2025.01.06
【プロジェクトゼミって何するの?⑱】「建設技術展2024関西」出展と振り返り~人間環境デザイン学科 前川ゼミvol.5
人間環境デザイン学科では2回生後期から3回生の1年半の間、少人数のゼミにわかれて様々な課題に取り組みます。それぞれの課題は、建築、インテリア、アパレルデザインのコースに準じた学びであることはもちろん、地域連携、歴史的建造物の保存再生、SDGs等多岐にわたる課題解決にも取り組みます。
このブログでは、各ゼミの取り組みを紹介し、卒業研究や就職に活かせる実践力を学生がどのように身につけることができるかをご紹介します。
前川 歩先生のゼミではインテリアデザインコースの学生が多く在籍し、複数のプロジェクトに同時に取り組んでいます。今回は河合町 旧豆山荘のその歴史的価値を見出しながら、保存再生デザインするプロジェクトの様子をご紹介します。
河合町 旧豆山荘のプロジェクトについて
大正時代に建てられた建物を地域の方が利用できるコミュニティスペースとして活用できるよう、河合町へプレゼンを準備中。地域の方とともに、DIYでリノベーションしつつ、建物の歴史的価値を活かす提案を検討しています。この取り組みは河合町、森本組、畿央大学の三者が連携協定した産官学連携の取り組みです。(連携協定の様子はこちら)
前川ゼミでは、11月7日、8日にインテックス大阪で開催された「建設技術展2024近畿」に「歴史的建造物の持続に向けた調査/保存活用/運営にかかわる新たな手法と技術」と題して、河合町、森本組と共に、旧豆山荘の利活用方法の提案について出展しました。
プロジェクトゼミって何するの?⑰ では、「建設技術展2024関西」への出展に向けて、準備から完成品の搬出までをご紹介しました。今回は展示会の様子と翌週のゼミでの振り返りの様子をお伝えします。
11月8日(金) 展示会
「建設技術展2024近畿」コンセプト(建設技術展2024近畿ホームページより)
企業、学校、行政関係機関等が多彩な技術展示を行い、技術者並びに市民の来場者に、技術開発に関する交流及び促進の場を提供することとし、9つの分野(防災、環境、コスト削減、安全・安心、施工、維持・更新、DX・ICT、団体、学校)に基づき進めていきます。
出展者は、建設コンサルタント、ゼネコン、資材業者の他、自治体、教育機関と多岐に渡ります。それぞれのブースは、多くの関係者や来場者でにぎわっていました。
建設技術に関わる技術や材料の紹介が展示会の目的であるため、各ブースはパネル展示や機械、コンピュータによる展示が中心でしたが、そのような中、温かみのある木材を使った展示をしていた本学のブースは目を引き、多くの方が足を止めてご覧になっていました。
来場者への解説は、主に学生が担当します。
旧豆山荘のプロジェクトは、2回生は関わり始めたばかりですし、3回生のうち半数は旧豆山荘以外のプロジェクトに取り組んでいたため、担当していた3回生からレクチャーを受けて臨みました。
旧豆山荘の保存再生、利活用方法について、ゼミで考えた提案を丁寧に説明しています。どの方も熱心に話を聞いてくださり、学生が製作した模型、家具の一部、パネルを興味深く見つめておられました。
学生が高揚した表情で一生懸命に説明している様子、説明が終わった後のほっとした様子が印象的でした。プレゼンではどの情報をどういう順番で伝えればよいか、時間のかけ方など悩みますね。社会に出てからもこのような機会は多くあると思いますが、必ず役に立つ経験になることと思います。
11月15日(金) 振り返りをおこないました。
「建設技術展2024近畿」を終えた翌週のゼミでは出展の振り返りをしました。ゼミ生全員が1人ずつ、よかった点、課題だと感じた点を順に発表していきました。
よかった点では、ブースのデザインから制作まですべてを自分たちで行い、最終的には非常に完成度の高いきれいな温かみのあるブースができあがった、感動した、様々な経験ができた、先輩後輩でよくコミュニケーションがとれており楽しく作業ができた、という意見が多くあがりました。
課題だと感じた点では、展示の方法はもっと検討ができた、計画よりも模型の製作に時間がかかった点、ブースで解説するための知識が不足していた点などがあげられました。
学生からの感想をご紹介します(一部)
- 「模型作りに参加しましたが、今まで作ってきた模型とは完成度が違い、新しい技術も学べたので、次に生かしていきたいと思いました。」
- 「このプロジェクトに取り組む以前までは、設計職に進むことも考えていたが、模型制作や建設技術展を通じて、施工職にも興味、関心をもてるようになった。」
- 「組み立て時、先輩と一緒に仲良く取り組めたことや、なかなかうまくいかなくても、先輩がリードしてくださり出来上がったときには感動しました。」
前川先生からの講評
- 「1人で作業をすると全部自分で決められるし、調整も必要なく楽だけど、到達度が限られる。チームでの作業はメンバー間の合意形成や分担の調整など手間がかかるけど、うまくいくととんでもなく完成度があがる。これがチームで作業を行う醍醐味。今回、パネル班、ブース班、模型班それぞれ完成度の高いものができただけでなく、さらにそれら3つが集まり組み合わされることで、非常にブース魅力的な展示が出来上がった。」
- 「今回、模型の完成がギリギリになってしまったが、最後まで目標のレベル設定を妥協せず間に合わせたことを評価したい。実際の仕事でも締め切りが迫ると妥協しがちになる。スキルや考えは個人で異なるが、目標をメンバーに共有できたことが成功につながった。」
- 「チームで作業を行う際、作業に入る前のイメージの共有は大切。形のないものを製作する前は、スケッチ、写真、図面など何でも良いけど、イメージをメンバーに共有することで目標が明確になる。」
学生は皆、頷きながら聞いていました。
このプロジェクトを経てそれぞれが達成感を感じ、先生から講評をいただいたことで、グループワークを行うたもの重要なポイント、今後に活かせる力を整理して確認できたようです。
良いことだけでなく課題を感じることも、貴重な経験ですね。先生からの講評いただいた言葉は、今後のグループワークや社会に出た際に実感し、大切にしていってください。学生の皆さんお疲れ様でした。
プロゼミ紹介プロジェクト
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【プロジェクトゼミって何するの?⑰ 】「建設技術展2024関西」に出展~人間環境デザイン学科 前川ゼミvol.5
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