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健康科学専攻(博士後期課程)

2020.10.23

教員紹介「信迫先生」編~新入生応援!やさしさを「チカラ」に変えるプロジェクトvol.58

1回生の皆さんを応援する”新入生応援!やさしさを「チカラ」に変える”プロジェクト”。後期からは1回生クラス担任以外の先生方もご紹介します。今回は健康科学研究科・ニューロリハビリテーション研究センターの信迫先生です!     【1】氏名および研究分野・担当科目 信迫 悟志(のぶさこ さとし) ニューロリハビリテーション研究センター准教授   僕が今最も取り組んでいる研究分野は「発達障害のハビリテーション」です。 「ハビリテーション(habilitation)」には、「適応する」という意味があります。通常はそれに「Re(再び)」を加えて、「リハビリテーション(Rehabilitation)再び適応する」と言いますが、発達障害など先天性や幼少時の障害からの発達を促す取り組みはハビリテーションと言います。発達障害など「障害」という言葉は、個人に診断されるものですので、もちろん「障害」は個人が持つものと捉えられますが、本当は「障害」は個人の中にあるわけではなくて、個人と社会(人や物、環境)が相互作用する接点に、結果的に生じてくるものです。その証拠に、例えば欧米の特別支援教育の対象児には、障害を持つ子どもだけでなく、超能力のような特殊な能力を有する子どもたちも含みます。 例えば、通常は人の手腕は2本ありますが、もし3本ある人がいたらどうでしょうか。手腕が3本あれば、日常生活をより豊かに過ごせるかもしれません。しかしながら、2本しかない方から見れば、それは卑怯だということになるのではないでしょうか。結局、圧倒的大多数(2本)の中では、特殊能力(3本)も障害となるわけです。なので、「障害」というより、「個性(特性)」と捉える方が適切なのかもしれません。 そうした個性(特性)を持つ子どもたちの発達を促すハビリテーションとは何か、そしてどのような取り組みが、個性(特性)を持つ子どもたちと社会(人や物、環境)との間の関係を良好にしていけるのかを研究しています。     サークル【子どもの発達と教育を考える研究会(DS&E)】の顧問をさせてもらい、畿央大学の学園祭【畿央祭】では、子どもたちを対象にしたイベントも実施していますので、子どもに興味がある・子どもが好きという方は、是非お声がけください!!   【2】モットーや好きな言葉、大切にしていること  座右の銘「人事を尽くして天命を待つ」 基本的に成功しなくても良いと思っています(笑)人の人生に「完成」なんてないので、その時々を自分の持てる力を精一杯出して走り抜けようと思っています。   【3】趣味・特技など ベタですが、映画です。といっても今は、全く観れてませんが、中高生時代は年間300本以上の洋画を鑑賞し、1コマ試写すれば、誰が撮った映画か分かるぐらいマニアックでした。なので、小中高時代の将来の夢は映画監督でした。要するに中高生時代は勉強していなかったわけですが、おかげで外国の方の名前を覚えるのは今でも得意です。恐らく日本の方の名前より多い外国の方の名前を憶えています。英会話はできませんが…。 それから映画は先端技術の結晶でもあるので、今こうして研究する時のアイデアにも生かされているのかもしれません。昔は洋画と邦画・アジア映画では規模が違い過ぎましたが、今は素晴らしい邦画やアニメ作品がたくさん作られていますね。時間ができたら、また映画の旅に出たいと思っています。映画好きという方がおられましたら、一緒に映画談義しましょう!!   【4】先生から見た畿央大学(または所属学科)や畿央生の印象は?  僕自身は、大学院は畿央大学でお世話になりましたが、専門学校出身で大学生活(キャンパスライフ)というのを送ったことがありません。なので完全に印象でしかありませんが、先生方も職員の方々も、とても情熱的でフレンドリーだと思います。学生の方々も明らかに勉強熱心だと思います。毎年、国家試験や卒業試験のシーズンになると、ニューロリハビリテーション研究センター内でも、連日朝早くから夜遅くまで、机に向かって頑張る学生達の姿を沢山見ます。上に書いたように、僕は勉強より映画だったので、畿央生のその姿に本当に感心しています。でも、くれぐれも無理のないように。   【5】1回生(畿央生)にメッセージを! 僕が障害を持つ子どもたちに関わる時に、最も大事にしているのが、「好き」という心です。つまり、その子の興味・関心ですね。先程、僕が外国の方の名前を覚えるのが得意と言いましたが、それは努力して勉強したからではありません。単純に映画が大好きだったからです。そのように「好き」という心は、険しい人生を歩む上での大きな原動力になります。なので、皆さんには、何でも良いので、自分の心で沸き起こった「好き」という感情を大切にしてもらえればと思います。 今、僕たちは歴史上稀にみる危機的状況に遭遇しています。学校へ行って、勉強するのは常識。カラオケ行って皆ではしゃぐのも常識。人と人が交流するのは常識。この普段の生活の当たり前だと思っていたことが、当たり前ではなくなり、人と人とが直接交流しないのが常識となりました。これは一見、負のパラダイム・シフトのように見えますが、実はそんなことはありません。人類は危機的状況に遭遇するたびに、それを乗り越え、未来を創造し、切り開いてきました。そして、その正のパラダイム・シフトを展開できる力を持っているのが皆さんのような若い世代です。どういう方向であれ、これからの時代を作っていくのは、僕のような中年層でも今の経済を支えている中高年層でもなく、皆さんです。メディアなどでは若い世代の行動が揶揄・批判されることが多いですが、皆さんならきっと正のパラダイム・シフトを創造し実行できると信じています。皆さんの未来が明るいことを心から願っています!!   教員実績

2020.10.23

教員紹介「大住先生」編~新入生応援!やさしさを「チカラ」に変えるプロジェクトvol.57

1回生の皆さんを応援する”新入生応援!やさしさを「チカラ」に変える”プロジェクト”。後期からは1回生クラス担任以外の先生方もご紹介します。今回は健康科学研究科・ニューロリハビリテーション研究センターの大住先生です!     【1】氏名および研究分野・担当科目 大住 倫弘(おおすみ みちひろ) ニューロリハビリテーション研究センター准教授 担当科目:学部では看護医療学科1年次配当「脳科学入門」・教育学部3年次配当「発達脳科学」を担当   研究分野は「幻肢痛のリハビリテーション」です。「それなんなん?」ってなると思いますので、簡単に説明すると、事故などで手が切断された後でも “まだ手が残っている感覚があって、その幻の手が痛い” ことがありまして、その幻の痛みを緩和させるためのリハビリテーションを研究しています。目には見えない幻の手を扱っているので、研究として色んな難しさはありますが、それを見える化して、リハビリテーションをしていく研究にとってもやりがいを感じています!     そんな研究をしている中で、『身体の不思議さ』に夢中になってしまい、今では身体の錯覚を研究もしています。そして、その錯覚を “経験” した後に、そのヒトが身体をどのように感じるのかについて深く掘り下げようとしています。例えばですね、写真のような傷ついたオモチャの手(偽物ですよ!)をつかって、「(この傷ついた手は)自分の手だ」という錯覚を経験させると、本当に自分の手が痛みだすような面白い現象があります。他にも、写真のような色んな手(偽物ですよ!)で錯覚研究をしていますので、ご興味ある方は是非お声掛け下さい。   ▲ P棟1Fニューロリハビリテーションにて撮影   【2】モットーや好きな言葉、大切にしていること  ひとを育てるのは「人、本、旅」 最近、ライフネット生命創業者の出口治明さんの本を読んで、「まさに!」と思った言葉です。もともと、本は好きなほうですが、自分には圧倒的に人・旅が足りていないので、コロナ禍が落ち着けば、色んなところへ出かけて、色んな人と交流したいと思います。   【3】趣味・特技など おいしいコーヒーを淹れるために日々研究を重ねています(温度・蒸らす時間・お湯を注ぐ速度 etc…)最近は、写真のようなモノを買って、それに頼るようになってしまいましたが・・・自分好みの味で淹れることができるようになってきました。   ▲行きつけのコーヒー屋さんで撮影。ここではコーヒーの知識がたくさん得られます。   【4】先生から見た畿央大学(または所属学科)や畿央生の印象は?  実は、僕自身が理学療法学科の3期生なのですが、面白い教員とフレンドリーな職員が多いところは、当時から全く変わらないと思いますし、何と言っても、学生に手厚く多くの時間を割いてくれるというのは他の大学にはないトコと思います。逆に、たくさん勉強をしないといけないかも・・・いずれにしても、多くのことを学べる環境であることは間違いないです!   【5】1回生(畿央生)にメッセージを!  僕が畿央大学へ入学した時には、「え!?大学生ってこんなに勉強しなアカンの!!?? え!?またレポート課題を出すの!?」って率直に思いました。でも、その手厚い教育のおかげで今の自分があると思っていますので、卒業後の自分を想像しながら、コツコツ頑張って下さい!! このような状況なので、まだまだ畿央大学を体感しきれていないとは思いますが、たくさんの友人をつくって、たまには羽目を外して、息抜きしながら、厳しい学びを乗り越えていきましょう!   教員実績

2020.08.12

第62回日本老年医学会学術集会で大学院生と教員2名が発表!~健康科学研究科

2020年8月4日(火)~6日(木)にかけて第62回日本老年医学会学術集会がweb開催されました。今回はコロナウイルス感染症の影響で現地(東京都)での開催は中止となり、畿央大学からは一般演題で発表する予定であった松本大輔准教授と高取研究室の私(博士課程2年 武田)がスライド、ポスターを学術大会サイトに登録することで発表という形式になりました。 また、高取教授は優秀演題候補セッションであったため,オンライン発表をされました。惜しくも優秀演題賞とはなりませんでしたが、非常に関心を集める研究内容でした。     <高取克彦教授> 「後期高齢者におけるフレイル脱却者の特性:2年間の前向きコホート調査より」     高取先生は約3700名の後期高齢者を対象にフレイル脱却者の特性を分析されました。フレイルの脱却要因としては①活動の広がり(IADL、社会参加)、②身体機能の改善(運動、口腔、認知)、③精神・心理機能の改善(主観的健康観)に分類され、フレイル脱却者の特性は「生活空間の広がりによりフレイルサイクルを予防できた者」と結論づけられていました。   <松本大輔准教授> 「後期高齢者における新規要介護発生は小地域間で異なるか?-4年間の前向きコホート調査より-」     松本先生は約5000名の後期高齢者を対象に小学校区間での新規要介護発生率の違いを分析されました。多種の社会参加がリスクを低減させるが、社会参加の要因を調整したとしても、新規要介護発生率が有意に高い地域があるということを明らかにされました。   <健康科学研究科 武田広道> 「要支援・要介護後期高齢者の介護度変化と身体機能の関係 ~リハビリテーション機能特化型通所介護利用者を対象とした2年間の追跡調査~」     本研究はデイサービスを利用されている後期高齢者を対象に身体機能のどの要因が要介護度の改善と関連しているかを分析したものです。要介護度の改善には通常歩行速度と膝関節伸展筋力が有意な関連因子であったという結果を報告しました。   本学会は「健康長寿社会の実現へ向けた老年医学の役割」というテーマで開催されました。講演や演題の内容はフレイル、サルコペニア、認知症、栄養に関連するものが中心の内容となっていました。フレイルは身体的、精神・心理的、社会的な側面があり、それぞれの関連要因や介入効果について明らかになっていることや今後の課題などが報告されていました。高齢化が進む中でフレイル予防、介護予防は非常に重要な社会課題であるため、有用な研究や活動をしていくことが改めて大事だと感じることができる機会になりました。   健康科学研究科 博士後期課程2年 武田広道   【関連記事】 第30回日本老年学会・第59回日本老年医学会の合同総会でプロジェクト研究の成果を発表!~健康科学研究所

2020.05.01

「変形性膝関節症」に関する共同研究が論文として公表されました!~理学療法学科教員

オーストラリアの研究者との共同研究が論文として公表されました! ~変形性膝関節症患者さんの日々の身体活動量と心理的側面の特徴との関係~   この度、オーストラリアのメルボルン大学およびモナシュ大学の研究者との共同研究が、筋骨格系の疾患や障害に関する国際学術誌「BMC Musculoskeletal Disorders」に掲載されました。論文のタイトルは「The association between psychological characteristics and physical activity levels in people with knee osteoarthritis: a cross-sectional analysis」(変形性膝関節症患者における心理的側面の特徴と身体活動レベルとの関係:横断的研究)です。 この研究では、変形性膝関節症(以下、膝OA)の患者さんの心理的側面の特徴と、万歩計を用いて測定した日常の身体活動量との関係について調べています。 心理的側面の特徴については「うつ症状」「膝OAの症状への対処についての自己効力感(注1)」「運動恐怖(注2)」「痛みに対する破局的思考(ネガティブな考え)」を取り上げ、それらの程度と身体活動量との関係を調査しました。 その結果、運動への恐怖心が少ない人や痛みに対するネガティブな考えが少ない人ほど、身体活動量は多くなっていました。うつ症状が少ない人や痛みや症状に対処する自己効力感が高い人ほど身体活動量が多い傾向もみられましたが、今回の研究結果からははっきりと結論づけることはできませんでした。   また、身体活動量は患者さんの心理的な側面だけでなく、患者さんのその他さまざまな内的・外的な要因と関連することが考えられます。今回の研究結果からは因果関係までは言及できませんが、患者さんの状況に応じて、もし運動を過度に避けようとしている方がおられたり、痛みに対して過剰に反応するような方がおられたりする場合には、そういった側面の問題を和らげるような関わりをすることによって、日々の活動量を増やしていくことができるかもしれません。   (注1)自己効力感:自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できるという、自分の可能性についての認知や自信。 (注2)運動恐怖:運動することによって現在身体に現れている痛みなどの症状が増悪してしまうのではないかという思いから、運動を避けようとする考え。   Uritani D, Kasza J, Campbell PK, Metcalf B, Egerton T. The association between psychological characteristics and physical activity levels in people with knee osteoarthritis: a cross-sectional analysis. BMC Musculoskeletal Disorders 21. 269. 2020. (無料で閲覧、ダウンロードすることが可能です)   【関連記事】 変形性膝関節症に関する研究の途中経過が学会誌に掲載されました~理学療法学科教員 理学療法学科卒業生の卒業研究が国際学術雑誌に掲載!~理学療法学科 「足趾握力」に関する論文が国際誌に掲載!~理学療法学科教員

2020.01.16

令和元年度 神経リハビリテーション研究大会を開催!~健康科学研究科(森岡研究室)

令和2年1月13・14日(月・火)に信貴山観光ホテルにて、神経リハビリテーション研究大会が開催されました。この研究大会は、毎年恒例の合宿形式となっており、今年で14年目を迎えました。 本年度は、ニューロリハビリテーション研究センターの教員と大学院博士課程・修士課程メンバー総勢25名が参加しました。また、大学院修了生の佐藤剛介さん(3期生)と脇田正徳さん(3期生)をお招きし、それぞれ現在進めている研究について紹介して頂きました。   森岡教授の開会の挨拶から始まり、修士課程2年の最終審査に向けた予演会と博士課程3年の研究進捗状況の報告、および上記修了生の研究紹介が行われ、様々な視点から質疑応答や意見交換が繰り広げられました。     修士課程2年の発表では、内容に関する質問はもちろん、スライド構成やプレゼンテーション時の目線の使い方といった自分の考えを伝えやすくするためのアドバイスが活発にされていました。博士課程3年の発表では、細かな研究手続きを行いながら、大量のデータを丁寧に解析されていて、研究の質や精度を上げるための相当な努力を感じました。また、修了生の方は、大学院で学んだことを臨床現場で活かしながら継続して研究に取り組まれていて、自分の今後目指していくべき姿を見させていただき、身が引き締まる思いでした。     夕方には、3グループに分かれて、修士課程1年の研究計画に対するディスカッションが行われました。各グループのメンバーが、朝からの発表・聴講での疲労感を見せることなく、研究計画に対して時間が超過するのを忘れて議論している光景が印象的でした。   1日目終了後の夕食時、入浴時、懇親会においても、それぞれが白熱した議論を継続し、2日目の帰りのバスや畿央大学に戻り解散してからも、研究室で議論が続いている状態でした。   森岡教授からは、修了生の方の研究に取り組む態度に習い、継続的な取り組みを行っていくことの重要性が説明されました。 現状では、博士課程・修了生の方々の研究を深く理解し、意見を述べることは困難でしたが、大学院在学中に知識を深めながら、教えてもらう一方ではなく、共にディスカッションできるように成長していきたいと思いました。     最後になりましたが、このような機会を与えてくださった森岡教授をはじめとする研究センターの皆様、神経リハビリテーション研究大会の開催にご尽力頂きました関係者の方々に深く感謝を申し上げます。   畿央大学大学院 健康科学研究科 修士課程1年 乾康浩   【関連サイト】 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター  【関連記事】 ●「平成30年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」 ●「平成29年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」 ●「平成28年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」 ●「平成27年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」 ●「平成26年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」 ●「平成25年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」 ●「平成24年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」 ●「平成23年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」 ●「平成21年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」 ●「平成20年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」

2019.12.11

奈良県立医科大学口腔外科との顎関節症に関する共同研究が論文に~理学療法学科

奈良県立医科大学口腔外科との共同研究で実施している顎関節症患者の方にご協力いただいた研究論文が日本口腔顔面痛学会雑誌にアクセプトされました。論文のタイトルは「顎関節症用Tampa Scale for Kinesiophobia日本語版の開発」というものです。      “Kinesiophobia”とは日本語では”運動恐怖”と訳され、痛みを伴う身体各部位の受傷あるいは再受傷に対する脆弱感から生じる、身体運動や活動に対する恐怖感として定義されています。例えば顎関節症を例に考えると、顎を動かすことで顎関節症が余計に悪化するのではないかという恐怖から、顎の運動を極力避けようとするような回避的な心理状態を表します。     Tampa Scale for Kinesiophobia(TSK)は患者さんの運動恐怖の程度を評価するもので、患者さんに回答していただくタイプの質問紙です。腰痛や四肢の関節痛に対しては日本語版が使われていますが、顎関節症患者用に特化したものはこれまで英語版しかありませんでした。今回の研究では奈良県立医科大学口腔外科顎関節専門外来の川上哲司先生たちとの共同研究で顎関節症用TSKの日本語版を作成しました。 先述のように運動恐怖については腰痛や四肢の関節痛との関連は多くの研究が報告されていますが、顎関節症についてはそれらと比較するとまだまだ少ないのが現状です。一方で顎関節外来には慢性化し症状に対して非常にネガティブな考えをお持ちの顎関節症患者の方が多く来られます。 今回作成した顎関節症用TSK日本語版が慢性化した痛みが心理的に悪影響を及ぼしている顎関節症患者の方の評価の一助になればと考えています。   瓜谷 大輔, 川上 哲司, 岡澤 信之, 桐田 忠昭.顎関節症用Tampa Scale for Kinesiophobia日本語版の開発.日本口腔顔面痛学会雑誌10(1).2017.(書誌情報は2017となっていますが、発刊の遅れから今年度に出版されています。)   【関連記事】 奈良県立医科大学口腔外科との共同研究!~健康科学研究科・理学療法学科

2019.11.06

大学院生がシカゴで行われた「Neuroscience 2019」で発表!~健康科学研究科

  10月19日(土)~23日(水)にアメリカのシカゴで開催されたNeuroscience 2019にて、宮脇裕さん(博士後期課程)と私、塩中裕介(修士課程)がポスター発表を行ったので、ここに報告させていただきます。     Neuroscienceは主に神経科学を扱う学会で、アメリカ国内で毎年1度行われております。今年は記念すべき50回目の開催でした。学会はシカゴ市街地から少し離れたミシガン湖のほとりの会場で行われ、参加者が学会に集中しやすい環境となっておりました。     今学会は期間を通して3万人の参加者が見込まれており、会場内は常に活気で満ち溢れていました。ポスター会場では主に神経科学を取り扱った研究が、テーマごとに展示されており、私は特に社会的認知や共感等を取り扱った研究を興味深く拝見させていただきました。どのテーマにおいてもディスカッションが活発に行われており、学会に初めて参加させていただく私としてはとても刺激的であり、いつかこのような研究、ディスカッションが出来るように努力しようと強く感じる機会となりました。       私は「Influence of anti-social behavior in top-down modulation of motor resonance」という題でポスター発表をさせていたただきました。今学会において運動共鳴を扱う研究はあまり見受けられなかったのですが、ポスターを見た方々から質問を頂くことが出来、興味深いですね、写真を撮ってもよろしいですか、などと好意的な感想を頂けたことはとても光栄で、かなり印象に残る出来事となりました。今後研究を進めていく上で、より多くの方に興味を持っていただき、貢献できるような研究を進めていきたいと感じました。   以下発表演題です。 宮脇 裕(博士後期課程) 「Top-down modulation of motor resonance through affective attitude toward a non-biological object」 塩中 裕介(修士課程) 「Influence of anti-social behavior in top-down modulation of motor resonance」   【健康科学研究科 学会発表】 教員・大学院生が第6回日本予防理学療法学会学術大会で発表!~健康科学研究科 大学院生がスペインのテネリフェで開催された21st ESCOPで発表!~健康科学研究科 第17回日本神経理学療法学会学術大会で大学院生が発表しました~健康科学研究科 第24回日本ペインリハビリテーション学会学術大会で院生6名が発表!~健康科学研究科

2019.10.30

2019年度運動器リハビリテーションセミナー「評価編」を開講しました。

2019年10月27日(日)、畿央大学運動器リハビリテーションセミナー「評価編」が開催されました。 今回の講習は、福本貴彦准教授、瓜谷大輔准教授に加え、本学大学院健康科学研究科を修了し臨床および研究機関で従事しているメンバーを加えた講師陣によるオムニバス形式の講義をおこないました。テーマは以下の6つです。   福本貴彦准教授(畿央大学理学療法学科)「医学画像を用いた評価と理学療法への活かし方」     幸田仁志先生(関西福祉科学大学リハビリテーション学科)「肩関節」     粕淵賢志先生(大阪行岡医療大学医療学部理学療法学科)「肘関節」     久保峰鳴先生(香芝旭ヶ丘病院リハビリテーション科)「股関節」     瓜谷大輔准教授(畿央大学理学療法学科)「膝関節」     唄大輔先生(平成記念病院リハビリテーション課)「足関節・足部」       医師の診断や検査に基づいた関節の評価は臨床現場では必須で、その知識や技術は臨床に直結するものです。臨床現場と研究どちらも経験している講師による今回の講義は、経験に基づくものに文献的知見を交えた内容で、現職者の方々には非常に有益な情報を提供できたかと思います。   今後も運動器リハビリテーションに対する幅広い知識を情報提供したいと考えています。 次回は2020年1月26日に「臨床応用編」が、また来年度もさらにブラッシュアップした講義を開催予定です。 参加者の方も募集しておりますので、ぜひお越しください!   ●2019年度運動器リハビリテーションセミナー詳細・申込   理学療法学科 准教授 福本貴彦   【関連記事】 2019年度 運動器リハビリテーションセミナー「基礎実習編」を開催しました。 2019年度 運動器リハビリテーションセミナー「基礎編」を開講しました。

2019.10.23

教員・大学院生が第6回日本予防理学療法学会学術大会で発表!~健康科学研究科

2019年10月19日(土)~20日(日)に広島国際会議場で開催された第6回日本予防理学療法学会学術大会(第2回産業理学療法部門研究会、第2回栄養・嚥下理学療法部門研究会)に参加してきました。   高取研究室からは高取教授、私(武田広道)が発表を行いました。   演題名は以下の通りです。 <ポスター発表> 武田広道「円背の有無が高齢者の随意的咳嗽力および呼吸機能に与える影響」 本研究は修士課程での研究を発展させたもので、これまで健常者を中心にデータ分析を進めてきたものを実際の地域高齢者で評価を実施したものです。   <口述発表> 高取克彦・松本大輔「地域在住の後期高齢者における2年間の要介護リスク要因の検討」 高取先生は後期高齢者5000名のデータを2年間前向きに追跡調査し、新規要介護認定リスク因子を明らかにするという内容でした。研究には松本大輔先生も関わっておられます。   ▲全国から多くの参加者が集まりました。 学会期間中は快晴でやや汗ばむほどの気温でした。     本学会のテーマは「健康増進と理学療法」というテーマで開催されました。演題内容はフレイル・転倒・認知症・スポーツ障害予防、栄養管理、地域実践活動など多岐に渡る発表がされていました。介護予防事業に関しては、それぞれの病院や施設で勤務をしながら事業に参加する中で、(患者、利用者ではない)地域住民の方に対してどのような関わりをして効果を出していくかということや、通いの場に出て来られない高齢者に対して、どのように働きかけるべきかなどが議論されていました。     また、教育講演の中ではただ運動を促すだけでは実践してもらうことは難しいため、社会的な役割を持って活動的に過ごしてもらうことの重要性を強調されていました。今回、様々な発表や講演を聴講する中で、改めて地域社会の役に立つ研究を発表できるよう、研鑽を積んでいきたいと感じました。   健康科学研究科 博士後期課程1年 武田広道  【健康科学研究科 学会発表】 大学院生がスペインのテネリフェで開催された21st ESCOPで発表!~健康科学研究科 第17回日本神経理学療法学会学術大会で大学院生が発表しました~健康科学研究科 第24回日本ペインリハビリテーション学会学術大会で院生6名が発表!~健康科学研究科

2019.10.15

大学院生が第38回日本小児歯学会近畿地方会大会で「優秀発表賞」受賞!~健康科学研究科

令和元年10月6日に千里ライフサイエンスセンターにて、第38回日本小児歯学会近畿地方会大会が開催されました。   この学会は、主に歯科医師、歯科衛生士をはじめとする歯科関係者で構成されている学会です。本大会では、「小児歯科における多角的アプローチを考察する」というテーマで、特別講演、教育講演、歯科衛生士セミナー、一般演題発表が行われ、小児の口腔内疾患や、学習法についてなど、多岐に渡り活発な議論がなされました。   今回、私(辰巳光世)は、「小児における歯肉炎、プラーク、および口腔内表象との関係」という演題で発表を行い、一般演題発表の中で優秀発表賞に選ばれました。発表では、歯磨きを行う際には手の運動機能だけでなく、口腔内のイメージ(口腔内表象)も重要と考えられるため、小児を対象に口腔内表象とプラーク、歯肉炎との関係性を調査した結果を報告しました。     多くの演題の中から優秀発表賞に選んでいただけたことは、日々の取り組みを認めてもらえたことだと大変嬉しく思います。今後も歯科衛生士として、子どもたちの口腔の健康に繋がるような研究を続けていけるよう、日々精進していきたいと思います。   また、本研究の実施・発表にあたり、指導教員である 信迫 悟志 准教授をはじめとする多くの方々にご指導およびご支援いただきました。この場を借りて深く感謝申し上げます。   ~発表演題~ 『小児における歯肉炎、プラーク、および口腔内表象との関係』 辰巳光世、信迫悟志、西田綾美、國府健一郎、中野雅子、境陽子、深野貢、齋部泰子、塚本理沙、吉田美香   畿央大学大学院 健康科学研究科 修士課程2年 辰巳光世       【健康科学研究科 学会発表】 大学院生がスペインのテネリフェで開催された21st ESCOPで発表!~健康科学研究科 第17回日本神経理学療法学会学術大会で大学院生が発表しました~健康科学研究科 第24回日本ペインリハビリテーション学会学術大会で院生6名が発表!~健康科学研究科