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健康科学研究科
2023.04.12
福本ゼミ同門会を開催!~理学療法学科・健康科学研究科
2023年3月25日に福本ゼミで同門会を行いました。コロナの影響もありなかなか対面での開催ができていませんでしたが、今回は対面とzoomのハイブリット形式で行うことができました。1期生から今年卒業したばかりの17期生まで、総勢18名の会となりました。 大学院に進学され自律神経についての研究に奮闘されている方、地域の方々と障害児を支える活動をされている方、糖尿病の健康イベントを企画・運営をされている方、自身で訪問の会社を経営をされている方などなど、、、福本ゼミは普通の人がいないのか!?というぐらい色々な場所で活動している人が多く、普段聞けない話をたくさん聞くことができました。当日参加できなかった方の中には、事前に動画を撮影し現在の活動について報告してくださったり、皆さん様々な形でご参加いただきました。同門のゼミだからこそ話せる、その時の苦労話や奮闘記など、久しぶりの対面での開催で、予定時間を大幅にオーバーするほど話が弾み、大変濃密な時間となりました。 私も久しぶりの現地での参加で、たいへん楽しい時間を過ごすことができました。また、たくさんの刺激を受け、これからも頑張っていこうと思いました。まずはベンチプレス130キロをめざして頑張ります! 来年も参加しますので、今年来ることができなかった人もぜひ一緒に参加してたくさんお話ししましょう。 皆さまの参加を心からお待ちしています。 理学療法学科11期生(2016年度卒業生) 小原 蓮
2023.04.09
大学院修了生のColumbia University留学に向けた壮行会を開催!~森岡研究室
2018年度に健康科学研究科博士後期課程(森岡研究室)を修了した片山 脩さん(現:国立長寿医療研究センター)が、6月より米国のColombia Universityに留学するため、森岡教授をはじめ、今回は片山さんが大学院に在籍していた間の旧知の仲である大学院修了生などが集まり壮行会を開催しました。 壮行会では片山さんから留学に至る経緯、留学先で行う予定の研究紹介、留学後の展望についてプレゼンがあり、様々な意見交換や激励が行われました。 また、このような同門の仲間が集まる機会は久しぶりであり、それぞれの近況報告や思い出話にも花が咲きました。参加者は臨床現場で活躍する者だけではなく、大学や研究所を活躍の場とする者も多く、森岡研究室の歴史と同門の仲間とのつながりを強く実感する時間となりました。 片山さんの留学が実り多いものとなることを心より祈念しております。 森岡研究室 博士後期課程 2017年度修了生 名古屋学院大学リハビリテーション学部 講師 石垣智也 大阪河崎リハビリテーション大学 講師 今井亮太 【関連記事】片山さんのプレスリリース(2018年) 感覚運動の時間的不一致による身体性変容の神経メカニズムが明らかに~ニューロリハビリテーション研究センター
2023.03.31
「令和4年度地域リハビリテーション活動支援事業」成果報告とミーティングを開催!!〜地域リハビリテーション研究室+TASK卒業生チーム
地域リハビリテーション研究室では、生駒市内にて「いきいき百歳体操」を実施している「住民主体の通いの場」支援のために、昨年度から健康支援学生チーム「TASK(Think, Action, Support for Health by Kio University)」を中心とした卒業生チームで地域を巡回しています。目的は体操のポイント解説と歩行観察などの評価を行い、通いの場に参加している地域高齢者の方々へ社会参加の継続性を高めること、また理学療法士の評価によるフレイル者や転倒リスクの高い方々をチェックし、適切な支援に結びつけることです。地域巡回をしている生駒市は奈良県の中でも介護予防の先進地として有名ですが、リハビリテーション専門職の積極的活用についても有名です。 昨年秋からチーム畿央(高取ゼミ+松本ゼミ卒業生+TASKのOB/OG)で巡回を行っており、約100箇所で活動されている通いの場のうち、30箇所の通いの場に出向き、約300名の方々の評価を実施させていただきました。 今回、3月22日に令和5年度の事業打ち合わせのため大学に集まりミーティングを実施しました。 ▼ミーティングに参加した卒業生とともに 今回も20名以上の卒業生が参加予定であり、古くは畿央3期生からの卒業生も含む幅広いチームとなりました。ミーティングでは令和5年度に巡回予定である通いの場70箇所についての支援内容確認と、事業成果の共有を行い、今回はこれまでの経験や今後の課題などのグループワークも取り入れてみました。卒業年度が様々なメンバーのグループワークでは皆さんの成長度を実感でき充実した時間となりました。 ▼グループワークの様子(授業をしていた頃を思い出します) 地域リハビリテーション活動支援事業はほとんどの自治体で実施されていますが、理学療法士の専門性を活かした取り組みと成果については報告が少ない現状です。私たちは理学療法士の持つアセスメント力を活かした通いの場支援に焦点を置き、市や地域包括支援センターがまだ把握できていないフレイル者や転倒リスクの高い方をチェックするようにしてきました。その結果、私たちがハイリスクと評価した方のうち半数以上がまだ把握されていない「隠れハイリスク者」であることが分かりました。 高取ゼミ、松本ゼミの卒業生達は在学中の卒業研究で、またTASKの卒業生達は活動を通じて地域に関わった経験を持つ方が多く、その経験が地域支援事業に活きていると実感しました。普段の職場は大阪で地域との関わりも少ない方も多くいますが、事業を通じて病院を退院した患者さんが生活する地域において、「住民主体の通いの場」が重要な役割を果たすことの認識が深まったのではと思います。チーム畿央での事業参加は結束力の高さと柔軟性を兼ね備えていることが最大の強みだと考えています。興味のある方は是非、高取まで連絡頂ければ大歓迎いたします。 今年も秋に再度下半期ミーティングを実施予定ですが、その時には同時に交流会も実現できれば・・と密かに考えています。コロナの影響により増加したフレイルの方々の介護予防や、間近に迫った2025年問題に対応できる専門性を磨くため、卒業生の皆さんと一緒に地域に出たいと考えています。 理学療法学科 教授 地域リハビリテーション研究室 高取 克彦 【関連リンク】 地域リハビリテーション研究室 理学療法学科 大学院 健康科学研究科 【関連記事】 生駒市の地域リハビリテーション活動支援事業に向けて卒業生が集結!~地域リハビリテーション研究室with TASK 修了生が学術大会長賞に!第9回日本予防理学療法学会学術大会・第9回地域理学療法学術大会参加レポート~健康科学研究科 令和4年度 広陵町・香芝市・畿央大学 介護予防リーダー養成講座を開催しました~理学療法学科 第64回日本老年医学会学術集会で教員が発表!~健康科学研究科 香芝市市政施行30周年記念事業の一環として本学教員監修の「フレイル予防体操」がリリースされました〜理学療法学科 第8回日本予防理学療法学会学術大会で大学院生と客員研究員が発表!~健康科学研究科 TASK(健康支援学生チーム)活動レポート 第5回「次世代リーダー育成セミナー」を開催!~理学療法学科 第4回「次世代リーダー育成セミナー」を開催!~理学療法学科 第3回「次世代リーダー育成セミナー」を開催!~理学療法学科 第2回「次世代リーダー育成セミナー」を開催!~理学療法学科 第1回「次世代リーダー育成セミナー」を開催!~理学療法学科
2023.03.05
森岡 周教授のコメント論文が「Physics of Life Reviews誌」に掲載されました~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター
この度、Physics of Life Reviews誌に掲載されたレビュー論文 “Doricchi F, Lasaponara S, Pazzaglia M, Silvetti M. Left and right temporal-parietal junctions (TPJs) as "match/mismatch" hedonic machines: A unifying account of TPJ function. Phys Life Rev. 2022 Sep;42:56-92. https://doi.org/10.1016/j.plrev.2022.07.001”に対する森岡周教授(本学理学療法学科・健康科学研究科教授、ニューロリハビリテーション研究センター長)のコメント論文が掲載されました。 Doricchiらのこのレビュー論文は、側頭-頭頂接合部(以下、TPJ)の役割に焦点を当て、既存のエビデンスに基いて、左TPJが予測と現実の一致/不一致のコード化を、右TPJが不一致のコード化を担っていると提案しています。 この提案に対して、神経科学界を代表するリーダーたちがコメント論文を出しています。 上肢運動制御や失行症に関わる前頭-頭頂ネットワークの研究で著名なFerdinand Binkofski博士(https://doi.org/10.1016/j.plrev.2022.11.004) 注意および半側空間無視研究の偉大な先導者であるPaolo Bartolomeo博士(https://doi.org/10.1016/j.plrev.2022.12.004) 痛み、触覚、身体表象、身体意識などに関するユニークな実験手法により様々な新しい発見を見出し続けているMatthew R. Longo博士(https://doi.org/10.1016/j.plrev.2022.12.009) ヨーロッパ神経心理学会連合の元会長で、現在は失語症や認知症に関する研究に注力している神経科医であり認知神経科学者のStefano F. Cappa博士(https://doi.org/10.1016/j.plrev.2022.11.013) 多感覚ニューロンが身体近位空間をエンコードする方法と運動皮質が複雑な運動レパートリーをマッピングする方法に関する先駆的な電気生理学研究を行い、近年では意識の脳内基盤に関する研究で神経科学に貢献し続けているMichael S.A. Graziano博士(https://doi.org/10.1016/j.plrev.2022.12.023) 言わずと知れた行動と知覚・能動的推論の「自由エネルギー原理」を提唱し、Statistical Parametric Mapping(SPM)、Voxel-Based Morphometry(VBM)、Dynamic Causal Modelling(DCM)を発明した理論神経科学と脳イメージング研究の権威Karl Friston博士(https://doi.org/10.1016/j.plrev.2023.01.004) 半側空間無視の治療的トレーニングとして現時点で最もエビデンスレベルの高いプリズム順応の開発者として著名なYves Rossetti博士(https://doi.org/10.1016/j.plrev.2023.01.003) NatureやScienceを含む数多くの原著論文を公表してきており、脳構造、脳機能イメージング、脳卒中、パーキンソン病、神経変性疾患、認知神経科学、そして非侵襲的脳刺激や薬剤治療を含む新たな神経学的治療法の開発と幅広い研究領域を有しているGereon R. Fink博士(https://doi.org/10.1016/j.plrev.2023.01.016) 錚々たる研究者にならんで、本学の森岡 周教授(https://doi.org/10.1016/j.plrev.2023.02.001)のコメント論文も掲載されています。 TPJは運動制御における単純な予測と結果の一致/不一致のみならず、注意や言語、模倣や道具使用、情動や感情、ワーキングメモリ、デフォルトモードやサリエンシーネットワーク、心の理論などの社会的認知、自己意識、そして半側空間無視や身体・病態失認、あるいは失行といった高次脳機能障害にも関わる重要なノードとして認識されており、森岡教授もこれらに関する自らの数多くの研究成果と考えに基づいてコメント論文を書かれています。 神経科学領域に関心がある方々にとっては著者名を見るだけでワクワクするビッグネームばかりですが、全て短いコメント論文ですので、超一流の研究者らの考察を一度読んでみられてはいかがでしょうか?? 健康科学研究科・ニューロリハビリテーション研究センター 准教授 信迫 悟志 【関連記事】 ニューロリハビリテーション研究センター関連記事 ニューロリハビリテーション研究センターHP
2023.03.04
多くの理学療法士が購読する「理学療法ジャーナル」の特集を本学教員が企画!~理学療法学科・健康科学研究科
健康科学部理学療法学科、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの森岡 周教授が理学療法ジャーナルVol.57 No.3 2023年3月号(医学書院)において特集「システムとしての姿勢制御 メカニズムの解明から臨床応用まで」を企画・編集しました。本雑誌は、理学療法士ならば誰もが必ず読んだことのある雑誌になります。 本特集は畿央大学関係者も執筆しており、今回、本特集の執筆に関わった、卒業生である植田 耕造さん(本学理学療法学科3期生、博士後期課程修了、JCHO滋賀病院 リハビリテーション部主任、本学大学院客員准教授)に、本特集ならびに畿央大学の特徴を聞きました。 植田 耕造さん コメント 私は本特集の中の「注意操作を用いた姿勢制御アプローチ」を執筆しました。 私は畿央大学大学院在籍中に「姿勢制御への注意機能の影響を調べた研究」を行っております。 この研究では、立位中の姿勢動揺に注意を向け随意的に動揺を制御する時(随意的制御)と、立位中に計算などの認知課題を行い姿勢動揺から注意を逸らした時(自動的制御)では、動揺の振幅は同程度だが、随意的制御の方が動揺速度が速く揺れの質が異なることを示しました。 本特集では、先の研究のような注意の操作により姿勢動揺が増減することや、高い所に立つことで起こる恐怖心により自分の身体に注意が向いてしまい意識的に姿勢制御を行ってしまうことなどを説明しました。また、立位中に計算など認知課題を行う、いわゆる二重課題法を用いたアプローチの効果などを解説しました。 私が注意機能へ興味を持ったのは、実は畿央大学在学時の卒業研究の時になります。その時は、障害物跨ぎ動作の時に携帯電話の操作を行うことの影響を研究しました。畿央大学の特徴の1つとして、卒業後に大学院への進学や研究を行う方が多いことが挙げられますが、これは各分野の第一線で活躍されている教員の先生から卒業研究を通して研究の重要性や面白みを伝えていただけることが大きく影響していると思います。 また、本特集には本学4期生の石垣智也さん(名古屋学院大学講師)も「接触操作を用いた姿勢制御アプローチ」を執筆しています。 石垣さんとは、大学、大学院と切磋琢磨した間柄です。特に大学院では同じ姿勢制御グループとして多くの時間を共にしました。卒業してからも世代関係なく先輩後輩の仲が良く、活躍してる人が多いのも畿央大学の特徴です。 本特集の著者の多くは、畿央大学のニューロリハビリテーション研究センター主催研究会「リハビリテーションのための姿勢運動制御研究(第1回、第2回)」で講師をしていただいています。それを発端に日本前庭理学療法研究会(塩崎智之 理事長/耳鼻咽喉・頭頸部外科教室 助教、理学療法士、本学大学院修士課程修了)も発足しました。こうした背景からも、姿勢制御研究において畿央大学が重要な位置を担っていることが伺えますし、学部教育や研究を行うだけでなく臨床家と研究者の架け橋という役割も畿央大学の特徴だと思います。 関連リンク 固定物とヒトへの軽い接触による立位姿勢制御の特徴 軽く触れることで得られる立位姿勢の安定化に直接影響を与える大脳皮質領域 軽く触れることで得られる立位姿勢の安定化に関係する脳活動
2023.02.28
養成校の4割が使用!本学教員が編集する「標準理学療法学 神経理学療法学」第3版が発行されました!
健康科学部理学療法学科、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの森岡 周教授が編集した「標準理学療法学 神経理学療法学第3版」が医学書院から出版されました。本書(第2版)は、養成校の教科書シェアが実に4割と、多くの大学・専門学校で使用され、広く認知されています。この度、第3版として大幅に内容が改訂されました。 本書は畿央大学関係者が多く執筆していますが、今回、本書の執筆に加わった、卒業生である中村潤二さん(本学1期生、西大和リハビリテーション病院主任、本学大学院客員准教授)、石垣智也さん(本学4期生、名古屋学院大学講師)に、本書ならびに畿央大学の特徴を聞きました。 中村 潤二さんコメント 私は第3版で新たに追加された章「病期別の脳卒中理学療法 回復期」を執筆しました。 回復期の脳卒中患者に対する理学療法の考え方を整理し、理学療法の中核的な役割の一つである運動障害や歩行障害に対する運動療法、物理療法、装具療法などを、エビデンスに基づいて記載しました。また回復期の理学療法士には、退院後の生活環境の調整など多くの役割が求められますので、これらに携わる者や、これから携わっていく者が知っておくべきスタンダードな情報を記しました。 畿央大学は、教員の方はもちろんですが、卒業生の様々な分野での活躍を見聞きすることができます。神経理学療法学の方向性を指し示す教科書である、この神経理学療法学 第3版の執筆にも畿央大学の関係者が多く関わっています。このような活躍の背景には、畿央大学が教育や研究の基盤が整備されていることや、各分野を牽引する教員の方から学ぶことができ、研鑽を積むことができる充実した環境があるからだと考えています。私自身、そのような環境で学生時代を過ごせたことが、今の礎となっていますし、誇りに思っています。 石垣 智也さんコメント 私は新たに追加された章「病期別の脳卒中理学療法 生活期」を執筆しました。 生活期にみられやすい脳卒中後遺症者の諸問題に触れ、直接的な理学療法とは別に、セルフマネジメントという間接的な関わりの重要性をエビデンスをもとに解説しました。また、この中で近年注目されている身体活動の有効性や社会参加の重要性も取り上げ、それらを支援する理学療法士の役割も紹介しています。 畿央大学は、学生と教員、職員の距離が近いのが特徴で、卒業して10年以上が経った今でも様々な場面で「畿央のつながり」を感じられます。また、臨床的なことはもちろん、近年、益々重要視されているEBM(根拠に基づく医療)や、その基盤となる科学的態度の形成まで教育を受けられることは大きな強みです。 執筆に関わった本学関係者 松尾 篤(本学理学療法学科 教授、健康科学研究科 教授) 森岡 周(本学理学療法学科 教授、健康科学研究科 教授・研究科主任) 岡田 洋平(本学理学療法学科 准教授、健康科学研究科 准教授) 大住 倫弘(本学健康科学研究科 准教授) 信迫 悟志(本学健康科学研究科 准教授) 生野 公貴(本学客員准教授、西大和リハビリテーション病院技師長) 佐藤 剛介(本学客員准教授、奈良県総合医療センター主査) 中村 潤二(本学客員准教授、西大和リハビリテーション病院主任) 石垣 智也(本学客員研究員、名古屋学院大学講師) 野添 匡史(本学客員研究員、甲南女子大学准教授) 高村 優作(博士後期課程修了者、国立障害者リハビリテーションセンター研究所研究員) 脇田 正徳(修士課程修了者、関西医科大学助教) 関連リンク 教育学部教員による書評~森岡周教授著「コミュニケーションを学ぶーひとと共生の生物学ー」 書評「リハビリテーションのための脳・神経科学入門 改定第2版」 書評:森岡周教授執筆「発達を学ぶ―人間発達学レクチャー―」 理学療法学の教科書シリーズ「標準理学療法学 神経理学療法学」 発刊!! 書評『リハビリテーションのための神経生物学入門』
2023.02.27
次世代教育センター主催 「ひとの生活を支える近未来テクノロジー」を開催!
21世紀に入って20年以上が経ち、携帯電話やお掃除ロボット、無人自動車など人工知能(AI)を搭載したロボットが活躍する流れは加速しています。そこで、次世代教育センター※では、これからの社会を担う皆さんに「ひととAIの関係」に関する教養を身に付けてもらうことを目的として、昨年度に引き続き、冬休みにオンデマンド型の講座を実施しました。学科、学年をこえて18名の学生が参加しました。 次世代教育センターは2021年4月、次世代社会のニーズに応えられる幅広い教養を身につけた人材の育成を目的として開設されました。毎年度、様々なテーマを取り上げた講座を実施しています。 今年度は、ひとの生活を支えるために現在普及しつつあるAIテクノロジーを紹介した上で、今後開発され、普及するであろうAIテクノロジーについて説明しました。また、新型コロナ感染対策のため、担当教員が全1回の講義動画を配信し、学生の皆さんから、質問や意見、感想を送ってもらいました。そして、全ての質問と意見への回答や皆さんの感想を記したファイルを作成し、参加者全員で共有しました。 第1章「医療系のテクノロジー」 生体情報を最新のセンサーにより数値化し、そのデータを最新のAIが分析した結果を用いた医療行為を説明しました。たとえば、脳波のAI分析結果を用いて動作補助装置を制御して四肢のマヒを克服するリハビリテーションを紹介しました。また、ひとが動いている動画を分析して身体の各部分の位置とその変化を数値化するAIについても紹介し、携帯とPC用のAIアプリを皆さんに体験してもらいました。そして、AIによる動作分析が心理的要素も考慮したリハビリテーション(ゲーミニフィケーション)につながる可能性も説明しました。 ▼動作分析のAIアプリについての説明スライド 学生の皆さんからは、「技術の進化で病気を素早く発見したり、リハビリにも役立ったり、考えた人たちはすごいなと思いました」「AIと私達の生活は大きく関係していることが分かった」という意見を貰いました。また、「AIに頼ることの健康への影響は?」や「医療で現在使われている遠隔系のものをうまく活用する方法は?」という質問ももらいました。このような意見や質問は非常に興味深く、コミュニケーション上での問題点をいくつか挙げて回答をさせてもらいました。ただ、VTuber などのように実態のないキャラが遠隔医療をする可能性もあり得るのではないかと、こちらも考えさせられました。 第2章「医療系以外のテクノロジー」 労働・移動・教育・文化と娯楽という4分野におけるAI搭載ロボットの活躍について説明しました。労働分野では農業や運送などに役立つ人体装着型のロボットスーツなどを紹介しました。また、移動分野では歩行困難な人の下半身の代わりとなる屋内外兼用4輪ロボットなどを紹介しました。さらに、教育分野では初等教育におけるプログラミング教育を、そして、文化と娯楽分野では、異文化交流に便利な70カ国以上の言葉をその場で翻訳してくれるポケットサイズのAI翻訳機を紹介しました。 ▼人体装着型の運送用ロボットスーツを説明したスライド 学生の皆さんからは「ハリウッド映画に出てくるようなアイアンマンスーツの開発は可能ですか」や「ナノテクノロジーはどこまで進んでいますか」という質問が出ました。これらの質問に対しては、映画のような超人的な力をひとにあたえるスーツの開発は可能であると説明しました。そして、ひとのように傷が自然に治る金属なども開発されているため、そのような物質で作られたAIロボットが登場すれば、人間が電波などで遠隔操作しない限り、AIロボットがひとから独立して社会を混乱させる可能性についても説明しました。 第3章「近未来テクノロジー」 現在開発中あるいは普及し始めているAI搭載ロボットなどを紹介しました。過去の多くの患者さんのデータを分析するAIが登場して、生活習慣病のような気が付いたらかかっている病気でも、問診票や動画をAIに送るだけで予防のアドバイスをしてくれるようになるでしょう。また、正常な手と同じ機能を持つ義肢が登場したり、生体内マイクロチップが今後日本でも普及するだろうことや、ネット上の安価あるいは無料の高等教育コンテンツが日本でも普及して、教育の機会が拡大する未来図も説明しました。 ▼生活習慣病の予防にAIが活躍する未来を示したスライド 学生の皆さんからは、生体マイクロチップなどの便利さへの感動を伝えてもらった一方で、AIとの共存に関する質問や意見ももらいました。「AIがひとの仕事を奪ってしまいませんか?」や「AIと共存するにはどうすれば良いのですか?」という質問です。これらの質問に対しては、AIが人間の代わりに仕事をすれば、そのAI自体をコントロールするひとの仕事が新たに生まれるため、ひとの仕事自体の量は減りにくいことを説明しました。また、AIと共存するにはAIに感情を持たせないようにすることが大切であるという考えを伝えました。そして、「AIまかせにすると、ひと自体の不測の事態への対応力や創造的なアイデアが衰えるので、いつの時代にもひとは考えることをやめてはいけない」という意見もありました。 プログラム全般を通じて、学生の皆さんからの質問や意見、感想は非常に本質的かつ発展的であったため、我々教員も触発され、色々なことを考えながら回答しました。今年度も充実したプログラムになったと考えています。 「ひととAIの関係」に関する次回のプログラムは2023年度に予定しています。 畿央大学大学院健康科学研究科 冬木正紀・大住倫弘 次世代教育センター 【関連記事】 次世代教育センター主催「モバイルプラネタリウム上映会」を開催!!~協力:畿央大学サイエンスコミュニケーションサークル 次世代教育センター主催 「Excel集中講座」を開催!(今年度2回目) 次世代教育センター主催「Excel集中講座」を開催! 次世代教育センター主催「コミュニケーション力養成講座~プレゼンテーション」を開催! イベントプログラム「これからも『ひと』と『ロボット』は共存できるのか」を開催!~畿央大学次世代教育センター 次世代型情報教養プログラム「ロボットとプログラミング」を開催しました~次世代教育センター
2023.02.25
日本物理療法合同学術大会2023で大学院生が優秀賞を受賞!~健康科学研究科
この度、2023年2月19日〜20日に開催された『日本物理療法合同学術大会2023』において、畿央大学大学院健康科学研究科 修士課程の立石 貴樹(東京湾岸リハビリテーション病院・理学療法士)が発表してまいりました。 本学術大会はハイブリッド開催となりましたが、約800名が参加しました。理学療法士以外の他職種も集い、基礎分野の研究者や臨床家が参加され、幅広い領域における発表内容の一般演題が報告されました。 本学術大会のテーマは『物理療法の評価と治療-測る・理解する・変える-』と題され、患者の病態を把握・理解し、物理療法の効果機序に基づいた治療選択を行うための評価と治療に焦点を置かれ、それに基づく教育講演とシンポジウムがプログラムされていました。いくつかのプログラムでは、物理療法の科学的手段の確立のために、最新の知見を基に課題と可能性を提示され、物理療法の有用性が再認識されました。 今回、私は『重度感覚鈍麻の麻痺側下肢にしびれ感を呈した脳卒中症例に対するしびれ同調TENSの効果:症例報告』というテーマで発表し、その内容が優秀賞に選出されました。その内容は、重度感覚障害の麻痺側下肢にしびれ感を呈した脳卒中症例に対して、ニューロリハビリテーション研究センター客員研究員である西祐樹さん(長崎大学 助教)が開発されたしびれ同調TENSを用いた症例報告になります。重度感覚障害で電気刺激の知覚が得られにくく、パラメータ設定が難渋したことから、非麻痺側下肢でしびれ感を再現させて、麻痺側下肢に同様のパラメータ設定で電気刺激を行なったことでしびれ感が改善したことを報告しました。 多くの演題の中から、優秀賞を受賞できたことは、研究活動を行う活力、自信となり大変嬉しく思います。今後も皆様のリハビリテーション介入の意思決定の一助となるよう臨床実践および研究活動に精力したいと思います。 最後になりますが、今回の発表にあたり、客員研究員の西祐樹先生ならびに指導教員である森岡周教授をはじめとする多くの方々にご指導、ご支援をいただきました。この場を借りて深く感謝申し上げます。 発表演題 重度感覚鈍麻の麻痺側下肢にしびれ感を呈した脳卒中症例に対するしびれ同調TENSの効果:症例報告 立石 貴樹、西 祐樹、松井 菜緒、立本 将士、伊藤 惇亮、近藤 国嗣、森岡 周 健康科学研究科 修士課程 立石 貴樹 関連リンク 日本物理療法合同学術大会2023ホームページ
2023.02.15
健康栄養学科の山本 隆教授がNHK「ほっと関西」に出演!「冬アイス」の疑問に答えます!
“ホット”なニュースと“ほっと”する話題を平日午後6時からお届けするNHK大阪放送局「ほっと関西」。2月16日(木)の放送では、健康栄養学科の山本 隆教授が出演して、「なんで冬でもアイスを食べたくなるのか?」の疑問に答えます! 「チコちゃんに叱られる」など何度もNHKに出演している山本 隆先生ですが、今回は「ほっと関西」内のコーナー「nan で nan?」で、「なんで冬でもアイスをたべたくなるのか」についてコメントします。 取材は、山本先生の研究室で行われました。取材クルーにイスを勧めたり、質問に一つ一つ丁寧に回答するお人柄が印象的でした。 実験では、健康栄養学科4回生でゼミ生の上村 里帆さんがサポートに駆けつけてくれました。インタビューと実験で予定の2時間を超える取材となりましたが、終始とても和やかな雰囲気で行われました。 冬にアイスを食べたくなるみなさん、どうしてなのか疑問に思いませんか? ぜひご視聴ください! また、山本先生は2/18(土)13時から「畿央大学公開講座」を担当します。テーマは「おいしさを生み出すうま味とコクの新常識~味覚と脳のメカニズム~」。気になる方はこちらもご参加ください! 放送予定 2/16(木)18:00~19:00 *山本隆先生は18:00~18:30内で出演予定ですが、放送の都合上変更になることがあります。 ▶番組ホームページ
2023.02.14
健康栄養学科卒業生が、畝傍高校硬式野球部を栄養サポート!~健康科学研究科
健康科学研究科1年の新田 裕樹(にった ゆうき)です。2020年3月に健康栄養学科を卒業して現場で働くなかで、専門性をもっと深めたいと思い、2022年に母校である畿央大学大学院健康科学研究科に進学しました。 現在は栄養教諭として働きながら、「ジュニア期におけるスポーツ選手の栄養」について研究を進めています。ご縁があって、奈良県立畝傍高等学校硬式野球部を継続してサポートすることになり、紹介させていただきます。 選手たちは身体づくりやパフォーマンスの向上のために、食事の意識を高く持って取り組んでいるようです。しかし、なかなか結果が出なかったり、実際にどんな食事を摂ればよいのか、どのように行動に移せばよいのか、どのタイミングで食べるとよいのかなどがわからないなどの課題がある、と監督から依頼を受けました。私自身も野球をしていたので、選手たちの気持ちにもとても共感でき、研究や現場での勉強の一環という側面もありますが、ただ単純に「何か一つでも力になりたい!」「応援したい!」という思いでサポートが始まりました。 第1回目のサポートでは、指導スタッフ、選手、マネージャー、保護者を対象に栄養講義を行いました。講義は高校生のライフステージに焦点を合わせた成長期における栄養とスポーツ選手に必要な栄養を中心にお話させていただきました。選手からはたくさんの質問があり、参加してくださった方も配付資料やノートにメモを取りながら積極的に受けてくれました。 現在は生徒たちに「食事記録」を取ってもらっています。今後はその食事記録をもとに選手それぞれの食事を分析・フィードバックし、目標に向けて食事の内容・量・タイミングなどアドバイスしていく予定です。 すぐに結果が表れる選手もいれば、なかなか結果が出ない選手もいると思います。もちろん結果につなげることができればと思いますが、仮に結果が出なかったとしてもまだ高校生なので、食事や目標に向けて自発的に行動に移すことの大切さなどを考えるきっかけとなるサポートをしていきたいと思います。これからも選手と共に成長できるようにがんばっていきます! 健康科学研究科 修士課程1年 健康栄養学科 2020年3月卒業 新田 裕樹 【関連リンク】 畝傍高等学校野球部Twitter
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