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看護医療学科
2019.04.05
2019年度 新入生宿泊研修レポートvol.1~看護医療学科1日目
看護医療学科では、2019年4月4日(木)と5日(金)の2日間、今年度も弘法太子で有名な高野山の宿坊・別格本山普賢院にて宿泊研修を行いました。12期生である新入生95名、教員11名と11期生である2回生の支援学生10名の合計116名が参加しました。 ~1日目:4月4日(木)~ 朝9時に大学に集合し、バスで高野山へ向けて出発! セッションⅠ 支援学生の進行に沿って、バスごとにゲームを行いながら、和やかなムードで始まりました。途中、紀ノ川にある道の駅で休憩して、約2時間30分で世界遺産の高野山に到着しました! ひんやりと寒いですが、天気は良く、とてもすがすがしい日でした。そして、大広間に集合し、河野学科長と松本先生から挨拶と説明をいただきました。 ▼写真左:河野学科長、写真右:松本先生 セッションⅡ-part1:クラス会 その後、クラス会が行われました。クラス別に円陣になり、自己紹介や自己アピールを行って、一気に新しい元号である「和」やかな雰囲気になりました。 ▼クラス会の様子 セッションⅡ-part:高野山散策 クラスでグループに分かれて、高野山マップを参照に自由に散策です。お土産をみたりアイスを食べてたりしている学生さんもちらほら…。満面の笑顔で帰ってきました。 ▼高野山を散策中の一コマ セッション:講演会 最初の研修です。山崎学科主任の進行で始まりました。 今年は、“人と向き合うこと”がテーマで、高野山大学の山脇雅夫教授が、先生自身の肉親の病気や死を通して感じた物として扱われる悲しみや孤独、そして、人の悲しみの横にいるということ、気持ちを受け止めるということ、その「優しさ」の大切さをお伝えくださいました。そして、講演後は、講義をヒントに、2回生の支援学生が各グループに入って、 Q1 やさしさとは、共感することとは、それらにとって大事なことは何か? Q2 プロフェッショナルとして、仕事をもって、やさしくするとは、どういうことか? をテーマに、さまざまな意見を出し合いました。 ▼公演中の山脇雅夫教授 最後に、山脇先生は、愛の反対は憎しみではなく、無関心である。相手の立場に立つには、相手にとっていいこと、大切なことを見極めること、知っていることが大切であることをお伝えくださいました。続いて、河野学科長から、やさしさはいろいろあるが、自分なりの考えを持つことが大事であることをお話しくださいました。 そして、昼食です。皆そろって食べました!なんとメンチカツが出ました! セッションⅣ:11期生の語り 夕食をはさんでまだ研修が続きます。司会は乾先生です。 支援学生さんの基礎看護学実習の体験談を聴いて、「いのちとこころ」について話しました。2回生の発表内容を、新入生は真剣に聴いていました。それぞれの支援学生が実習を通して成長している様子を知ることができ、その語りに、聴いていた教員も胸が熱くなりました。 ▼司会の乾先生 話題を提供してくれたのは、11期生の川原くん、岡原さん、大西くんです。セッション終了後にパチリ。 本日は、その後、「夢を力に」をテーマに作文を書いて、入浴・就寝となりました。学生は寝るのがもったいなく、長~い夜を満喫し、新しい学友と親交を深めたことと思います。 2日目の新入生宿泊研修レポートをお楽しみに! 看護医療学科講師 鷲尾弘枝
2019.03.27
第11回日本医療教授システム学会総会・学術集会でポスター賞を受賞!~看護医療学科教員
平成31年3月21日(木)・22日(金)に札幌市で開催された第11回日本医療教授システム学会総会・学術集会に参加し、ポスター賞を受賞しました。題目は『学習目標の明確化を目的とした災害初動における臨床看護師に求められるコンピテンシーに関する一考察』です。 看護学は、日々のリフレクションの中に発展してきた学問です。非日常である災害時の看護における学びをどのように積み重ねていくか、学びの到達状況をどのように評価するのか、そうした視点で取り組んでいる研究「災害初動における臨床看護師のコンピテンシー開発及びオンライン学修支援環境の構築」の中間報告でした。[科学研究費助成 基盤C 17K 12198 研究分担者:松葉龍一(熊本大学教授システム学専攻 准教授)、宮崎誠(本学教育学習基盤センター 助教)] 教育工学系の学会エントリーは初めてで、少し緊張しましたが、途切れなく多くの方々が集まってくださり、貴重な意見や質問,濃厚なディスカッションであっという間に2時間が過ぎていました。最も関心が集まった点はコンピテンシーの抽出方法でした。説明を求められ自分の頭の中が整理されている感覚は心地よく、大変有意義な時間でした。 本研究のデータ収集には複数の近隣医療機関の看護部のご協力を頂いております。またワーキングメンバー(研究協力者)として研究に関わってくださっている「災害に強い大和の町づくりネットワーク」の皆様にも心より感謝申し上げます。今回の発表が臨床看護師の災害看護学習に役立つシステム構築へ繋がるようにさらに研鑽してまいります。 看護医療学科教授 堀内美由紀 【関連記事】 ポーポキプロジェクト「平和について考える」ワークショップを開催!~看護医療学科「国際看護論」 「災害に強い大和の町づくりネットワーク」平成29年度第1回研修会を開催!~看護医療学科教員
2019.03.22
平成30年度 卒業パーティーレポートvol.4~看護医療学科編
平成30年度卒業証書・学位記・修了証書授与式が3月15日(金)、冬木記念ホールにて挙行され、566名の卒業生が巣立ちました。今年度から卒業パーティーは学科・専攻科にわかれて開催することになりました。 第4弾は「看護医療学科」です! 2019年3月15日、ルフールなんば道頓堀店にて看護医療学科 謝恩会&卒業パーティーが開催されました。87名の卒業生と20名の先生方に参加いただきました。卒業生は美味しい料理とお酒を囲みながら先生方と歓談を楽しみました。 冬木学長、植田学部長にもご参加いただき、お祝いの言葉をいただきました。看護医療学科全員の先生からのメッセージをいただいたサプライズムービーでは、お世話になった先生方からのメッセージは、卒業生のこれからの励ましの言葉となりました。 パーティーの中の企画ではビンゴゲームもあり、豪華商品を狙ってとても盛り上がっていました。 2時間という時間も気づけばあっという間に過ぎ、最後は閉会の辞でお開きとなりました。 この畿央大学での4年間は、課題、実習、国家試験と私たちの前に沢山の壁が立ちはだかりました。しかし、いつも相談に乗ってくださった先生方や周りの友人がいたので、卒業という日を迎えることができました。 私たちにとってここからがスタートです。進学する者や病院・施設で働く者。それぞれの道に向かってこの畿央大学での4年間で培ったものを活かして歩んでいきたいと思います。 謝恩会の幹事は近藤梨乃と志手優香が務めさせていただきました。今回のパーティーを無事に終えることができ、また貴重な体験をさせていただき本当によかったと思っています。 看護医療学科8期生 近藤梨乃 ●大学公式facebookページで卒業式のフォトレポート!(facebookアカウントをお持ちでない方もご覧になれます) ≪他学科の卒業パーティーレポート≫ 平成30年度 卒業パーティーレポートvol.5~健康栄養学科編 平成30年度 卒業パーティーレポートvol.3~現代教育学科編 平成30年度 卒業パーティーレポートvol.2~人間環境デザイン学科編 平成30年度 卒業パーティーレポートvol.1~理学療法学科編
2019.03.20
助産学専攻科7期生、修了レポート!
2019年3月15日(金)、助産学専攻科を修了しました。 助産師になるために不安と期待を抱きながら入学し、早1年が経ちました。 いざ卒業となると達成感もある一方でみんなとのお別れが寂しいです。 前期は助産学の講義、分娩介助の技術演習を学び、後期は実習と卒業研究、国試勉強、NCPRの資格取得といった盛りだくさんの1年でした。互いに思いやり、信頼し合える仲間に出会え、助産師に必要な「自己を知ること」を学ぶことができ充実した1年でした。 ▼熟練助産師による分娩介助の特別講演!~助産学専攻科 ▼新生児蘇生法(NCPR)Aコースを受講しました!~助産学専攻科 ▼助産学専攻科の集大成「事例研究発表会」を開催しました~学生レポート 卒業旅行では3泊4日で沖縄に行って来ました。 あっという間の4日間で、4月からは離ればなれになりますが、学生として最後にみんなと楽しい思い出を作ることができました。 この1年で学んできたことを忘れずに母子を尊重する助産師になりたいと思います。 先生方からは、厳しいご指導を受けたこともありました。でもそれは助産師の後輩を育てるための温かいご指導であり、常に私たちのことを考えたご指導ばかりでした。 先生方や臨床指導者様から頂いた言葉を糧に、そして、出会った妊産婦さんやその御家族、先生方や家族への感謝の気持ちを忘れず、今後も精進していきます。 助産学専攻科 英美帆・西口理美 ●大学公式facebookページで卒業式のフォトレポート! (facebookアカウントをお持ちでない方もご覧になれます)
2019.03.18
市立東大阪医療センターの合同災害訓練に、学生が患者役として参加!~看護医療学科
平成31年3月12日(火)、臨床実習でもお世話になり、卒業生も務めている市立東大阪医療センターの合同災害訓練に看護医療学科の学生5名が参加しました。 この施設を含む地域で大きな地震が発生し、負傷した被災者の治療にあたるという想定で訓練が開始され、学生は患者役として参加しました。 まずはムラージュ呼ばれる傷のメイクをしました。そして、それぞれの役柄になりきるように指導を受けました。 軽傷患者役も体験しました。 すぐに治療が必要な患者として救命救急センターに搬送され、治療を受けるという設定でした。 以下、参加した学生のコメントです。 病院で行なっている災害訓練に参加したのは初めてでしたが、この訓練を行うことで実際に災害が発生した際、医療従事者が混乱することなく迅速な対応が可能になると思い、今回は患者の立場から貴重な体験をすることができました。 災害現場において、情報・判断・行動が重要であることを学ぶことができました。医療従事者は自身の安全を守るとともに、迅速な判断で、病院内外の患者の安全を守る責任があるのだと再認識することができました。今回の経験から、医療従事者として働く中で、如何なる状況の時にも率先して行動しようと思える良い機会にすることができました。 患者役として参加し、トリアージするところから治療までをどのように役割分担して実施していくのかについて、見学体験することができました。このような訓練をすることで、実際に災害が発生した際に迅速な対応ができると思いました。災害訓練は実習では見学体験することができないため、貴重な経験になりました。 一般的な学校などでの避難訓練とは違い本当に医療機器も使用しながらの訓練となっており、途中、本当に災害が起きたのかと錯覚するほどの臨場感ある訓練でした。そのため、患者が抱くであろう恐怖感や不安、思考の混乱などを直に感じることができ、自分がもし災害に直面した時、看護師として患者にどのように寄り添うことが必要なのか学ぶことができました。 実際に災害が起きた時の医療者の対応を身近で患者役として客観的に見ることができ、とても貴重な体験になりました。災害は生活していく中で身近にあり、起こった時にパニックにならないように訓練していくことが大切だと実感しました。今回の体験を今後の学修や人生に生かしていきたいです。 看護医療学科3回生 田宮一樹・畑中陽太郎・檜垣楓香・湊本みのり 看護医療学科2回生 犬塚萌果 【関連記事】 「災害に強い大和の町づくりネットワーク」平成29年度第1回研修会を開催!~看護医療学科教員 地域の防災イベントに教員・学生がボランティア参加!~看護医療学科 第2回奈良メディカルラリーに在学生・卒業生・教員が参加!~看護医療学科
2019.03.11
助産学専攻科の集大成「事例研究発表会」を開催しました~学生レポート
平成31年3月4日(月)に第7回助産学専攻科事例研究発表会が開催されました。1年間を過ごしてきた学生から、当日のレポートが届きました! 助産学実習でご指導いただきました臨床指導者・臨床教授・講師の皆様にご参加いただきました。私たち学生8人は、妊娠期から産後1カ月健診まで受け持たせていただいた継続事例で自分たちが行った助産ケアについて、文献や理論を用いて助産診断やケアを振り返りました。8人8様の内容であり、それぞれの思いが溢れる発表となりました。 今回の卒業研究発表会は、私たちの1年の集大成であり、それぞれの事例をまとめるだけでなく、どのように運営していくのかを何度も話し合い、より良い卒業研究発表会になるように試行錯誤しました。 発表当日は、緊張しながらも、一生懸命発表し自身の学びや思いが伝わるように心がけ、無事発表を終えることができました。発表会を通して、指導者さんや先生方から質問やご講評をいただくことで、自身の行った助産ケアを振り返りより深く理解することができたと感じました。 今日のように研究発表会を終えることができたのは、実習時よりご指導いただいた臨床指導者・臨床教授の皆様、また学内でもたくさん指導していただいた教員の皆様のおかげだと思います。 これからもそれぞれに課題は残りますが、4月から助産師として働くにあたって忘れてはいけないことは、自分の助産ケアを振り返りより良いケアを行えるように心がけることだと考えました。このような機会を作ってくださったことに感謝いたします。 助産学専攻科 建石一帆 田中来実 【関連記事】 新生児蘇生法(NCPR)Aコースを受講しました!~助産学専攻科 「周産期災害演習」を実施!~助産学専攻科 第57回大阪母性衛生学会学術集会 参加レポート~助産学専攻科 熟練助産師による分娩介助の特別講演!~助産学専攻科 フリースタイル分娩を学びました!~助産学専攻科
2019.03.11
外部講師に学ぶ分娩介助「安産にむけての準備とケア」~助産学専攻科
平成31年2月19日に岩田塔子先生にお越しいただき、「安産のための助産ケア」についてご講義いただきました。 実習前にもご講義いただきましたが、実習で分娩介助を経験してからご講義を再度聞くことで、実習で行った助産ケアとエビデンスを結びつけることができました。また、分娩期だけでなく妊娠期からの助産診断に必要な視点をたくさんご指導いただき、新たな視点を得ることができ学びがさらに深まりました。 実習で10例のお産を経験してから、分娩介助で岩田先生に手添えしてもらうことで、左右の手の細かい力加減を感じることができました。また、実習で困ったことなどについても手取り足取り教えていただき、実習での分娩介助の振り返りにつなげるとともに、さらに発展した学びにつなげることができました。 岩田先生に実際に分娩介助を実演していただくことで、私たち初学者にはない熟練の技を間近で学ぶことができました。岩田先生は、呼吸法の声かけひとつでも、産婦さんの力を引き出せるような声かけをされており、産婦さん自身の力や呼吸を意識した分娩介助が重要であると改めて体感することができました。 就職に向けて、医療機器に頼るのではなく、自分自身の助産技術を向上させていきたいという思いが強くなりました。この経験を糧とし、4月からよりよい助産ケアができるよう頑張りたいと思います。ご講義いただきました岩田先生ならびに、臨床から来てくださいました2名の指導者様に感謝いたします。 助産学専攻科 赤木円、瀬川文穂 【関連記事】 「周産期災害演習」を実施!~助産学専攻科 熟練助産師による分娩介助の特別講演!~助産学専攻科 フリースタイル分娩を学びました!~助産学専攻科 ベビーマッサージ・マタニティヨガを体験!~助産学専攻科
2019.03.08
新生児蘇生法(NCPR)Aコースを受講しました!~助産学専攻科
卒業研究発表会を終え、平成31年3月5日に(火)に、助産学専攻科での最後の講義である「NCPR(新生児蘇生法)Aコース」を受講しました。 午前中は、講習と基本的手技を学びました。午後からは事例を通したシナリオ演習を行い、どう対応するかを自分たちで考えながら手技の確認を行いました。知識の中では覚えていても実際にやってみると、急いでいることや時間制限があることで難しく感じました。出生直後の蘇生は、限られた時間のなかで的確に判断し対応していく必要があり、新しい命をより安全に守ることができるかは私たちの手にかかってくることを体感しました。 学生の内4名は、すでにNCPR Aコースを取得しており、今回はサポート役として参加させていただきました。今回初めて受講する学生4名と一緒に、シナリオ演習や講義を再度受けながら、改めて新生児蘇生は個人の技量だけでなく、チームでの連携が必要であることを学ぶことができました。 4月から臨床の場で働く中で、私たちの手でより安全に新しい命を守るためにも、今回の講義で学んだことを実践のなかで活かし、頑張っていきたいと思います。丁寧に講義をしていただきました、淀川キリスト教病院小児科部長・佐野博之先生に改めて感謝いたします。 助産学専攻科7期生 中本沙紀 【関連記事】 平成30年度 新生児蘇生法(NCPR)一次コースの講習会を受講!~看護医療学科 新生児蘇生法(NCPR)講習会を受講!~看護医療学科 新生児蘇生法(NCPR)一次コース講習会を開催!~看護医療学科 新生児蘇生法(NCPR)Aコースを受講し、全授業が終了!~助産学専攻科
2019.02.25
「第1回高齢者と子どもの世代間交流研修会」が開催されました~看護医療学科
2019年2月20日(水)13:00~15:00 L201教室で、「第1回高齢者と子どもの世代間交流研修会」を開催しました。畿央大学の南部登志江教員のほか、あかつき保育園より斎藤三枝先生、阿倍野保育園より政氏知美先生、大阪自彊館 メゾンリベルテ べラミより青山典弘先生を講師にお招きし、世代間交流の実際についてお話しいただきました。 まず老年看護学科、南部登志江教員が世代間交流の歩みや効果、課題、今後の発展について講演を行いました。アンケートやインタビュー、実際の観察などから世代間交流行うことで、子どもでは、「高齢者を大切にする」「人のことを思いやる」などの効果があり、高齢者にとっては「昔のことや家族のことを回想する」「精神的刺激になる」などの効果がみられることがわかりました。 相互作用として子どもは自分たちの歌や演技で高齢者が涙を流したり笑顔になったりして喜んでくれていることからの有用感、高齢者もおじいちゃん、おばあちゃん気質を発揮する、交流後の活発な態度などの効果があることがわかりました。 しかし、世代間交流を行ううえでの課題として、担当職員の負担や職員間の理解・協力などがあることがあげられ、それに対する方策について提案しました。 次に、斉藤三枝先生より、園児と高齢者の世代間交流の実際についてお話しいただきました。 特別養護老人ホームとの交流では、入居者には元気が出てよい刺激になり、園児にはいたわりの気持ちが感じられました。実際に行っている交流として、農園で一緒に野菜を収穫したり、園でのよみきかせや、茶の湯体験をしたり、地域に出向いての秋まつりやクリスマス会などさまざまな取り組みについてご紹介いただきました。しかし関わってくださる地域の方の高齢化が今後の課題であるといわれていました。 政氏知美先生より、園児と高齢者の交流している実際の様子を動画でみせていただきました。阿倍野保育園は、保育園と高齢者デイサービスが同じ敷地内にあり、毎日何らかの交流をしており、2世帯、3世帯同居のような関係が築かれています。年長クラスの幼児が担当日を決めて高齢者が玄関に到着すると、荷物を持ちエレベーターまで話をしながら歩く、運動会や発表会で練習した成果を見てもらう、創作などを持ってみてもらいに行くなど、定期的・不定期的での自然な交流をしています。今後の課題として、子どもたちの年齢に応じた「ねらい」と「方法」を考えた続きのあるかかわりを持つことをあげられていました。 青山典弘先生からは、施設の1部屋を地域に開放したことから、地域とのかかわりが広がったことや、地域の人や子どもたちにボランティアとしてかかわってもらう事など、幼児のみでなく、小・中・高校生や地域の人との活動について話をされました。福祉教育やふれあい喫茶、町ライブラリーの開催、また講師の先生に来ていただき講演会を設けたり、地域での行事に参加したりするなど多様な活動をされていました。さらに活動内容がネットですぐに検索でき、だれでも興味をもつことや参加ができるような工夫をされていました。 参加者は9名と少なかったのですが、「興味が持てた」「自分の施設でも行っていきたい」などの前向きな意見が寄せられていました。 世代間交流は、ただ高齢者と子どもが交流すれば効果があるというものではなく、内容や方法、プログラムの工夫などをし、打ち合わせや振り返りをすることで、多くの影響がみられることを改めて学ぶことができました。 科学研究助成 基盤研究C 課題番号16K04236 「高齢者と子どもの世代間交流に携わる施設職員への支援プログラムの開発」 代表 看護医療学科准教授 南部登志江
2019.02.19
韓国の認知症安心センター・認知症カフェ視察と講演レポート~看護医療学科教員
大邱保健大学病院、イソン病院・仁川市西部認知症安心センター・認知症カフェ視察と 看護医療学科教員 大邱保健大学での招聘講演! 2019年2月11日(月)~13日(水)に韓国の東大邱、大邱、仁川市内の認知症安心センター・認知症カフェを訪問しました。 日本は65歳以上の高齢者が全人口に占める割合である高齢化率が1970年に7%、1994年に14%、2007年に21%を超える超高齢社会となっています。韓国は2012年には12.0%から18年には14.3%へ上昇しています。7%から14%となる倍化年数は、日本24年、韓国18年ですが、14%から21%となる年数は、日本は12年ででしたが、韓国は高齢化への速度が速く8年と推定されています。そのため現在の韓国では、日本をはじめとする多くの国の施策を参考にしながら高齢者医療・福祉に対する様々な施策が創設、実施されています。 ▲イソン病院の玄関に到着 2月12日(火) に訪問したイソン療養病院(蔚山市)は回復期リハビリテーションを中心とした423床の病院で、回復期リハビリテーション病棟と療養病院には珍しくホスピス病棟や集中ケアユニットのある病院です。初めにソンドクヒョン病院長から韓国の医療の現状やイソン病院の概要についての説明を受けました。通訳は、病棟で勤務する国際交流チームの日本の准看護師の高橋さんでした。病院内はイ・ジョンファ経営院長や看護部長が案内してくださいました。病棟は床暖房(Ondolu)があり、広い窓、ヨーロッパ調の豪華な椅子などの設備が特徴的でした。また、高齢者にとって「食べる」ことを助けるために毎日、歯科診療を行っており食事への援助を重要視していること、4無(臭いのない、転倒予防、褥瘡予防、身体高速予防)・2脱(脱おむつや脱ベッド)という高齢者の尊厳のある生活を重視した理念を掲げていました。また、理念を具現化するために職員の福利・厚生へも力をいれていると説明されていました。 今後は高齢化や認知症支援に向けた支援(コミュニティーケア)を展開していくとのことでした。 ▲イソン病院(蔚山市)での院内説明 午後は大邱保健大学で、山崎教授が「日本の認知症施策について -奈良県北葛城郡広陵町の紹介-」というテーマで講演されました。日本における認知症の変遷や認知症ケアの現状と課題、地域コミュニティにおける認知症ケアのあり方、奈良県における認知症施策の事例紹介、特に畿央大学との共同・連携などについて講義されました。金大学総長や李教授、看護学部や福祉学部の教員、事務長が参加されており、日本の訪問看護システムや技能実習生の教育についての質問が多数ありました。さらに日韓での共同研究の提案をし、ミイン・金大学総長をはじめとする李教授らが共同研究に参画することを確認しました。 ▲大邱保健大学での講演 その後、大邱医療大学病院を見学しました。ミユング院長はじめ、整形の医師は昨年、山崎教授のコーディネートで日本の病院や施設の視察に来られていたので、再会されて話がはずんでいました。病院では、リハビリの病棟が理学療法や作業療法など病棟がいくつかに分かれていました。現在は入院や外来を対象にしているとのことでしたが、日本で訪問リハビリのことを聞き、今後は病院でも行っていきたいとのことでした。 ▲大邱保健大学病院での挨拶 3日目の2月13日(水)は、仁川市西区認知症安心センター及び認知症カフェの訪問をしました。 認知症安心センターは、相談、検査、家族支援、認知症啓発などを行っており、公立であるため利用料は無料で、食費のみの負担で毎日利用できるとのことでした。デイサービス施設の1階には認知症カフェがあり、65歳以上は無料で利用できるとのことで、何人かの利用がありました。運営は精神科の看護師が中心となり、25人前後のボランティアによってされています。韓国は、教育面でも国民生活でもボランティアをすることが推奨されており、就職や進学などのポイントとなるので、皆熱心なのだということでした。 ▲大邱保健大学病院および認知症カフェ 韓国は、高齢者を敬う儒教の思想がありますが、急激な高齢化で高齢者や認知症対策が急務に行われている現状が今回の訪問で理解できました。日本で暮らす韓国の人や日本を訪問する韓国の人は多くなると考えられるので、韓国の医療や福祉の実際、さらに文化や生活の実際を知ることは必要であると考えます。 看護医療学科准教授 南部登志江 【関連記事】 「第5回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」を開催しました~看護医療学科 「第2回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」開催~看護医療学科 「第1回大韓老人療養病院協会主催研修」が開催されました~看護医療学科
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