2022.07.20
ゲスト講師と考える「仕事と幸せ、豊かさと遊び心」~キャリア入門セミナー

「キャリア入門セミナーって、どんな授業?」
毎年新入生たちは、このような疑問を持ちながら、最初の授業に参加します。
各学科1年次前期必修「キャリア入門セミナー」は、社会人として最も求められるコミュニケーション能力を磨き、良い人間関係を築くための自己理解や他者理解、社会人基礎力(チームワーク力、前に踏み出す力、考え抜く力)、人としての基本マナーを身につけ、4年後の自分像を確立していく時間です。
学生の声(アンケートより抜粋)
私自身は4月からキャリア入門セミナーを受講していて、その時間はとても貴重で、新しい発見ができる有意義なものに感じていて、とても大好きです。
初対面の方への挨拶の仕方や姿勢、自分の考えを発信する力など、社会に出てからは普通に求められるのに、社会に出るまで誰も教えてはくれない、しかしそれらを学べる時間を作ってくれているのが畿央大学「キャリア入門セミナー」の講義であり、それがこの大学の強みであると常に感じています。
第11回目の授業のテーマは「人生設計」。
1.専門分野だけでなく、広く社会情勢にアンテナを張る
2.未来、私はどんな生き方(暮らし)をしていたい?
3.その未来を実現するためには、今どのような能力を身につける必要があるの?
など、人生における夢・目標を実現するための方法を探索するだけではなく、それを実現するための能力を習得することを目的にしています。
今回は、キャリア入門セミナー講師チームのメンバー、下村知範さんが講義を担当しました。下村さんは縁あってテレビ取材を受けており、2022年7月4日(月)の授業には撮影が入りました。10月13日(木)15時45分からテレビ朝日「ニュースおかえり」内で放送される予定です。
以下、下村さんから授業レポートを寄稿いただきました!
2022年度キャリア入門セミナー
仕事と幸せ、豊かさと遊び心について
こんにちは。昨年から「キャリア入門セミナー」の授業の一環で、ゲスト講演させていただいている下村知範(ともき)と申します。
普段は、京都市内で印刷物やWEBサイトなどのデザイン制作や動画の編集、セミナーや研修、小さな会社やお店の支援を仕事にしながら、毎月お寺で勉強会やイベントを開催しています。
それ以外にも、好きな絵を描いてグッズを創作したり、山の麓にあるお堂にこもって坐禅をしたり、畑を耕して家族で野菜を収穫したり、充実したワクワクする日々を過ごしています。
これまでには、もちろんのこと紆余曲折があって、山あり谷ありの経験をしてきました。自身の経験を通して、何か少しでも気づきを届けられたらと思っています。
人生のキャリアについて考えると同時に、人生における目的とも言える「幸せ」について、様々な角度から掘り下げて考え、仕事を有意義に、ひいては人生を有意義に過ごすためのヒントやキッカケを届けられたら…という想いで、このようなテーマを取り上げています。
子どもの頃は誰もが持っていたであろう遊び心を思い出し、様々なことに好奇心を持って取り組む重要性。尽きない欲を求め続けるのではなく、知足の精神をもって目の前にある豊かさに気づき、行動することによって心を豊かに育むということ。そして、幸せへと繋がる仕事の捉え方、考え方についてお話ししました。
何かを教えるわけではなく、私自身の経験を通して得たことや学んだことを共有することで、各人が自ら気づき、幸せへの道を見出す手がかりにしてもらいたいと考えています。
ワークを交えて進めていく中で、照れくさいという声も多いですが、皆楽しく学んでくれているようでした。中にはスライドのまとめ方や話の組み立て方が分かりやすい、飽きないと言ってくれる方もいて、そんなところまで見てくれているのかと感心させられます。
受講後の感想を読んでいると、私の方が気づかせてもらえることや学びも多く、思い浮かんだことをメモしながら一人残らず精読するようにしています。書き出していくと毎回結構な量になるので、その勢いで感想への返事として文章をまとめて手紙にし、担当の先生に配布していただいています。
講義の中では「私はこう考えている」「私はこうやって行動してきた」という風に伝えるだけで、「こうしなさい」「ああしなさい」「〜すべきだ」ということは基本的に言いません。ところが多くの方は「〜しようと決めました」「日頃から〜を意識します」「〜を変えるため行動に移します」といった具合に、各々が自発的に決意を書いてくれていて感銘を受けました。
また、学校生活とアルバイトで忙しく余裕のない方が多いようで、「心にゆとりを持てた」「これからは授業もアルバイトも好奇心をもって楽しんでいきたい」といった感想も多くあり、何かしら受け取ってくれているものがあるのだと、やりがいと意義を大いに感じさせてくれます。
自分の子に対しては元より、次の世代に対して「幸せに生きてほしい」という願いはあっても、何かを強要することはしたくありません。無論、経験の食わず嫌いをしていたり、踏み出す一歩を躊躇っていることがあれば、背中を押したり、時には厳しく接することも大切でしょう。かくいう私はまだまだ未熟者であり、大した人間ではないのですが、自分ができないことを押し付けるのではなく「こんな風に生きてほしい」と思える生き方を自らが実現し、人が真似したくなるような生き方をしていきたいと常に意識しています。そのうえで「自分もこんな風に生きたいと思った」という感想を沢山いただけたことで、想いが伝わっているのだと実感することができ、非常に喜ばしく思っています。
人生を一つの「物語」として捉え、社会で理不尽なことに遭ったり、辛いことや悲しい出来事に直面しても、いずれは「後に繋がる伏線」になっていく。私はこのように考えています。
そうすることで、たとえどのような出来事であったとしても、しっかりと受け入れ、目一杯味わって、将来の自分の糧にすることがでるのではないでしょうか。
「あなたは幸せになりたいですか?」
その答えがYESであれば、さらに質問です。
「幸せとはいったいなんでしょう?」
普段、あまり深く考えないことが、人生では大いに重要なことだったりします。
この度は大変貴重な機会をいただけたことに、心より御礼申し上げます。
下村 知範
▼講義後に取材を受ける下村さん
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