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健康科学研究科

2022.08.31

夏のスポーツ実習2022「アダプテッド・スポーツ」レポート vol.1

畿央大学では夏期、冬期の集中講義として「スポーツ実習Ⅱ」(1年次配当・選択科目)を開講しています。今年度からは新たな取り組みとして、アダプテッド・スポーツ、コアトレ・ウォーキング、バスケットボール及びバドミントンの4種目群から1種目を選択して履修します。 8月30日(火)からは「アダプテッド・スポーツ」がスタートしました!   アダプテッド・スポーツは、性別や年齢、体力、スポーツ経験の有無に関わらず誰でも気軽に参加して楽しむことができるよう、ルールや用具を工夫し適合(adapt)させたスポーツのこと。初日はアダプテッド・スポーツとパラスポーツの理解、スポーツ大会と障がいのクラシフィケーション、年齢・障がいによる身体機能とリスク管理について座学での講義を行いました。   講師を務める加納希和子さんは本学の理学療法学科の卒業生かつ大学院健康科学研究科修了生です。現在は大阪市舞洲障がい者スポーツセンターで理学療法士(スポーツ認定理学療法士、中級障がい者スポーツ指導員)として活躍、東京五輪にもTOKYO2020MEDスタッフとして参加されました。     ▼講師の加納希和子さん     <受講した学生の感想> 私は小さいころからソフトテニスをしていました。その影響で車いすテニスを見ることも多々あり、他のパラスポーツももっと知りたいと思いこの授業を履修しました。また東京オリンピックにも理学療法士・メディカルスタッフとして参加された福本先生、加納先生のお話が聞けるということにも魅力を感じたからです。   一日目は座学ばかりでしたが、とても内容の濃いものでした。障害の程度に合わせて位が分けられていたり、平等に競技ができるようにされていることなど初めて知ることもたくさんありました。その中で私がもっとも印象に残っていることは「教科書に記載していることだけが正解ではない」ということです。「一人一人を知るなかで、その人の個性が見つかる」と加納先生がおっしゃっていました。   ▼講義の様子     これから理学療法士になるための知識を吸収するだけではなく、ボランティア活動などにも積極的に参加し、たくさんの個性を持った人と接し、経験を積む必要があるなと改めて感じることができました。明日からは実技がメインとなってくるので、楽しみながら学習できたらいいなと思います!     理学療法学科 1回生 櫻井 瑞希   【関連記事】 東京五輪に理学療法士として本学教員・卒業生4名が参加します。

2022.08.23

「第12回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室

2022年8月20日(土)~21日(日)に「第12回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を大阪府吹田市の大和大学にて開催しました。       ※撮影時のみマスクを外しています。     本研究大会は毎年、田平教授をはじめ在学生と卒業生を中心に行っており、修士・博士論文の進捗状況の報告や研究計画のプレゼンテーションなどを実施しています。昨今のCOVID-19の影響で一昨年は中止、昨年度は完全webでの開催でしたが、今年度は万全の感染対策を実施した上で、対面とwebのハイブリッド形式での開催となりました。私は残念ながらwebでの参加となりましたが、現地参加とweb参加と併せて28名の参加があり、大盛況のうちに終了となりました。         発表内容は呼吸・循環器系に関する報告を中心に小児リハビリテーションの発表など多岐に渡り、どれも非常に興味深い内容でした。発表に対して、田平教授をはじめ、卒業生や在学生からも厳しくも温かく鋭い質問が多く寄せられて、今後研究をおこなっていく上で非常に有意義なディスカッションが行われました。       COVID-19の影響で、様々な活動が制約され、この3年間で私たちの生活様式も大きく変化しましたが、少しずつではありますがようやく従来の形を取り戻すことができており、喜びを感じております。webでのミーティングは非常に簡便で、利便性の面では非常に有用ですが、やはり、直接顔を合わせて行うディスカッションはその場にいないと体感できない熱量や雰囲気・緊張感を味わうことができ、とても貴重な経験だな、と今まで当たり前だった日常のありがたさを改めて痛感しています。COVID-19の国内情勢を鑑みて、残念ながら懇親会は行えず寂しい気持ちもありましたが、来年こそは懇親会も行えることを信じて、日々の研究活動に励んでいきたいと思います。   8月の厳しい暑さの中での開催でしたが、厳しい暑さに負けない研究室の熱さで非常に充実した2日間を送ることができました。   当研究室の活動に興味のある方は是非ご連絡をいただければと思います。呼吸・循環リハビリテーション分野における日々の臨床的疑問を共に解決していきましょう!研究室スタッフ一同お待ちしています。     畿央大学大学院 健康科学研究科 博士後期課程 野中 裕樹     【関連記事】 「第10回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室 「第9回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」レポート 「第8回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室 「第7回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室

2022.08.12

生駒市の地域リハビリテーション活動支援事業に向けて卒業生が集結!~地域リハビリテーション研究室with TASK

奈良県生駒市は全国的にも介護予防の先進地として全国から視察が訪れるほど有名な自治体です。また国のモデル事業を通して、リハビリテーション専門職の積極的関わりによる効果を示したことでも知られています。 地域リハビリテーション研究室では約10年前から生駒市の地域リハビリテーション活動支援事業(住民主体の通いの場支援)に協力しています。Covid-19の影響により中断しておりましたが、今年度から状況をみながら再開することになりました。生駒市役所と連携を取りながら高取教授と松本准教授の指揮のもと、現役理学療法士チームで住民主体の通いの場90ヶ所を巡回します。     ▼会議に参加したメンバー(撮影時のみマスクを外しています) ※写真の○が私、仲村渠です   参加する理学療法士を募ったところ、研究室の院生を含む7期生から15期生の21名の畿央卒業生が集まりました。そのほとんどが健康支援学生チーム「TASK(Think, Action, Support for Health by Kio University)」のOB・OGたち。多くが急性期病院に務めており、普段は地域の介護予防事業に関わることが少ない現状ですが、学生時代から地域に出て学んできたことの経験と団結力が今回の集結に繋がったと思います。学生時代のTASKでの経験にプラスして理学療法士としての経験を踏まえて、地域のリハビリテーション活動支援事業に貢献していきます。会議に参加できなかったメンバーも多かったですが、連携がとりやすいのが畿央卒メンバーで構成された大きな強みだと感じています。   活動制限による人との繋がりの希薄化が地域在住高齢者の方々に与えた影響は非常に大きく、介護予防だけでなく生活の質を改善するために地域リハビリテーション研究室の役割も大きくなっています。同じく活動が思うようにできない現役TASKメンバーに先輩としての姿を見せられる良い機会になれば幸いです。     ▼TASK創立3年目の集合写真(今回の参加メンバーの学生時代です) ※写真内の○が私、仲村渠です     今回は事業の関係上で理学療法士のみの集まりとなりましたが、設立9年目となるTASKには現場で活躍している全ての学部・学科の卒業生がいます。創立3年目(私が4回生)の時は100人以上の全学科で構成された畿央で最も大きい学生団体でした。畿央生の健康診断以外にも、奈良県や大阪府の幼稚園児から高齢者までの幅広い方を対象に健康支援活動を行っており、それに向けた勉強会を毎月学生主体で実施していました。勿論、畿央大学には他学科で交流できる部活動は数多くあります。しかし、普段の学習を学生レベルで学部・学科を超えて共有し、実践で活かし、そこから新たに学ぶことはTASKの強みであったと改めて感じます。   もう少し今の状況が落ち着けば、卒業生と学生との交流もできればと思います!それぞれの特性を活かし、学部・学科を超えた活動や学びに興味がある方は是非TASKに入っていただきたいです。学生団体から始まった活動が地域の支援に繋がっている現状を踏まえ、今後の地域支援の為にも学生さんの参加を心からお願い致します。   淀川キリスト教病院 畿央大学大学院 地域リハビリテーション研究室 客員研究員 TASK初代代表 仲村渠 亮     【関連リンク】 地域リハビリテーション研究室 理学療法学科 大学院 健康科学研究科   【関連記事】 第64回日本老年医学会学術集会で教員が発表!~健康科学研究科 香芝市市政施行30周年記念事業の一環として本学教員監修の「フレイル予防体操」がリリースされました〜理学療法学科 第8回日本予防理学療法学会学術大会で大学院生と客員研究員が発表!~健康科学研究科 TASK(健康支援学生チーム)活動レポート 第2回「次世代リーダー育成セミナー」を開催!~理学療法学科 第1回「次世代リーダー育成セミナー」を開催!~理学療法学科

2022.07.29

大学病院で働くということ~理学療法学科 第2回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催

最前線で活躍する卒業生が隔月で講演! 第2回テーマは「大学病院」「小児リハ」 理学療法学科では今年度から新たに「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催しています。 リーダーシップをもった次世代の理学療法士育成を目的にし、臨床現場はもちろん、スポーツ現場や地域リハ、教育機関など幅広い分野の第一線で活躍する卒業生がその魅力や想いを後輩のためだけに語ります。在学生にとっては入学後早期から職業理解を深め、自らのキャリアを考えることやモチベーション向上へとつなげる絶好の機会になります。 他大学に先駆けて理学療法学科を開設した畿央大学にしかできない先進的な取り組みです。 第1回の徳田‎光紀さん(1期生/平成記念病院リハビリテーション科主任)に続いての登場は、4期生で滋賀医科大学医学部附属病院で理学療法部門主任を務める飛田良さん。 テーマはズバリ、「大学病院の理学療法士とは?」です。飛田さんは入職後5年間は主に心臓リハビリテーションを中心とした内部障害理学療法に携わり、その後「病院初の小児科専属セラピスト」となりました。現在は主に小児がん、新生児を中心に日々診療に当たっています。     大学病院で働く理学療法士は全体の2%に過ぎないことや、特殊な雇用形態を含む大学病院勤務のメリット・デメリット、常勤をめざす場合の意識すべきポイントやアドバイスなどを、ご自身の体験をふまえて惜しみなく披露していただきました。 大学病院を進路として視野に入れている在学生には、大変貴重な情報収集の機会になったのではないでしょうか?     また小児がん患者に対するリハビリテーションの現状についても詳しくご紹介いただきました。 1万人に1人の確率で発症し、5年生存率は一部病型では9割に迫るものの、小児の死因第1位であること、半年以上の入院を強いられることから発生する体力低下や心理社会的なストレスの対応、リハの必要性がまだ十分に認知されていないことなど、厳しい現実も垣間見ながら、チーム医療の中で理学療法士だからできることをご提示いただきました。       飛田さんから後輩の皆さんへのメッセージ ▼大学案内2014に登場した際の飛田さん   この度は、第2回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」に講師としてお招きをいただき、誠にありがとうございました。また、テスト期間中の忙しい時期にも関わらず、多数の在学生にお集まりいただいたことを重ねてお礼申し上げます。   今回は、「大学病院の理学療法士とは?」をテーマに、冒頭部分は超高齢化社会に置かれた日本の現状や未来予測の観点から、厚生労働省や理学療法士協会が「今、何に着目しているのか?」、「何が問題となっており、どんな対策を講じようとしているのか?」を紹介しました。高齢化が進む=リハビリの需要が高まるといった安易な考えは適切ではなく、今後ますます理学療法士数の需要と供給のバランスが崩れる可能性があります。在学されている内から、みなさんそれぞれが卒業された後に、”いかに理学療法士としてのアイデンティティを形成できるか?”について考えるいい機会になっていれば幸いです。   大学病院は、地域の中核施設として、教科書に載っていないような難病や障害、それに対するさまざまな治療を受けた患者さんが多く入院されています。また、大学病院の責務として、臨床・教育・研究の三本柱があり、目の前におられる患者さんの診療活動だけでなく、院内外への教育活動や臨床研究にも取り組まなければなりません。それには、それ相応の自己管理能力や覚悟が必要となります。卒業して10数年が経ちますが、「今だから言えること」、「今のうちからできること」を自身の大学時代を振り返りながら在学生に向けてアドバイスをさせていただきました。   理学療法士は、患者さんが直面するさまざまな困難に立ち向かう“チカラ”を与える存在だと思います。治療の過程で、喜びや悲しみを分かち合い、ともに目標に向かって歩んでいく存在であり、医療者の中で最も患者さんに近い存在だと私は思います。医療者には老若男女問わず、さまざまな立場や価値観をもつ患者さんに対し平等に接する必要があります。 今はコロナ禍で人と人との関わりが制限されていますが、ぜひみなさんも在学中から自分とは異なる立場や価値観をもつ方たちとたくさん接してください。そして、自分と関わってくれているすべての方々に感謝の気持ちを持ってください。そういった小さな積み重ねが、みなさんの後の人生にきっと役に立つはずです。 最後に、当院における”小児がん”の理学療法について紹介しました。小児がんの治療成績は、医療全体からみてもサクセスストーリーの一つとして取り上げられるほどに劇的な改善を得ていますが、その一方で治療入院期間は半年以上にわたり、その間で体力の低下だけでなく、心理社会的なストレスから、自己肯定感が低下するとされています。トータルケアの一環として、よりよいケアやQOLの向上に向けた関わりが求められています。 小児がんに限らず、今や理学療法士の職域は医療だけでなく、予防や健康増進の分野にも波及しており、みなさんも卒業後はそれぞれの分野で理学療法士との専門性を活かし、次世代のリーダーとして活躍されることを期待しています。   ▼庄本学科長と同じく卒業生でもある瀧口先生と       次回は9月16日(金)、尾川達也さん(3期生/西大和リハビリテーション病院勤務)を講師に迎え「チーム医療と理学療法士」をテーマに講演いただきます。在学生しか聞けない内容を盛りだくさんでお届けしますので、ぜひご参加ください!       【関連リンク】 理学療法学科 大学院健康科学研究科 第1回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催!~理学療法学科 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part1~「学生時代」編 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part2~「臨床現場・大学院」編 理学療法学科初の卒業生教員!瀧口先生ってどんな人?Part3~「教員」編    

2022.07.08

対面とZoomで「七夕交流会」を開催!~Orange Project®畿央大学

Orange Project®とは、熊本県(熊本大学・熊本保健大学・崇城大学)と奈良県(畿央大学)を中心に活動している認知症啓発のための学生ボランティア団体で、“認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献する”をコンセプトに、認知症啓発運動を行っている学生を中心とした団体です。2020年には、ロゴやマークが商標登録されました。 認知症になってもやさしい町づくりなどに、学生主体に取り組み始めました。そして「認知症にやさしい広陵町、認知症に強い畿央大学」となることを目的に2019年9月にサークルとして発足しています。 2022年7月7日(水)15時から、対面と zoomで「七夕交流会」を行いました。   この交流会の取り組みはコロナの影響で実施できずにいましたが、今回開催が実現して仲間とともに楽しい時間を過ごすことができしました。参加者は学生10人に加えて、「認知症の人と家族の会」奈良県支部の正楽忠司さんと、広島県の「たぬき倶楽部」代表の竹内裕さんにzoomで参加をいただきました。     はじめにアイスブレイクとして自己紹介を行ない、夏にやりたいことや最近良かったことなどを各自話しました。そして、和やかな雰囲気になったところで、今日は七夕ということで短冊に願いを書きました。認知症の母のことを気遣う内容などももちろんありましたが、中には「彼女がほしい」とか「単位落としませんように…」という願いも書かれており、みんな大爆笑で、和やかな雰囲気となりました!         最後に笹の葉に短冊をつけてみんなで記念撮影をしました。「コロナが終息したら学外の皆さんも含めて対面での活動を行いたいね」という希望も出されました。     とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。みなさん、ありがとうございました。 これからも畿央大学のオレンジプロジェクトをよろしくお願いします!     最後になりましたが、笹を提供いただいた近所のおじさま、誠にありがとうございました。     看護医療学科2回生 中川あみり       【関連記事】 第1回エコマミ公開講座に山崎教授と学生が協力!~Orange Project®畿央大学 畿央大学看護実践研究センター第7回研修会 「地域で・笑顔で 生きるとは」を開催しました。 認知症啓発のための「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」活動報告!~Orange Project®畿央大学 「2021年度Orange Project®記念式典」で学生3名が功労賞を受賞! 広陵中学校の認知症サポーター養成講座にリモートで協力!~Orange Project®畿央大学 多世代まちづくりプロジェクト2021コンペティション、2年連続で「参加者賞」に!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」 広陵町図書館での認知症啓発活動に参加!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」

2022.06.29

第1回エコマミ公開講座に山崎教授と学生が協力!~Orange Project®畿央大学

Orange Project®とは、熊本県(熊本大学・熊本保健大学・崇城大学)と奈良県(畿央大学)を中心に活動している認知症啓発のための学生ボランティア団体で、“認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献する”をコンセプトに、認知症啓発運動を行っている学生を中心とした団体です。2020年には、ロゴやマークが商標登録されました。 畿央大学の卒業生たちは2019年から、在学中に熊本大学・熊本保健大学・崇城大学と共に、Orange Project®(認知症支援プロジェクト)に参画し、認知症になってもやさしい町づくりなどに、学生主体に取り組み始めました。そして「認知症にやさしい広陵町、認知症に強い畿央大学」となることを目的に2019年9月にサークルとして発足しています。 ▲写真左から(香芝市 企画部 部長 福森るり様、株式会社関西都市居住サービス 総合企画本部長 後藤浩様、畿央大学 看護医療学科 教授 山崎 尚美、広陵町 企画部 部長 奥田育裕様)         2022年6月26日(日)に、広陵町にあるエコール・マミにおいて『第1回エコマミ公開講座2022』が開催されました。広陵町・香芝市に住む約50名の方々にご参加いただき、Orange Project®の顧問である山崎教授が「もう怖がらなくていい認知症の話~自分らしく認知症とともに生きる~」というテーマのもと、参加者の方が持たれている認知症に対するイメージや認知症の症状・治療、早期発見の重要性について講義を行いました。講義中は、参加者の皆さんが熱心に資料をみたりメモを取ったりする姿を拝見し、認知症に対する関心は大きいのだと再認識しました。     ▲山崎教授講演の様子     ▲参加者の質問に答える山崎教授     講義の中で、オレンジプロジェクトの学生がサークルの概要や現在活動を広げている紙芝居について紹介させていただきました。学生は、コロナ禍になってから人前で実際に発表することが初めてで、非常に緊張していましたが、発表後は参加者から学生に対して「頑張ってね」や「よかったよ」というお声がけもいただき、とても嬉しく思ったと同時に、このような貴重な機会をいただけたことに感謝いたします。     ▲Orange Project®より紙芝居の紹介     また、畿央大学と広陵町が共同で開発した認知機能を知ることができるアプリ「きおトレ」アプリの紹介もされました。終了時間が迫っていたこともあり「きおトレ」アプリについては詳しく説明できなかったのが非常に残念でしたが、多くの参加者が興味・関心を持たれていました。     ▲「きおトレ」アプリに入力される参加者     以前から畿央大学OrangeProject®では、認知症カフェの実施や「きおトレ」アプリの体験を行っていたのですが、新型コロナウイルス蔓延の影響により活動が難しくなっていました。認知症カフェとは、認知症の方とその家族の方が集まることのできるカフェです。利用者を限定していないため、地域の住民など、大人から子どもまで誰でも参加できます。   今後、感染状況もみながら感染症対策を万全に実施し、認知症カフェも開催していきたいと思いますし、その際には少しでも多くの方に参加いただき、「きおトレ」アプリにも触れていただきたいと強く思いました!今回ご参加いただいた住民の皆様にも感謝申し上げます。         *撮影時のみマスクを外しています。     畿央大学Orange Project®に興味がある方は、ぜひご連絡、ご参加ください!     看護医療学科 4回生 谷﨑 華穂     【関連記事】 畿央大学看護実践研究センター第7回研修会 「地域で・笑顔で 生きるとは」を開催しました。 認知症啓発のための「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」活動報告!~Orange Project®畿央大学 「2021年度Orange Project®記念式典」で学生3名が功労賞を受賞! 広陵中学校の認知症サポーター養成講座にリモートで協力!~Orange Project®畿央大学 多世代まちづくりプロジェクト2021コンペティション、2年連続で「参加者賞」に!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」 広陵町図書館での認知症啓発活動に参加!~認知症ケアサークル「畿央大学Orange ProjectⓇ」  

2022.06.22

畿央大学看護実践研究センター第7回研修会 「地域で・笑顔で 生きるとは」を開催しました。

2022年6月19日(日)13:30から、看護実践研究センター 認知症部門主催(センター長:山崎教授)で、第7回 研修会「地域で・笑顔で 生きるとは」がオンラインで開催されました。この研修会は、奈良県認知症ケア専門士会との共催で行われ、およそ30人の方が参加しました。           前半の講師は、認知症の当事者たちを支援する「たぬき俱楽部」代表で、日本認知症本人ワーキンググループメンバーの竹内 裕 氏でした。竹内氏はご自身も若年性認知症と診断された経験から、当事者目線での様々な活動や講演会を積極的に行っておられ、畿央大学の認知症ケアサークルOrangeProjectにも関わってくださっています。   前半は竹内氏と山崎教授の対談で行われました。参加者の方から、「コロナ禍で認知症高齢者の方の介護を配偶者が1人で抱え込んでしまい、認知症が進行してから相談に来られるケースが増えている。その状態が続くとご家族が疲弊してしまうため公的サービスを使っていただきたいが、当事者の意思もありなかなかサービス利用につながらない。」というお話がありました。コロナ禍で外からの情報があまり入らずにずっとご夫婦のみで生活していると共依存の状態となり、新たな刺激を望まなくなるため、当事者やご家族が行きたいと思える場所が増えるといいという意見から、当事者やご家族に認知症カフェやサロンなどを知っていただき、一緒に出掛けようと思っていただくことが必要だとわかりました。竹内氏は、「一緒に出掛けたいと思える場所とは、当事者がやりたいことをやれる場所であり、それを見つけるためにはまず自分がしたいことを伝える。皆さんには、相手と同じ目線で伝えるということを身につけてほしい」と仰っていました。     ▲オンラインセミナーご参加のみなさん1(写真掲載の承諾を得ています)     ちなみに、たぬき俱楽部ではランチカフェやソフトボール、夜の町内会など様々な催しを実費制(自己責任)で行っておられたそうです。ランチカフェに関わる人は民生委員やボランティアで、win-winな関係だから続けることができると仰っていました。地域の方がこうした活動に参加されるのは理解者を増やし、地域の交流を深め、また情報発信源として活躍してくださることで、認知症の人とご家族が暮らしやすいまちづくりにつながっていると感じました。   また、山崎教授は、コロナ禍で制限がかかる状態に慣れてきているが、認知症ケアを行う人は何に対してもコロナ禍のせいにして活動を縮小するのではなく、向き合えるようにお願いしたいと話しておられ、コロナ禍でもできる支援を考え、地域に合わせた方法で実践していくことが必要だと考えました。   ▲オンラインセミナー参加のみなさん2(写真掲載の承諾を得ています)     後半は、「アフターコロナにおける職員のメンタルヘルスケア」と題してグループワークとミニ講義が行われました。グループワークは、コロナ禍において、面会制限や勤務体制の交換などでストレスに感じていることや不安などを吐露する目的で行いました。 グループの中では、認知症啓発活動について、専門職の話よりご本人の話の方が届くので、若年性認知症の方の講演会を企画しているという話や、病院勤務の看護師さんが体験した検査や手術などの際の認知症の方に対する対応について話し合いました。 他のグループでは、施設に入居するとコロナ禍で面会ができないため、入所をためらっている方も多いとの話も出ました。長引くコロナ禍の影響で、認知症ケアの現場にも様々な影響が出ている現状を直に伺い、withコロナ時代において認知症の人とご家族が安心して暮らせるために、認知症に対する正しい知識の普及とお一人おひとりの想いに寄り添ったきめ細やかな対応が必要だと改めて実感しました。   また、グループワークの後、看護実践研究センター 認知症部門の上仲准教授がストレスマネジメントの方法として「言葉の花束交換」についてミニ講義をされました。人は「~ねばならない・~であってほしい」という願望(イラショナル・ビリーフ)を使いがちですが、これは事実に基づいておらず気持ちを惨めにするため、事実に基づいた論理性のある言葉(ラショナル・ビリーフ)「~であるにこしたことはない」という言葉に置き換えると気持ちが楽になるという方法です。自分の短所の見方を変える-私も日々落ち込むことが多いので、ぜひ実践してみます。最後に大きな花束をプレゼントしていただいた気分になりました。   今回の研修会で認知症ケアにもコロナ禍の影響がどのように起こっているのかがわかり地域で支えることの重要性を再認識しました。これらを、認知症ケアを学ぶ学生たちに伝えていこうと思います。     看護医療学科  助教 島岡昌代     【関連記事】 第4回看護医療学科卒後教育研修会「看護における臨床判断」を開催しました。  6/26(日)第1回 エコマミ公開講座で看護医療学科 山崎教授が講演を担当します。 2/1(火)「高齢者住まい看取り研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター 2/21(月)「発達障害の一人称体験オンライン研修会」のご案内~畿央大学看護実践研究センター 第3回卒後教育研修会「コロナ禍の看護の現状~やさしさをチカラに変える 現場の声から~」を開催しました。 看護実践研究センター第5回研修会「コロナ禍における認知症ケア」を開催しました。 「VR認知症一人称体験オンラインセミナー」を開催しました~看護実践研究センター                  

2022.06.16

修了生の幾嶋祥子さんと冬木正紀准教授の発明が特許を取得しました~健康科学研究科

大学院健康科学研究科の修了生である幾嶋祥子さん(修士(健康科学))と冬木正紀准教授が発明した乳汁分泌を促進する装置により、冬木学園が特許権を取得しました。この発明は、幾嶋さんの修士研究および本学の次世代研究開発プロジェクト(萌芽的研究)の成果であり、母乳育児を支援する発明です。     特許第7076079号 「乳汁分泌促進器」   幾嶋さんと冬木准教授からのコメント 本発明では、熟練助産師と同等の乳汁分泌促進マッサージを行える軽量でハンズフリーな人工筋肉リングを発明しました。 わが国では妊婦の約9割が母乳哺育を希望していますが、生後1ヶ月時点での母乳哺育率は5割に留まっています。このギャップは、母乳哺育を確立するまでに生じる様々な困難に起因しています。乳汁分泌促進は、産後早期から頻回に継続的に行うことが重要ですが、産後の母親は心身ともに非常に敏感で、乳汁分泌促進を含めたセルフケアを行うことは容易ではありません。 乳汁分泌促進を助けるツールとして、入院中は吸引式の電動搾乳器がありますが、家庭で使える程にはコンパクトではなく、また、使用時には手で持つ必要があるため、吸引式の電動搾乳器は、家庭で乳児の養育等に忙しい母親が継続的に使用するのは難しいです。 そこで、我々はハンズフリーで使用できる乳汁分泌促進用マッサージ器を発明しました。   下記の本発明の写真をご覧下さい。ウレタン製の3つの軟突起が付いた黒い人工筋肉リングが、滑りにくく通気性の良いウレタン製のメッシュ状固定パッドにより、搾乳トレーニングモデルの乳房に固定されています。写真下部の透明なチューブを通して人工筋肉リングに数気圧の圧縮ガスを給排すると、リングの内径が縮小拡大し、その動きに合わせて、リングの内側に取り付けた軟突起が助産師の指の様に乳房内部の乳管集約部を刺激します。     ▲:本発明の写真   そして、本発明が模倣している熟練助産師の手技の例を下記に示します。(株)MCP製の搾乳トレーニングモデルMC009を用いた熟練助産師の手技との比較実験では、仰臥位と立位に相当する平置きと縦置きの状態の同モデルにおいて、本発明により熟練助産師の手技と同程度量の模擬乳汁の漏出が確認されました。   ▲:本発明が模倣している熟練助産師の手技   本発明は母親が家庭内で日常的に使用することを想定したものですが、病院への適用も望まれます。今後は褥婦の方達によるモニタリングを行い、開発を進める予定です。       【関連記事】 イベントプログラム「これからも『ひと』と『ロボット』は共存できるのか」を開催! 健康科学研究科の庄本康治教授と冬木正紀准教授の発明が特許を取得しました。 冬木特任准教授らの光分解反応に関する洋書が出版されました~教育学習基盤センター 冬木特任准教授の発明が新たに特許を取得しました~教育学習基盤センター 教育学習基盤センター

2022.06.16

第26回日本ペインリハビリテーション学会学術大会で客員研究員が奨励賞を受賞!~健康科学研究科

2022年6月11日~12日に開催されました第26回日本ペインリハビリテーション学会学術大会(神戸)で、森岡周教授、大住倫弘准教授、客員研究員および大学院生が講演・発表して参りました。       本学術大会では、理学療法士、作業療法士といったリハビリテーション職種を中心に、医師、看護師、臨床心理士など多職種が一同に会して様々なトピックスの講演・演題発表があり、多くの意見交換がなされ、痛みには多職種の連携が重要であり、まさに本学会テーマである「疼痛医療の未来を拓く~Interprofessional workのさらなる展開~」を体現した学会内容であったと感じました。   特に、痛み以外にも関連する慢性炎症やフレイルといった様々な病態のメカニズムを理解しつつ、病態メカニズムに基づいた臨床マネジメントをどのように行うべきかといった、現状で明らかにされていることと今後明らかにする必要があることを議論して、どのように現場での対象者の方に還元していく必要があるのかあらためて考えさせられた学術大会でした。         今回の学術大会では、森岡周教授が学会前日のリフレッシャーコースで「慢性疼痛に対する神経リハビリテーション」、大住准教授がミニレクチャー「痛みのニューロリハビリテーション-適応と禁忌―」、共済シンポジウム 疼痛治療up to date「運動療法最前線」、平川善之客員准教授がリフレッシャーコース「ペインリハビリテーションにおける患者教育」、私(重藤隼人:客員研究員)がミニレクチャー「痛みの徒手療法」の講演を行いました。   また客員研究員および大学院生から多くの一般演題発表が行われ、私の一般演題「Neglect-like symptomsは 慢性腰痛患者の特異的運動制御に関連する -ランダムフォレスト後の一般化線形モデル分析-」が奨励賞に選出されました。   本学会には、森岡周教授が大会長を務めた第19回日本ペインリハビリテーション学会学術大会 から参加させていただき、学会後には森岡周教授の研究室を見学させていただきました。私の大学院生活および今日に至るまでの研究が始まり、思い入れがある学会で奨励賞を受賞できたことを嬉しく思います。   最後になりましたが、このような貴重な機会をいただき、いつもご指導をいただいています森岡周教授、畿央大学に感謝申し上げます。     畿央大学 ニューロリハビリテーション研究センター 客員研究員 京都橘大学 健康科学部理学療法学科 重藤隼人   【関連記事】 第25回日本ペインリハビリテーション学会学術大会でダブル受賞!!~健康科学研究科 第24回日本ペインリハビリテーション学会学術大会で院生6名が発表!~健康科学研究科 第21回日本ペインリハビリテーション学会学術大会で大学院生が優秀賞に選出!      

2022.06.08

第64回日本老年医学会学術集会で教員が発表!~健康科学研究科

2022年6月2日(木)~4日(土)にかけて第64回日本老年医学会学術集会が大阪国際会議場にて対面とwebのハイブリッド形式で開催されました。一般演題は一部リモートも取り入れながらも基本的には対面で実施されました。     私(高取)は今回、一般演題口述演題で「後期高齢者におけるフレイルステージ変化に及ぼす社会・心理的要因-4年間の前向きコホート研究-」というタイトルで発表させて頂きました。     2年以上ぶりの対面発表で少し緊張しましたが、フロアーからの質問も多く頂き、活発なディスカッションができました。また思いがけず、セッションでの優秀演題に選んで頂くという嬉しい出来事もありました(QUOカードを賞品として頂きました)。     ▼一緒に参加した松本准教授と博士後期課程の武田氏と記念撮影     発表させて頂いた研究は奈良県生駒市での後期高齢者コホートを2016年から追跡調査しているもので、現在も継続中の大規模調査研究です。今回は、現在トピックになっている高齢者の虚弱状態「フレイル」の悪化や改善に係る要因を分析したもので、健常(ロバスト)からフレイルの悪化要因には地域での地縁活動(自治会,老人会など)の減少が関連しており、フレイルからの改善には体操など運動系社会参加の増加や自身の健康感の改善が重要であることを示した内容になっています。         一昨年、同学会で発表させて頂いたときは完全リモートだったこともあり、充実感が少なかったですが、今回は様々なセッションに参加し、質問も積極的に行いつつ、空き時間にはポスター演題を見て周るなど、充実した学会参加ができました。やはり学会は対面が良いと改めて平時の良さを感じました。         本学会は「幸福長寿実現のための老年医学」というテーマで開催されました。フレイル、サルコペニアといったテーマを扱った研究が多い中で、今回はCOVID-19の流行が高齢者の心理機能や社会活動に与えた影響などを題材にしているものも多く、健康状態に対する非対面交流と対面交流の有効性の比較、オンライン運動介入、オンライン認知機能評価などコロナ禍の時代を反映する発表が目を引いていました。個人的には幸福感(well-being)に関する研究、レジリエンス、高齢者の就業と介護予防、社会的孤立と疾患との関係性などは自身でも分析していきたいテーマでもあり非常に興味深い内容でした。     老年医学会は老年内科医をはじめとしてリハビリテーション専門職、栄養士、看護師など多職種の方々が参加されているため、様々な視点から意見交換がなされます。これからも新たな知見に触れ、地域貢献活動にも活かせるようにしていきたいと思います。     理学療法学科 高取克彦 地域リハビリテーション研究室ホームページ       【関連記事】 第63回日本老年医学会学術集会で大学院生と教員が発表! 第62回日本老年医学会学術集会で大学院生と教員2名が発表! 第4回日本産業理学療法研究会学術大会で大学院生が優秀賞を受賞! 第8回日本予防理学療法学会学術大会で大学院生と客員研究員が発表! 香芝市市政施行30周年記念事業の一環として本学教員監修の「フレイル予防体操」がリリースされました