからないが、相手の目線に立って話をすることが大切」とコミュニケーションの重要性を話されました。また、「認知症を理解して地域でのトラブルをなくしていけるような支援や場所作りが必要」という意見も聞かれました。これらの意見から地域と大学の連携の必要性を確認することができました。 認知症について理解することは難しいことと構えないで、「挨拶する」「気にかける」「受け入れる」ことから始めればいいのではないでしょうか。 看護医療学科 准教授 南部登志江 【関連記事】 認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。 「広陵町・香芝市×畿央大学 介護予防リーダー養成講座」修了式を開催しました。 第2回畿央大学シニアキャンパスを開催しました。
2017.06.27
ホタル&天体観測会を開催!~畿央大学サイエンスコミュニケーションサークル
私たちKSCC(畿央大学サイエンスコミュニケーションサークル)は、6月24日(土)に明日香村で『ホタル&天体観測会』のイベントを行ってきました。この企画は、地元香芝市にある旅行社(株式会社ジャパントラベルステーション)、香芝市商工会・明日香村商工会、畿央大学サイエンスコミュニケーションサークルが協働し、産官学連携の企画として地域貢献を目的として実施されたものです。 当日の天気は残念ながら曇りで少し雨が降っていましたが、悪天候にもかかわらず約80名の方が親子で参加してくださいました。天候の関係で天体観測ができず、科学実験の時間を長くして、ホタルの飛び出す時間を待つことにしました。実験は子ども達が楽しめるように体験的なものを中心に構成し、奥田先生のご指導のもと私たちは実験のお手伝い・誘導などをさせていただきました。 最初は光の三原色用いた光の実験をしました。青・赤・緑の三色の光を1か所に重ねると光が白くなること、またこれらの光に当たった影はイエロー・マゼンタ・シアンの色になること。子どもたちは光の不思議さに驚きが隠せない様子でした。他にも目に見えない光の実験として、赤外線を見るためにカメラを活用した実験や紫外線を見るために紫外線に反応する特殊な石を使った実験も行い、子どもたちだけでなく大人の方々も光の不思議を楽しんでいただけた様子でした。 最後の実験は、メイン企画のホタル観賞につながる「ホタルの発光実験」です。ルシフェラーゼというホタルの発光酵素にルシフェノールとATPの混合液を加えて発光させます。 このルシフェラーゼ(ホタライトという名称で実験キットとして販売されています)は、1987年にキッコーマンが遺伝子のクローニングに成功して大量生産が可能になり、現在、衛生検査にも利用されています。ホタルの出る時間まで、子どもたちはホタライトを用いた「手洗い検査」の科学実験を行いました。 ホタルを見る場所は実験施設からバスで約5分移動した場所にあります。会場を出る時に、混合した液を入れ、ほのかに光るホタルの光のサンプルチューブをお渡しました。ただし、混合液の発行条件として体温ぐらいの温度が必要となります。子どもたちはバスの移動中に小さな手でホタライトを握りしめて実験に備えました。 ホタル観賞の際には小雨が降ってきましたが、十数匹ほどホタルを見ることができました。とても小さな光でしたが、子どもたちは目を凝らして、ホタルの光を見ていました。また少し科学的な目線から、サンプルチューブの光を本物のホタルの光のタイミングに合わせて照らし、仲間のホタルを呼び寄せる実験をしてみました。 帰る時には、「またホタルを見たい」「また来たい」と子どもたちはホタル観賞を楽しんでいる様子でした。大人の方々も「滅多にできない体験だった」とおっしゃっていました。 今回の活動は私たち学生にとっても貴重な経験でした。私たち学生も実験や子どもたちの反応を通して、改めて理科の楽しさを感じることができました。KSCCは子どもたちの好奇心をかきたてるような理科教育を展開していくことを目標としています。また将来私たちが教員になった時にはKSCCの活動を活かして、理科って楽しいなと思ってもらえる授業ができるようにしたいと思います。 KSCC 喜屋武 礼香(教育学部3回生) 【関連記事】 サイエンスコミュニケーションサークルが橿原市「サイエンスフェスティバル」に出展参加! 真美が丘第一小学校でボランティア活動!~畿央大学サイエンスコミュニケーションサークルKSCC 「サイエンスアゴラ2016」でJST賞・フジテレビ賞のW受賞!~畿央大学サイエンスコミュニケーションサークルKSCC
2017.06.26
近鉄連携「香芝SAフードコート メニュー開発プロジェクト」 レシピ検討会を開催!
コンテストに向けた最終調整、レシピ検討会を実施しました! 畿央大学は今年も株式会社近鉄リテーリングと連携して、西名阪道 香芝サービスエリアで提供する「麺メニュー開発」に取り組んでいます。昨年は「丼メニュー開発」に携わり、グランプリ受賞の「大和ポークねばねばアボカ丼」、準グランプリ受賞の「まほろば大和のうるわし豚丼」は香芝SAのフードコートで、特別賞受賞の「1杯で2度美味しい一石二豚丼」、「ヤマトポークのトントン丼」は岸和田SAで人気メニューとして現在も販売されています。 そして、今年は「麺メニュー」をテーマとして、平成29年6月22日(木)健康栄養学科の食品開発に興味のある2回生13組50名(指導教員:中谷 友美先生、小西 佳奈先生)がレシピ検討会に参加致しました。 学生たちは各チームで考案した麺メニューを作りはじめ、17時から近鉄SAの方々に改良点を指摘していただく検討会がスタートしました。近鉄SAから3名、西日本NEXCOから4名が相談員としてご参加いただきました。学生からは開発したメニューの提案や構想している調理方法や味付けなど多くの質問を投げかけ、各相談員の方々から現場視点での意見をいただきました。 例年に比べて「非常に高いレベルの提案が多かった」との講評を相談員の皆様から頂戴しましたが、現状に満足せず、各チームさらにメニューに磨きをあげてコンテストまでに仕上げてくれると期待しております。いよいよ7月8日(土)10時からコンテストが開催されます。審査員をうならせる絶品の麺メニューがいくつ出てくるか、楽しみです!! 【関連リンク】 近鉄連携「香芝SAフードコート 麺メニュー開発プロジェクト」プレゼンテーション会を開催! 近鉄連携「香芝SAフードコート 麺メニュー開発プロジェクト」でサービスエリアを見学! 近鉄連携「香芝SAフードコート 麺メニュー開発プロジェクト」が始動しました。 近鉄連携 西名阪自動車道香芝サービスエリアで畿央生が作った「大和ポークを使った丼メニュー」が発売されます。 近鉄連携 阪和自動車岸和田サービスエリアで畿央生が作った「大和ポークを使った丼メニュー」が発売されます。
2017.06.26
BLS(一次救命処置)ブロバイダーコースを開催!~看護医療学科
はじめまして、看護医療学科の3回生高田咲貴です。私と、同じ看護医療学科の谷田有加・上田恵実香の3名の学生が集まって、学部でNCPR(新生児蘇生法)を開催している藤澤弘枝先生、ヒトの遺伝学を教えてくださっている小児外科の医師である小角卓也先生の5名でタッグを組んで、「大切な人を守る実践活動」をモットーに、その実践活動の一環として、BLSプロバイダーコースを開催したのでご紹介します! BLSプロバイダーコースは、アメリカをはじめ世界各国で開催されている医療専門家・救命のプロフェッショナルのための世界最高水準の一次救命処置(BLS:Basic Life Support)教育訓練プログラムです。 大人の傷病者に対する人工呼吸と胸骨圧迫(心臓マッサージ)、AEDの使い方に加えて、乳児と小児のCPR、気道異物除去など、国際コンセンサスに基づいた一次救命処置(BLS)のほぼすべてを網羅しています。 これだけを聞くと、医療専門職者以外関係ないのでは?と感じますよね。しかし、BLSプロバイダーが受講対象としているHealthcare Provider という言葉は、医療専門職者に限らず人々の健康維持・管理に責任ある立場の職種・立場の人すべてが含まれます。そのため、どなたでも、医師・看護師・救急救命士などと同じ高いレベルの一次救命処置(BLS)技術を習得できます!心疾患は世界の死因第三位です。あなたは、目の前で倒れた大切な人を救えますか?? ※本コースの全課程を修了し、筆記試験・実技試験に合格すると、2年間有効のAHA公式BLSプロバイダー BLS Provider 認定カードが発行されます。世界で通用する医療従事者レベルの心肺蘇生技術認定です。 説明が長くなりましたが、そんなBLSプロバイダーコースを2017年6月25日(日)9時にメンバーが集合し、いざ準備して…講習して、片づけて、また、会議して…記念すべき第1回目を、10時から17時を過ぎても行いました!定員は4人でしたが、あまり広報する時間もなかった中、看護医療学科2回生が定員制限ギリギリの4人も参加してくれました! これからも活動していきたいと思いますので、学部学科問わず、興味のある方は講習会に参加、もしくは、一緒にやって下さるメンバーも募集していますので、ご連絡くださ~い! 看護医療学科3回生 高田咲貴 お昼の食事も水分もみんな自前で用意し、食べるのもそこそこに、一生懸命教えて学んでいた学生さん。 BLSブロバイダーのインストラクターの3回生は、初の大役なのに「楽しかった!」と満面の笑顔でした(赤いユニフォームがお似合いです。)今回の講習会を受講した2回生は、「大変だった」「思った以上に難しかった」と言っていましたが、最後の試験は4名全員が合格しました!!!念願のAHA公認BLSブロバイダーに認定です! 英文の認定カードが届くまで1か月くらいかかりますが待っててくださいね。 看護医療学科 講師 藤澤弘枝 【関連記事】 新生児蘇生法(NCPR)講習会を開催!~看護医療学科 新生児蘇生法(NCPR)の結果発表!~看護医療学科 「NCPR(新生児蘇生法)Aコース」講習会を開催!~助産学専攻科
2017.06.23
日本老年学会にてKAGUYAプロジェクト研究成果を発表!
第30回日本老年学会にて、KAGUYAプロジェクト高齢者ベースライン調査に基づく研究成果を発表しました! 6月14日~16日、名古屋国際会議場にて、第30回日本老年学会が開催されました。この学会は、2年に1度開催され、老年系の7学会(日本老年医学会、日本老年社会科学会、日本基礎老化学会、日本老年歯科学会、日本老年精神医学会、日本ケアマネジメント学会、日本老年看護学会)で構成された合同学会という形式で行われています。 KAGUYAプロジェクトではプロジェクト高齢者ベースライン調査のデータを用いて、この合同学会において第59回日本老年医学会学術集会に2報、第59回日本老年社会科学会大会に1報、第22回日本老年看護学会学術集会に1報、それぞれ発表を行いました(通算6,7,10,11報目)。 KAGUYAプロジェクトに参画する研究者は多職種にわたるため、このような合同学会でなければなかなか一堂に会した発表は難しく、貴重な機会となりました。また、本学会においては、「『治し支える医療』へ向けて、医学と社会の大転換を」を共通テーマにしており、特に多職種連携に関することが多くディスカッションされていました。 本プロジェクトにて発表した演題について、筆頭演者からご紹介いたします。 演題名:地域在住高齢者のソーシャル・キャピタルと抑うつとの関連(口演)(第59回日本老年医学会) 演者:文鐘聲(看護医療学科)、高取克彦(理学療法学科)、山崎尚美(看護医療学科)、松本大輔(理学療法学科)、宮崎誠(教育基盤センター) KAGUYAプロジェクトでは、「ソーシャル・キャピタル」(地域のつながり)を主眼に見ていますが、本発表はその中でも「互酬性の規範」と呼ばれるもの(本研究では具体的に「情けは人の為ならず」に同意するか、実践しているか)が精神的な健康(抑うつ)にどう影響を及ぼすかを解析しました。その結果、抑うつ群は非抑うつ群に比べて年齢が高く、生活習慣病に多くかかっており、社会経済的状況も良くないことが明らかになりました。また、「情けは人の為ならず」に同意することだけでは抑うつに影響せず、実践するほど抑うつを低下させることも明らかになりました。今後も、両者の違いに注目して解析を進めていきたいと思います。 演題名:新興住宅地域と旧村地域におけるソーシャル・キャピタルと健康の地域間格差―KAGUYAプロジェクト高齢者ベースライン調査 (ポスター)(第59回日本老年社会科学会) 演者:文鐘聲(看護医療学科)、山崎尚美(看護医療学科),高取克彦(理学療法学科),松本大輔(理学療法学科),宮崎誠(教育基盤センター),吉田浩子(広陵町地域包括支援センター) 本発表では、旧村地域と新興住宅地域の2つに分け、健康状態等を比較しました。旧村地域の平均年齢が新興住宅地域に比べて2歳ほど高く、高次生活機能が低く、生活習慣病の罹患などが高いことがわかりました。また、ソーシャル・キャピタルの側面においては、近所付き合いの度合いは旧村地域が高く、趣味・サークル活動は新興住宅地域が高いという特徴も明らかになりました。今後、その特徴を踏まえた計画を練る必要があります。KAGUYAプロジェクトでは、いくつかの事業を町内で展開していきますが、その際の資料となることでしょう。 演題名:地域高齢者における自己認識年齢と健康関連指標および日常生活活動能力との関係 (ポスター)(第59回日本老年医学会) 演者:高取克彦、松本大輔(理学療法学科)、宮崎誠(教育基盤センター),山崎尚美,文鐘聲(看護医療学科) 昨年度に学会員となり,今回初めて研究成果発表での学会参加をいたしました。私は「地域高齢者における自己認識年齢と健康関連指標および日常生活活動能力との関係」という演題でのポスター発表でした。一般演題およびセミナーなどにおいては「フレイル」をキーワードとしたものが非常に多く,「特定高齢者」などの表現が使われていた時代からの急速な考え方の変化を実感しました。常連的に参加する理学療法士やリハビリテーション専門職中心の学会と異なり,老年内科医や看護師,保健師,栄養士など多職種が参加される学会は非常に刺激的でした。 KAGUYAのライバルともなる学官連携プロジェクトも多く存在しましたが,住民リーダー育成,認知症カフェの展開などの介入を含む点がKAGUYAの独自性と強みであると実感しました。来年度も引き続き他のプロジェクトに負けない研究成果を発表していきたいと思います。 演題名:高齢住民のエンパワーメント力と認知症の認識との関連性―KAGUYAプロジェクト高齢者ベースライン調査―(ポスター)(第22回日本老年看護学会) 演者:山崎尚美、文鐘聲(看護医療学科)、高取克彦、松本大輔(理学療法学科)、宮崎誠(教育基盤センター)、南部登志江、島岡昌代、寺田美和子、福森貢、松本泉美(看護医療学科)、吉田浩子(広陵町地域包括支援センター) 第22回日本老年看護学会学術集会において、示説発表をいたしました。今回は「高齢住民のエンパワーメント力と認知症の認識との関連性」について発表しました。一般演題としては、「End-of-Life Care」「最後までその人らしく輝いた人生」、認知症関連では「若年性認知症」「当事者とともにつくる」「認知症カフェ」に関する発表や講演が多く、看護職は認知症の人の代弁者になることが強く求められていると思いました。 評価尺度についての意見交換やエンパワーメント力の育成のための基礎データとなることの示唆をいただき、大変有意義な学会となりました。 このように、KAGUYAプロジェクトは多方面からの解析、考察を行っています。地域住民のみなさまが健康で幸せに暮らしていけるよう、これからも研究を続けていきたいと考えています。 看護医療学科 准教授 文 鐘聲 教授 山崎尚美 理学療法学科 准教授 高取克彦 助教 松本大輔
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