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現代教育学科 , 畿央の学びと研究

現代教育学科1回生、大阪教育大学附属池田小学校を訪問

2011年8月8日(月)

6月23日(木)、教育学部の必修科目であるベーシックセミナーと現代教育論との拡大授業として、教育学部現代教育学科1回生が昨年度に引き続き大阪教育大学附属池田小学校(以下、「附池小」)を訪問しました。

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将来、教育にかかわる仕事を志す学生が、1回生の段階で学校現場を訪れるという事は大変貴重な体験です。児童へのかかわり方や指導のあり方をより具体的に学ぶということが附池小訪問の目的でした。また、附池小は平成13年6月8日に刃物を持った男が侵入し、8名の児童が亡くなり、13名の児童と2名の教員が負傷するという惨劇が起きた学校でもあります。「学校は安全である」という神話を根底から崩したこの未曾有の大事件から附池小が何を学び、二度とこのような事件を起こさない安心・安全な学校づくりにどう取り組んできたのかを学ぶことも大きな目的でした。

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学生たちには事前に附池小事件の概要や、改築された校舎の内容も一切説明せずに訪問しました。学生自身が知っている学校とどこが違い、そこから何を感じ、何のためかを考えることに意義があると考えたからです。  

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学生たちは、グループに分かれて授業を見学させていただきました。まず驚かされたのは教室です。ドアも壁もないオープン教室で、廊下からすべての子ども達の様子が伺え、さらには他学級の様子も一目瞭然です。また、教室だけでなく、体育館、職員室をはじめ多くの場所でガラスが多用され、見通しがよくなるような工夫が施されていました。

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担当の先生のご配慮で、授業に参加させていただいたクラスもありました。音楽の授業では、手にした楽器が気になりながらも、先生がお話しされる時にはしっかりと聞き、演奏する時には元気いっぱい演奏するといった区切りをつけることができる子どもたちの姿に感心しきりでした。また、授業の最後にいつも歌っている歌の合唱にも参加させていただき、初めは子どもたちの元気さに圧倒されながらも、歌の終わりのあたりでは同じぐらい元気に楽しく歌うことができました。

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子どもたちを見る学生の目は、普段より一層キラキラしたもので、みなそれぞれが「楽しい!」「かわいい!」「はやく、先生になりたい!」と口々に話していました。中には、子どもたちに囲まれ、満面の笑みで接している学生もおり、この訪問が学生たちにとって教員をめざす決意を新たにすることにもなったようです。

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授業見学後、子どもたちと昼食も一緒にさせていただきました。一緒に昼食をとることで、子どもたちが興味を持っていることや、考えていることがわかり、なお一層子どもたちのことがわかったようでした。

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午後からは、「安全で安心な学校づくり」というテーマのもと、本学現代教育学科長の安井先生より講義がありました。安井先生は、当時から今も対策委員としてこの事件に関与されており、そこから先生自身が得た教訓を学生たちに伝えていただきました。オープン教室が三角形に配列されていること、廊下に先生コーナーがあり、授業のない時でも直近から子どもを見守っていること、ガラスが多用されている理由など安全・安心の学校づくりの具体的な方策に加え、事件の主な現場となった旧南館1階改築の経緯の説明もありました。    

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学生たちと教員が「祈りと誓いの塔」に黙祷を捧げ、献花しました。実際の現場を歩きながら当時の詳しい説明を受け、事件の悲惨さ、命の尊さ、そして何よりも安全・安心な学校づくりを考え、一同は神妙な表情でした。講義の最後には、安井先生が被害者の保護者からいただいたメールを読まれ、涙ぐむ学生もいました。実際に附池小で現場を経験し、説明を受けたからこそ、校舎改築の意義も実感できたのでしょう。
この訪問を通し、将来広く教育界に携わる者として、子どもの安全を守る、子どもが安心する環境をつくる重要性を認識したと確信しています。
最後に、160 名という人数であったにもかかわらず、附池小の校長先生はじめ、全教職員の皆さまの多岐に渡るご配慮・ご厚意に感謝申し上げます。そして、授業中の真剣な態度と休憩時の素晴らしい笑顔を見せ、話しかけてくれた附池小の子どもたちにも「ありがとう!」。
参加学生には附池小訪問で感じたことについてのレポートを数日中に提出することを課題にしました。レポートを見て、今回の校外授業は、学生にとって大変有意義で、来年も継続すべきと意を強くしました。

以下に学生が書いたレポートの一部を紹介します。

○阪本 貴基
二年生の授業を見学して休憩時間と授業のけじめがしっかりとできていた事に驚きました。休憩時間の延長でざわざわとして、先生が来ても気づかない様な状況が起こると思っていました。すると私が想像していたのとまったく違うことになり、さすがだと感じました。授業が始まると子どもたちは一生懸命ノートをとったり、必死に手をあげたりして学習へのものすごい意欲が受け取れました。先生も子どもたちの言っていることを必死に理解しようとし、間違った事を言っていてもその意見を否定することなくアドバイスをして正解に導こうとされていました。大変感心すると同時に教師の力を感じました。

○山本 英里子
給食の時間になり、準備が終わるのを待っていると誰かが食器を割りました。すると先生は割ったことを怒るのではなく、「どうして割れてしまったのだろう。何をしていて割れてしまったのかな。」と質問し、理由を聞いていました。授業中でも同じように、先生は子どもたちに最終的な答えだけを教えるのではなく、答えにたどり着くまでの過程を考えさせることに重きをおいておられるように感じ取れました。

○津村 真紀帆
安井先生の講義では、10年前の事件を中心に「安全な学校づくり」について学びました。事件後、学校の外見は多く変わったようですが実際の事件の現場となった場所で話を聞いて、その当時の事をより深く感じることが出来ました。校舎の造りや旧正門前の祈りと誓いの塔の周辺など、附池小の敷地の様々な場所から、事件がどれほど重大な事件だったかを思い知らされた気がしました。学校全体が常に職員の目が届くように造られた校舎で、子どもたちはのびのびと生活していました。しかし、私たちは事件のことを決して忘れてはならず、ずっと心に留めて教職を目指して行かなければならいと強く思いました。

○高橋 つぐみ
防犯設備や犯人が実際に通った道筋など、写真を見るだけでは伝わりにくいことがたくさんあった。実際に目にした中では、特に祈りと誓いの塔が印象に深い。見た瞬間、気持ちが改まった。この事件を決して忘れないでほしいという想いが伝わり、絶対に忘れないでおこうと強く思った。
事件当時、小学校四年生だった私は、ニュースを通して大きな衝撃と恐怖心を抱いた。しかし、時が経つにつれて、附池小という言葉を聞かないとこの事件について向き合い、考えることが出来ていなかった。でも、これから教育に携わっていくものとして、ここから学んだことを活かしていかなくてはならない。現場に行って、見て感じて、忘れかけていたことを思い出し、私にとって本当に大きな体験となった。

○山口 大輔
体育館での安井先生の話しを聞くことによって、今まで以上に事件のことを詳しく知りました。祈りと誓いの塔の前で話を聞いたり、犯人が通った場所ごとにその時の様子や状況を聞いたり、犯人が教室に入ってきた時に先生がどのように対応し、児童はどのような状況になったのかなど、今までまったく知らなかったことを聞きました。その話を聞いてすごく苦しくなり、何故このようなことが起こったのか、もっと事件の被害を小さくできなかったのかなど、頭の中でぐるぐる想いが巡りました。講義の中ですごく考えさせられる話がありました。それは教室にいた先生の対応の仕方でした。この話を聞いて、自分ならどうするかとすごく考えました。もし、このような事件が起こった時に学んだことを教訓にして活かしていけるように、これからの学習を進めていきたいと決意しました。

○栗山 理緒
今回の附池小への見学で、多くの事を学んだ。大学で受ける講義も知識として大切だが、実際に小学校に行って生身の子どもたちと関わるのは良い刺激になった。
「何歳から何歳までが~で、何歳から何歳までが~である」と学んでいても成長には個人差があり、一人一人違うのだと再確認した。授業において積極的な子どもと、そうでない子どもがいること、そんな子どもたちに対する教師の接し方を近くで見ることが出来て、将来自分自身が教師になったときの参考になった。
私は養護教諭を志しているので、附池小事件後のフラッシュバックやトラウマについてもっと詳しく学びたい。そして今回の授業見学を活かしていきたい。また教師の責任や人間性の大切さと、ただ知識を教えるだけが仕事ではないということを認識した。

○横山 睦実
私は養護教諭を目指しているので、お昼休みの時間に保健室の様子を見学に行きました。ベッドは4床あり、運動場に面して外で遊ぶ子どもたちがケガをしてもすぐ保健室へ行けるように設計されていました。
保健室には口をケガして出血している子どもや、肘や膝をケガした子どもたちが数人来ていました。養護の先生の手際よく治療する様子に驚き、保健室には毎日こんなにケガをした子どもたちがくるのかなと思いました。私も子どもたちから頼りにされる養護教諭になるため、大学でしっかり学んで行きたいと思いました。

○北野 将太
二年生の教室へ着くと、私は急に不安になった。それは、私は小さな子どもたちと接することに慣れていないからだ。それで、最初は全く子どもたちと話すことが出来なかった。
〜中略〜
授業が終わり、このまま去ろうとした時、女の子が一人話しかけてきた。それがきっかけで他の子どもたちもどんどん話しかけてきた。私はとても戸惑った。その女の子は私に「ずっとおってほしいなぁ。私は三年生なるまでここにおってよ。いかんといてほしい!」と言ってくれて、とても嬉しかった。私はこの先もこの女の子のことを忘れないだろう。

○米田 生
私はこの日まで、先生という職業の大変さをあまりわかっていなかったと身にしみています。なぜなら、私は人の前で半時間も喋ることができないし、保護者への対応もろくにできないし、子どものことを常に考えて行動できるかも怪しいです。正直に言うと、先生になることができたとしても、その後きちんと仕事ができるかといつも考えています。しかし、附池小に来て思ったことは不安ばかりではありません。私はこの日、たくさんの子どもたちにふれあい笑顔を見たことで、教師という仕事はとてもやりがいのある仕事であり、子どもや自分も幸せになることが出来る仕事だと実感しました。

○吉田  凌
午前中の授業が終わり、昼食時間になって子どもの難しさというのを体験しました。給食を食べる班で、私がどこの班で食べるのかで、争奪戦が始まってしまいました。一緒に食べようと言われると「いいよ」って言ってしまうけれど、全部の班と一緒に食べることはできないし、児童同士で言い合いが始まり、混乱状態になりました。結局、あるひとつの班で食べたのですが、どうすれば上手な対応ができるのか考えさせられました。

【所属カテゴリ】現代教育学科畿央の学びと研究

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