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健康科学研究科

2023.08.25

「第13回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室

田平研究室(大学院)健康科学研究科修士課程の城山です。 2023年8月19日(土)・20日(日)の2日間で「第13回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を兵庫県神戸市にある瑞宝園で開催いたしました。     COVID-19の感染法上の位置づけが「5類」に代わり、様々な施設への入場制限がなくなるほど、以前の社会へと一気に戻りつつあります。私が在籍する田平研究室でも昨年度より感染対策を実施した上で、現地開催とWebによるハイブリッドで開催されています。       本研究大会は毎年、田平教授をはじめとした研究室の在学生と卒業生で行なっており、今回は現地参加者10名、Web参加者6名の計16名の参加で開催しました。 残念ながら田平教授はWeb出席となりましたが、卒業生を中心とし現地参加者が白熱したディスカッションを繰り広げられ、Web参加者が「現地は楽しそう」と羨ましがるほどでした。     私も昨年度より現地参加させていただいていますが、現地の熱気や雰囲気はWebでは味わうことができない楽しさがあります。 参加者は現在進めている研究についての進捗状況や今後の研究テーマについての発表などを行いました。また、修士課程・博士課程に在籍している私を含めた6名は修士論文や博士論文の研究テーマについて発表を行い、研究についての今後の進め方、発表の仕方、まとめ方などについてご指導していただけました。       当研究室の活動に興味のある方は、是非ご連絡をいただければと思います。呼吸・循環リハビリテーション分野における日々のClinical Questionを共に解決していきましょう。 研究室スタッフ一同お持ちしています。     健康科学研究科 修士課程1年 城山 潤   【関連記事】 「第12回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室 「第10回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室 「第9回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」レポート 「第8回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室 「第7回呼吸・循環リハビリテーション研究大会」を開催!~田平研究室

2023.08.19

卒業研究に向けて、瓜谷研究室が合同勉強会を実施!~理学療法学科

理学療法学科4回生の平田です。私が所属する理学療法学科 瓜谷研究室では、2023年8月11日(金)に大阪行岡医療大学の粕渕研究室・山野研究室と合同勉強会を行いました。 大阪行岡医療大学の粕渕先生、山野先生はお二人とも本学の理学療法学科を卒業後、大学院の修士課程を修了し、現在博士後期課程に在籍している私たちの先輩※です。 ※粕渕 賢志先生(健康科学研究科 博士後期課程在籍/修士課程修了、理学療法学科1期生) ※山野 宏章先生(健康科学研究科 博士後期課程在籍/修士課程修了、理学療法学科4期生)     今、理学療法学科の4回生は学外実習を終え、現在卒業研究を進めている真っ最中です。 今回の勉強会では、卒業研究の発表を終えられた粕渕研究室から2演題、山野研究室から3演題を発表いただきました。 瓜谷ゼミは、まず4回生が進めている2つのテーマについて研究背景と研究方法までをプレゼンしました。その後修士課程の大学院生から3つのテーマについて研究発表いただきました。 最後はそれぞれの研究室の先生より、研究テーマについてお話しいただきました。     今回、合同勉強会に参加させていただき、大阪行岡医療大学の卒業研究、大学院生、先生方の研究内容についての話を聞くことができて、とても貴重な経験となりました。 現在、私たちは卒業研究を進めている途中なので、研究の仕方や考え方、スライドの作り方、発表の仕方など、参考になることが多くありました。 また、私たちの研究内容を発表した時にいくつか質問をしていただき、研究内容で明確にできていない部分や理解しきれていない部分を改めて知ることができました。 この経験を、今後の研究や大学での発表に活かしていけるように、頑張っていきたいと思います。     理学療法学科4回生 瓜谷ゼミ 平田 奈々子   【関連記事】 奈良学園大学 池田教授による質的研究勉強会を開催!~健康科学研究科 瓜谷研究室 大学院生が「第33回岐阜県理学療法学会学術集会」で奨励賞に選出!~健康科学研究科 瓜谷准教授の研究成果が2年連続で学会表彰されました!~健康科学研究科 「第10回日本筋骨格系徒手理学療法研究会学術大会」に教員・大学院生が参加!~健康科学研究科 変形性膝関節症の患者さんは自らの病状とどのように向き合っているのか?~理学療法学科教員 患者教育プログラムは変形性膝関節症患者さんの自己効力感の向上に有効か?~理学療法学科教員 変形性膝関節症に関する研究の途中経過が学会誌に掲載されました~理学療法学科教員

2023.08.09

朝日新聞社Webメディア「SDGs ACTION!」で松本准教授が「フレイル」を解説!~理学療法学科

理学療法学科の松本 大輔准教授が朝日新聞社Webメディア「SDGs ACTION!」に登場しています。 「フレイル」という言葉を初めて聞いた一般の人に、そもそも「フレイル」とはどういったものなのか等について解説をされています。         現在、松本先生は在外研究員として、フランス南西部のトゥールーズで高齢者の健康増進、フレイル予防につながる研究活動を行っている真っ最中です! (詳しくは 令和5年度 在外研究員レポートvol.1~なぜフランストゥールーズへ?|KIO Smile Blog をご覧ください。)   今回の記事公開を受けて、松本先生よりコメントをいただきました。 この度、「フレイル」という言葉を初めて聞いた人向けに、網羅的にかつ、深堀した内容で紹介してほしいという依頼を受けました。 そこで、本記事が読者にとって、自分の健康・生活習慣を見つめ直す機会になり、実際に行動が起こせるようになることを心掛けて書きました。 前半部分は幅広く、後半により具体的な予防・改善対策になっています。(本当はもっと長かったのですが、編集担当の方と相談してやむなくカットいたしました...) 日頃、地域の高齢者の方々へ運動指導している時のように、予防や改善のためにどうすれば良いかについて焦点を当て、本学大学院の地域系リハビリテーション研究室の高取教授・院生との共同研究の成果や私自身の実践経験も多く盛り込んでおります。 改めて、本記事で強調したいのは、 ・フレイルは、多面的、可逆的である ・自分でチェックができ、対策もとれる ・早ければ早いほど良い ということです。   フレイルリスクの高いご高齢の方だけではなく、中年期の方や高齢者を支える家族、スタッフの方にもわかりやすくなっていますので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。 本記事が一人でも多くの方に届いて、健康行動を起こすきっかけになることを祈っております。 ぜひ一度、本記事をご一読いただき、セルフチェックをしてみてはいかがでしょうか? みなさんの健康を見つめ直す機会にしていただければ幸いです!   SDGs ACTION!:フレイルとは? 原因からチェックの仕方、改善方法、予防策まで解説   関連記事・リンク 地域リハビリテーション研究室 令和5年度 在外研究員レポートvol.1~なぜフランストゥールーズへ? 後期高齢者のフレイルはそのステージにより改善・悪化因子が異なる可能性~運動系社会参加活動の増加は前フレイルから健常への移行に寄与 「令和4年度地域リハビリテーション活動支援事業」成果報告とミーティングを開催!!〜地域リハビリテーション研究室+TASK卒業生チーム

2023.08.01

本学教員、大学院生の論文が学術優秀賞に選ばれました~理学療法学科・健康科学研究科

この度、物理療法科学掲載原著論文「慢性腰痛患者の運動時痛に対する経皮的電気刺激の効果:ランダム化比較試験」が物理療法科学30巻(2023年度発刊分)における学術優秀賞に選ばれました。   研究内容につきましては、下記の記事でも紹介しております。 慢性腰痛の運動時痛に対する経皮的電気刺激の効果~理学療法学科・健康科学研究科   本論文は、畿央大学健康科学部理学療法学科の瀧口 述弘助教、庄本 康治教授と高松 昇三氏(健康科学研究科博士後期課程3年/オムロンヘルスケア株式会社)らにより執筆されました。 本論文の詳細は「科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAGE)に掲載されております。   ▲:写真左より(高松氏、瀧口助教、庄本教授)   このような賞を頂き、大変光栄に思います。今後もリハビリテーション従事者の方や患者様に役立つ報告ができるような研究活動を努めて参ります。 最後になりますが、この論文の報告に際しては多くの方々に支援いただきました。この場を借りて深く感謝申し上げます。   理学療法学科 助教 瀧口 述弘   関連記事 【論文情報】慢性腰痛患者の運動時痛に対する経皮的電気刺激の効果:ランダム化比較試験 (jst.go.jp) 【プレスリリース】慢性腰痛の運動時痛に対する経皮的電気刺激の効果~理学療法学科・健康科学研究科 客員研究員の渕上 健さんの総説論文が「Journal of CLINICAL REHABILITATION」に掲載されました〜ニューロリハビリテーション研究センター 大学院生が国際学会「ESOC2023」でポスター発表!〜健康科学研究科 大学院修了生のColumbia University留学に向けた壮行会を開催!~森岡研究室 森岡 周教授のコメント論文が「Physics of Life Reviews誌」に掲載されました~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 多くの理学療法士が購読する「理学療法ジャーナル」の特集を本学教員が企画!~理学療法学科・健康科学研究科 日本物理療法合同学術大会2023で大学院生が優秀賞を受賞!~健康科学研究科 第27回日本神経理学療法学会サテライトカンファレンス@畿央大学、開催レポート!

2023.07.26

エリシオン真美ヶ丘・エリシオン真美ヶ丘アネックス「ひまわりカフェ」7月活動報告!~認知症ケアサークルOrange Project®畿央大学

  Orange Project®とは、熊本県(熊本大学・熊本保健大学・崇城大学)と奈良県(畿央大学)、愛知県(同朋大学)を中心に活動している認知症啓発のための学生ボランティア団体です。 “認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献する”をコンセプトに、認知症啓発運動を行っている学生を中心とした団体で、2020年にはロゴやマークが商標登録されました。 2019年9月に畿央大学では「認知症にやさしい広陵町、認知症に強い畿央大学」となることを目的に、サークルとして発足しています。     2023年7月2日(日)、広陵町にある介護付き有料老人ホーム「エリシオン真美ヶ丘・エリシオン真美ヶ丘アネックス」で開催されている「ひまわりカフェ」にボランティアとして参加させていただきました。 私たちがひまわりカフェに参加するのは3度目です。   ▶以前の「ひまわりカフェ」での活動はこちら   「ひまわりカフェ」は認知症の方や認知症の家族がおられる方、地域の方々、施設ケアマネジャーや生活相談員、施設長などが集い、楽しいイベントや世間話、介護相談など地域の人々の交流の場として1か月に1回開催されています。   太陽が照りつける暑い日でしたが、梅雨の時期を楽しく過ごす工夫として飾り付けてある色とりどりの傘が、涼し気に迎えてくれました。     私たちはひまわりカフェの準備からお手伝いさせていただきました。 この日は七夕も近かったので、笹の葉に飾りつけをしました。       今回のひまわりカフェでは20名が参加されていました。ご夫婦や友達同士で参加されている方が多かったです。 毎回参加している学生と参加者の方との間で、「久しぶりだね!」「また会えたね。」と話す様子が見られ、活動を継続していくことの大切さを感じました。     皆さんが集まられてから、施設長の挨拶と職員の紹介があり、私たち学生も自己紹介させていただきました。その際「しんちゃんと呼んでください!」「まなちゃんと呼んでください。」と呼称をつけることで参加者の方々に覚えていただく工夫をしました。     次に笹の葉につける短冊の願い事を一緒に書き、笹の葉に飾りました。「家族のこと」「健康のこと」などさまざまなお願いをしました。       昼食では私たちも席にお邪魔して、一緒にいただきました。 今回のメニューは七夕そうめん、なすの揚げびたし、いなり寿司でした。美味しい食事と楽しい会話で食もすすみ、ほとんどの方が完食されました。     昼食の後はお家でできる脳トレ体操として、手や足を順番に動かしていく運動を行いました。 参加者の方々からは、「これなら座ったままでもできるね。」「ゆっくりやったら楽しいわ。」などの感想が聞かれ、体操を楽しんでおられる様子でした。     運動した後はお菓子やコーヒーでおやつタイムを取りました。 たくさんおしゃべりして、一緒に楽しい時間を過ごしました。     最後にやぐらを囲んで盆踊りの練習をしました。     私たちも踊らせていただきました! みなさん手拍子や踊って楽しんでいる様子が見られました。   新型コロナウイルス対策が緩和され、少しずつ外での活動機会も増えてきました。 今回も直接地域の方々と交流し、一層深みのある経験になりました。 今後はOrange Project®でももっと外部での活動を増やしていきたいと思います。   エリシオン真美ヶ丘・エリシオン真美ヶ丘アネックスの皆様、参加者の皆様、ありがとうございました。 これからもOrange Project®をよろしくお願いします。     看護医療学科 3回生 寺下 慎之介   【関連記事】 真美ヶ丘子ども会の児童に、認知症の啓発活動!~認知症ケアサークルOrange Project®畿央大学 エリシオン真美ヶ丘・エリシオン真美ヶ丘アネックス「ひまわりカフェ」活動報告!~認知症ケアサークルOrange Project®畿央大学 認知症ケアサークルOrange Project®が活動を再開!~エリシオン真美ヶ丘「ひまわりカフェ」活動報告 認知症ケアサークルが「2022年度Orange Project®記念式典」にオンライン参加! 対面とZoomで「七夕交流会」を開催!~Orange Project®畿央大学 第1回エコマミ公開講座に山崎教授と学生が協力!~Orange Project®畿央大学 認知症啓発のための「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」活動報告!~Orange Project®畿央大学  

2023.07.22

ベトナムにおけるリハビリテーション人材育成プログラム導入に関するJICAプロジェクトに本学客員研究員が参加! 〜大学院健康科学研究科 地域リハビリテーション研究室

畿央大学大学院「地域リハビリテーション研究室」から私、仲村渠 亮(淀川キリスト教病院リハビリテーション課、畿央大学健康科学研究科健康科学専攻修士課程修了)がウェルグループにより採択されたJICAプロジェクト「ベトナム国リハビリテーション人材育成プログラム導入に関する案件化調査」の一員として現地での調査活動に参加してきました。   ベトナム社会主義共和国は高齢化が急激に進んでおり、日本と同じ状況になりつつある国です。しかし、国民約1万人に対して理学療法士が700人程度しかおらず、必要不可欠なリハビリテーションが提供できていない現状にあります。これに対して、リハビリテーション専門職の育成プログラム導入に向けた現地調査に参加してきました。   ▲チャビン大学リハビリテーション学部(左から4人目が私)   ▲Help Age International(ベトナム地域高齢者支援団体)   5日間で10施設の病院やリハビリテーション支援団体、大学を訪問しました。ベトナム戦争の影響もあり北部と南部では思想や取り組みが異なっており、リハビリテーションにおいても統一化されていない状況でした。 北部はリハビリテーション専門職の不足を介護士と看護師に短期プログラムを受講してもらい「リハビリテーション技術者」として患者のリハビリを実施していました。南部は大学教育が概ね確立されており、国家資格ではありませんが国から認められたリハビリテーション専門職(日本での理学療法士)として急性期病院及びリハビリテーション病院に従事していました。作業療法士や言語聴覚士の分野の必要性を考える医療者も多いですが、理学療法士がそれらを包括的に実施している状況です。 大学ではリハビリテーションや医療の基本知識は学ばれていますが、保険制度や国民の認知・古典的治療の需要が多い現状からADL(基本的動作能力)の改善に向けたリハビリテーションは実施できていない状況がありました。   ▲チョウライ病院(国内で1番有名な公立病院)   日本で実施されているような入院患者への看護は文化的及び人材不足から実施されておらず、家族が泊まり込みで患者の世話をしていました。リハビリテーションだけでなく、日本の看護技術や寄り添う姿勢のレベルの高さを改めて感じることができました。   ▲ホン デュック病院   国ごとの文化や考えにより医療のあり方にも多様性があり、どれが正しいかの判断は難しく感じ、また今回、地域間格差という日本国内でも注目されている問題を海外で強く認識する機会となりました。私も学生時代から現在まで地域貢献活動を実施してきましたが、国際的な支援に関わるとは初めてでした。急性期病院で働く意義や楽しさを日々の臨床で感じつつも、地域や国際支援に携われる畿央大学での繋がりを大切にしたいと改めて感じる機会となりました。 地域や国際協力に興味がある学生さんはTASK(健康支援学生チーム)や地域リハビリテーション研究室に参加してもらえると嬉しいです!   畿央大学大学院 地域リハビリテーション研究室 客員研究員 淀川キリスト教病院 リハビリテーション課 仲村渠 亮     畿央大学 地域リハビリテーション研究室HP   【関連記事】 第12回IAGGアジア/オセアニア国際老年学会議および第65回日本老年医学会学術集会で教員、大学院生らが発表!〜理学療法学科・健康科学研究科 後期高齢者のフレイルはそのステージにより改善・悪化因子が異なる可能性~運動系社会参加活動の増加は前フレイルから健常への移行に寄与  「令和4年度地域リハビリテーション活動支援事業」成果報告とミーティングを開催!!〜地域リハビリテーション研究室+TASK卒業生チーム 修了生が学術大会長賞に!第9回日本予防理学療法学会学術大会・第9回地域理学療法学術大会参加レポート~健康科学研究科 第64回日本老年医学会学術集会で教員が発表!~健康科学研究科

2023.07.21

客員研究員の渕上 健さんの総説論文が「Journal of CLINICAL REHABILITATION」に掲載されました〜ニューロリハビリテーション研究センター

「Journal of CLINICAL REHABILITATION 32巻 8号」では脳卒中における認知運動機能を利用した機能訓練が特集されており、渕上 健さん(畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター客員研究員・岸和田リハビリテーション病院リハビリテーション部副部長・理学療法士)は、森岡 周教授(畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター長)と共同で「下肢の運動観察療法」について執筆しました。         先日、脳卒中診療ガイドライン2021[改訂2023]が公開され、上肢機能障害に対する運動観察療法が推奨されるようになりました。下肢機能障害に対する運動観察治療のコメントはありませんが、近年のいくつかのシステマティックレビュー・メタアナリシスにて有効性が確認されています。 本総説では、運動観察治療に馴染みのない方でも、普段の介入に取り入れやすいように適応や効果、具体的実践方法についてまとめ、それらの根拠となる一次情報にも辿り着きやすいように工夫しました。また本号は、内的運動シミュレーションを利用した運動機能訓について、基礎から応用まで解説されています。他の執筆者の総説も参考になりますので、是非一読いただきたいです。     なお、渕上さんは畿央大学大学院健康科学研究科博士後期課程を2019年度に修了しています。一貫して、動作観察療法のメカニズムや効果の検証をされています。 渕上さんの博士論文題目 「Differences between the Influence of Observing One's Own Movements and Those of Others in Patients with Stroke(脳卒中患者における自己および他者運動観察の影響に関する相違)」   渕上さんの主要な業績 Fuchigami T, Morioka S. Differences in cortical activation between observing one's own gait and the gait of others: a functional near-infrared spectroscopy study. Neuroreport. 2015 Mar 4;26(4):192-6.   Fuchigami T, Morioka S. Differences between the Influence of Observing One's Own Movements and Those of Others in Patients with Stroke. Stroke Res Treat. 2019 Jul 1;2019:3083248.   渕上健,森岡周:下肢の運動観察療法.臨床リハ32(8):765-771,2023   【関連記事】 大学院生が国際学会「ESOC2023」でポスター発表!〜健康科学研究科 大学院修了生のColumbia University留学に向けた壮行会を開催!~森岡研究室 森岡 周教授のコメント論文が「Physics of Life Reviews誌」に掲載されました~畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 多くの理学療法士が購読する「理学療法ジャーナル」の特集を本学教員が企画!~理学療法学科・健康科学研究科 日本物理療法合同学術大会2023で大学院生が優秀賞を受賞!~健康科学研究科 第27回日本神経理学療法学会サテライトカンファレンス@畿央大学、開催レポート!

2023.07.10

令和5年度 在外研究員レポートvol.1~なぜフランストゥールーズへ?

本学には教育研究水準の向上および国際交流の進展に資するため、学術の研究・調査等のため外国に在外研究員を派遣する制度があります。2023(令和5)年4月1日から2024(令和6)年3月31日までの期間、フランス南西部トゥールーズにあるトゥールーズ大学病院、老年科、加齢研究所(Institute of Aging, Gérontôpole, Toulouse University Hospital)で理学療法学科 松本 大輔准教授が、研究活動を行っています。フランスから現地レポートが届きましたので、ご紹介します。 私は4月から在外研究員として、フランス南西部のトゥールーズにあるトゥールーズ大学病院、老年科、加齢研究所(Institute of Aging, Gérontôpole, Toulouse University Hospital)で、高齢者の健康増進、フレイル予防につながる研究活動を行なっています。 今回は、フランスの研究所を選んだ理由や研究所について紹介します。    なぜ、フランス? 高齢化率(全人口に対する65歳以上の人口割合)が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」、21%を超えると「超高齢社会」と呼ばれます。日本が初めて7%を超えたのは1970年で、フランスは1864年と日本より約100年早く高齢化を迎え、長期にわたって高齢者対策に取り組んできています。     参照:高齢化の国際的動向|令和2年版高齢社会白書(全体版) - 内閣府 (cao.go.jp)   なぜ、トゥールーズ? トゥールーズ大学病院(Institute of Aging, Gérontôpole, Toulouse University Hospital)はフランスで初めて老年専門科として立ち上げられました。また、フランスが国として進めるFrance Santé 2030(フランス健康2030)の老年科部門の代表の病院・研究所として今年選ばれました。代表であるBruno Vellas教授は、国際老年医学会(IAGG)の会長を経験されておられます。また、IAGG会長時にフレイルについてまとめたWHITE BOOK ON FRAILTY(フレイル白書)の編集責任を務められました。 日本でもサルコペニアや低栄養のスクリーニングで用いられるMini Nutritional Assessment (MNA)も業績の一つであり、フレイル・サルコペニア研究で世界的に有名な研究者の一人です。   ▲Bruno Vellas教授   また、実践にも力を入れています。WHOの共同研究機関であるWHO Collaborating Centre for Frailty, Clinical & Geroscience Research, and Geriatric Trainingとして、WHOの掲げる地域レベルでの介入ガイドラインである高齢者のための統合ケア(Integrated Care for Older People:ICOPE)の実装研究に従事しています。地域在住・外来高齢者に対し、専用アプリや専門家を用いて健康チェックを行ない、早期発見・早期介入の仕組みが出来上がっています。   私はGérontôpole, Toulouse University Hospitalの6つの病院・研究所の中のInstitute of Agingに所属し、研究所の代表のPhilipe de Souto Barreto教授の指導を受けています。 Philipe教授はNEJM、Lancet、BMJ、JAMA Intern Medなど権威のある雑誌に掲載された経験を持ち、施設入所高齢者に対する運動推奨に関する国際WGを主導され、ガイドラインも執筆されています。   ▲Philipe de Souto Barreto教授   私は、Geroscience(老化と加齢関連疾患への生物学的研究)に焦点を当てたINSPIRE(INStitute for Prevention healthy agIng and medicine Rejuvenative)という研究プロジェクトのデータ分析に関わらせていただくことになりました。基本的にはオフィスで、研究計画書の作成、データ分析、論文執筆の準備をしています。   在籍研究者は老年科医(ブラジル)、神経内科医(イタリア)、疫学(メキシコ)、薬学(台湾、フランス)、スポーツサイエンス(フランス)とさまざまで、それぞれ自分のテーマで分析・論文執筆を行なっており、皆さん、日中は非常に静かで集中しています。また、月に数回、外部の研究者の来訪やミーティングがあります。ランチタイムになると、ミーティングルームに集まり、世間話から歴史、文化、政治など1時間ほど会話を楽しみます。学校で習ったような歴史的事実がそれぞれの国の立場によって見え方が異なることを気付かせてくれます。日本のことをよく聞かれるので、お互いのことや自国のことを深く知るきっかけにもなっています。また、研究者としてキャリアについても、いろんな意見や考え方を聞かせていただき、日々刺激を受けています。   さらに、両教授を含め、今まで読んでいた論文を執筆された研究者もいるので、直接意見交換・指導を受けられることは、在外研究員ならではの貴重な機会であると感じています。   まだ2ヶ月が経過したところですが、送り出してくださった皆さんの感謝を忘れず、少しでも多くのことを吸収できるように過ごしていきたいと思います。   理学療法学科 准教授 松本大輔   関連記事 令和5年度 在外研究員 研究計画説明会を開催しました。

2023.07.04

読売テレビ「朝生ワイド す・またん!」で、理学療法学科 岡田准教授が「つまずき」の解説を担当!

読売テレビ「朝生ワイド す・またん!」に理学療法学科 岡田洋平准教授の解説がテロップで紹介されました!   視聴者の疑問を集めて調査する「さかなのとれたてリサーチ」内で、「年をとるとつまずきやすくなる?」という疑問に対して、歩行障害のスペシャリストとして取材を受けました。   ▼読売テレビ公式YouTubeチャンネルより     つまずきの原因は、「床面とつま先の間隔(トゥクリアランス)の低下」とし、若い人が何もない平らな場所を歩く時に床面とつま先の間隔は通常1cmから2cmですが、年齢を重ねるごとにこの間隔のバラつきが大きくなり、0.5cm以下から4cmほどの幅へと広がるとのこと。そして、この間隔が小さくなってしまった際につま先が床に引っかかってつまずいてしまうという風に考えられているそうです。     またこのバラつきが大きくなることの予防方法として、自宅でも簡単にできるつまずき防止の運動も紹介され、スタジオでは実演もされていました。   詳しくは読売テレビのYouTubeチャンネルをぜひご覧ください!  

2023.06.30

真美ケ丘子ども会の児童に、認知症の啓発活動!~認知症ケアサークルOrange Project®畿央大学

Orange Project®とは、熊本県(熊本大学・熊本保健大学・崇城大学)と奈良県(畿央大学)、愛知県(同朋大学)を中心に活動している認知症啓発のための学生ボランティア団体です。 “認知症になっても安心してくらせるまちづくりに貢献する”をコンセプトに、認知症啓発運動を行っている学生を中心とした団体で、2020年にはロゴやマークが商標登録されました。 2019年9月に畿央大学では「認知症にやさしい広陵町、認知症に強い畿央大学」となることを目的に、サークルとして発足しています。   2023年6月25日(日)、香芝市にある「真美ケ丘自治会館」にお邪魔させていただき幼稚園・保育園児~小学校低学年のお子様および保護者の方を対象にOrange Projectが作成した紙芝居「えがおのわ」を通して、認知症について学んでいただきました。       はじめに私たちが挨拶をさせていただき、「認知症」という言葉を知っているかを子どもたちに問いかけてみました。     そうすると、挙手をしてくれたり「聞いたことある!」「知ってる!」という発言がありました。幼稚園・保育園児~小学校低学年にはなじみがなく、難しい言葉なのではないかと考えていましたが、「認知症」という言葉を聞いたことがある・知っているという子どもたちがいることがわかりました。     紙芝居を読み聞かせする前に認知症について簡単に説明し、紙芝居の読み聞かせに入りました。 今回、紙芝居の読み聞かせをするにあたって工夫した点は「子どもたちが理解しやすいような言葉を使うようにする」ということです。Orange Projectがこの紙芝居を使用して、子どもたちに対し認知症啓発の活動をしたことは初めてではありません。しかし、これまでは小学校高学年に対してだったため、小学生高学年用の台本から幼稚園・保育園児~小学校低学年が理解できるように台本を作成する必要がありました。 例えば、「日付」という言葉です。私たちにとっては日常生活でも用いられ通じる言い回しかもしれないですが、特に幼稚園・保育園児にとっては少し理解しがたい表現ではないかと話し合い「日付がわからない」というセリフを「今日が何日かわからない」という表現にする等、参加メンバーで試行錯誤しました。     紙芝居の中には、クイズもあります。1つ目は「道端で認知症のおじいさんがきょろきょろして困っている」という場面です。「このおじいさんはどうして困っているのでしょうか」という2択のクイズに、Orange Projectのお兄さん・お姉さんが問題番号を手で示して立ち、正解だと思う方に集まってもらうというかたちで答えてもらいました。皆正解でした。     2つ目は「道端で困っているおじいさんがいます。みんなだったらどうしますか」というクイズです。このクイズには、挙手で答えてもらいました。「声をかけてあげる」「助ける」といったとても素晴らしい意見を沢山出してくれました。   このような、クイズに対する答えや紙芝居の感想を聞くと「面白かった!」などの声があり、とても集中して紙芝居を見てくれていて、紙芝居を通して少しでも認知症についての知識を得てもらうことができたのでないかと感じました。   紙芝居の後は、オレンジ色のモールを3本使って「ロバ隊長」の作成をしました。 ロバの特徴は長い耳に短い足です。長い耳は「何回でも何回でも気長に耳を傾けます」という気持ちを、短い足は「急がず、ゆっくりを意識して接する」ことを、オレンジ色のモールを使うのは「温かい気持ちで見守る」ことをそれぞれ意味します。これらのロバ隊長の特徴は認知症の人と接する時の心がまえを象徴するものです。     それぞれOrange Projectのメンバーが数人ずつお子様と保護者の方たちを担当して作成しました。 やや作るのが難しく、苦戦したところもありますがとても上手にロバ隊長を作ることができました。     みんなOrange Projectメンバーや保護者の方に「見てみて!できたよ!」と自身の作ったロバ隊長を見せに来てくれており、ロバ隊長の出来に満足しているようで微笑ましく思いました。     最後はじゃんけん列車でお菓子を渡す順番を決めてお菓子を渡し、お別れの時間となりました。     今回、真美ケ丘自治会館でこのような活動をさせていただくにあたり、幼稚園・保育園児~小学校低学年に対してどのようにすれば伝わるか、これで良いのか、興味を示してくれるのか、楽しんでくれるのか様々な不安がありました。しかし、私たちの問いかけに対して元気に答えてくれて、紙芝居やロバ隊長作り・じゃんけん列車などの私たちの企画を楽しんでくれている様子が見受けられ、とても嬉しく達成感がありました。準備の際に感じていた不安はすぐになくなり、私たちもとても楽しく豊かな時間を過ごすことができました。 私たちの出会いを通して、本日参加してくれた方が少しでも認知症について興味をもってくれたり学びになれば幸いです。   新型コロナウイルスの影響により、これまで大学外での活動が制限されていましたが5類に引き下げられたことをきっかけに、このような啓発活動も積極的に行うなど今後の活動に繋げたいと思います。 Orange Project®の今後の活動をよろしくお願いします!!   看護医療学科3回生 髙辻萌衣   【関連記事】 エリシオン真美ケ丘・エリシオン真美ケ丘アネックス「ひまわりカフェ」活動報告!~認知症ケアサークルOrange Project®畿央大学 認知症ケアサークルOrange Project®が活動を再開!~エリシオン真美ケ丘「ひまわりカフェ」活動報告 認知症ケアサークルが「2022年度Orange Project®記念式典」にオンライン参加! 対面とZoomで「七夕交流会」を開催!~Orange Project®畿央大学 第1回エコマミ公開講座に山崎教授と学生が協力!~Orange Project®畿央大学 認知症啓発のための「絵本・紙芝居で子どもから社会へつなげよう」活動報告!~Orange Project®畿央大学