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畿央の学びと研究

2025.09.03

理学療法学科 海外インターンシップ 2025 vol.2 ~ フランスの理学療法や教育・中国語を学びました!~

理学療法学科では、6回目となる「海外インターンシップ」を行います。3回生19名、教員4名で令和7年9月4日(木)〜10日(火)までの7日間の日程で台湾を訪れます。現地では、国立台湾大学、中国医薬大学、亜洲大学の理学療法学科との交流や英語での講義・プレゼンテーション・レクリエーション、輔仁大学のスポーツ医学センターの視察などが予定されています。出発に向けて事前学習をしている様子を報告します。 フランス・インドネシアの理学療法・教育などについて学ぶ 6月5日(木)にフランスのクレマンス先生、アドリアン先生とインドネシアのプトリ先生に来ていただきました。アドリアン先生にはフランスの教育について、クレマンス先生にはフランスの理学療法士の開業やウィメンズヘルスについてお話していただきました。特に実習期間が長いことが印象的でした。       プトリ先生にはインドネシアの観光地や小児の理学療法についてお話していただきました。たくさんきれいな場所を紹介していただいたのでインドネシアを訪れた際には必ず行きたいなと思いました!   中国語講座 2025年7月3日(木)には中国出身で畿央大学14期生の林先生に中国語講座をしていただきました。 日本語では発音が大切であるように中国語ではアクセントが大切だと教えていただきました。発音が多少違っていてもアクセントがあっていれば通じることに驚きました。   まず、4つのアクセントを教えていただきました。     次に、私たち全員の中国語の名前を一人一人教えていただき、自己紹介の練習を行いました。他にも簡単な日常会話なども教えていただきました。     また、講義終了後にお土産もいただきました!ありがとうございました!   理学療法学科 3回生 藤原 優希 山本 和音 関連記事 理学療法学科 海外インターンシップ 2025 vol.1 ~ 事前学習開始!タイの学生と交流しました! 理学療法学科 海外インターンシップ2024   TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.100 ~ オープンキャンパスにて「カラダチェックコーナー」を出展! 第15回呼吸・循環リハビリテーション研究大会を開催しました!~健康科学研究科 田平研究室 筋肉かるたで“知識”と“絆”を強化!~ 理学療法学科 2・3回生交流会レポート ~ 中国の理学療法、リハビリテーション事情について~理学療法学科 第15回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」

2025.09.02

理学療法学科 海外インターンシップ 2025 vol.1 ~ 事前学習開始!タイの学生と交流しました!

理学療法学科では、6回目となる「海外インターンシップ」を行います。3回生19名、教員4名で令和7年9月4日(木)〜10日(火)までの7日間の日程で台湾を訪れます。現地では、国立台湾大学、中国医薬大学、亜洲大学の理学療法学科との交流や英語での講義・プレゼンテーション・レクリエーション、輔仁大学のスポーツ医学センターの視察などが予定されています。出発に向けて事前学習をしている様子を報告します。 台湾について学ぶ 学内活動の最初には、学科長の庄本先生より台湾の歴史や日本との交流、互いに支えあった歴史についてご講義いただきました。スライドを通して、台湾の成り立ちや日本統治時代の出来事、さらには台湾大学や当時尽力された人物についてなど多岐にわたる内容を学ぶことが出来ました。   これまであまり知らなかった背景を知ることで台湾という国を深く学ぶことができたと感じます。このような台湾と日本との関係性を知ることで、お互いの文化や思考などを尊重しあえるように努力したいと思いました。     タイ・マヒドン大学の学生と交流しました! 5月には、海外インターンシップの事前学習として、海外の文化、理学療法の現状を知るために、タイ(マヒドン大学)から学生の方を3名お招きしました!!   初めはお互いの緊張をほぐすために、お菓子やジュースを飲みながらお互いの国の文化や、流行りの音楽、アイドルなどについて楽しく話しました。私たちがプライベートで話しているような会話内容でとっても仲良くなることが出来ました!!   タイの学生がタイの理学療法の現状、文化、美味しい食べ物などを分かりやすくプレゼンテーションをしてくださりました。     その後、先生方と海外インターンシップに参加するみんなで集合写真を撮りました!連絡先を交換しさらに深い交流をすることができました!   また、授業が終わった後にタイの学生に誘っていただき、懇親会を開催しました。     英語でコミュニケーションをとるのは難しかったですが、ジェスチャーなどを使ってさらに仲を深めました!お互いの母国語で名前を付けあうなどもし、タイ語で名前を付けてもらいました!たくさんお話しできて、楽しい時間を過ごせました。   最後に、お忙しい中私たち学生と交流してくださって本当にありがとうございました!交流できてすごく嬉しかったですし、楽しいひとときになりました。   理学療法学科 3回生 松下 広海・小森 遥 関連記事 理学療法学科 海外インターンシップ2024   TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.100 ~ オープンキャンパスにて「カラダチェックコーナー」を出展! 第15回呼吸・循環リハビリテーション研究大会を開催しました!~健康科学研究科 田平研究室 筋肉かるたで“知識”と“絆”を強化!~ 理学療法学科 2・3回生交流会レポート ~ 中国の理学療法、リハビリテーション事情について~理学療法学科 第15回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」

2025.09.01

イギリス短期語学留学2025 現地レポートvol.1 ~ イギリスでの生活が始まります

学科を問わず参加できる畿央大学の短期語学留学プログラム。今年度は12名の学生が2025年8月30日(土)~9月14日(日)までイギリスのカンタベリーで過ごします。英語学習やイギリスの文化に触れることができるだけでなく、課外アクティビティを自分で計画して、イギリスでの生活を満喫します。今回は現地からのレポート第一弾をご紹介します。   こんにちは。看護医療学科の杼森 由です。イギリスでの生活がやっと始まります。関空からイスタンブール、ロンドンまで飛行機で約14時間、とっても長いフライトでは夕食を1回と朝食を2回もいただいておなかがいっぱいでした。       その後はバスでカンタベリーまで向かい、コンコルド インターナショナル- Concorde Internationalに暖かく迎えていただきました。近くのスーパーで昼食を買い、中庭で優雅なランチタイムを過ごしました。     その後、ホストファミリーが迎えに来てくれました。初めにハウスルールを聞いて楽しく会話しながら家まで向かいました。相手の意思を確実に聞き取り正しく返すことは難しいですが、ある程度の意思を汲み取り自分なりに伝えようとすると、耳を傾けてくれる人が多いです。もっとスムーズに会話を弾ませることができるよう、努力しようと思いました。     看護医療学科 1回生 杼森 由 関連記事 イギリス短期語学留学2024 現地レポート カナダ短期語学留学2025 現地レポート

2025.08.21

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.100 ~ オープンキャンパスにて「カラダチェックコーナー」を出展!

こんにちは。畿央大学 健康支援学生チームTASK※の理学療法学科3回生の中山 紗希と2回生の高山 紗帆です。   2025年7月13日(日)・20日(日)、8月9日(土)・10日(日)の全4日程で行われたオープンキャンパスにTASKとして「カラダチェックコーナー」を出展させていただきました。今回のイベントでは高校生・保護者様を対象にヘモグロビン・骨密度・体組成の3項目を測定しました。     ※ TASKは‟Think、Action、Support for Health by Kio University”の略称です。学科の枠を超えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。   今年度も昨年同様、多くの方にご来場いただきました。猛暑の中、お越しいただいた皆様、本当にありがとうございます。7月は3・4回生、8月は1~3回生が主体となり、コーナーの出展をさせていただきました。   今回は、1回生は機器を用いた測定・フィードバックが初めてでしたが2回生が1回生に丁寧に指導している姿はとても頼もしく感じられました。1回生も来場者の方と積極的にコミュニケーションをとりながら測定を行っており、その姿が印象的でした。さらに、機械のトラブルが発生した際も、スタッフ同士で意見を出し合い、測定項目を臨機応変に変更する場面も見られました。学年を超えて協力し合い、柔軟に対応できるTASKの良さをまた感じることができました。     参加メンバーの感想 ● オープンキャンパス、そしてカラダチェックコーナーに参加していただき、誠にありがとうございました!年齢・性別問わず多くの方々がご来場いただいたため、年齢や性別など、その方に合わせたフィードバックを行うことを意識するとともに、その難しさを実感しました。   また、少しでも楽しんでいただきたいという思いから、ただ測るだけではなく、測定中は進路や実際の大学生活の話もさせていただきました。最初は緊張もありましたが、徐々に笑顔で会話できるようになり、とても有意義な時間となりました。   今回、コミュニケーションの大切さを改めて感じ、そしてまだまだ伸ばしていかなくてはならない能力のひとつであると実感しました。今回の測定の結果を通じて、日々の健康や生活習慣について考えるきっかけになっていれば幸いです。   次回の畿央祭のチェックコーナーでもお待ちしております!   理学療法学科 2回生 高山 紗帆       ● 私は3回生として今回は測定の補助に入るとともに、お待ちいただいている保護者の方々や高校生とお話したりする機会が多くありました。最初はスタッフも緊張していましたが、徐々に表情も和らぎ笑顔で会話を交わす様子が見られるようになりました。ブースの雰囲気も盛り上がり、短時間でスタッフの成長を感じることができ、とてもうれしく思いました。また来場者の方に質問された際に、わからないことがあれば先輩に聞いたり自分で調べたりして対応している姿も印象的でした。   私自身は今回、現役の理学療法士とお仕事をされている保護者の方とお話しすることがありました。これからの進路を考えるきっかけになったと同時に普段、大学にいるだけでは聞けないような考え方に触れることができ、貴重な体験となりました。   また、オープンキャンパスと同日に大学院説明会もあり、TASKに入るきっかけとなった先輩ともお会いすることができました。カラダチェックブースでの出会いとお話しした内容がきっかけでTASKそして畿央大学に入ることを決意したことを思い出し、そのようなきっかけ作りをできたらと思ったと同時に初心を忘れずこれからも頑張りたいと感じました。 最後に地域の方々や高校生・来場者の方々とのつながりが得られるのはTASKならではの魅力だなと改めて感じました。今後もこのような機会を大切にし、活動に取り組んでいきたいと思います。引き続きTASKをよろしくお願いいたします。   理学療法学科 3回生 中山 紗希         TASKでは、健康チェック以外にも様々な活動を企画しています!その情報も下記に載せていますので、ご確認よろしくお願いします!   ◆メールアドレス task@kio.ac.jp ◆
X(Twitter)   @kio_task ◆
Instagram           @kio_task   ▶TASK(健康支援学生チーム)活動レポートはこちら  

2025.08.20

音楽教育 × 総合芸術 ― 劇団四季ミュージカルで学ぶゼミフィールドワーク ~ 現代教育学科 渡邊ゼミ

みなさん、こんにちは。現代教育学科の渡邊です。私は音楽教育を専門にしており、特にオペラやミュージカルといった「総合芸術」を教材にした授業づくりの研究を行っています。 去る8月7日(木)、第1回目のゼミフィールドワークとして、劇団四季ファミリーミュージカル『王子と少年』(原作:マーク・トウェイン)を、なら100年会館にて観劇してきました。 ミュージカルって、どんな芸術? みなさんはミュージカルを観たことがありますか?ミュージカルは、ヨーロッパの「オペレッタ」をもとに、さまざまな文化的要素を取り入れながらアメリカで発展してきた総合的な舞台芸術です。物語に芝居、歌、ダンスが加わり、それぞれが融合しながら一つの作品をつくりあげています。   もし音楽の授業でミュージカルを扱うとしたら、ただ劇中歌を聴いて感想を書くだけでよいのでしょうか?きっと、それだけでは足りませんよね。   そこで今回はこの観劇を「教材研究ワークショップ」と位置づけ、「ミュージカルという総合芸術を、どう教材化すればよいか?」という問いを持って、ゼミ生一人ひとりが主体的に観劇に取り組みました。   ▼ 上演中の撮影・録音は禁止されているため、開演前の舞台写真を…。   『王子と少年』のあらすじ(劇団四季公式サイトより) たくさんの家来に囲まれてお城で暮らす王子エドワード。
ロンドンのオンボロ横丁に住む、貧しい家の子トム。
全くちがう境遇に生まれながらも、顔がそっくりな二人は、ある日偶然出会って意気投合。
着ている服を取りかえっこして入れかわってみたら――。   貧しい身なりになったエドワード王子は、お城を追い出されてしまいオンボロ横丁へ。
王子の服を着たトムは、家来たちに「本物の王子じゃない」と言っても信じてもらえません。
さらに、エドワードの父である国王が亡くなってしまい、さぁ大変!
王子はすぐにお城にもどって国王を継がなければならないのに、貧しい身なりのエドワードが本物の王子だなんて、誰も信じてくれません。   このままじゃ、王子の格好をしたトムが国王になっちゃう!
入れかわった二人は、もとの自分にもどれるのでしょうか!?   観劇の学びと気づき 本作品の舞台は16世紀のイギリス。絶対王政下の時代で、貴族と庶民の貧富の差が非常に大きく、多くの人が貧困に苦しんでいました。ゼミ生には、事前課題として当時のイギリスの社会や文化について調べてもらいました。その歴史的・文化的背景を踏まえて舞台を見ることで、作品の世界がより深く理解できたようです。 音楽が映し出す階層社会 ●「庶民たちの登場シーンでは、わんぱくで活気のある比較的テンポの速い音楽が流れ、庶民の貧しいながらもたくましく生きている感じが表現されていた。一方、貴族たちが登場すると、音楽は優雅でゆったりとした調子に変化し、気品や落ち着きが際立っていた。音楽という表現媒体を場面や登場人物の身分に合わせて使い分けることで社会的階層の違いを観客に直感的に伝えていたところに感銘を受けた。」 4回生・Aさん   それぞれの登場人物の生き様や当時の社会構造を、テンポの異なる音楽で表現しているという気づきがありますね。音楽科の授業では、このように「音楽から感じ取れることの根拠は音楽のどこにあるのか」ということを考えることが非常に重要になるのです。 表現の構成要素に注目する ● 「(この舞台を授業で扱うとしたら)入れ替わった王子が門番に門を開けるよう命じても信じてもらえず、暴力を受ける場面と、最後に本物の王子とわかったときに従者たちの態度が急変する場面。この2つのシーンの音楽やダンスを『強弱』の観点から比較してみたいと思った。」 4回生・Iさん   同じ登場人物でも、立場が変わることで、表現がどう変わるか。音楽や身体の動きの「強さ」の変化に注目することで、場面の意味や感情の変化をより深く読み取ることができ、「強弱」という概念について学べるのではないかというアイディアでした。 単なる「感想」で終わらせないために ただ「すごかった!」「楽しかった!」という感想にとどまらず、作品の歴史的・文化的背景を知った上で、音楽の「どんなところからどんな感じがするのか」、「それらがどう関わり合っているのか」ということをそれぞれが考え、言葉にすること。これこそが、音楽科の授業ではとても大切な学びとなります。 さらに、ミュージカルのような総合芸術では、音楽だけでなく、ダンスや演技との関係性に注目することで、作品をより深く理解することができます。今回のワークショップは、そのような「鑑賞の視点」を育てる良い機会になったのではないでしょうか。 ゼミ生の感想より ● 劇団四季は二回目だったけれど、終始圧巻でした。少しバレエチックなところもあり、バレエを習っていた身としてはすごくのめりこんで見てしまいました。普段は予告を見たりあらすじを調べたりせずドラマや映画を見るタイプなのですが、今回はあらすじや歴史的背景を調べていたからこそ、どういうことだろうと考えることが少なく、すっと内容が理解できてすごく楽しめました。   同じ人でも衣装や役が違えば、本当に同じ人なのか疑うぐらい変わって、本当にすごいなと思いました。舞台も端から端まで使っていて、どこを見たらいいのか、右も見たいし左も見たいということが多く、目が足りない!!と何度も思いました。またほかの舞台も見てみたいと改めて強く思いました!! 3回生・Iさん 最後に 実は私、渡邊は劇団四季の大ファンで、プライベートでも年に数十回観劇するほど。今回、ゼミ生たちと大好きな劇団四季の舞台を観ることができ、本当に嬉しかったです。あまりに嬉しそうだったせいか、ゼミ生が私の写真を撮ってくれました。     今回が初めての学外フィールドワークでしたが、今後もミュージカル鑑賞や総合芸術に関する学びの場を企画していく予定です。ミュージカルが好きな方、芸術と教育のつながりに興味がある方、ぜひ渡邊ゼミで一緒に学んでみませんか?   現代教育学科 准教授 渡邊 真一郎   関連記事 学習会「図画工作を味わう―今までとこれから―」を開催 ~ 畿央大学 現代教育研究所 学校の先生になりたい高校生のための特別企画「ほら、“先生”ってステキ!」を開催!~畿央大学 現代教育研究所 小さなことからコツコツとーできることから始めるまちおこし~現代教育学科 今年度2回目となる畿央大学×ならコープのコラボ企画「こども寺子屋」を開催しました!              

2025.08.15

「認知症の人の家族支援を考える」山川みやえ先生の講演会を開催しました。~畿央大学看護実践研究センター認知症ケア部門研修会

畿央大学看護実践研究センター認知症ケア部門では昨年度に引き続き、認知症の人の意向を尊重することや認知症の人と家族等に対する支援が適切になされ、認知症の人が希望をもって過ごせる地域社会を構築すべく、「認知症の人・家族×大学・学生×地域のつながり」を大切に交流会・研修会を開催しています。 連日の厳しい暑さが続いている中ですが、総勢52名の方が今回の山川先生の講演会に参加されました。今回は、本人・家族の方以外にも多くの専門職の方が参加されました。   講師の山川先生は、大阪大学大学院 医学系研究科保健学専攻 准教授を務め、様々な活動や多くのご実績をお持ちです。認知症の方に関する社会に対して幅広い視野をもたれると同時に、本人やご家族の方一人ひとりの声を聴き、課題に対して真剣に向き合う姿を拝見し、非常に魅力的な方だと常々感じておりました。講演の中では、「認知症の理解は、人を理解するということです」という言葉が非常に印象的でした。   家族介護者の方々は、介護の疲れや不安から感情的になり、大切な家族に対して厳しい言葉を投げかけてしまったり、社会的な孤立、相談できる人や場所がない、心がつらいなどと語られていました。また、家族支援の現状や家族の気持ちなどの研究成果を非常に分かりやすく丁寧にご説明くださいました。これらの課題ひとつひとつに向き合い、家族支援の制度化に取り組まれていることを学ぶことができました。     講演のあとには、様々な年代や立場の方がグループワークを行いました。     トークセッションでは、奈良県若年性認知症サポートセンター(きずなや)でピアサポート活動をされている当事者平井正明さんに参加頂きました。参加者の方から「痴呆から認知症という言葉に代わっても、投げかけられる言葉の重さは変わらない、どうか、もっと優しい言葉をこれからは考えてほしい」との声も聞かれました。   いつも笑顔で穏やかな平井さんですが、この言葉を受け取り、「今日は大きな課題をいただきました」と次へのステップを進まれる力強さを感じました。私も改めて日常で使っている言葉の重さを感じる一場面となりました。     平井さんからは、「認知症の人とともにある家族の権利宣言」を説明して頂く場面もありました。本人だけでなく、家族への支援の大切さを学ぶことができました。   ご参加いただきました皆さま、ご協力頂きました皆様には心から感謝申し上げます。ありがとうございました。 参加者の感想の一部を紹介します。 本人と家族の支援は、両輪が必要で診療報酬や介護訪中に位置付けていく必要性を強く感じました。 話がわかりやすく、みまもりあいアプリを知ることができました。 家族への精神的サポートの大切さをあげられていた点は共感した。 両方支援の難しさについて考えさせられた。 家族への精神的アプローチの大切さを感じた。 看護医療学科 助教 伊藤 千春 関連記事 畿央大学付属広陵こども園ベビークラス活動報告 ~ 看護実践研究センター 母子包括ケア部門 卒業前看護技術トレーニングを開催しました ~ 看護実践研究センター臨床看護研究部門 看護医療学科 2・3回生 計43名がイベントボランティアとして活躍! ~ 看護実践研究センター 認知症ケア部門 第3回「認知症の人と家族の思いに耳を傾ける」 松本一生先生講演会「認知症の人と家族とともに」を開催しました。 ~ 畿央大学看護実践研究センター認知症ケア部門

2025.08.13

第15回呼吸・循環リハビリテーション研究大会を開催しました!~健康科学研究科 田平研究室

2025年8月9日(土)〜10日(日)に三重県鳥羽市のエクシブ鳥羽アネックス「白帆の間」にて「第15回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」が開催されました。本研究大会は、田平教授をはじめ、大学院生と卒業生によって運営されており、今回は15回目の開催となります。今年は学部生6名、卒業生7名、WEB参加3名の計16名が参加し、10題の演題発表が行われました。   ▼▼ 昨年度の実施された第14回呼吸・循環リハビリテーション研究大会の様子はこちら ▼▼ 第14回呼吸・循環リハビリテーション研究大会を開催しました!~健康科学研究科 田平研究室       質疑応答では活発な意見交換がなされ、各自の研究をブラッシュアップするための貴重なフィードバックを得ることができました。卒業生の発表では、呼吸理学療法に関する最新の知見や新規性・発展性のある研究内容も共有され、大変有意義な時間となりました。     もちろん発表後には美味しい食事を囲みながらのプライベートな話や近況報告でゼミ生同士の交流を深めることも忘れていません。セッション中の質疑応答とは違う和やかな雰囲気の中でのディスカッションも行われ、より質の高い研究につながる二日間となりました。     田平研究室では、日々の臨床の中で生じた疑問を、卒業生も含めて一丸となり解決に向けて議論を重ねています。     呼吸・循環分野に関するClinical Questionをお持ちの方、ぜひお気軽にご連絡ください。私たちと一緒に、楽しみながら答えを見つけていきましょう。研究室スタッフ一同、心よりお待ちしております。   健康科学研究科 博士後期課程 玉村 悠介 関連記事 ▼▼ 健康科学研究科についての関連記事 ▼▼ 日本リハビリテーション医学会学術集会に参加しました! ~ 健康科学研究科 瓜谷研究室 神経リハビリテーション学研究室の学生・教員が World Physiotherapy Congress 2025 で発表 ~ 健康科学研究科 地域リハビリテーション研究室の学生・教員が World Physiotherapy Congress 2025 で発表 ~ 健康科学研究科 第65回日本呼吸器学会学術講演会で『トラベルアワード』を受賞 ~ 健康科学研究科   ▼▼ 理学療法学科についての関連記事 ▼▼ 筋肉かるたで“知識”と“絆”を強化!~ 理学療法学科 2・3回生交流会レポート ~ 中国の理学療法、リハビリテーション事情について~理学療法学科 第15回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」  

2025.08.05

「薬害の実情」と「患者の人権」を学ぶ ~ 看護医療学科「保健医療福祉システム論Ⅰ」

看護医療学科4年次生必修科目である「保健医療福祉システム論Ⅰ」では、医療と公衆衛生、そして社会福祉のシステムとそのあり方を学んでいます。 7月21日(月)の授業では外部講師として全国薬害被害者団体連絡協議会 副代表世話人の勝村 久司氏をお招きし、「『薬害の実情』と『患者の人権』~医療倫理や患者安全について考えながら~」と題した内容について講演いただきました。薬害問題は、2022年度から高校「公共」の授業でも取り上げられており、医療人としても必ず知っておかなければならない問題です。 勝村氏は、「陣痛促進剤(子宮収縮剤)」の被害に遭い、9日間しか生きられなかった娘さんの星子さんのことがきっかけで、医療裁判を起こしました。一審では敗訴しますが、二審では逆転勝訴します。それらの経験から、その後は薬害被害に関する活動を展開されることになりました。その活動の成果から、全ての人への診療報酬明細書発行に至っています。     講演の中では、薬害の原因は、単なる副作用被害ではなく、故意や無作為等の人災により、防げたはずの被害が拡大したものであること、陣痛促進剤は感受性の個人差がかなり大きい(人によって効き目が200倍異なります)がその理解が医療従事者の中でも十分ではないことを強く訴えられました。 最後に、薬害等の不誠実な医療を防止するためにはリスクマネジメントがとても重要であり、また、患者のための医療者でいてほしいということを切々と訴えられました。また、講演終了後の質疑応答では、母子が安全に出産できる環境を整備するために、質の高い助産師の数を増やすことが大事である旨、おっしゃっておられました。   学生たちは今回の講演の内容を重くそしてしっかりと受け止めていました。学生たちの感想から一部紹介したいと思います。 講義後の学生の感想より 医療とは何なのか、だれのために、何のために行うのか再度考える必要があると考えた。また、,自分が将来病院で働いた際に自分の行うケアが当たり前だと過信せず、常に自分の行動を内省し、対象者の最善の利益になっているか考え続ける必要があると考えた。 病院での出産は土曜日、日曜日よりも平日の方が多く、特に火曜日が多いということや、昼間の時間帯が最も多く産まれており、曜日や時間によって分布に差があるということを初めて知った。その一方で、助産所での時間別出生数の分布にはほとんど差がないということも知り、病院は1981年の統計を取り始めた頃から現在まで変わらず、病院側の都合などで出産日をコントロールしているということに驚いた。 陣痛促進剤による被害や現在の日本の分娩状況の実際など、教科書では知ることができなかった事実を知ることができ、医療従事者として理解しておかなければならないこと、医療従事者が持つべき倫理観や心構え、患者に対する姿勢を改めて考える良い機会となった。 講演の感想を聞いて、一番印象に残った言葉が「薬害の原因は薬だと思っていませんか」という言葉です。薬は治療の促進になるものでもあるが、一方で副作用が出てしまうこともあるという風に今まで習っていました。薬害について、考えることがあまりなく、勝村さんの実体験を聞くことで薬害ということをしっかり頭に刻むことができました。 私は助産学専攻科に進学するが、助産師として、妊産婦さんとの関わりにおいても医療者側の利益を優先するのではなく、妊産婦さんが自然なお産ができるように、環境を整え、痛みや苦しみが当たり前と捉えるのではなく、一人一人の痛みや苦しみを感じ取り、母親の訴えに耳を傾け、少しでも異変を感じたらすぐに対応することを心がけていきたい。そのためには、医療者都合のケアではなく、患者さんの思いや価値観を尊重し、患者さんの利益を優先した倫理観をこれからも養っていきたいと強く思った。   学生たちは、あと半年で医療の現場に飛び込んでいきます。あるいは、助産学専攻科に進学する学生もいます。学生たちの感想にもありますように、今回の勝村氏の講演は学生たちにとって非常に大きな学びとなりました。勝村先生にはこの場を借りて改めて厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。   畿央大学 健康科学部 看護医療学科では質の高い看護師、保健師、助産師を輩出できるよう、これからもたゆまぬ努力をしてまいります。   看護医療学科 教授 文 鐘聲 関連記事 緩和ケア病棟での実習を経験した4回生とのディスカッション ~ 看護医療学科「終末期ケア論」 後期からの臨地実習に向けて!~看護医療学科「老年看護援助論Ⅱ」 先輩から後輩へ、看護のバトンをつなぐ!~精神看護学研究室の卒業生と4回生が授業に参加! 看取りを体験したご遺族の語り ~ 看護医療学科「終末期ケア論」 公衆衛生看護学管理論 奈良県統括保健師講義~ 看護医療学科

2025.08.04

緩和ケア病棟での実習を経験した4回生とのディスカッション ~ 看護医療学科「終末期ケア論」

「終末期ケア論」は、看護医療学科3年次前期に必修科目として開講しています。この授業では、終末期における症状緩和の援助方法や精神的ケア、全人的ケア、グリーフケア(家族・遺族への支援)を考えるなど、終末期ケアを行う看護師として学びを深めることをめざした授業構成になっています。   その一つに、緩和ケア病棟で病院インターンシップ実習を経験した4回生から、3回生に現場での学びを紹介する授業がありましたのでご紹介します。 学びの紹介 1.3回生の発表 ● 国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥の見学 メンバー:二宮 央・山本 華・新谷 咲耶・藤田 有里・鈴木 万琴・高田 有紗・黒田 瑞姫・川上 菜央   2.4回生の発表 ● 国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥のインターンシップ実習 メンバー:内海 茜・九十九 璃子・中西 春水   3.4回生の発表 ● 東大阪市立医療センター メンバー:車路 瞳 飯沼 虹美 橋本 心     1.では、授業を受講している3回生の有志が参加した「国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥の見学」で、病棟紹介を主に発表してくれました。     2.3は、6月に実施された「インターンシップ実習」において、緩和ケア病棟で実習した2施設6名の4回生が実習での学びについて発表してくれました。   それぞれがパワーポイントの資料をもとに発表を行い、緩和ケア病棟の概要や行われている看護、実習で受け持った終末期にあるがん患者の看護の実際について紹介しました。     質疑応答の中では活発な意見交換がされました。飛鳥に実習に行った4回生は「ネガティブなところもその人らしさであることを知った。患者の気持ちを大切にした看護を行うことができた。その人らしさを尊重するために患者の背景を考えて、医療者の当たりまえを押し付けないことが大切だと実習を通して学んだ。死期が迫る中で生きる意味の尊さに気づいた」など率直な思いを語ってくれました。   聴講していた3回生からは「終末期の実際を知ることができた。その人らしさを学ぶことができた」など感想が聞かれました。     東大阪市立医療センターに実習に行った4回生からは「患者が何を考えているのかアセスメントすることは難しいが、私たちは患者の発言を聞いてしっかり考える必要がある。この実習では死を身近に考えた。病気が完治しないということがどういうことか知った。患者に残された時間について患者とともに考えていくことが大切である。最期に向かってどうしていくのか、患者のニードに寄り添うためにも、患者のまとまらない思いをまとめることが看護師に必要なことだと思った」と3回生に学びを伝えていました。   3回生からは「授業でその人らしさを尊重することが大事だと習ったが、患者を目の前にするとしないといけないことが多くあって、その人らしさを忘れて自分中心の看護になってしまっていた。しかし、この発表を聴講して患者の声をしっかり聴いて援助したいと思った」と意見がありました。 グループワーク 授業の後半は4回生から事前に配布された質問紙に沿ってグループワークを行いました。4回生が司会となってグループワークでは活発な意見交換がされました。     「あなたは‘‘どこで死にたい‘‘と思いますか」の質問にはついては、「病院で死にたい理由は家族に迷惑かけたくないからだ」「病院に迷惑をかけたくない。家族に看取られたいから、家がいい」など様々な意見があり、4回生からは「どんな病気で死ぬかわからないけど、がんなら緩和ケア病棟がいい。自分を尊重してくれるから」という意見がありました。   また、「あなたは人生の最期に誰にそばいて欲しいですか」という質問に対しては、「友達、どこかに遊びに行き、(友達が)トイレに行った時に、(自分が)死んで、後から気付いてもらいたい」「家族とか大切な人、好きな人にそばにいて欲しいと思います。理由は家族に最後まで大切な人に一緒にいて欲しいと思うから」「結婚していたら旦那さん。子供。理由は一番安心感がある状態で死にたい」「病院ならお世話になった看護師さんに見守って欲しい。自分の希望も聞いてもらえそうなので看護師さんを選んだ」など様々な意見が出されました。     終末期の看護について学ぶことは難しいことですが、身近な学生が実際に緩和ケア病棟を見学したり、実習を経験することで得た学びを共有することで終末期看護について考えることができました。実習を体験した4回生の思いも3回生には伝わり、それぞれの看護観や死生観を深めるきっかけとなったこと思います。   看護医療学科 准教授 對中 百合        助教 福田 都美恵 関連記事 ▼▼ 「終末期ケア論」に関する記事 ▼▼ 看取りを体験したご遺族の語り ~ 看護医療学科「終末期ケア論」 国保中央病院 緩和ケア病棟「飛鳥」の見学に行きました。~ 看護医療学科「終末期ケア論」   ▼▼ 看護医療学科に関する記事 ▼▼ 後期からの臨地実習に向けて!~看護医療学科「老年看護援助論Ⅱ」|KIO Smile Blog 先輩から後輩へ、看護のバトンをつなぐ!~精神看護学研究室の卒業生と4回生が授業に参加! 公衆衛生看護学管理論 奈良県統括保健師講義~ 看護医療学科 「フィールドワーク:自分たちにできること、共生社会の在り方を考えよう」~ 看護医療学科「認知症ケア論」    

2025.08.04

本学就任予定の教員が、マーケティングに関する書籍を出版!

  はじめまして、伊﨑です。 次年度より就任予定の村松潤一先生が編集されたマーケティング書籍『価値共創マーケティングの深化』(同文舘出版)を紹介させていただきます。同書は、2015年に刊行された村松先生編著の『価値共創とマーケティング論』の続編として出版されました。『価値共創とマーケティング論』では、サービス・ドミナント・ロジック(S-Dロジック)に基づいて、顧客との相互作用を通じた価値の共創という考え方をマーケティングに取り入れた先駆的な書籍でした。   その続編にあたるのが、今年3月に刊行された『価値共創マーケティングの深化』です。本書は理論編と事例編の二部構成となっており、前著の理論的枠組みをふまえつつ、文脈価値、資源統合マネジメント、カスタマー・ドミナント・ロジック(C-Dロジック)などの新たな視点を加えることで、価値共創の実践と応用をより立体的に捉えています。ポスト・コロナ社会やデジタル化の進展を背景に、マーケティングの枠組みを再考するうえでも重要な知見が詰まっています。     事例編に収められた第16章「ヘルスケア・ビジネスにおける価値共創」は、私が担当しました。本章では、医療・健康用品業界における価値共創の成果に着目し、共創活動がどのような変化や価値の創出につながるかを具体的な事例に基づいて論じています。特に、顧客との対話やデータ活用を通じて、文脈依存的に価値が生成されるプロセスに焦点を当て、「成果」の視点から共創を捉える重要性を示しました。   本書は、価値共創マーケティングの理論と実務を架橋する試みとして、企業実務家はもちろん、マーケティングやサービス科学に関心を持つ研究者にとっても多くの示唆を与えてくれる一冊です。またこれからマーケティングを学ぶ学生にとっても、価値創造の考え方を深く理解するための格好の教材です。単なる売買の枠を超えて、企業と顧客がどのように価値を一緒につくり上げているのかを知ることで、マーケティングの面白さと社会的意義を実感できると思います。 現代教育学科 講師 伊﨑 翼