2024.06.11 

【プロジェクトゼミって何するの?③】建物の歴史的価値を活かして保存再生へ~人間環境デザイン学科 前川ゼミ

人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて様々な課題に取り組みます。それぞれの課題は、建築、インテリア、アパレルデザインのコースに準じた学びであることはもちろん、地域連携、歴史的建造物の保存再生、SDGs等多岐にわたる課題解決にも取り組みます。

このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。

前川 歩先生のゼミにはインテリアデザインコースの学生が多く在籍し、現在、以下の3つの建築物について、その歴史的価値を見出しながら保存再生デザインする方法を模索しています。

 

1.河合町 旧豆山荘

大正時代に建てられた建物を地域の方が利用できるコミュニティスペースとして活用できるよう、河合町へプレゼンを準備中。地域の方とともに、DIYでリノベーションしつつ、建物の歴史的価値を活かす提案を検討しています。産官学連携の取り組みです。

▶旧豆山荘に関する以前の記事はこちら

 

2.田原本町 聖公会田原本聖救主教会

建物の調査を終え、再生活用方法を検討中です。

 

3.生駒市 近代建築

生駒市の所在する複数の近代建築の実測調査、資料調査を進めています。

 

本日のゼミは1と2のプロジェクトについて5人ずつのグループにわかれ、準備を進めていました。各プロジェクトの様子を少しご紹介します。

河合町 旧豆山荘グループ

河合町にプレゼンをするための準備を進めていました。5人はさらに「中庭の提案・住民とともに実施するワークショップ・内装インテリアを検討するグループ①」と「資料館となる離れの提案を進めるグループ②」に、3人と2人ずつにわかれて、話し合いながら細かな部分の作業を進めていきます。

 

グループ①の会話をご紹介します!

 

学生A:この机の枠、15mmくらいで大丈夫?

 

学生B:ちょっと薄すぎない?強度的にもう少しあったほうがいいかも…

 

学生A:25mmくらいかな?(図面の修正を加える)

 

という具合に、実際に使用することを想像しながら作業を進めています。3Dモデルの作成には「スケッチアップ」というアプリを使用し、慣れた手つきで修正をしていました。

 

グループ②に職員からも質問をしてみました!

 

職員:このプレゼン用のパワーポイントはとても分かりやすくてよくできていますが、作成方法はどのようにして学びましたか?

 

学生C:旧豆山荘のプロジェクトは去年から実施していて、この資料は昨年の3回生と作成しました。私たちはこのプロジェクトを先輩から引き継いで進めています。この資料すごくよくできていますよね。この資料をもとにさらに河合町との打ち合わせで指摘された事項を反映し、プレゼン内容を修正していっています。

 

先輩からも多くのことを学んでいるようです。7月の提案に向けて少しずつ準備が進んでいます。

田原本町 聖公会田原本聖救主教会グループ

1つのグループで外構やインテリア等の役割分担をして教会のリノベーション案を作成していました。

 

先生と学生の会話をご紹介します!

 

前川先生:外構に設置予定のタイニーハウスの試作模型を見せてください。

 

学生:教会の小屋組みを参考に、この登り梁と斜材をつなげてこのような架構を考えました。

 

前川先生:んー、ココが安定しないね。どうしたらいいだろう。

 

学生:そうですね。安定するようにこれを入れたのですが…。

 

前川先生:なるほど。それなら、こうしたほうが安定するんじゃないかな。

 

 

 

このように、学生の考えを聞きながら「なぜこうしたのか」「どうしたらいいと思う?」と問いかけながら学生と先生が一緒に課題を解決していました。

 

また、別のタイミングでは…

 

前川先生:これを組み立てる時、どうやって建てるつもりなの?

 

学生:このように先にフレームを組み立ててから建てれば2人くらいで建てられるかと思っています。

 

前川先生:組み立てるとグラグラで安定していないから建てられるかなぁ。

 

と、現場で組み立てることも想定した確認もしていました。模型では軽々と動かすことができますが、現場の資材ではそうはいかないため、模型と現場の違いについて学生に指導していました。

 

 

▼完成した模型

 

他にも、図面を確認し、使い勝手や現場の施工を想定した素材の確認や維持管理方法について確認し、「なぜ現状(朽ちている、砂利をしいているなど)のようになったのか」という背景や歴史を理解し、どうすればいいかを考えるようにしていました。

 

地域のことを考え、実践に即して学べるのが、プロジェクトゼミの魅力ですね!

 

 

プロゼミ紹介プロジェクト

 

 

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