2023.03.04 

多くの理学療法士が購読する「理学療法ジャーナル」の特集を本学教員が企画!~理学療法学科・健康科学研究科

健康科学部理学療法学科、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの森岡 周教授が理学療法ジャーナルVol.57 No.3 2023年3月号(医学書院)において特集「システムとしての姿勢制御 メカニズムの解明から臨床応用まで」を企画・編集しました。本雑誌は、理学療法士ならば誰もが必ず読んだことのある雑誌になります。

 

 

 

本特集は畿央大学関係者も執筆しており、今回、本特集の執筆に関わった、卒業生である植田 耕造さん(本学理学療法学科3期生、博士後期課程修了、JCHO滋賀病院 リハビリテーション部主任、本学大学院客員准教授)に、本特集ならびに畿央大学の特徴を聞きました。

 

植田 耕造さん コメント

私は本特集の中の「注意操作を用いた姿勢制御アプローチ」を執筆しました。
私は畿央大学大学院在籍中に「姿勢制御への注意機能の影響を調べた研究」を行っております。

この研究では、立位中の姿勢動揺に注意を向け随意的に動揺を制御する時(随意的制御)と、立位中に計算などの認知課題を行い姿勢動揺から注意を逸らした時(自動的制御)では、動揺の振幅は同程度だが、随意的制御の方が動揺速度が速く揺れの質が異なることを示しました。

 

 

本特集では、先の研究のような注意の操作により姿勢動揺が増減することや、高い所に立つことで起こる恐怖心により自分の身体に注意が向いてしまい意識的に姿勢制御を行ってしまうことなどを説明しました。また、立位中に計算など認知課題を行う、いわゆる二重課題法を用いたアプローチの効果などを解説しました。

私が注意機能へ興味を持ったのは、実は畿央大学在学時の卒業研究の時になります。その時は、障害物跨ぎ動作の時に携帯電話の操作を行うことの影響を研究しました。畿央大学の特徴の1つとして、卒業後に大学院への進学や研究を行う方が多いことが挙げられますが、これは各分野の第一線で活躍されている教員の先生から卒業研究を通して研究の重要性や面白みを伝えていただけることが大きく影響していると思います。

 

また、本特集には本学4期生の石垣智也さん(名古屋学院大学講師)も「接触操作を用いた姿勢制御アプローチ」を執筆しています。
石垣さんとは、大学、大学院と切磋琢磨した間柄です。特に大学院では同じ姿勢制御グループとして多くの時間を共にしました。卒業してからも世代関係なく先輩後輩の仲が良く、活躍してる人が多いのも畿央大学の特徴です。

 

本特集の著者の多くは、畿央大学のニューロリハビリテーション研究センター主催研究会「リハビリテーションのための姿勢運動制御研究第1回第2回)」で講師をしていただいています。それを発端に日本前庭理学療法研究会(塩崎智之 理事長/耳鼻咽喉・頭頸部外科教室 助教、理学療法士、本学大学院修士課程修了)も発足しました。こうした背景からも、姿勢制御研究において畿央大学が重要な位置を担っていることが伺えますし、学部教育や研究を行うだけでなく臨床家と研究者の架け橋という役割も畿央大学の特徴だと思います。

 

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