カテゴリー
健康科学研究科
2022.12.14
修了生が学術大会長賞に!第9回日本予防理学療法学会学術大会・第9回地域理学療法学術大会参加レポート~健康科学研究科
2022年11月19(土)〜20日(日)に第9回日本予防理学療法学会学術大会、12月3日(金)~4日(日)にかけて第9回日本地域理学療法学術大会が開催されました。昨年に引き続き、コロナウイルス感染症の影響により、シンポジウム、特別講演などは現地からのライブ配信、一般演題は事前に録画した発表資料を登録するという形で行われました。 畿央大学地域リハビリテーション研究室からは、第9回日本予防理学療法学会学術大会では一般演題として高取克彦教授(畿央大学健康科学研究科)が発表されました。 また、第9回日本地域理学療法学術大会では客員研究員の仲村渠亮先生(修士課程修了/淀川キリスト教病院)、私 山本泰忠(博士後期課程1年/宝塚リハビリテーション病院)、武田広道助教(博士後期課程修了/京都橘大学)が一般演題(セレクション演題を含む)として発表し、松本大輔准教授(畿央大学)がシンポジストとして発表されました。 特に武田広道先生の発表演題は本学術大会にて学術大会長賞を受賞されました。 <高取克彦> 「地域高齢者におけるsubjective ageと運動定着および新規要介護発生との関係〜KAGUYAプロジェクト〜」 本研究は高齢者の主観的年齢(subjective age)を評価し、3年後の新規要介護認定発生との関係を調べたもので、主観的年齢が若いと感じる高齢者は、そうでない者と比較して、週一回以上の運動定着率が高く、要介護発生が少ないことを明らかにしたものです。 学術大会長賞受賞演題 <武田広道> 「要支援・要介護高齢者のアパシーが在宅運動プログラムのアドヒアランスに及ぼす影響」 本研究は要支援・要介護高齢者を対象にアパシー(やる気がなくなったり無気力になること)が運動継続性に及ぼす影響を検討したものです。その結果、ベースライン時にアパシーのある高齢者は在宅運動プログラムの実施頻度が少ないことが明らかになりました。在宅運動を処方する際は、心理面にも着目して行動変容介入をする必要があると考えられます。 <松本大輔> 「知っておきたい 地域理学療法(学)のエビデンス」 松本先生は地域理学療法ガイドラインの作成に関わられており、その中で訪問理学療法のエビデンスについて紹介されておりました。わが国のエビデンス構築に向けて、まずはガイドラインを知ること、丁寧な評価と介入を記録すること、研究スキルを磨くことを強調されておりました。地域理学療法では、研究を行う上で困難なハードルがいくつかあると思いますが、学術大会を通じて私たちの共通認識を再確認させていただくことができました。 <仲村渠亮> 「転倒により大腿骨近位部骨折を呈した地域在住高齢者の家屋種類と骨密度に着目した比較分析」 本研究は大腿骨近位部骨折を呈した地域在住高齢者を対象に家屋種類と骨密度の関係性を検討したものです。その結果、市営住宅在住高齢者のみ骨密度に関係なく、年齢が低い時期に転倒による骨折が多いことが明らかになりました。転倒予防を検討する際には家屋環境などの外的要因に着目する必要があると考えられます。 <山本泰忠> 「地域在住高齢者の通いの場におけるオピニオンリーダーの存在と参加者の身体的健康度との関連について」 本研究は地域在住高齢者を対象にオピニオンリーダーが身体的フレイルに及ぼす影響を検討したものです。その結果オピニオンリーダーがいる通いの場グループでは身体的フレイルに該当する高齢者が多いことが明らかとなりました。本研究において、オピニオンリーダーのいるグループでは、そうでないグループと比較し女性が多いことや居住年数が高いことも明らかとなりました。オピニオンリーダーのいるグループでは、地域のより虚弱で介入が必要な高齢者を通いの場へ参加を促しているという可能性が考えられました。 第9回地域理学療法学術大会は「社会課題解決のための地域理学療法実践と技術の発展」というテーマで開催されました。同学術大会では年々演題のテーマが集約されつつある印象を持っており、臨床現場での課題が共通認識として捉えられてきている印象を持ちました。そして、高取研究室の修了生である武田広道先生(京都橘大学)が学術大会長賞を受賞されました。改めまして、おめでとうございました!私もより一層研究活動に取り組んで参りたいと思います。学術大会に引き続き参加し、偏った知識、考えにならないように情報をアップデート&発信していきたいと思います。 畿央大学大学院博士後期課程 山本泰忠 畿央大学 地域リハビリテーション研究室HP 【関連記事】 令和4年度 広陵町・香芝市・畿央大学 介護予防リーダー養成講座を開催しました~理学療法学科 生駒市の地域リハビリテーション活動支援事業に向けて卒業生が集結!~地域リハビリテーション研究室with TASK 第64回日本老年医学会学術集会で教員が発表!~健康科学研究科 香芝市政施行30周年記念事業の一環として本学教員監修の「フレイル予防体操」がリリースされました〜理学療法学科 第8回日本予防理学療法学会学術大会で大学院生と客員研究員が発表!~健康科学研究科 第63回日本老年医学会学術集会で大学院生と教員が発表!~理学療法学科・健康科学研究科
2022.12.01
看護実践研究センター第8回研修会「医療的ケア児と家族が安心して暮らせる地域づくり」を開催しました。
看護実践研究センター地域包括ケア部門では、乳幼児から高齢者までの看護分野における連携および他職種との連携と協働からのケアシステムおよびケアのあり方を探求するとともに、それらに関連する情報を提供し、健康増進に寄与することを目的としています。 医療の発達とともに在宅で医療的ケアを必要とする重度心身障害児は増加しており、その生活を維持するには、医療機関における看護から在宅看護への継続看護が重要であり、さらに公的支援機関である保健所・福祉部門、そして教育機関等との連携が必要です。 そこで、本研修会では、令和4年11月26日(土)に、「医療的ケア児と家族が安心して暮らせる地域づくり」をテーマとして、大阪発達総合療育センター医療コーディネート事業室(同センター元訪問看護ステーションめぐみ所長)絹川美鈴様を講師としてお招きし、開催しました。 コロナ禍が継続している状況ですので、畿央大学での対面参加とオンライン参加のハイブリット開催とし、保健センター、保健所、医療、福祉、教育機関の保健師、看護師、保育士、教師といった様々な職種の43名の方にご参加いただきました。オンライン参加では九州、名古屋、京都など県外からの参加もありました。 講師からは、医療的ケア児に対する医療機関から在宅生活への移行支援、在宅生活を継続するための家族への支援とその継続に不可欠な地域包括ケアシステム活動を展開している支援機関(人材含む)との連携と協働の実際について、支援されたケースの状況を含め、分かりやすく作成されたPowerPoint資料を基にお話しいただきました。 在宅生活を継続させるための4つの視点である、地域支援、家族支援、移行支援と医ケア児が小児であることで重要となる発達支援や就学支援について、実践報告の中で現実として生じる課題を示していただきました。 質疑応答では、「保健師との連携で感じていること」、「家族の気持ちを捉えるコツ」「ちょうどいい距離感の取り方」など具体的な質問が多くありましたが、時間を延長してご丁寧に回答をしていただきました。このご講演を拝聴して、医療的ケア児の養育者の頑張りを認め、励ますだけでなく不安なことを表出できるように声かけを行い、共通の支援目標に向かってチームで話し合いながら情報共有し連携して支援を行うことが重要であると感じました。 参加者の方からは、「医療的ケア児への関わりで、傾聴や寄り添いの大切さを改めて考えることができた」「医療的なケアだけでなく、その人の生活にも目を向けて支援していきたい」というお声をいただき、対象者やその家族の思いに寄り添う支援について考える貴重な機会となりました。 看護実践研究センター地域包括ケア部門 看護医療学科 准教授 田中 陽子 【関連記事】 第4回看護医療学科卒後教育研修会「看護における臨床判断」を開催しました。 6/26(日)第1回 エコマミ公開講座で看護医療学科 山崎教授が講演を担当します。 2/1(火)「高齢者住まい看取り研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター 2/21(月)「発達障害の一人称体験オンライン研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター 第3回卒後教育研修会「コロナ禍の看護の現状~やさしさをチカラに変える 現場の声から~」を開催しました。 看護実践研究センター第5回研修会「コロナ禍における認知症ケア」を開催しました。 「VR認知症一人称体験オンラインセミナー」を開催しました~看護実践研究センター
2022.11.04
女性理学療法士が活躍できる場所~理学療法学科 第4回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」
最前線で活躍する卒業生が隔月で講演! 第4回テーマは、「女性理学療法士が活躍できる場所」 理学療法学科では今年度から新たに「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催しています。 リーダーシップをもった次世代の理学療法士育成を目的にし、臨床現場はもちろん、スポーツ現場や地域リハ、教育機関など幅広い分野の第一線で活躍する卒業生がその魅力や想いを後輩のためだけに語ります。在学生にとっては入学後早期から職業理解を深め、自らのキャリアを考えることやモチベーション向上へとつなげる絶好の機会になります。 他大学に先駆けて理学療法学科を開設した畿央大学にしかできない先進的な取り組みです。 第1回の徳田光紀さん(1期生/平成記念病院)、第2回の飛田良さん(4期生/滋賀医科大学医学部附属病院)、第3回の尾川達也さん(3期生/西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部主任)に続き、第4回は吉田李沙さん(1期生/salon Fluffy経営)を講師に迎え、「女性理学療法士が活躍できる場所 ~自分らしく働く~」をテーマに講演いただきました。卒業後は奈良県総合リハビリテーションセンターで理学療法士として勤務した後、現在は独立し、産前産後ケアを中心としたsalon Fluffyをオープン。その他にも自治体の母子保健事業や婦人科と連携したデイサービス施設でのトレーニングにも携わっています。 講演では、女性のライフステージの変化に伴うマイナートラブルに対して、理学療法士による介入ができる内容や、出産後に身体症状の変化に気づくものの、小さい子がいると病院に行けないことや痛みが出るのが当たり前と思う人が多いという産後女性ならではの悩みという部分についてまで多岐にわたる内容をお話しいただきました。 吉田さん自身も、妊娠・結婚・出産を経てライフステージの変化とともにウィメンズヘルス分野に興味を持ち、出産後の悩みを抱える中で理学療法士として関わりたい想いを実現させるために独立。日本では出産後1ヵ月健診が終われば、母親の体を診てくれる場所はほとんどなく、海外と比較すると十分でないことから、産前産後に不調の出にくい体づくりを目的に予防理学療法を展開されています。 講演後は質疑応答の時間がありましたが、男子学生からの質問も多くあったのが印象的でした。ウィメンズヘルスに関心を持っただけでなく、理学療法士として活躍できる場所を自ら創った吉田さんの想いやエネルギーに感化されたのではないでしょうか。 吉田さんから後輩の皆さんへのメッセージ “女性理学療法士が活躍できる場所”というセミナータイトルであったにも関わらず、女子学生さんと同じくらい、男子学生さんもたくさんご参加くださり、正直驚きました。興味を持ってご参加いただき、積極的な質問もしてくださり、ありがとうございました。 私自身の大学生活を思い返せば、恥ずかしながら勉強は苦手な方でした。理学療法士になって臨床現場に出て初めて、畿央大学の教員の先生方が、各分野において第一線でご活躍されている先生方だったということがわかり、学生時代にもっとお話をうかがったり、学ばせていただければよかった、と今でもよく思います。 また、ウィメンズヘルス理学療法に携わっている者としては、助産学専攻科の先生方にも、ご意見をうかがえる機会を設けさせていただけたらと思っております。学科を超えた学びができる点も畿央大学の魅力だと感じております。 理学療法士として働く中で、患者さんの身体機能の向上やADL(日常生活動作)能力の改善には、とても喜びを感じます。そして私自身にとって「理学療法士として役に立ちたい」と、最も心が動いた分野が「産前産後の理学療法」でした。身近では、産前産後女性へ理学療法を提供している病院や施設がなかったため、個人事業として、自分自身が実践可能なことから形作っていきました。独立当初から現在も、行き詰まることはあるのですが、初心が原動力となって事業を進めていくことができます。目標である「リハビリ型の産前産後ケア施設の設立」をめざして、今後も研鑽を積みたいと思います。 理学療法士は、基本的には身体面にアプローチを行なうことが業務内容ですが、結果として、精神面にも好影響をもたらすことができる素晴らしい職業だと感じています。学生生活の間に、いろんな人と出会ったり、さまざまな経験をすることによって、自分自身が感動したり、心を動かされる経験をたくさんしてください。その豊かな心がご自身を動かす力になると思います。 そして最後に、お願いがあります。電車やお店などで、小さな子どもを連れた親御さんを見かけることがあると思います。泣いたり騒いでしまうと周りの方に迷惑がかかる、と親御さんはかなり気を張っています。そのような方に、直接手を差し伸べて手助けすることは難しかったとしても、子どもさんに笑いかけてあげてほしいと思います。たったそれだけで、親御さんは安心感を得て、暖かい人に出会えて支えてもらったと感じます。地域の子育てに少しだけお手伝いしてもらえると嬉しいです。 また畿央生の皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。ありがとうございました。 ▼左から学科長の庄本先生、吉田さん、教務主任の田平先生 次回は12月17日(土)13:00~14:30、唄大輔さん(2期生/横浜市スポーツ協会 横浜市スポーツ医科学センター リハビリテーション科)を講師に迎え「臨床、教育、研究の3本柱が整ったスポーツ理学療法士の魅力」をテーマに講演いただきます。唄さんは2020東京オリンピック・パラリンピックの理学療法サービス部門で「TOKYO2020MEDスタッフ」として奈良県から参加された方です。(関連記事) 後期に入っても「畿央生限定」のスペシャルトークをお届けします! 【関連リンク】 理学療法学科 大学院健康科学研究科 東京五輪に参加する理学療法士4人に聞きました!#2~唄さん編 卒業生に学ぶチーム医療のリアル~理学療法学科 第3回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」 大学病院で働くということ~理学療法学科 第2回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催 第1回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催!~理学療法学科 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part1~「学生時代」編 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part2~「臨床現場・大学院」編 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part3~「教員」編
2022.11.01
瓜谷准教授の研究成果が2年連続で学会表彰されました!~健康科学研究科
理学療法学科・健康科学研究科の瓜谷です。 昨年度開催された第9回日本運動器理学療法学会学術大会で発表した演題が優秀賞に選ばれ、10月22日~23日に開催された第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会 で表彰していただきました! 受賞した演題は「Arthritis Self-Efficacy Scale日本語8項目版の信頼性・妥当性の検証」というタイトルの研究発表です。海外で用いられている関節炎患者さんの自己効力感を評価するアンケートの日本語版を作成し、変形性膝関節症の患者さんにおける信頼性と妥当性を調査した研究です。 また第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会で発表した演題も優秀賞に選んでいただきました! こちらは「変形性膝関節症患者の主観的Stiffnessの関連因子:システマティックレビュー」というタイトルの研究発表です。変形性膝関節症の患者さんがよく訴える、膝のこわばりに関連する因子は何かを、これまでに発表されている先行研究を網羅的に調査することによって明らかにした研究です。 大変光栄なことに、2年連続で発表演題を優秀賞に選んでいただきました! 研究にご協力いただいた被験者の方々、共同研究者の方々や様々な形で研究にご協力いただいた方々に、心から感謝申し上げます。 現在は大学院生の指導に占める時間が大きくなってきていますが、私自身も引き続き、質の高い、人々の役に立つ研究を進めていきたいと思います。 理学療法学科 瓜谷大輔 【関連記事】 「第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会」に教員・大学院生が参加!~健康科学研究科 変形性膝関節症の患者さんは自らの病状とどのように向き合っているのか?~理学療法学科教員 患者教育プログラムは変形性膝関節症患者さんの自己効力感の向上に有効か?~理学療法学科教員 変形性膝関節症に関する研究の途中経過が学会誌に掲載されました~理学療法学科教員 第26回日本ペインリハビリテーション学会学術大会で客員研究員が奨励賞を受賞!~健康科学研究科 第64回日本老年医学会学術集会で教員が発表!~健康科学研究科 第61回近畿理学療法学術大会で大学院生が優秀賞と奨励賞を受賞!~健康科学研究科
2022.10.27
「第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会」に教員・大学院生が参加!~健康科学研究科
2022年10月22日~23日に第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会が東京工科大学蒲田キャンパスでハイブリッド開催されました。 畿央大学からは瓜谷大輔准教授と瓜谷研究室の粕渕賢志さん(博士後期課程3年)、佐々木紀奈子さん(修士課程2年)、熊部翔さん(修士課程2年)、座間味栄治さん(修士課程1年)、私、山藤滉己(修士課程1年)が口述・ポスター発表をしてきましたので報告させていただきます。 本学会では「徒手理学療法のエビデンスと技術 “Cutting Edge”」をテーマで行われました。特別講演、教育講演、シンポジウム、口述・ポスター発表において、日々の臨床における新たな取り組みや評価治療における問題点・研究手法などを提示して活発な議論がなされました。 シンポジウムでは瓜谷大輔准教授が「徒手理学療法と研究法」をテーマに、徒手理学療法領域における研究において科学性を担保する徒手理学療法研究の科学性を高めるための内容についてご講演をされました。 大学院生の発表に対しては症例報告・研究内容に対する多くの意見・アドバイスを頂き、我々の今後の研究テーマを発展させるための知識を得る事ができた良い学会発表となりました。 また、瓜谷大輔准教授が昨年度の第9回日本運動器理学療法学会学術大会で優秀賞に選ばれた演題が本学会で表彰され、さらに第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会でも大会優秀賞を受賞されました。 今回の発表演題名は以下になります。 発表演題 ●瓜谷大輔准教授 「変形性膝関節症患者の主観的stiffnessの関連因子:システマティックレビュー」(口述) 「徒手理学療法と研究法」(シンポジウム) ●粕渕 賢志(博士後期課程3年) 「慢性足関節不安定性を有する者における足関節同時活動と運動力学的動態の関係」(ポスター) ●熊部 翔(修士課程2年) 「外側広筋における筋疲労に伴う筋浮腫の変化について」(ポスター) ●佐々木 紀奈子(修士課程2年) 「筋電図評価を用いて可動域運動方法を工夫した橈骨頭骨折の一症例」(ポスター) ●山藤 滉己(修士課程1年) 「人工膝関節置換術後の QOL に関わる複合的な要因の探索」(口述) ●座間味 栄治(修士課程1年) 「外傷性左示指伸筋腱損傷で握力に支障が生じた症例」(口述) 最後になりましたが、今回の学会発表をするにあたり、瓜谷大輔准教授をはじめとする多くの先生方・先輩方のご指導と畿央大学のご支援・ご協力があってのものです。この場を借りて深く感謝申し上げます。 畿央大学大学院健康科学研究科修士課程1年 山藤滉己 【関連記事】 変形性膝関節症の患者さんは自らの病状とどのように向き合っているのか?~理学療法学科教員 患者教育プログラムは変形性膝関節症患者さんの自己効力感の向上に有効か?~理学療法学科教員 変形性膝関節症に関する研究の途中経過が学会誌に掲載されました~理学療法学科教員 第26回日本ペインリハビリテーション学会学術大会で客員研究員が奨励賞を受賞!~健康科学研究科 第64回日本老年医学会学術集会で教員が発表!~健康科学研究科 第61回近畿理学療法学術大会で大学院生が優秀賞と奨励賞を受賞!~健康科学研究科
2022.10.06
夏のスポーツ実習2022「コアトレ・ウォーキング」リポート!
畿央大学では夏期、冬期の集中講義として「スポーツ実習Ⅱ」(1年次配当・選択科目)を開講しています。今年度からは新たな取り組みとして、アダプテッド・スポーツ、コアトレ・ウォーキング、バスケットボール及びバドミントンの4種目群から1種目を選択して履修します。 今年度はじめての試みとして、2022年8月16日(火)から19日(金)までの4日間にわたって「コアトレ・ウォーキング」を実施しました。 コアトレ・ウォーキングとは、良い姿勢づくりの土台となるコア(体幹)トレーニングを取り入れたウォーキングのこと。ただ黙々と歩くだけでは楽しくないので、最終日にはステージで美しいウォーキングを発表するというゴールをめざし、皆で一丸となって取り組みました。 1日目は、受講生ひとりずつの姿勢・歩行を動画に撮り、土踏まず形成状況を測定し、各自にフィードバックを行いました。姿勢では、皆さんスマホをよく見るためか、首が前に出た不良姿勢の方が多かったです。また、歩行では、歩幅が狭くて体の後ろ側が使えていない方が多いことがわかりました。実際に、画像や動画で客観的に自分の姿を見ていただいたことでそれぞれの目標設定が明確になったようでした。 2日目は、体幹エクササイズを行った後に正しい姿勢、ヒップアップする足運びを練習しました。ウォーキングは量より質!いかに体の後ろ側の筋肉を使うかが重要なので、体育館の全身が映る鏡の前で、良い姿勢を保持しつつ、足趾を使った一歩一歩の足運びを確認して練習しました。翌日、腹筋や背中、ヒップが筋肉痛になったという人が多く、いかに日頃、何も考えずに筋肉を使わない歩き方をしていたかということを実感したという声が多かったです。 3日目は、座学で、体幹が姿勢や健康に及ぼす影響、足の構造、足トラブル、正しい靴の選び方や履き方について学んでいただきました。その後、鏡を見ながら、発表に向けてポージングやターンの練習を行い、発表で身につける衣装を選びました(希望者には簡単なパーソナルカラー診断を行いました)。そして、音楽に合わせながら何度も動画に撮っては皆で振り返り、本番に向けた発表練習を行いました。 4日目は、これまでの成果発表として、ホールのステージでの本番に向け、ヘアメイクを完成させ、何度もリハーサル練習を行った後に本番の発表を行いました。皆さん、今までよりさらに美しい姿勢で堂々と歩いていただき、素晴らしいステージ発表でした。 ▼撮影時のみマスクを外しています。 受講した学生の感想 ●シラバスを見て想像していた講義内容よりも楽しく、新しいことを沢山学ぶ事が出来ました。初めの日に姿勢の癖を理解し、正しい姿勢には筋力が必要であることが分かりました。片方の脚に寄りかかって休憩する癖や、髪の分け目の方向に顔が傾く癖などのこれからも意識しやすい内容も、お尻の筋肉を使う慣れない歩き方もありましたが、4日間意識しただけで意識することに慣れてきたので、これからも継続していきたいです。パーソナルカラー診断や似合うお洋服、メイクまでも考えて頂き、新しい私についても知る事が出来ました。ステージ発表では、自分に合ったお洋服とメイクでウォーキングをする事ができて楽しかったです。正しい姿勢、自分に合った身だしなみをこれからも追求し、自分磨きを頑張ろうと思えました。 ●正しい歩き方、姿勢を知ることができてすごく良い4日間だと思いました。1日目の測定では自分でも知らなかったようなことを知れて良かったです。2日目で笑顔や正しい姿勢の練習をし、自分を良く見せるために必要なことを学ぶことができました。正しい歩き方をすると、次の日にお尻が筋肉痛になって、普段使ってない筋肉を使ったんだなと感じ、嬉しくなりました。3日目は、すごく興味のあったパーソナルカラーを診断してくださって、自分に似合う色を知ることができました。それを踏まえてショーのための衣装を決め、どんどん実感が湧いてきました。4日目は、ショーのために、ヘアメイクを友達にしてもらったり、先生にメイクをしてもらって、すごく楽しかったです。本番では少し緊張したものの、楽しんでステージを歩くことができました。この4日間で、普段会わないような人たちと交流して仲良くなったり、色々なことを学ぶことができて本当に楽しかったです。 ●基礎から本格的に、歩き方や姿勢、ポージング、パーソナルカラーやメイクまで教えていただき、自分自身と向き合うよいきっかけとなりました。学んだことを今回で終わりにせず、これからの人生に活かして美しい女性に近づいていけるよう努めていきたいです! ●この講義はとてもハードであまり楽しそうと思ってはいませんでしたが、多くのことを学ぶことができ、日常生活で取り入れることで大きく成長できることが多かったです。特に、正しい姿勢やパーソナルカラーを知れたことなどは自分にとってすごく価値のあることだと感じています。最後の本番では笑顔はぎこちなかったですが、ウォーキングは1日目に比べてすごく上達したと思えたのでよかったです。とても楽しかったです! ●自分の姿勢の悪さを改善したいと思い、参加しました。1日目に自分の立ち姿を見たときにここまで悪い姿勢だったんだととてもショックを受け、この4日間で絶対に姿勢に対しての意識を変えようと強く思いました。2日目のトレーニングがとてもしんどくて自分の体力がすごく落ちていることに気づきました。笑顔についてはアルバイトなどで少し自信があったのですが、先生の説明を聞いてから自分の表情を見るとまだまだ口角を上げることができるし、ぎこちない表情になっていると感じました。発声練習では、自分は滑舌が悪く早口言葉は無理だろうと思っていましたが、事前に口角を動かしたことで、思っていたよりうまくできました。滑舌を良くするためにも口角を上げて笑顔で生活していきたいです。衣装決めでは、まだ会って数日しかたっていないのに洋服を貸してもらったり、先生やみんなにアドバイスをもらったことで、服装に自信が持てるようになりました。ウォーキング練習は、姿勢、笑顔、手、足運びを全て同時に意識することがとても大変でした。最終日は、みんなでメイクをしあったり、髪を巻いてもらったりして自分の新たな一面を知ることができました。また、先生に自分の顔や骨格に合った眉毛にしていただけてとても嬉しかったです。ウォーキング発表ではターンや立ち位置のことを考えすぎて、学んだことを全て生かすことができずとても悔しかったですが、ペアの人と息を合わせてターンやポーズをすることができました。この4日間で沢山学ぶことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。学んだことを今後の生活で生かしていきます。 ●最初はもっとキツいトレーニングなどをして、ウォーキングも沢山歩いてしんどいだろうと思っていました。けれど、本当にいい意味で全く想像と違い、沢山の友達も出来て、先生に似合う色や正しい姿勢を教えてもらい、本当にこれからの生活で為になることを沢山学べ、女子力が上がって品のある女になれる気がしてとても嬉しかったです。最初は夏休みに行くのは嫌だなと思っていましたが、本当に楽しい授業でコアトレ・ウォーキングを受けてよかったなと思いました。 ●他の学部の人と交流する機会がなかったので、新鮮な気持ちと共に人脈が新たに広がって嬉しく感じました。コアトレ・ウォーキングでも、畿央大学が大切にしている「皆で話し合う」ということがされていて、歩き方や姿勢、お洒落やメイクを学ぶ事も楽しかったのですが、先生だけではなく、皆の力を合わせて作り上げる事がなによりも楽しかったです。 最後の発表では姿勢良く出来ていても緊張で顔が引き攣ってしまっていたかもしれないのですが、先生と共に自分達で試行錯誤して作ったステージを含め衣装、メイク、曲などが全て合わさった舞台に立つことが出来て楽しかったです。コアトレ・ウォーキングで学んだ姿勢や歩き方、メイク、服装は今後も必ず活用したいと思います。4日間、興味深いことばかりで楽しかったです。 この授業を通して健康増進のためのウォーキング習得だけでなく、将来の面接につながる自己表現力や学科を超えたチーム活動によるコミュニケーション能力など、社会人基礎力の向上に繋がればと思います。ご参加いただきました皆さん、ありがとうございました。 教育学部現代教育学科 准教授 上田恵子 【関連記事】 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.5 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.4 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.3 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.2 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.1
2022.10.04
卒業生に学ぶチーム医療のリアル~理学療法学科 第3回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」
最前線で活躍する卒業生が隔月で講演! 第3回テーマは、「チーム医療と理学療法士」 理学療法学科では今年度から新たに「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催しています。 リーダーシップをもった次世代の理学療法士育成を目的にし、臨床現場はもちろん、スポーツ現場や地域リハ、教育機関など幅広い分野の第一線で活躍する卒業生がその魅力や想いを後輩のためだけに語ります。在学生にとっては入学後早期から職業理解を深め、自らのキャリアを考えることやモチベーション向上へとつなげる絶好の機会になります。 他大学に先駆けて理学療法学科を開設した畿央大学にしかできない先進的な取り組みです。 第1回の徳田光紀さん(1期生/平成記念病院)、第2回の飛田良さん(4期生/滋賀医科大学医学部附属病院)に続き、第3回は尾川達也さん(3期生/西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部主任)を講師に迎え、「チーム医療と理学療法士について~患者を中心とした医療に向けて」をテーマに講演いただきました。卒業後は理学療法士として臨床で働きながら大学院健康科学研究科に進学され(博士後期課程在籍中)、日本地域理学療法学会でも理事を務めるなど幅広く活躍中で、現在は主に回復期、訪問リハを中心に担当されています。 「チーム医療が大切」であることは当たり前であるものの、入職後になかなかうまくいかないことの方が多かったという尾川さん。「患者さん中心」といいながら患者さんを「リハを受ける側」と暗黙的に認識していたことや、退院後により良い暮らしをめざす回復期以降は患者さんの主体性が必要不可欠であることなど、ご自身の失敗談を交えながら、理学療法士として大切にしていることを惜しみなく披露していただきました。 また「患者さんのために」という正義感が強すぎると、ともすれば患者さんの意見をじゅうぶんにくみ取らずに「自分が良いと思うリハ」に陥ってしまう可能性や、チーム医療の中では自分の意見を主張するより他職種の立場や意見を建設的に取り入れていくことが患者さんのためになることなど、目からウロコのリアルなアドバイスが満載でした。また、医療職の中で患者さんといちばん一緒に長い時間を過ごす理学療法士の責任とやりがいも、話の端々から伝わってきました。障害だけではなく「その人」にきちんと目を向けることの大切さを改めて共有する貴重な機会になったのはないでしょうか? 1回生はちょうど夏に「チーム医療ふれあい実習」を終えたところ、3回生は4月から長期実習に出るタイミングということで、真剣に話に聞き入る姿が印象的でした。 尾川さんから後輩の皆さんへのメッセージ 当日のセミナーでは、『患者さんのために、理学療法士として、チームの中でできること』について、畿央大学を卒業後に経験した私自身の失敗談を基にお話しさせていただきました。私からのメッセージとして、患者さんのために一生懸命、理学療法士として働くことは大前提ですが、 ・患者さんはリハビリを受ける側ではなく当事者であること ・患者さんは他の職種と同様にチーム医療の一員であること ・『患者さんのために…』という想いは、時に悪い方向にも働く可能性があること をお伝えさせていただきました。 そして、チーム医療を実践する際は、理学療法士の専門性を主張することが重要なのではなく、理学療法士の “あなた” がチームの中で何ができるのかが問われます。 是非、理学療法士が理学療法以外で『患者さんのために何ができるか?』についても、仲間と一緒にディスカッションしてみてください。きっと、参考書で勉強するだけでは見えない、チーム医療の可能性を感じることができると思います。 これから実習に行ったり、就職して臨床現場に出ると、上手くいかないこともたくさん経験して、気持ちが落ち込む時も必ずあります。 そんなときもリハビリテーション専門職として、今、皆さんの心の中にある倫理感を信じて、乗り越えていってください。 最後になりますが、理学療法士って本当にやりがいのある仕事ですよ。 セミナーにご参加いただき、ありがとうございました。 ▼左から松本先生、尾川さん、同じく卒業生でもある瀧口先生 次回は10月29日(土)13:00~14:30、吉田李沙さん(1期生/salon Fluffy経営)を講師に迎え「女性理学療法士が活躍できる場所 ∼自分らしく働く∼ 」をテーマに講演いただきます。男子学生もぜひ積極的にご参加ください。 4回目以降も「畿央生限定」のスペシャルトークをお届けします! 【関連リンク】 理学療法学科 大学院健康科学研究科 大学病院で働くということ~理学療法学科 第2回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催 第1回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催!~理学療法学科 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part1~「学生時代」編 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part2~「臨床現場・大学院」編 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part3~「教員」編
2022.09.19
夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.5
畿央大学では夏期、冬期の集中講義として「スポーツ実習Ⅱ・B」(1年次配当・選択科目)を開講しています。今年度からは新たな取り組みとして、アダプテッド・スポーツ、コアトレ・ウォーキング、バスケットボール及びバドミントンの4種目群から1種目を選択して履修します。 アダプテッド・スポーツは、性別や年齢、体力、スポーツ経験の有無に関わらず誰でも気軽に参加して楽しむことができるよう、ルールや用具を工夫し適合(adapt)させたスポーツのこと。 初日は座学での講義、2日目に車椅子・片麻痺・視聴覚障害体験など、3日目には、「シッティングバレー」「ゴールボール」「ボッチャ」の3競技を実際に体験しました。最終日の9月7日(水)は、この実習で学んだことを踏まえて、新しいアダプテッドスポーツを創ることにチャレンジしました。 4回の講義を終え、最後は講師を務めた本学の理学療法学科の卒業生かつ大学院健康科学研究科修了生でもある加納希和子さん(大阪市舞洲障がい者スポーツセンター)にコメントをいただきました。 加納さんコメント スポーツ実習II・B(アダプテッド・スポーツ)の講師として母校の教壇に立たせていただいたことに大変感慨深い思いです。準備期間と初日は緊張と緊張でいっぱいでしたが(笑)、自分自身も楽しんで講義にのぞむことができました。改めてこのような機会を頂けたこと、ご支援くださった先生方、職員の皆さまに感謝申しあげます。 私が今回担当したアダプテッド・スポーツですが初めて聞いた学生さんも多かったと思います。(学生さんが書いてくれた全4回のブログをまだ読んでない方は、是非読んでみて下さい。(^ ^)) アダプテッド・スポーツにはこれが正解!っていうのは無いと思います。携わる人達がいる分、何通りもの方法があって最初に実施した方法もどんどんアップデートして柔軟に変化させていく必要があると思います。4日間という限られた時間の中で、それぞれの分野のスペシャリストを目指す学生達が学部や学科を越えてディスカッションする姿を感心して見ていました。 この講義をきっかけに、これからスポーツを通して障がいを持った方や沢山の人々と関わり楽しむ機会を是非作って頂ければと思います。 4日間、本当にお疲れさまでした!! *写真撮影時のみマスクを外しています。 【関連記事】 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.4 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.3 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.2 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.1 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。
2022.09.09
夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.4
畿央大学では夏期、冬期の集中講義として「スポーツ実習Ⅱ・B」(1年次配当・選択科目)を開講しています。今年度からは新たな取り組みとして、アダプテッド・スポーツ、コアトレ・ウォーキング、バスケットボール及びバドミントンの4種目群から1種目を選択して履修します。 アダプテッド・スポーツは、性別や年齢、体力、スポーツ経験の有無に関わらず誰でも気軽に参加して楽しむことができるよう、ルールや用具を工夫し適合(adapt)させたスポーツのこと。 初日は座学での講義、2日目に車椅子・片麻痺・視聴覚障害体験など、3日目には、「シッティングバレー」「ゴールボール」「ボッチャ」の3競技を実際に体験しました。最終日の9月7日(水)は、この実習で学んだことを踏まえて、新しいアダプテッドスポーツを創ることにチャレンジ!学生からのレポートです。 ■1・2限目 テーマを決めて新しいアダプテッドスポーツを創造する 以下の①と②③のどちらか一方をテーマとして、班で新しいアダプテッドスポーツを創りました。 ①視覚障害の小学生を含んでの遊び ②子どもから高齢者まで一緒に楽しめるスポーツ ③身体障がい者のうち、肢体不自由の人が一緒に楽しめるスポーツ 高齢者体験や視覚障害体験、車椅子体験など、これまでの授業で体験したことから、どのようなことができて、どのようなことが難しいのかを考えながら創作しました。 これまでの3日間で学んだことをもとに、場所やルール、使用する道具などに注意し、各班納得のいくアダプテッド・スポーツを創ることができました。 ■3・4限目 発表・体験 1、2時間目で考えたアダプテッド・スポーツを各班発表し、実際に体験しました。 例えば、音を頼りに進む遊びや、座った状態でできるボール遊びなどです。 視覚障害でも楽しめ、それを通して健常者が視覚障害を体験することができたり、子どもでも理解しやすい簡単なルールにしたりと、各班アダプテッドスポーツとして誰でも楽しめるように考えられた遊びやスポーツだったため、体験していて楽しかったです。 学年・学科の違いから、普段関わることが少ない学生と一緒に学び、考え、体験することができ、充実した時間を過ごすことができました。 スポーツ実習II・B「アダプテッド・スポーツ」の授業を通して、自分が思っていた以上に恐怖を感じる場面や、難しいと感じる場面が多く、適切なサポートが必要だと実感しました。 これから困っている人がいた際には、この授業で学んだことを生かし、適切な対応を心がけたいと思います。 現代教育学科1回生 茨田 淨子 【関連記事】 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.3 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.2 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.1 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。
2022.09.07
夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.3
畿央大学では夏期、冬期の集中講義として「スポーツ実習Ⅱ・B」(1年次配当・選択科目)を開講しています。今年度からは新たな取り組みとして、アダプテッド・スポーツ、コアトレ・ウォーキング、バスケットボール及びバドミントンの4種目群から1種目を選択して履修します。 アダプテッド・スポーツは、性別や年齢、体力、スポーツ経験の有無に関わらず誰でも気軽に参加して楽しむことができるよう、ルールや用具を工夫し適合(adapt)させたスポーツのこと。 初日は座学での講義、2日目に車椅子・片麻痺・視聴覚障害体験などを行い、9月6日(火)実施の3日目は、「シッティングバレー」「ゴールボール」「ボッチャ」の3競技を体験しました。1回目より講師を担当している理学療法学科卒業生で大学院健康科学研究科修了生の加納希和子さん(スポーツ認定理学療法士、中級障がい者スポーツ指導員)に加え、同じく舞洲障がい者スポーツセンターでスポーツ指導員をされている三上大成さんに指導していただきました。 ▼講師の三上大成さん シッティングバレー シッティングバレーは、臀部を地面につけて行うバレーのことです。臀部を地面につけたまま素早く移動することが難しく、なかなかラリーを続けることができませんでした。また、レシーブをするときに臀部を浮かしてしまうことも多くあり、立たないようにすることが難しかったです。 サーブやレシーブを練習してから、みんなでゲームをしました。最初はなかなかボールがつながりませんでしたが、人数やボールを変えるなど工夫をしてみると、だんだんとラリーが続くようになり、ゲームらしくなっていきました。私たち健常者になじみのあるバレーボールと変わらないのに、座っているというだけでとても難しく感じました。 ゴールボール ゴールボールは、視覚障害者を対象としたスポーツで、ボールから鳴る鈴の音を頼りにボールを止めて投げることを繰り返します。ボールは重たく勢いがついているので、全身を使ってボールを止める必要があり、体を張ったスポーツだなと思いました。 また、コートには自分の位置がわかるようタコ糸で印がされていますが、ゲームをしていると見失ってしまい、正面や自分の位置などがわからなくなりました。味方ともっと声を掛け合うなどしっかりと連携することや、怖がらずに思い切ってボールを止めたりすることが大切だなと思いました。 ボッチャ ボッチャは、自分のチームのボールを白色のジャックボールに近づけて点数を獲得するスポーツです。ボッチャ特有の技もあり、三上先生に得点の数え方等細かく実演してくださいました。 ボッチャのボールは想像よりも重たく、投げるときの力加減が難しかったです。投げる練習をした後、みんなでゲームをしました。チーム内で利き手、非利き手、車いすと投げる役割を3つに分けましたが、普通に投げたり、車いすに乗って投げたりすると投げやすく、とても良い一投ができることが多くありました。しかし、利き手ではない手で投げると思っていた方向に飛ばなかったり、投げる力が弱すぎたりしました。ゲームは接戦が続き、白熱して楽しかったです。 今回3つのゲームを行いましたがそれぞれコートを作るところから始め、ルール説明を受けて投げ方などを練習し、みんなでゲームをしました。 始めはみんなとてもぎこちなく、声掛けなども少なかったですが、最後にはみんなで声を掛け合い、楽しくゲームをすることができました。どのスポーツでも、チーム内でコミュニケーションをとったり、お互いに声を掛け合ったりしながら、全力で楽しむことが、楽しくスポーツをする秘訣だと思いました。 三上先生、加納先生、本日はありがとうございました。 現代教育学科 2年生 長谷川慈 【関連記事】 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.2 夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.1 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。
よく読まれている記事
カテゴリ
タグ
キーワード検索
アーカイブ