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畿央大学×地域連携
2024.07.01
【プロジェクトゼミって何するの?⑦】南都銀行現本館 利活用コンテストに参加!~人間環境デザイン学科 前川ゼミ
人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて様々な課題に取り組みます。それぞれの課題は、建築、インテリア、アパレルデザインのコースに準じた学びであることはもちろん、地域連携、歴史保存、SDGs等多岐にわたる課題解決にも取り組みます。 このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。 前川 歩先生のゼミではインテリアデザインコースの学生が多く在籍し、複数のプロジェクトに同時に取り組んでいます。今回は南都銀行本店(奈良市)利活用についてのアイデアコンペティション参加へ向けての活動をご紹介します。 南都なら未来アイデアコンテスト 参加に向けて 南都銀行本店 は大正15年に建てられた奈良には珍しい本格的な様式主義建築で、国の登録有形文化財です。南都銀行本店が移転することに伴い、現本店建築の利活用について南都銀行がコンペティションを実施しています。このコンペティションに前川ゼミも参加します。 6月7日(金)のプロジェクトゼミでは、前川先生から、2つのチームに分かれてそれぞれ1つずつアイデアを出すよう提案があり、その後、南都銀行の建築的価値やこれまでの増築の経過について簡単なレクチャーがありました。南都銀行本店に関する歴史的な資料の収集、さらに周辺環境についても資料を集め分析するように学生に指示がありました。 翌週の6月14日(金)には実際に現地へ行き、周辺環境のフィールドワークを行いました。コンペ案の提出前なので、詳しい調査内容は内緒ですが、南都銀行を中心に広範囲にわたり、まちに潜む問題や可能性についてゼミ生が担当街区に分かれ、調査を行いました。 各自の調査終了後、再度集合し成果の報告・今後の進め方についてディスカッションを行います。フィールドワーク後はすぐにディスカッションをすることが重要だそうです。それぞれ異なった見方が共有されていきます。 ディスカッション後は、スターバックスでご褒美です。暑い中お疲れ様でした。ここからどんなアイデアが出てくるか楽しみです。 ゼミ生の皆さんは、グループで複数のプロジェクトを進めながら、地域課題の発見と解決への取り組みを通じて実践力を身に付け、忙しくも充実した日々を過ごしています! プロゼミ紹介プロジェクト 【関連記事】 【プロジェクトゼミって何するの?①】明日香村八釣地区「妙法寺」の実測調査Vol.1~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?②】SDGsの視点で地場産業を盛り上げよう~人間環境デザイン学科 村田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?③】建物の歴史的価値を活かして保存再生へ~人間環境デザイン学科 前川ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?④】4大学合同で「奈良きたまち」の地域課題に取り組む!~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?⑤】旧豆山荘 保存再生プロジェクト~人間環境デザイン学科 前川ゼミvol.2 【プロジェクトゼミって何するの?⑥】旧豆山荘 保存再生プロジェクト~人間環境デザイン学科 前川ゼミvol.3 学生が竹テント制作で関わった明日香スタンドが「場を生むデザイン賞」最優秀賞に選出!~人間環境デザイン学科 陳ゼミ ABCテレビ「やすとものいたって真剣です」に本学教員が設計した住宅が登場!~人間環境デザイン学科 地域住民と4大学が参加!「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」を開催します!~人間環境デザイン学科
2024.07.01
【プロジェクトゼミって何するの?⑥】旧豆山荘 保存再生プロジェクト~人間環境デザイン学科 前川ゼミvol.3
人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて様々な課題に取り組みます。それぞれの課題は、建築、インテリア、アパレルデザインのコースに準じた学びであることはもちろん、地域連携、歴史保存、SDGs等多岐にわたる課題解決にも取り組みます。 このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。 前川 歩先生のゼミにはインテリアデザインコース の学生が多く在籍し、複数のプロジェクトに同時に取り組んでいます。今回は前回に引き続き河合町 旧豆山荘のその歴史的価値を見出しながら、保存再生デザインするプロジェクトの様子をご紹介します。 河合町 旧豆山荘のプロジェクトについて 大正時代に建てられた建物を、地域の方がコミュニティスペースとして利用できるよう河合町へのプレゼンを準備中。地域の方とともに、DIYでリノベーションしつつ、建物の歴史的価値を活かす提案を検討しています。産官学連携の取り組みです。 ▶河合町 旧豆山荘プロジェクトについての関連記事 保存再生デザイン報告会編 プレゼン準備編 ① プレゼン準備編 ② 今回は、河合町役場で経過報告を行いました。本プロジェクトは、河合町、株式会社森本組、本学の産官学連携の取り組みとなるため、それぞれからご参加いただいての会議となりました。 ▼河合町役場 会議室にて 初めに、リノベーションを行うにあたって以前に河合町様からいただいていた条件を振り返った後、今回の提案の目的、概要を説明し、その後学生それぞれが担当する箇所についての説明を行いました。 提案の目的、概要では、コミュニティスペースにて近隣住民とともワークショップを行うことを提案し、 STEP1:〔みんなで建物の価値をみつける〕 STEP2:〔みんなで壊れたところを探し修理方法を考える〕 STEP3:〔みんなで片づける〕 STEP4:〔みんなでデザインする〕 STEP5:〔みんなでつくる〕 と段階的に行う活動を提案しました。 ▼ワークショップについて説明する様子 河合町ご担当者様からは、「参加者数、また想定される参加者像を考えておく必要がある」「参加者がDIYに参加してケガをしたときの対応方法の検討が必要」「現在提案している学生の卒業後も継続できる活動であるか」等、ワークショップ実施についてのご意見がありました。その後、学生それぞれの担当箇所【資料館、地域交流の場(DIYラボ)、宿泊】についての提案を行いました。 ▼DIYで作るインテリア家具を説明する様子 河合町、また森本組のご担当者様より、「繰り返し来館してもらうためには、展示物の工夫が必要か」「耐震調査が可能か、バリアフリー化する場合はどの程度のことが可能か」「厚さ30mmの木材を使用したインテリアは重みがありそう、接合部はどのようにするか」「様々な年代に魅力を感じてもらう施設にするにはどのようにすべきか」 といった建物やインテリアについても、具体的な場面を想定した様々なご意見がありました。本日の本学からの提案事項については、河合町ご担当者様でご検討いただくこととなりました。 ▼準備資料 説明を終え、河合町様、森本組様から様々なご意見をいただき、学生は提案を実現していくことの難しさを感じつつ、またどのようにすれば懸念事項を乗り越えられるかを考える時間となりました。提案の実現に向けて、またゼミで検討が必要になりそうです。 こうして課題にぶつかりながらもチームで考えて乗り越えていく力は、社会に出たときに必ず活きる力となります。前川ゼミの皆さんを応援しています! プロゼミ紹介プロジェクト 関連記事 【プロジェクトゼミって何するの?①】明日香村八釣地区「妙法寺」の実測調査Vol.1~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?②】SDGsの視点で地場産業を盛り上げよう~人間環境デザイン学科 村田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?③】建物の歴史的価値を活かして保存再生へ~人間環境デザイン学科 前川ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?④】4大学合同で「奈良きたまち」の地域課題に取り組む!~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?⑤】旧豆山荘 保存再生プロジェクト~人間環境デザイン学科 前川ゼミvol.2 学生が竹テント制作で関わった明日香スタンドが「場を生むデザイン賞」最優秀賞に選出!~人間環境デザイン学科 陳ゼミ ABCテレビ「やすとものいたって真剣です」に本学教員が設計した住宅が登場!~人間環境デザイン学科 地域住民と4大学が参加!「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」を開催します!~人間環境デザイン学科
2024.06.21
学生が竹テント制作で関わった明日香スタンドが「場を生むデザイン賞」最優秀賞に選出!~人間環境デザイン学科 陳ゼミ
人間環境デザイン学科の陳ゼミでは、2・3回生対象の「プロジェクトゼミ」として、2023年9月19日~21日までの3日間、明日香村にて竹テントワークショップ活動を行いました。本活動は、明日香村商工会、商工会青年部が中心となり、使われなくなった古民家を修復し新たな活動拠点の創造を目的とする「明日香スタンド(旧岡本邸プロジェクト)」の一環として行われたものです。この度、「明日香スタンド」が一般社団法人奈良県建築士会主催「場を生むデザイン賞2023」最優秀賞(知事賞)を受賞しました。「明日香スタンド」に関わり、人々のつながりと居場所づくりをめざして竹テント制作に携わった陳先生と代表学生2名より喜びのコメントが届きました。 ▶竹テント制作の記事はこちら(準備編、1日目、2日目、3日目、完成編) ▶明日香スタンド Instagram: asukastand (本学学生が制作した竹テントと竹ベンチをご紹介いただいています) 私たちも制作に携わった明日香スタンドをこのように評価していただき、大変嬉しく感じています。去年制作した竹テントも商工会の方々や林業家の方など、色んな人の力があり完成した作品なので、たくさんの方の居場所となり愛される休憩場所になれば幸いです。 人間環境デザイン学科 陳ゼミ 4回生 川端 ひより 作業は数日間でしたが、たくさんの思い出があります。汗だくになりながら作業をしたり、雨の影響で地盤が緩み新しい問題が起こったりもしました。ですが、みんなで試行錯誤を繰り返しながら無事組み立てることができて良かったです。現在も様々な方々に利用していただいていますが、これからも地域の皆さんの居場所であり続けてほしいと思います。学生時代に貴重な経験をすることができてとても良かったです。ありがとうございました! 人間環境デザイン学科 陳ゼミ 4回生 吉田 香葉 去年の竹テントワークショップは、明日香スタンドの一環として行われ、「結び」のテーマで、竹とロープの結びだけではなく、人々の繋がり及び居場所の形成を目指しています。学生は竹テントの設計段階から関わり、試作および現地制作・設置を実践しました。これまで、竹テントは明日香スタンドの休憩場所や屋外飲食スペースとして使われており、今後、明日香村に訪ねる皆さん及び地域住民の方々が気軽に利用できる交流場所になるように期待しております。 人間環境デザイン学科 准教授 陳 建中 学生自身が意見を出し合い計画を立て、自分たちの手を動かして制作した竹テントが、地域住民の方々の居場所となり、そのように学生が関わった「明日香スタンド」が場を生むデザイン賞を受賞されたことは大変喜ばしいことですね。今後もフィールドワークや学生相互の話し合い、地域の方々との関わりにより、地域の具体的な課題を発見し解決策を考えることで、新たな学びや経験を重ねてほしいと思います。 人間環境デザイン学科 陳ゼミ 【関連記事】 2023年明日香村竹テントワークショップvol.5 【完成編】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 2023年明日香村竹テントワークショップvol.4【最終日】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 2023年明日香村竹テントワークショップvol.3【2日目】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 2023年明日香村竹テントワークショップvol.2【1日目】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 2023年明日香村竹テントワークショップvol.1【準備編】~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?④】4大学合同で「奈良きたまち」の地域課題に取り組む!~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?①】明日香村八釣地区「妙法寺」の実測調査Vol.1~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?②】SDGsの視点で地場産業を盛り上げよう~人間環境デザイン学科 村田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?③】建物の歴史的価値を活かして保存再生へ~人間環境デザイン学科 前川ゼミ 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.5~最終日を迎えました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.4~活性化案を発表しました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.3~現地調査や意見交換を進めました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.2~課題への取組がスタート! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.1~台湾から大学生・教員が到着!
2024.06.19
【プロジェクトゼミって何するの?④】4大学合同で「奈良きたまち」の地域課題に取り組む!~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ
人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて活動を行う科目「プロジェクトゼミ」があります。「プロジェクトゼミ」では、建築、インテリア、アパレルのコースに準じた様々な地域課題の発見と解決に取り組んでいます。このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。 建築・まちづくりコースの学生が多く在籍する三井田ゼミでは、2024年8月9日(金)開催の「インターカレッジフォーラム2024 in奈良きたまち 」に向けて準備を進めています。 奈良市の旧市街地である「奈良町」の北側、近鉄奈良駅より北の「きたまち」を対象に、畿央大学、同志社女子大学、奈良学園大学、奈良県立大学の学生や教員、地元まちづくり団体や地域住民、行政が関わりながら、まち歩きを実施し、地域に入って調査を行い、地域課題に取り組む課題解決型のプログラムです。 ▶インターカレッジフォーラム2024 in奈良きたまち 過去ブログはこちら 三井田ゼミからは下記の2チームが参加します。 Aチーム:奈良きたまちの歴史資産の魅力再発見~きたまちの文化財の魅力をみんなで味わうためにできることは!? Bチーム:路地裏の魅力~路地裏の隠れた魅力を物語にして知ってもらおう! 5月24日(金)のゼミでは学生も教員も一緒になって企画の検討を行いました。ゼミ生が注目したのは「奈良きたまちエリアの路地」。きたまちには細い小道や吉城川の静かな流れ等の魅力的なスポットがたくさんあります。近年、観光スポットとして取り上げられるようになった「きたまちエリア」ですが、地域住民の高齢化や生活必需品を取り扱う商店の不足等の課題を抱えています。Bチームの学生からは路地でのスタンプラリーなどの活用が挙がっています。 学生「提灯を吊り下げてSNS映えを狙う」 学生「スタンプラリーは?路地の景色をスタンプにして設置するとか…」 学生「地図に(スタンプを)押してもらって…最後に景品と交換!」 三井田先生「スタンプは誰が管理する?君たちの力でできることを考えなあかん」 学生「・・・」 和気あいあいとした雰囲気の中で学生は自由に意見交換しています。 一方のAチームではもっときたまちエリアの魅力を知ってもらおうと、歴史ある場所や建築文化財を絵本や紙芝居で紹介する案を考えています。 続く6月7日(金)のゼミでは、翌日に行われる中間発表会のプレゼンの準備の最中でした。三井田ゼミから参加する2チームはそれぞれチームに分かれて意見を出し合い、最終的な成果発表を見据えての準備を進めていました。 途中、三井田先生からの提案で気分転換もかねて場所を移動しました。移動先は着々と作業が進められている「みんなで考える学び舎:階段状のスペース」です。 ▶みんなで考える学び舎についての過去ブログ ①企画紹介編 ②応募編 ③審査編 ④表彰編 ⑤制作開始編 すでに枠組みができ、これから補強作業に入る段階のようですが、フロア全体に木材の良い香りが広がっています。 まだ作業途中ですが、柱や横架材の傾き対策や、人が歩いても床がたわまないように、各所に補強を入れる工夫が施されており、丁寧に作られていることが分かります。各フロアでは、座ったり寝転んだりできるので自由なアイデアが浮かんできそうな空間です。 今回は、プレゼン準備の様子をご紹介しました。終始和やかな雰囲気で進んでいるようでしたが、中間発表前日の焦りも入り混じった真剣な空気がありました。先生から指導を受けながらも、自分たちで案を出し合い作成したパワーポイントや紙芝居など、中間発表の手ごたえはどうだったのでしょうか。 参加学生の感想 ●他のチームの中間発表を聞いて、自分たちとは違う考え方や視点をもっていたので、良い刺激になりました。最終発表での仕上がりが楽しみです。(3回生 松尾 紅葉) ●提案方針を決めて地域の方にインタビューをした後に、改めてきたまちを歩くとまた視点が違って、より魅力的に感じました。中間発表でアドバイスや質疑応答を経て、必ず良いものを提案したいと強く思いました。(3回生 後藤 克) 次回は、中間発表を終え成果発表に向けて動き出しているところをご紹介します。 プロゼミ紹介プロジェクト 【関連記事】 【プロジェクトゼミって何するの?①】明日香村八釣地区「妙法寺」の実測調査Vol.1~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?②】SDGsの視点で地場産業を盛り上げよう~人間環境デザイン学科 村田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?③】建物の歴史的価値を活かして保存再生へ~人間環境デザイン学科 前川ゼミ ABCテレビ「やすとものいたって真剣です」に本学教員が設計した住宅が登場!~人間環境デザイン学科 【20周年記念】人間環境デザイン学科 学内コンペ「みんなで考える学び舎」 人間環境デザイン学科 学内コンペ「みんなで考える学び舎」レポート vol.1~応募が完了! 人間環境デザイン学科 学内コンペ「みんなで考える学び舎」レポート vol.2~全審査が終了! 人間環境デザイン学科 学内コンペ「みんなで考える学び舎」レポート vol.3~表彰式を実施!| 人間環境デザイン学科 学内コンペ「みんなで考える学び舎」レポート vol.4~製作開始! 地域住民と4大学が参加!「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」を開催します!~人間環境デザイン学科
2024.06.11
【プロジェクトゼミって何するの?③】建物の歴史的価値を活かして保存再生へ~人間環境デザイン学科 前川ゼミ
人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて様々な課題に取り組みます。それぞれの課題は、建築、インテリア、アパレルデザインのコースに準じた学びであることはもちろん、地域連携、歴史的建造物の保存再生、SDGs等多岐にわたる課題解決にも取り組みます。 このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。 前川 歩先生のゼミにはインテリアデザインコースの学生が多く在籍し、現在、以下の3つの建築物について、その歴史的価値を見出しながら保存再生デザインする方法を模索しています。 1.河合町 旧豆山荘 大正時代に建てられた建物を地域の方が利用できるコミュニティスペースとして活用できるよう、河合町へプレゼンを準備中。地域の方とともに、DIYでリノベーションしつつ、建物の歴史的価値を活かす提案を検討しています。産官学連携の取り組みです。 ▶旧豆山荘に関する以前の記事はこちら 2.田原本町 聖公会田原本聖救主教会 建物の調査を終え、再生活用方法を検討中です。 3.生駒市 近代建築 生駒市の所在する複数の近代建築の実測調査、資料調査を進めています。 本日のゼミは1と2のプロジェクトについて5人ずつのグループにわかれ、準備を進めていました。各プロジェクトの様子を少しご紹介します。 河合町 旧豆山荘グループ 河合町にプレゼンをするための準備を進めていました。5人はさらに「中庭の提案・住民とともに実施するワークショップ・内装インテリアを検討するグループ①」と「資料館となる離れの提案を進めるグループ②」に、3人と2人ずつにわかれて、話し合いながら細かな部分の作業を進めていきます。 グループ①の会話をご紹介します! 学生A:この机の枠、15mmくらいで大丈夫? 学生B:ちょっと薄すぎない?強度的にもう少しあったほうがいいかも… 学生A:25mmくらいかな?(図面の修正を加える) という具合に、実際に使用することを想像しながら作業を進めています。3Dモデルの作成には「スケッチアップ」というアプリを使用し、慣れた手つきで修正をしていました。 グループ②に職員からも質問をしてみました! 職員:このプレゼン用のパワーポイントはとても分かりやすくてよくできていますが、作成方法はどのようにして学びましたか? 学生C:旧豆山荘のプロジェクトは去年から実施していて、この資料は昨年の3回生と作成しました。私たちはこのプロジェクトを先輩から引き継いで進めています。この資料すごくよくできていますよね。この資料をもとにさらに河合町との打ち合わせで指摘された事項を反映し、プレゼン内容を修正していっています。 先輩からも多くのことを学んでいるようです。7月の提案に向けて少しずつ準備が進んでいます。 田原本町 聖公会田原本聖救主教会グループ 1つのグループで外構やインテリア等の役割分担をして教会のリノベーション案を作成していました。 先生と学生の会話をご紹介します! 前川先生:外構に設置予定のタイニーハウスの試作模型を見せてください。 学生:教会の小屋組みを参考に、この登り梁と斜材をつなげてこのような架構を考えました。 前川先生:んー、ココが安定しないね。どうしたらいいだろう。 学生:そうですね。安定するようにこれを入れたのですが…。 前川先生:なるほど。それなら、こうしたほうが安定するんじゃないかな。 このように、学生の考えを聞きながら「なぜこうしたのか」「どうしたらいいと思う?」と問いかけながら学生と先生が一緒に課題を解決していました。 また、別のタイミングでは… 前川先生:これを組み立てる時、どうやって建てるつもりなの? 学生:このように先にフレームを組み立ててから建てれば2人くらいで建てられるかと思っています。 前川先生:組み立てるとグラグラで安定していないから建てられるかなぁ。 と、現場で組み立てることも想定した確認もしていました。模型では軽々と動かすことができますが、現場の資材ではそうはいかないため、模型と現場の違いについて学生に指導していました。 ▼完成した模型 他にも、図面を確認し、使い勝手や現場の施工を想定した素材の確認や維持管理方法について確認し、「なぜ現状(朽ちている、砂利をしいているなど)のようになったのか」という背景や歴史を理解し、どうすればいいかを考えるようにしていました。 地域のことを考え、実践に即して学べるのが、プロジェクトゼミの魅力ですね! プロゼミ紹介プロジェクト 【関連記事】 【プロジェクトゼミって何するの?①】明日香村八釣地区「妙法寺」の実測調査Vol.1~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ 【プロジェクトゼミって何するの?②】SDGsの視点で地場産業を盛り上げよう~人間環境デザイン学科 村田ゼミ ABCテレビ「やすとものいたって真剣です」に本学教員が設計した住宅が登場!~人間環境デザイン学科 人間環境デザイン学科 学内コンペ「みんなで考える学び舎」レポート vol.4~製作開始! 地域住民と4大学が参加!「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」を開催します!~人間環境デザイン学科 2024年度 新入学生研修 学科別レポートvol.5~人間環境デザイン学科 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.1~台湾から大学生・教員が到着! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.2~課題への取組がスタート! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.3~現地調査や意見交換を進めました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.4~活性化案を発表しました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.5~最終日を迎えました!
2024.06.06
【プロジェクトゼミって何するの?②】SDGsの視点で地場産業を盛り上げよう~人間環境デザイン学科 村田ゼミ
人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて活動を行う科目「プロジェクトゼミ」があります。「プロジェクトゼミ」では、建築、インテリア、アパレルのコースに準じた様々な地域課題の発見と解決に取り組んでいます。このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。 村田浩子先生のゼミにはアパレル・造形コースの学生が多く在籍し、地元広陵町の地場産業である靴下製造に関わっています。生産量の減少により縮小している靴下産業を盛り上げようと、その方法をゼミで検討しています。 残糸の活用 靴下の製造の過程では「残糸」が発生します。靴下工場ではメーカーの依頼により靴下の製造を行いますが、その商品を作製するために購入した糸が大量に残ります。これを「残糸」と呼びます。村田ゼミではこの「残糸」をSDGsの観点から活かす取り組みを行っています。 例えば2024年11月末に大学隣の商業施設「エコール・マミ」で、近隣住民を対象に残糸を使ったワークショップの実施を予定しています。7月には広陵町に残糸を使ったラグやバッグの提案をするため、ゼミ生が作品づくりに取り組みます。糸のことを知り、初心者でも扱いやすい作品を目標に、相談しながら黙々と作業を進めています。 本日のゼミでは、残糸を束ね、ラグを試作していました。試作の次は実際にラグやバッグを作っていきます。「残糸」はとても細くきれいな糸です。この「残糸」がどのような作品に生まれ変わるのか、乞うご期待! デザイン実習室には糸や布をつくる道具がたくさんあり、今日はその一部をご紹介します。綿を手紡ぎで糸にする「糸車」や半機械的に糸にする「ガラ紡機」など、今では製造されていないモノや使える職人さんがいなくなってしまったモノ、使う機会がなくなり譲っていただいたモノも多くあります。 ▼糸車 ▼ガラ紡機 村田ゼミではこれらを活用し、糸紡ぎ、染色、織り、縫製まですべての行程を経験します。木枠には、卒業研究で学生がつくった糸が残っています。 ▼木枠 人間環境デザイン学科では、これらを卒業研究で実際に使用して作品を作ることができます。前述の通り、今年の11月末には「エコール・マミ」にて「残糸」を使ったものつくりワークショップを開催予定です。「織り機」の出番もあるようです。興味のある方は、ぜひお立ち寄りください。 ▼織り機 プロゼミ紹介プロジェクト 【関連記事】 【人間環境デザイン学科】プロジェクトゼミって何するの?① 明日香村 八釣地区 「妙法寺」の実測調査Vol.1 -プロジェクトゼミ三井田研究室- ABCテレビ「やすとものいたって真剣です」に本学教員が設計した住宅が登場!~人間環境デザイン学科 人間環境デザイン学科 学内コンペ「みんなで考える学び舎」レポート vol.4~製作開始! 地域住民と4大学が参加!「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」を開催します!~人間環境デザイン学科 2024年度 新入学生研修 学科別レポートvol.5~人間環境デザイン学科 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.1~台湾から大学生・教員が到着! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.2~課題への取組がスタート! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.3~現地調査や意見交換を進めました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.4~活性化案を発表しました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.5~最終日を迎えました!
2024.06.06
【プロジェクトゼミって何するの?①】明日香村八釣地区「妙法寺」の実測調査Vol.1~人間環境デザイン学科 三井田ゼミ
人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて活動を行う科目「プロジェクトゼミ」があります。「プロジェクトゼミ」では、建築、インテリア、アパレルのコースに準じた様々な地域課題の発見と解決に取り組んでいます。このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。 三井田ゼミでは、建築・まちづくりコースの学生が多く在籍し、地域の課題解決、環境教育等の課題に取り組みます。今回は、今年3月に行われた明日香村国際ワークショップ2024の対象地 明日香村八釣地区にある「妙法寺」を実測しました。 妙法寺は、享保15年(1730年)頃に建立されたお寺です。あるポスターには、日本の原風景として妙法寺や周囲の農家が写されています。しかし、現在は無住職のお寺となり、梁や柱も傾いてしまい建具を動かすこともできません。地域の方たちも一度は取り壊しを検討しましたが、やはりこれからも日本の原風景として、後世に残していきたいという思いをもたれています。 ▼立派な石垣の上に建つ妙法寺 ▼梁が沈んでしまい閉ざされたままの戸 梁や柱の傾きをどのようにして解消していくのかを検討するには、現況図面が必要です。しかし、当時の資料も図面も残念ながら残っていません。そこで、三井田ゼミに所属する学生たちの手で妙法寺を実測し、現況図面を作成することにしました。 実測1日目 平面図(間取り)、断面図(建物を垂直に切断した面を横から眺めた図)、立面図(建物の外観)などのチームに2人1組で分かれて実測します。主にこのような道具を使用し、建物を方眼紙に描き写したものに寸法を記載していきます。 ▼「①下げ振り(傾きを計測)」「②レーザー測距計」「コンベックス」などを使い寸法や傾きを測ります。 ▼高い箇所も脚立を用いて正確に測ります。 ▼下げ振りは、円錐型の重りを下ろし、上部と下部で紐と柱との距離を比較し、柱の傾きを計測します。 ▼屋根裏へも登り、小屋組み(屋根裏の構造)を確認します。 ▼お寺の隣には調理場が併設されており、当時は餅つきや炊き出しなども行われにぎわっていたようです。 ▼おいしい苺を差し入れしてくださり、実測後にいただきました。 1日では測りきれないので、次回の実測日までに手書きの図面はCADを使ってデータ化しておきます。不明な箇所や図り忘れた箇所が必ずでてくるので、それらは次回に再度確認します。 実測に参加した学生のコメント ●柱の傾き具合に驚きました。「下げ振り」も初めて使い、とても勉強になりました。(人間環境デザイン学科3回生 上田 葵生) ●実際に実測をしてみると、建物は小さいが間取りが分かれていて壁など骨組みがたくさんあり大変でした。やりがいがあって楽しかったです。(人間環境デザイン学科3回生 角矢 奈央樹) 今回は、実測風景をご紹介しました。自分の目で見て、自分の手で建物を測ることにより、柱の太さや、柱の間隔など様々な寸法や構造を把握することができ、教科書や写真では決して得られない学びがあったと思います。次回のブログでは、実測後にCAD化したデータをご紹介します。 人間環境デザイン学科 助手 中井 千織 【参考記事】 ABCテレビ「やすとものいたって真剣です」に本学教員が設計した住宅が登場!~人間環境デザイン学科 人間環境デザイン学科 学内コンペ「みんなで考える学び舎」レポート vol.4~製作開始! 地域住民と4大学が参加!「インターカレッジフォーラム2024 in 奈良きたまち」を開催します!~人間環境デザイン学科 2024年度 新入学生研修 学科別レポートvol.5~人間環境デザイン学科 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.1~台湾から大学生・教員が到着! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.2~課題への取組がスタート! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.3~現地調査や意見交換を進めました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.4~活性化案を発表しました! 人間環境デザイン学科 明日香村国際ワークショップ2024 vol.5~最終日を迎えました! 旧豆山荘(旧河合町役場)の保存再生デザイン報告会〜人間環境デザイン学科前川ゼミ
2024.05.16
楽しみながら妊婦・育児を体験!「マタニティクラス」を開催~助産学専攻科
2024年4月28日(日)畿央大学で行われたマタニティクラスでは、助産学専攻科の学生10名をはじめ、看護医療学科、助産学専攻科の先生方と一緒に2組のご夫婦をお迎えしました。 沐浴や着替え、おむつ交換、抱き上げといった育児体験や妊婦ジャケットを使用した妊婦体験などたくさんの体験ブースを用意しました。カップルが楽しく体験でき、赤ちゃんのいる生活をイメージしていただけるように、関わり方だけでなく、レイアウトやBGM、飾りつけに気を配り、あたたかい雰囲気になるように工夫することが大切だと学びました。 また、助産師の先生によるタッチケアを見学させていただきました。そこでは、助産師が主体となって妊婦さんの不安を和らげるだけでなく、赤ちゃんがおなかにいることをカップルが実感できるように関わっておられました。具体的には、赤ちゃんの心臓の音を聞いたカップルは、赤ちゃんがおなかにいることを実感でき、幸せそうな様子がみられました。 このようなことから、マタニティクラスを開催する目的は、地域に相談できる場所があることをカップルに伝えることやカップルがより良好な関係を築きながら出産、育児ができるようにサポートしていくことであることを学びました。 2024年6月30日(日)に畿央大学で行われるマタニティクラスは助産学生10名が主体となって企画します。今回の学びを活かし、マタニティカップルが少しでも楽しみながら出産、育児をイメージできるようなマタニティクラスにしようと思います。 助産学専攻科13期生 菊池 菜那、東島 由果 【関連記事】 プレパパ・プレママのための「マタニティクラス」を開催します~看護実践研究センター 新たな産育コミュニティをめざして「マタニティクラス」を開催しました!〜看護実践研究センター
2024.05.14
2024年度 へき地医療体験実習レポート(吉野郡川上村)~看護医療学科
看護医療学科では、4年次に今までの臨地実習や既習した知識を活用し、看護実践を行う統合実習として、へき地医療体験実習を実施しています。この実習では、「看護の本来の姿に立ち返って、その人の顔が見える看護や保健医療を体験することで、看護の本質を考えること」を目的として、学生の看護観のリフレクションし、看護の基盤である対象者の生活基盤を理解した看護のあり方を探求します。 今年度は、2024年5月7日(火)~5月9日(木)の3日間、看護医療学科4回生95名のうち学生20名、教員4名の計24名が奈良県川上村にて実習を行いました。 【1日目】5/7(火)雨模様での集合でも、現地に着くと雨はあがりました! 学生たちは、事前に川上村の歴史や現状を学習してから実習に臨みましたが、まずは大滝ダムの見学から始まりました。 大滝ダムは紀の川(吉野川)の「治水(洪水にならないようにすること)」「利水(地表水、地下水を飲用などの生活用水、農業用水、工業用水、発電用水等に利用すること)」「発電」「流水の正常な機能の維持」を行う多目的ダムであり、その歴史は古く、1959年9月の伊勢湾台風による甚大な被害をきっかけに計画され、村の中心部であったところに造られました。 実際にダムを目の当たりにした学生たちは、予想以上の大きさと迫力で圧倒されている様子でした。実際にダムを見たことや掲示されているダムの説明を見ることで、治水の必要性を理解することができました。 次に実際に住民に対する支援を行っている村内の様々な機関(村役場、森林組合川上社中、社会協議福祉会、民生児童委員協議会、保育園、こどもセンターあまごん、川上村立かわかみ源流学園、診療所)の担当者へインタビューを行いました。事前に川上村について把握した情報から、「へき地での生活における健康と保健・医療・福祉の関係を理解したうえで看護職としての役割」を見出すための質問内容を考えました。 学生の質問は、母子保健・成人保健・高齢者保健・学校保健・地域包括などの視点から、川上村の現状から課題を見出し、改善策の提案まで多岐にわたる内容でしたが、担当者の方々には、学生の質問に丁寧にご回答いただき、必要な資料やデータの提供をしていただきました。学生たちはインタビューを通して地域での生活だけでなく、こどもを大切に育てる教育・健康と保健・医療・福祉の関係を知り、「地域に生活する人々も看護の対象者」であると学ぶことにつながったのではないかと感じました。インタビューだけでなく、実際に地区踏査することでの気づきも多かった様子でした。 データだけでは表れない、担当者からの生の声、想いを聴くことができ、実際の生活の場と教育・保健・医療・福祉の場の関係性を理解することにつながったのではないかと感じました。 次に「森と水の源流館 」に訪問し学芸員の方からお話を伺いました。 施設に入るとまず目に飛び込んできたのは、吉野川紀の川のそれぞれの流域に生息しているお魚たちで、川上村に生息している魚の生態について知ることができました。「源流の森シアター」では、「吉野川源流―水源地の森」を大迫力のスクリーンに映し出された四季折々の風景と鳥や動物、虫たちの姿を見ながら旅することができました。 川上村では木材需要の高まりから木材伐採が行われていましたが、原生林を守るために今から500年前に日本で初めてスギ、ヒノキを植えて育てる人工造林が始まり、当時から源流部を守る行動がとられてきたことを学ぶことができました。 学芸員の方は学生たちに「ここに住んでいる高齢者の方はライフラインが止まっても、2~3か月生きられるそうです。自分の畑の野菜を食べて、薪で火をくべて、川の水を使って生活すると答えてくれます」と話されました。続けて「年配の方と話すのは色々な考え教えを学ぶことができるチャンスだと思って、触れ合える機会があればまずは話を聞くことが大切。アンテナを張って交流してみるのも大切」とお話しくださり、異世代でのコミュニケーションの重要性と昔の生活を理解することの必要性を学ぶことができました。 【2日目】5/8(水)曇り空からスタートして、雨が降ることなく過ごせました。 2日目は、かわかみふれあいセンターにて住民の方を対象にした健康測定を実施しました。学生たちが主体となり、企画から運営まで実施してくれました。学内で学生役、住民役となりシミュレーションを実践し改善点や工夫点を試行錯誤しながら準備を進めてきました。当日は曇り空で足元が悪いなか13名の方が参加してくれました。 開始直後の学生たちは表情が硬く緊張した様子でしたが、住民の方の優しさや温かいお言葉によって、和やかな雰囲気で健康測定を実施することができました。問診、血圧測定、足趾把持力測定、握力測定を実施後、それぞれの測定結果に応じた保健指導を実施しました。学生たちが作成した問診表、測定結果記入用紙、保健指導パンフレットを活用しながら一人ひとりに合わせた保健指導を実施している学生はとても輝いて見えました。 住民の方で「初めて来た」と山上の地区から車で送迎してもらい来られた方もいました。その方は学生たちに「夏にも来てね」と笑顔で話されて、ご厚意で自宅までの送迎に付き添わせていただきました。付き添った学生からは、実際のご自宅を訪ねることができたこととその方との関わりから、「学生を自宅へ招き入れて話をすることや、自分が作った野菜や採った山菜をあげることが生きがいになっているのではないかと感じた」と実習ならではの学びを得ることができました。その他の住民の方からは健康測定の感想として、「本当に丁寧でよかったです、日本の未来のために頑張ってください」と温かいお言葉をいただくことができました。 健康測定の合間に、高齢者が買い物できるよう全ての地区を回る移動スーパーに帯同し、住民の健康状態を把握し切れ目ない支援をタイムリーに展開する活動されているコミュニティナースの活動の実際を見せていただきました。 学生たちは、住民の生活を支える仕組みには、関わる人々の思いも重要な要素であると感じたようです。 【最終日】5/9(木)曇り空でのスタートでしたが、午後からは晴天に。 3日目は、村長からご多忙の中、講話の時間を調整していただき、川上村のこれまでの歴史や住民の生活、ダム建設に対する思いや考えを私たちにお話しくださいました。 「主役は住民で、おじいちゃん、おばあちゃん、住民の方が幸せになること、きょう一日もよかったなと思えるように行政も同じ気持ちで働きかけることが大切」と話されました。また、日本を身体に例えて「東京は心臓とか脳で、田舎は手先・足先だと思っています。心臓がなければ生きていけないですが、手先、足先もなければ生きていくのが大変ですよね。手先・足先(田舎)と心臓(都会)は同じようにバランスよくしていかないといけない」と学生たちが分かりやすいように工夫してお話しくださいました。学生たちは熱心に村長のお話に耳を傾け真剣に聞いていました。川上村の歴史から自身の看護に対する考え方やへき地における行政の在り方を理解できたのではないかと感じました。 最後に村内で活躍されているアーティストの方へインタビューを行うため、匠の聚(たくみのむら)を訪ねました。そこで、前職を辞めてまで移住した経緯やアーティストとして活躍されている内容を教えていただき、川上村の素晴らしさを再発見できました。匠の聚のアトリエの素敵な絵画とそこから見える素晴らしい景色に私たちも癒されました。 今回のへき地医療体験実習を通して学生たちは、実際に川上村での保健・医療・福祉を体験し、村民の生活状況、価値観、健康状況などを総合的に判断した医療の在り方を考え、看護師の役割を考える貴重な経験と時間になりました。 お世話になった各機関の皆様、住民の皆様、本当にありがとうございました。 看護医療学科 助手 中谷 隆太郎 【関連記事】 2024年度 へき地医療体験実習(山辺郡山添村)レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)1日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)2日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)3日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2023年度 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 「離島・へき地医療体験実習」発表会を開催しました!~看護医療学科|KIO Smile Blog 離島・へき地医療体験実習(川上村)で応急手当ポケットカードを作成!~看護医療学科|KIO Smile Blog
2024.05.10
2024年度 へき地医療体験実習(山辺郡山添村)レポート~看護医療学科
看護医療学科4回生の必修科目である「へき地医療体験実習」の現地実習が2024年5月7日(火)~5月9日(木)の3日間で行われ、学生たちは奈良県内4か所の実習地にわかれて参加しました。そのうちの1か所である山添村には、24名の学生が参加しました。 地域の方々、山添村役場住民福祉課、東山診療所、山添村社会福祉協議会、村立児童館、かすががーでん(波多野地区活性化協議会)をはじめとする村内各機関のみなさまのご協力のもと、素晴らしい実習ができました。3日間の様子をご報告いたします。 【1日目】5/7(火) 山添村が抱える問題について知る 初日はまず、山添村役場住民福祉課の辻井課長と新瀬保健師、山添村社会福祉協議会の浦事務局長から山添村の概況や健康課題のお話をお伺いしました。 その後、私たちは「かすががーでん」(波多野地区活性化協議会)に赴きました。山添村は古くからの大和茶の産地です。保育所跡地を活用した「かすががーでん」では東さんと岩本さんからお話を伺いました。当日は、「かすががーでん」にNHK奈良放送局と奈良新聞の取材があり、その後は書家の逢香さんとともにお茶摘みと、釜炒りの体験をさせていただきました。NHKでは「ならナビ」にて5月14日(火)に放送予定とのことです。 【2日目】5/8(水) 地域の方々とふれあう 2日目の午前中は、4つの班に分かれ、めいめいが立てた計画に従って、東山地域の地区踏査を行いました。途中、地区住民のみなさんとお話もでき、翌日に企画している骨密度測定会にお誘いすることができました。 午後に訪問した児童館では、赤埴館長、福山支援員さんへのインタビューの後、児童たちとともにおやつをいただきました。朴葉で包まれたおにぎりで、季節を感じるものでした。その後は、学生たちで企画したミニ運動会です。準備体操の後、じゃんけん列車、おっかけ玉入れ、風船バレー、借り物競争を行い、児童たちとおおいに楽しみました。 【3日目】5/9(木) へき地医療についての理解を深める 最終日の午前は、コロナ禍で中止を余儀なくされていた骨密度測定会を東山公民館にて行いました。骨密度測定のほか、血圧測定とフレイルのチェックを行いました。学生たちは最も時間をかけて一生懸命準備した甲斐があり、とてもよい会となりました。 最終日の午後は、東山公民館に隣接した東山診療所を見学しました。その後、公民館にて吉川院長と大久保看護師にインタビューを行い、村の医療の現状、山添村ならではの地域に密着した医療活動を行っていることをお聞きすることで、へき地医療について学びを深めることができました。 3日間のへき地実習では、山添村で暮らす方々の生活や思いを肌で感じ、病院実習だけでは経験できない多くのことを学びました。今後、看護職に就いた後もこの経験はきっと役に立つと考えます。 最後になりましたが、この実りある3日間の実習のために多くのご協力を賜りました関係者の皆様、地域の皆様に深く感謝いたします。 看護医療学科 教授 文 鐘聲 准教授 田中 陽子 准教授 室谷 牧子 講師 松川 真葵 【参考記事】 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)1日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)2日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2024年度 へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)3日目レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 2023年度 離島・へき地医療体験実習(川上村)レポート~看護医療学科|KIO Smile Blog 「離島・へき地医療体験実習」発表会を開催しました!~看護医療学科|KIO Smile Blog 離島・へき地医療体験実習(川上村)で応急手当ポケットカードを作成!~看護医療学科|KIO Smile Blog
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