2025.11.18 

第23回日本神経理学療法学会学術大会にて本学関係者が多数登壇・受賞しました!

2025年10月31日(金)〜11月1日(土)に、石川県金沢市の石川県立音楽堂にて「第23回日本神経理学療法学会学術大会」(以下、第23回学術大会)が開催されました。本大会は全国から約2,500名が参加し、発表演題数は800を超える過去最大規模での開催となりました。畿央大学大学院およびニューロリハビリテーション研究センターからも多くの大学院生・修了生・研究員・教員が参加し、研究発表や講演、そして多数の受賞という形で大きな成果を収めました。

今回は、第23回学術大会での畿央大学大学院、ニューロリハビリテーション研究センター関係者の活躍をご紹介したいと思います。

 

学会での主な講演・発表

 

初日には、大住 倫弘准教授がモーニングセミナーにて感覚機能低下に対する理学療法をテーマに講演を行い、臨床現場に即した感覚リハビリテーションの最新知見を共有しました。

 

続く特別講演では、立教大学の河野 哲也先生を講師に迎え、科学の哲学 − 根拠と反証のための問いの立て方というテーマで講演が行われ、森岡 周教授が司会として哲学的観点から科学の根拠を掘り下げる議論を展開しました。

 

スキルアップレクチャーでは、客員研究員の水田 直道氏(現・日本福祉大学 助教授)が歩行リハビリテーションの個別化治療戦略をテーマに講師を務め、臨床実践に根ざした講演が多くの聴講者を引きつけました。

 

さらに、基幹シンポジウムでは、客員研究員の藤井 簾氏(現・武蔵ヶ丘病院武蔵ヶ丘臨床研究センター 主任研究員)が臨床と研究を架け橋する地方民間病院の実践モデル:歩行障害の定量的評価から個別化アプローチまでをテーマに発表し、様々な機器を導入し地域病院から発信する臨床研究の新たなモデルを提示しました。

 

一般演題では、CREST研究 の一部として、研究センター長の森岡 周教授脳卒中後の上肢に関する経験の構造:現象学的アプローチによる縦断事例研究を発表し、大学院生の三枝 慎吾氏が脳卒中後の歩行に関する経験の構造:現象学的アプローチによる縦断事例研究を発表しました。

 

両演題は、従来の研究とは異なり、データのみならず“患者の語り”に焦点を当てた新しい研究アプローチとして注目を集めました。

 

また、セレクション演題(表彰対象)には、大学院生の寺澤 雄太さん、山崎 雄一郎さん、田上 友希さん、堀 めぐみさん、および修了生の本川 剛志さん(現・トヨタ記念病院)の演題が選出されました。

 

中でも、博士後期課程の田上 友希さん最優秀賞に輝き、他の方々も優秀賞・奨励賞を受賞する快挙を達成しました。

 

2日目のランチョンセミナーでは、佐々木 遼研究員非侵襲的な温冷刺激を用いた疼痛の可視化:サーマルグリル錯覚の活用というテーマで講師を務め、革新的な疼痛評価技術に関して活発な議論が行われました。

 

このほかにも、2日間にわたり多くの一般演題が発表され、本学関係者が多方面で活躍を見せました。

 畿央大学大学院生・修了生の輝かしい受賞

800を超える演題の中から、本学大学院健康科学研究科の修了生および在学生が多数表彰されました。以下に受賞者の皆さんとその研究内容を紹介します。

 

最優秀賞(1名中1名)

田上 友希 氏(博士後期課程在籍/森岡 周研究室、写真左から4番目)

演題名: 脳卒中後体幹機能評価の統合的構造解明 ― 多尺度因子分析とRasch解析による新評価モデル ―

コメント:このたび最優秀賞を受賞でき、大変光栄に思います。ご指導いただいた先生方やご協力くださった皆さまに、心より感謝申し上げます。

優秀賞(3名中2名が本学関係者)

寺澤 雄太 氏(西大和リハビリテーション病院/博士後期課程在籍、写真左から3番目)

演題名: スペクトログラム形状特徴量を用いた定常歩行からのパーキンソン病のすくみ足の識別:横断研究
コメント:このような賞を受賞でき、大変光栄に思っております。今後も臨床現場や対象者に貢献できるよう、研究を続けてまいります。

 

本川 剛志 氏(トヨタ記念病院リハビリテーション科/2025年3月修士課程修了、写真左から5番目)
演題名: 重症虚血性脳卒中患者における注視偏倚と体幹起居能力は脳卒中関連肺炎を独立に予測する
コメント:森岡ゼミでの学びと先生方のご支援のおかげで受賞できました。この経験を励みに、今後も臨床・研究に励んでいきます。

奨励賞(5名中2名が本学関係者)

山崎 雄一郎 氏(博士後期課程在籍/森岡 周研究室、写真左から2番目)
演題名: 小脳性運動失調歩行における方向特異的・速度依存的な体幹制御特性の定量的解析
コメント:森岡先生、水田先生、歩行チームの多大なサポートに感謝しています。今後も臨床課題の解明に向け、研究を続けていきたいです。

 

堀 めぐみ 氏(宝塚リハビリテーション病院/修士課程在籍、写真左から1番目)
演題名: 歩行時視線制御の特異的代償戦略 ― 脳卒中患者における機能・能力と視線パターンの関連 ―

コメント:修士課程で進めている研究成果の発表において、奨励賞をいただくことができて大変嬉しく思っています。また、ご指導いただきました森岡先生ならびに森岡研究室の皆様、評価・計測にご協力いただいております関係者や患者様に心より感謝しております。

 終わりに

今回の成果は、指導教員をはじめとする多くの関係者の支えと、研究に真摯に取り組む院生・研究員一人ひとりの努力によって実現したものです。全ての関係者の皆様に心からの感謝を申し上げます。本学は今後も、理学療法学および神経リハビリテーションの発展に貢献し、社会に貢献できるよう努めてまいります。

 

畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター長 森岡 周

特任研究員 大西 空

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