2025.06.11
中国の理学療法、リハビリテーション事情について~理学療法学科 第15回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」
最前線で活躍する卒業生が講演!
第15回テーマは「中国の理学療法、リハビリテーション事情について」
理学療法学科では一昨年度から「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」を開催しています。
リーダーシップをもった次世代の理学療法士育成を目的にし、臨床現場はもちろん、スポーツ現場や地域リハ、教育機関など幅広い分野の第一線で活躍する卒業生がその魅力や想いを後輩のためだけに語ります。在学生にとっては入学後早期から職業理解を深め、自らのキャリアを考えることやモチベーション向上へとつなげる絶好の機会になります。
他大学に先駆けて理学療法学科を開設した畿央大学にしかできない先進的な取り組みです。
2025年4月11日(金)今年度最初となる第15回は諸橋直紀さん(9期生/台州市直紀健康管理有限会社)を講師に迎え、「中国の理学療法」をテーマに講演いただきました。諸橋さんは理学療法学科を卒業後、急性期病院で理学療法士として勤務。その後中国に渡り、自費リハビリのサービスを開業しました。
諸橋さんからは、理学療法士について日本と中国を比較した説明、海外挑戦したことのご経験を説明いただきました。
様々な数字を基に説明をしていただきましたが、会場をくまなく動き会話のキャッチボールをしながら進めていただくところがとても印象的でした。
入学間もない1回生にとってはわからないことばかりだったかと思いますが、自分なりに考えを伝える姿が見受けられました、在学生にとっても日本だけで海外にも目を向ける機会になったのではないでしょうか?
全体の質疑応答だけでなく終了後に質問に来た学生とも話す様子が見られて、後輩の質問に対して真摯に向き合っていただきました。諸橋さん講演いただきありがとうございました。
諸橋さんから後輩の皆さんへのメッセージ
次世代リーダー育成セミナーにご参加いただきありがとうございました。
今回は中国でリハビリを提供して9年、その9年のうち中国で起業して4年という時間に「学んだこと、失敗したこと」をみなさんと共有させていただきました。なぜなら失敗からしか人は本当に学ぶことはできないと実感していたからです。
最初から最後までお伝えしたことですが、多くの失敗を得ても立ち向かえる人と立ち向かえない人とのは違いは困難の捉え方です。問題はいつも両側面で良いことと悪いことは表裏一体です。なので一喜一憂することはありません。長所は短所であって、短所は長所です。それをいつも忘れずに自分自身のことも患者さんのことも見えると、それは強い武器になります。
そのほか、なぜ自分が今のこの道に進んだのかを理学療法士の厳しい現状を踏まえてお話させていただきました。今回のセミナーでは理学療法士は素敵な職業だという話はなく、そもそも理学療法士になるということに疑問を持ったり、病院や地域で働くということに疑問を持ったり、学生さんが各々自分で「なぜそう考えるのか?なぜそうするのか?」と問いかけることをしてほしくお伝えしました。
私自身も大学生の時は理学療法士になることに疑問を持ち、長期実習の途中まで理学療法士にならないことを考えていた学生です。それでも結果的には理学療法士をめざすようになったのは自分が患者さんをよくできず指導者の先生は簡単に患者さんをよくしてしまう、そんな涙するほど悔しい気持ちを味わったし、患者さんをよくできず患者さんに涙させてしまった申し訳なさもあったからです。これは10年以上も理学療法士をやっててもいまだに鮮明に覚えている光景です。それくらい強烈な体験でした。私はあまりこういう表現は好きではありませんが、理学療法士は確かに多くの人の人生の一部に関われる良い職業です。
理学療法士をめざす学生としてどうすればいいか、悩んでいる人がセミナー後にみなさんのコメントを拝見してたくさんいらっしゃることがわかりました。セミナーでも言いましたが、少なくとも3年頑張って堪えてついていってください。3年続けて何も変わらなければやめてもいい。辛くても3年!です。そうすれば3年後には意外にも笑って話せる出来事かもしれません。辛いと思える環境にいることはすごく良いことです。自分が成長できている環境で、それに打ち勝とうとしているから辛いんです。ぜひその環境を諦めずに頑張ってほしいと思います。
最後にこれは私の座右の銘でもありますが、再度みなさんと共有します。成功すれば金が儲かる、失敗すれば経験が儲かる、何もせんかったら大損や!私は失敗が多いのでたくさんの経験が儲かり、その経験を使ってセミナーをしましたし、その経験を使って会社を安定させました。その経験があるからどんな失敗もどんな未来もそれほど怖いものではありません。むしろ何もせず、どんどん後退していくことの方が恐怖です。ぜひ、みなさんにも小さな一歩でいいから踏み出してほしいと思います(授業で1番前に座ってみるということだけでもいいんです)。
それでは、みなさんにとって有意義な未来を作るのは今一瞬そして今一瞬と刻々と過ぎる時間をどう過ごすかだけです。それではみなさんにとって辛くも楽しい素敵な大学4年間となりますように、心より応援しております。
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