2023.11.13 

「地域包括ケア実習」が新しく始まりました!~看護医療学科

地域包括ケア実習は看護医療学科の新しいカリキュラムのひとつで今年度の2回生から実施しており8月28日(月)から9月1日(金)までの期間行いました。2回生は地域包括支援センター、特別養護老人ホーム、デイサービス(通所介護)、デイケア(通所リハビリテーション)などの施設にいくつかのグループに分かれて実習を受けました。実習の様子を学生の感想も含めてレポートいただきました。

 

地域包括ケア実習は地域で生活される高齢者の方々が、医療や介護が必要な状態になっても、医療・介護・予防・住まいなどその方の住み慣れた地域で、その方の望む、その方らしい生活を多くの専門職が関わり包括的に生活を支えていくという「地域包括ケアシステム」の実際を学ぶ実習になり、地域で高齢者を支える事業所が主な学びの場所になります。今回その代表的なものとして、地域包括支援センターについて紹介します。

 

地域包括支援センターとは、介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える「総合相談窓口」になります。 医療・福祉などの専門知識を持った職員が、高齢者が住み慣れた地域で生活できるように日常生活支援などの相談に応じています。介護保険の申請窓口も担っていて、お一人おひとりの状況を判断して、ご本人や家族の考えを尊重しながら各種の介護サービス、保健福祉サービスを活用できるよう各種医療機関や事業所、地域のコミュニティなどと連携を図る拠点となり、地域包括ケアシステムを効果的に機能させる事業所になります。地域包括ケアシステムにおいては、様々な生活課題を「自助・互助・共助・公助」の連携によって解決していく取り組みが必要となります。

 

▼広陵町地域包括支援センターの職員の方から講義を受けている様子

 

このような地域包括ケアシステムにおける高齢者支援の実際を、包括支援センターのほか、介護老人福祉施設で高齢者の方々と高齢者の特性を踏まえコミュニケーションを取らせていただき、生活の実際や思いについて情報を伺う貴重な体験をさせていただき、医療機関における看護とは異なる生活を重視した点から看護の特性や看護師の役割を学んでいきます。

 

実習の場所は学生の配置された地域によって異なることから、学生個々に実習で体験する内容も異なりました。学生らは初めての日は高齢者の特性を学びながらも会話に戸惑いうまくコミュニケーションが進まない沈黙の時間もありました。しかし、それもつかの間でコミュニケーションスキルを目いっぱい活用しながらコミュニケーションを進めていました。比較的自立された高齢者の方々からはお話しを伺いやすく、生き生きと会話を進める姿が見られました。そして、ともに日課のレクリエーションに参加し交流を深めました。

 

▼施設でのレクリエーション風景

 

実習の最終日に成果発表を行いました。実習施設の特徴、学びをまとめてグループで発表を行い、他の施設で実習を行った学生らと情報や学びの共有を行いました。

 

▼地域包括ケア実習発表会

 

実習の目標の一つに、「地域で生活する人々の生活の現状と健康課題を捉える」があります。 医療や介護・福祉の専門職が専門職の視点からその方の健康問題や生活問題を捉えていく内容と、ご本人が問題だと感じていることが異なることを学生は気づき、専門職の視点から生活支援を捉え支援を過度にしてしまうことでその方の自立を阻害してしまう場合もあるということも捉えていました。レポートには多くの学びが述べられており、特に「高齢者の望む、その人らしい」生活を多職種や地域で支援していく重要性について学びを深めていました。

 

今後、入院療養を行う高齢者の看護を考える上で、地域における高齢者の生活を見据えた療養支援に繋がることを期待します。

以下、実習に参加した2回生の感想を紹介いたします。

看護医療学科では、今年から地域包括ケア実習が始まりました。

実習期間は8月28日(月)から9月1(金)の1週間で、学内実習、学外実習を実施しました。

地域包括ケア実習では、いくつかのグループに分かれ、地域包括支援センター、特別養護老人ホーム、デイサービス(通所介護)、デイケア(通所リハビリテーション)など、さまざまな施設で実習をさせていただきました。

 

私は、3日間地域包括支援センターで実習をさせていただき、さまざまな高齢者の自宅に訪問に連れて行ってもらいました。

あまり家に人を入れたくないため玄関でお話を聞かせていただいた方や、逆に家の奥に入らせてもらい食べ物まで進めてくださった方、家の中が物でいっぱいで入れないような方、本当に様々なお宅に訪問させていただきました。

また、実際に地域包括支援センターに相談に来られている方もいました。

 

事前学修で学んだ地域包括支援センターでは、こういう役割があるということは知っていましたが、実際にどのようなことをしている組織なのかあまりわかっていませんでした。しかし、お話を聴かせていただく中で、訪問看護師やヘルパー、医師など多職種と連携をとり、支援していることが分かりました。

また、高齢者の自立度の高いうちから、電話で連絡をとる、実際に訪問するという方法で高齢者と信頼関係を築き、最期まで住み慣れた地域で過ごせるような支援をしているということも学びました。

これから高齢者が増えていき、在宅の必要性が増すなかで、要となる地域包括支援センターの役割をたくさん勉強させていただきました。この実習で学んだことを、今後の授業や実習、そして将来看護師として働いたときにもつなげていけるように頑張っていきます。

 

▼地域包括支援センター前にて指導者の方との様子

 

看護医療学科 2回生 平田 美翔

 

看護医療学科 教授 原田 俊子

 

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