カテゴリー

畿央の学びと研究

2018.07.18

「急性期看護学援助論Ⅱ」患者モデルを想定した援助法~看護医療学科

看護医療学科3回生前期配当科目『急性期看護学援助論Ⅱ』では、学生たちが臨地実習に向けて多くの学びを得てきました。これまで、実習先の病院で受け持つ機会が多い疾患を対象に、8つの事例を用いた看護過程の展開を続けてきました。グループワークの時間が多く、授業外の時間も課題と向き合いながらメンバーが協力し合って、看護の方向性を見出しています。6月末から7月にかけては、これまで努力してきた学習内容を発表し、全員で共有する主旨の授業を行っています。 この授業の学習目標は、「術後看護の基本技術が修得できること」と「手術を受けた患者の個別性を考慮した計画立案と実施ができること」で、この日の演習では、学生が術後の患者の状態を創り、その状態に応じた全身清拭を計画するという内容でした。   ▼左乳房切除を受けた患者の術後の状態を想定した患者創り   ▼頭部の手術を受けた患者創りに真剣な表情   授業では、後期から始まる臨地実習を見据えて、受け持ち患者さんをイメージしたうえで、手術を受けた患者さんが順調な回復過程を辿るために必要なケアの手段を考えることを目指しています。4月からグループワークを続けてきたメンバーが力を合わせて、自分たちの患者さんについて紹介していきます。 学生は、患者役と看護師役を演じてシミュレーションをしますが、即席で設けた「ランウェイ」に登場しモデルのように振舞います。全身麻酔で手術を受けた直後の患者さんには、複数の血管から点滴がされ、手術部位にドレーンとよばれる「排液用の管」が挿入されています。また、膀胱内にカテーテルが留置された状態で排尿の管理がなされます。 このように、患者役の学生も実際にドレーンや点滴を入れているかのように、患者モデルを創りあげました。   ▼胃切除術を受けた患者役を演じるグループ   若くて健康な学生たちですが、実際に手術後の患者さんが装着されているものを身につけて看護師の手を借りながら、高さ約45㎝の「ランウェイ」に上がろうとすると、座った姿勢から立ち上がるまでに相当の苦労をしていました。この体験から、手術後の患者さんは痛みがあり、自由に動けない状態であるため、一つの動作をするにも大変な苦痛を伴っていることが理解できたようです。 演習の中では、ドレーンから出てくる排液の色も、実際の手術後に近い色合いになっています。これは、学生がドレーン挿入部位と挿入目的を正しく理解するためにも大切ですが、実習が始まったときに、手術後の患者さんが挿入しているドレーン排液の異常を早期発見するためでもあります。   ▼膝関節の手術を受けた患者に包帯をまく様子   ▼人工膝関節置換術を受けた患者を紹介する様子   膝関節に人工関節を置換した事例では、一般にも広く知られているエコノミークラス症候群(下肢に形成された静脈血栓が肺に移動して肺梗塞を引き起こす症状)を予防する目的で、下腿に包帯を巻きます。学生は、包帯法についてすでに学んでいますが、膝に大きな手術創があり痛みを伴っている状態の患者さんへの包帯巻きは、簡単ではないようでした。   このような状態の患者さんに、全身清拭をするための計画を立て、患者さんに手術後の回復を助ける援助を経験しましたが、痛みを増強させずに体を動かす方法や点滴が入っている腕からどのように病衣を脱がせるのかなど試行錯誤を重ねているようでした。   9月になると「急性期看護学実習」が始まり、手術を受ける患者さんを実際にケアすることになります。手術を受けるということは、身体的な侵襲だけにとどまらず精神的な不安や仕事に支障をきたす、家事ができないなど社会的な問題も発生します。そのような対象を全人的に捉え少しでもお役に立てること、また、手術後の回復過程を促進するための看護について実践の場で学びを深めてくれることを教員一同願っています。   3回生の皆さん、暑さにめげず、実習めざして頑張りましょう!   看護医療学科教員(急性期看護学) 林田麗・大友絵利香・加藤由加・菊谷美代子     【関連記事】 救急看護の基本、心肺蘇生法を学ぶ!~看護医療学科「急性期看護学援助論Ⅱ」 がんから学ぶ「生」と「死」~看護医療学科「終末期ケア論」レポート 第5回BLS(一次救命処置)ブロバイダーコースを開催!~防災救命サークルWiL 救急蘇生法の演習を行いました!~看護医療学科「急性期看護学援助論Ⅱ」

2018.07.17

エコール・マミにて食育展(第3弾)を実施しました!~健康栄養学科

平成30年7月6日(金)に大学に隣接する「エコール・マミ」で来店者を対象とした食育展「あなたも食育にチャレンジ!!」を実施しました。     各自で作成したパワーポイントによるスライドを使用したミニ栄養教室、ライフステージ別の体験コーナー、展示コーナーの3つを行いました。     体験コーナーは6つの班に分かれて、ライフステージ別にテーマを設定しました。このコーナーではクイズやゲームを作成して来場者の方に体験していただき、参加してくださった方には各班のテーマに合わせた手作りの栞やレシピなどの参加賞を配布しました。   ライフステージ テーマ 妊娠・授乳期 「妊娠・授乳期こそバランスの良い食事を」、 乳幼児期 「上手なおやつの摂り方」 学童期 「食べ物の3つのはたらき」 思春期 「朝ごはんを見直そう」 成人期 「減塩で高血圧予防をしよう」 高齢期 「体の源 タンパク質」       会場では幼児を連れたお母さん方や高齢者の方、またこの日はたくさんの小学生や幼稚園児まで幅広い年齢層の方たちが参加してくださいました。対象者の年代に合わせた媒体を作ることで興味を持ってもらったり、楽しんでもらったりできるのかを考えることに苦労しました。 今回の栄養教室を通して、管理栄養士をめざす学生として、実際に教室を開いて来場者の方に指導を行う貴重な経験をすることができました。また、栄養教育の観点から、どのように工夫すれば、良い栄養教育ができるのかを考えるきっかけになる良い機会となり、また今回で終わりではなく、これからの学生生活につなげていくことが大切だと思いました。   健康栄養学科3回生 竹原菜央   【関連記事】 エコール・マミにて食育展(第2弾)を実施しました!~健康栄養学科 エコール・マミにて食育展(第1弾)を実施しました!~健康栄養学科 奈良県中央卸売市場連携「ならいちばのキッチン・第8回料理教室」を開催しました。 畿央祭・ウェルカムキャンパス企画展示「食育にチャレンジ!」を開催!~健康栄養学科 エコール・マミにて栄養教室を開催!~健康栄養学科

2018.07.17

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.59~広陵町「いのちを守るイベント」に参加!

平成30年7月8日(日)、TASK※が広陵町さわやかホールで行われた、「いのちを守るイベント」にボランティアとしてお邪魔させていただきました! 内容は、親子体力測定です。   ※TASKはThink,Action,Support for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を越えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。   測定内容は、握力、足趾握力、片足立ちテスト、立ち幅跳び(子供のみ)、ロコモ度テストとして立ち上がりテストと2ステップテスト(大人のみ)です。   今回は対象年齢を4歳以上とし、小さなお子さんから高齢者の方々まで約300人の方々にお越しいただきました。スタッフの人数に対し、お越しいただいた方が多くすごく大変でしたが、年齢に合わせた言葉遣い、目線の高さなど勉強になることも沢山でした!   ▲片足立ちテストの様子   ▲左:足趾握力の様子 右:お子さん用にマットで高さを調節しています。   ▲立ち幅跳びの様子   子どもたちは測定が終わると、親のところに行ってとても楽しそうに、自分の結果を報告していました。親子参加ならではの盛り上がりが見られました。 子どもたちがとても楽しそうにしてくれたので、うれしかったです!     ▼最後にTASKのTで記念撮影!(^^)/   理学療法学科2回生 若原野乃茄・松本彩果   ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。

2018.07.13

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.58~7月勉強会は「人間工学から考える椅子」!

こんにちは! 健康支援学生チームTASK※の人間環境デザイン学科3回生藤原朋香です。2018年7月10日(火)に「人間工学から考える椅子」テーマでTASK勉強会を開催しました。   ※TASKはThink,Action,Support for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を超えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。   まずはじめに、座りやすく疲れにくい椅子ってどんなのだろう?ということを、みんなで考えて発表してもらいました。   ▼真剣に考えています   椅子に座っているときに人体が受けている負担と、その負担を軽減するためにはどうすればよいか、また椅子のプロトタイプ(食事、作業などの目的に応じた基本形)について紹介し、背もたれの高さや大きさの変化によってどのように作業性や休息性が変化するか、などを学んでもらいました。   最後に、機能性の話だけでは面白くない!ということで、学校のエントランスホールに置かれている有名デザイナーの椅子をいくつか借りて、実際に座ってみました。学んだことから考えたことや、面白い座り心地の感想などが口々に出てきて、和気あいあいとしながら勉強会を終了しました。   ▼見た目のインパクトに最初はびっくり   ▼椅子に座ってTポーズ(*^^)t   人間環境デザイン学科3回生 藤原朋香     ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。

2018.07.13

「第2回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」開催~看護医療学科

平成30年7月9日(月)~11日(木)「第2回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」が開催されました。 韓国の老人病院や介護施設で勤務する看護職および介護に携わる専門職(保健所や市町村の行政関係者や医療関係者、認知症安心センター(日本の地域包括支援センター))が、認知症についての知識向上と援助技術の習得を図る目的で、韓国から37人が畿央大学および施設での研修に来られました。畿央大学では、山崎教授をはじめとする南部准教授、島岡助手、尼崎助手、松原臨床教授、吉井臨床教授、および林田准教授・大友講師、学生4人(山崎ゼミ4回生)が対応しました。     1日目:7月9日(月) 午後から東大阪市にある「地域包括支援センター向日葵」を見学されました。地域包括支援センターで認知症カフェの実際や認知症サポーター養成講座の説明を受けたあと、従来型の特別養護老人ホームを見学され、お点前(抹茶)を堪能されました。   2日目:7月10日(火) 午前中は、老人介護福祉施設 「和里(にこり)」を見学。和里は、10人程度の少人数が生活するユニットケアを行っており、関西をはじめとする施設職員の研修なども多く受け入れています。和里でのユニットケアの実際や看護・介護の実際を見学されました。     午後は畿央大学に移動し、13:00~17:15まで、日本における認知症看護についての最新の知見の習得を図るとともにコミュニケーション技術を学びました。 開催にあたり、畿央大学学長である冬木正彦学長が挨拶され、畿央大学の紹介をされました。 前半は、看護医療学科 山崎尚美教授と島岡昌代助手による「日本における認知症看護の動向と施策について~認知症理解を目指した認知症カフェの取り組み~」というテーマでの講議です。日本の認知症に対する施策及び新オレンジプランにおける「認知症カフェ」にもとづいての取り組みについて、畿央大学老年看護学教員が行っている4つのカフェの取り組みや現状について説明しました。     後半は、認知症高齢者との関りについての講義と演習で、ロールプレイを基にしたディスカッションを行いました。大友講師、林田准教授、南部の3人の教員で、認知症である姑と嫁、警察官役でロールプレイを行いました。最初は悪い関わりをロールプレイし、そのかかわりについて受講者がグループワークを行い、意見を発表しあいました。その後、モデル的なロールプレイをするとともに、その時の気持ちや思いを姑、嫁の立場で振りかえって話をしました。さらに大友先生から認知症の家族を介護する家族の立場からその思いが語られました。これらのことから、当事者、家族それぞれの思いを知ることができ、より良い関わり方を考えることができたようでした。このような内容を認知症サポーター養成講座では講義していて、また認知症カフェの運営について実践しているということを伝えることができました。     最後に、健康科学部学部長の植田正嗣教授が韓国語で挨拶をしてくださり、研修生の方々は感動のあまりに拍手をされていました。       3日目:7月11日(木) 天理市にある『ふれあいの里』の老人保健施設や特養を見学し、午後は若年性認知症のかたの支援を行っている「SPSラボきずなや」を見学されました。     7月の暑い気候の中、施設を回り、農業をされている場所を巡り、講義を受け演習をするなどかなりハードなスケジュールでしたが、皆さん熱心に見学し質問や意見をされていました。     看護医療学科の学生4人の活き活きとした姿勢にも興味・関心をもっていただきました。    看護医療学科 准教授 南部登志江(老年看護学)   【関連記事】 「第1回大韓老人療養病院協会主催研修」が開催されました~看護医療学科 マダム信子氏の講演会&意見交換会を開催!~第1回認知症の人と課題解決のステーションづくり in 畿央大学 認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。

2018.07.13

2018年度「マミポコ親子ひろば」第5回活動報告!

近隣の未就園児の親子を対象に、第2・第4火曜日の午前10:00から畿央大学の和室を親・子・大学生のコミュニケーションの場として提供している「マミポコ親子ひろば」。自由遊び、手遊び、絵本の読み聞かせ、体操遊びなどをして元気いっぱい活動しています。   【第5回:7/10(火)】 ○自由遊び ○絵本『あついあつい』『はみがきあそび』 ○ふれあい遊び『バスに乗って』『ぐるぐるせんたくき』『きゅうりができた』      平成30年度第5回目の活動を報告します。当日は9組の親子が参加してくださいました。5回目で慣れてきた子どもも多いようで、お気に入りのおもちゃで集中して遊ぶ子ども、他のお友達やお母さんと一緒におままごとやプールボールで遊ぶ子どもなど、様々に楽しんでいて、とても賑やかでした。     ふれあい遊びでは、お母さんと一緒に楽しんでくれている子どもの様子が見られ、部屋がたくさんの笑い声でいっぱいでした。おうちでもお母さんとのふれあい遊びを楽しんでもらえたら嬉しいと思いました。    前期の活動は、今回で最後です。 これからもより安全安心に楽しく活動していただけるよう学生一同努力していきたいと思います。また後期にも活動を始めますので、よろしくお願いいたします。   現代教育学科1回生 渋川雅   【関連記事】 2018年度「マミポコ親子ひろば」第3・4回活動報告! 2018年度「マミポコ親子ひろば」第2回の活動報告! 2018年度「マミポコ親子ひろば」初回の活動報告!

2018.07.13

大学院生が海外でポスター発表!~健康科学研究科

平成30年6月30日(土)~7月2日(月)、アイルランドの首都ダブリンで開催された第22回International Society of Electrophysiology and Kinesiologyに林田一輝さん(博士後期課程)と私(水田直道 博士後期課程)が参加・発表してきましたので報告させていただきます。     この学会は運動制御や神経生理学、生体力学、信号解析、リハビリテーションなど運動制御に関連する約600の一般演題があり、どの演題も議論が非常に活発でした。 シンポジウムでは「生体力学研究の問題点と臨床応用」や「運動パフォーマンスと生理学的指標の関連性」などが取り上げられており、基礎研究の取り組みと臨床ならびにスポーツ現場での現象と隔たりを埋めようとする内容が示されておりました。 森岡研究室からは3日目に私が脳卒中後症例の歩行の研究を、林田さんが運動主体感のポスター発表を行いました。私にとって初めての国際学会でしたが、多くの方から質問に来ていただき、2時間の発表時間はあっという間に感じました。頂戴した質問やアドバイスは非常に有益となる情報が多くあり、今後の進展へ向けモチベートされました。   写真;左:水田 右:林田さん   シンポジウムや一般演題は非常にラフな雰囲気の中、議論が多いにもかかわらず時には笑いが起こるなど、良い意味で議論を行いやすい雰囲気のように感じました。マウントの取り合いのような議論ではなく、相互向上を目的とした姿勢には襟が正されました。また自身の研究領域とは異なる発表に対しても興味を持っている印象を受けました。 このような貴重な経験ができたのは森岡教授をはじめとする研究室の仲間の日頃のご指導と、畿央大学の手厚いバックアップがあったからであり、ここに深く感謝致します。     【発表演題】 水田 直道(博士後期課程) Trunk instability with shank muscle co-contraction is masking the potential of walking ability in patients with post stroke hemiplegia   林田 一輝(博士後期課程) Effects of sharing goals with others on sense of agency and perceptual motor learning   畿央大学大学院健康科学研究科博士課程 水田直道   ●畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターHP ●畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターFacebook   【関連記事】 森岡周教授と大学院生が第40回日本疼痛学会で発表!~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 第25回Cognitive Neuroscience Societyで研究発表!~健康科学研究科 長崎大学大学院 運動障害リハビリテーション学研究室と研究交流会を開催!~ニューロリハビリテーション研究センター

2018.07.11

教員による研究授業レポート~看護医療学科「地域看護学概論」

平成30年7月9日(月)に看護医療学科 研究授業として、2回生を対象に松本泉美教授による「高齢者保健と看護活動」についての講義が行われ、教員12名が参加しました。 今回の授業の目標は、「高齢者保健の動向とその対策(地域包括ケアを含む)の概要が理解できる」でした。     まず、高齢化進行で課題となっている2025年問題の具体的な状況と介護する家族へ派生する健康課題、そしてそれらを社会制度として取り組むために開始された介護保険制度の概要と介護認定の動向について説明がなされました。 また、高齢者が「住み慣れた地域でその人らしい生活を継続できる」よう保健、医療、介護の連携による生活支援を充実させるための地域包括ケアシステムの構築の推進についての説明が行われ、そのあとに、認知症高齢者を支援する包括支援センターのドキュメンタリ-(DVD)を視聴しました。 DVDでは、介護保険サービス利用を拒否する認知症の高齢独居女性と認知症の妻の介護を独りでしている老夫婦に対し、他スタッフや関係機関と連携し支援しようとする介護支援専門員の活動を通して、認知症であるがゆえの介入の難しさが描かれていました。     DVD視聴後「認知症高齢者とその家族を支援する看護職として必要な役割について」を考える前提として、個人ワークでこの2事例が「今後生活を維持する上で生じる課題」を考え、グループワークでの統合が行なわれました。     学生個人のワークでは「認知症高齢者が回りの人との関わりを拒絶すると家族との溝が生じ、制度そのものが機能しなくなる」「ますます孤立化し、家族の心身の負担が増加する」が挙げられ、グループワークでも「自ら助けを必要としないため、周りも気づかず地域との関わりが減り孤立化する」「家族の精神的、身体的、経済的負担が増加する」などが挙げられました。 また全体の感想として、「多職種と連携しネットワークを作る必要性が理解できた。認知症高齢者の話に共感し信頼関係づくりを図ることの重要性を感じた。認知症高齢者・家族それぞれの気持ちを傾聴し精神的にサポートすることが大切だと感じた。」「施設ではなく地域で暮らす認知症の方への支援について学んだ。DVDを通じて、認知症の方の理解、看護、ヘルパーなどの制度の利用が重要であることを知った。認知症の方が2025年には5人に1人になるかもしれないこと、介護保険や国、市町村の行政での支援が可能であるかが課題となっていることを学んだ。」との記載もされていました。 2事例のDVDを真剣に観る学生の様子と短時間のグループワークで考えた発表内容から、講義内容と視聴覚教材で得られた内容とが結びつき、学生の看護職としての内面の学びが得られたことを感じました。     今後、学生が地域の認知症高齢者とその家族に、病院看護師、訪問看護師、地域包括支援センターの看護師、保健師として、技術の向上を図りながら責任を持ち、保健福祉に貢献できる専門職として成長できるよう共に学びを深めていきたいと考えます。 平成30年7月12日(木)13時~14時には、教員間での授業研究が行われます。                             看護医療学科助教  丸山睦   【関連記事】 川上村民生児童委員会の方を対象とした「認知症を正しく理解する講習会」を開催!~看護医療学科 互助をテーマにした「川上村シンポジウム」を開催!~看護医療学科 「第1回大韓老人療養病院協会主催研修」が開催されました~看護医療学科 看護医療学科教員が、川上村の地域包括ケアシステム構築に向けての研修会企画・講師を担当!

2018.07.11

エコール・マミにて食育展(第2弾)を実施しました!~健康栄養学科

平成30年7月2日(月)に大学に隣接する「エコール・マミ」で来店者を対象とした食育展(第2弾)を行いました。テーマは「あなたも食育にチャレンジ!!」です。   体験コーナーでは、班ごとに作成した媒体を使って参加者の方に栄養についてのクイズなどの体験をしながら学んでいただきました。準備の段階では、何を一番伝えたいのか、どのような体験をして学んでほしいかということを考え、わかりやすく、興味を持っていただけるような媒体を作るのがとても難しかったです。クイズのほかにも、実際にBMIを計測するなど参加者の方に楽しんでいただけるような工夫をしました。   ▲媒体作成の様子   ミニ栄養教室では、各自で作成したパワーポンイトによるスライドをもとに5分間で行いました。限られた時間の中で、それぞれのライフステージの特徴をおさえ、日常生活で活用していただけるような内容を取り上げました。   展示コーナーでは、各自でテーマを設定し、作成したものを展示するとともに、優秀作品を3つ選んでいただく人気投票も行いました。様々な種類の展示作品があり、来てくださった参加者の方は、自分の気になる作品の前で足を止めて興味深く見てくださいました。 実際に学外の方を対象として栄養教育をするのは初めてだったので、とても緊張しました。また、上手く伝えられるかといった不安もありましたが、参加していただけて嬉しかったです。参加者の方々に色々なご意見をいただきとても勉強になりました。また、参加者の方の表情や反応を直接見ることができ、普段一般の方々とかかわる機会が少ない学生にとって貴重な経験となりました。この機会で学んだことをこれからに生かしていきたいと思います。     お忙しい中、参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。   健康栄養学科3回生 西田瑠奈・新田裕樹・牧田和佳奈   【関連記事】 エコール・マミにて食育展(第1弾)を実施しました!~健康栄養学科 奈良県中央卸売市場連携「ならいちばのキッチン・第8回料理教室」を開催しました。 畿央祭・ウェルカムキャンパス企画展示「食育にチャレンジ!」を開催!~健康栄養学科 エコール・マミにて栄養教室を開催!~健康栄養学科

2018.07.11

広陵町の町並み見学会を行いました!~人間環境デザイン学科「建築学概論」Part2

平成30年6月5日(火)と12日(火)に『建築学概論』授業内で、人間環境デザイン学科1回生と「広陵町大垣内」「馬見南」の街並み見学に行きました。 この見学会では、「建築とまち」「領域性」「家の周りの環境」に関心を持ち、旧集落と新しい住宅地の空間構成を認識・比較することを目的としており、屋外空間のスケッチや観察記録を行いました。 先日、これらのスケッチや観察記録などを授業内で発表してもらいました。今回は、その一部を紹介します。   ① 外構の移り変わり 大垣内の方は、目線の高さまでブロック塀や石垣が積まれており、外からの目線が遮られ、プライベートな空間が敷地内に確保されています。馬見南の方は、塀にスリットが入っており、植木で視線を遮るような外構になっているものが多く、それぞれの家の個性・デザイン性に富んだ住宅が多くありました。 遮蔽的な空間よりもデザインを重要視するようになり、外構に求められるものが変わってきた事がわかりました。     ② 窓に注目 大垣内の方は、窓から厳格なイメージが伝わってきて、道路に向かって開かれる窓はあまり見られませんでした。一方、馬見南の住宅には、道路に向かって小窓がいくつもあり、明るく開放的なイメージが伝わってきました。     ③ 前道路の様子 大垣内の方は、車が1台通れるくらいの狭い道路で、前方を見通せないクネクネとした道路になっていました。マンホールの数が多く、道脇に置かれている「邪魔石」が特徴的でした。昔は車を利用していなかった為、このような道路になったことがわかりました。馬見南の方は、道幅が広く直線道路でした。敷地内に必ず駐車場があり、植物の種類が多く、色が豊かでした。車道路の他に、歩行者専用の小道も設けられていました。     ④ 敷地の使われ方について 大垣内の方は、1つの敷地に何棟もの建物(蔵・母屋・離れ)が建てられており、 馬見南の方は、敷地内には1棟の住宅しか建てられていないことに気が付きました。     ⑤ 「窓」の外見・役割 大垣内の方には、「面格子」がついています。これは、防犯のために使われ、比較的小さな窓に設置されています。壁には、腐らないように焼かれた杉板が貼ってありました。デザイン性よりも機能性を重視していることがわかりました。 馬見南の方はいろいろな形の窓があり、それぞれの家のデザインに合った窓が設置されていました。     ⑥  塀やフェンスの高さに着目 大垣内の方は、ブロック塀が積まれ、松の木など密度の高い植物が植えられています。外から覗かれることはなく、塀の内側を敷地内(住民)から観賞するような意匠です。 馬見南の方は、木製の格子が設置され、密度の低い植物が植えられています。周囲の住民も植物などを観賞することができ、共有して楽しむことができる意匠になっています。 また、防犯システムの向上により、塀を重要視する必要もなく、デザイン性に重点をおけるようになったのだと考えました。     ⑦ 表札の違い 小さな表札にも時代の変化が見られます。 表記、位置、素材、形、字体などを比べてみました。     以上7点です。 すべての作品をお見せすることができず残念ですが、全員がそれぞれ違った視点でしっかりと記録することができました。後期からは、『建築まちづくり演習』が始まり、奈良県内の古い集落を見学に行きます。 どんな発見をすることができるのか、今からとても楽しみです。   人間環境デザイン学科助手 中井千織   【広陵町×人間環境デザイン学科 関連記事】 広陵町の町並み見学会を行いました!~人間環境デザイン学科「建築学概論」 広陵北小学校と連携してまちづくり調査!vol.1~人間環境デザイン学科清水ゼミ 竹取公園ツリーハウスが完成!~人間環境デザイン学科プロジェクトゼミ 広陵町にまちづくり提案!~人間環境デザイン学科「ランドスケープ演習」