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理学療法学科

2014.07.15

Kio元気塾 前期クールが終了!!~理学療法学科~

4月から始まったKio元気塾の前期クールが終了しました!   「Kio元気塾」とは、近隣の病院を退院された方々に対し、本学理学療法学科と健康栄養学科の教員と学生が共同で運動と栄養指導することにより、心身機能や活動レベルの向上を目的とした取り組みです。学生にとっては参加されている方々の障がいを評価し治療するという模擬実習を経験できる貴重な機会です。     今回は理学療法学科3回生約60名が参加者の方々の評価と治療を経験させていただきました。 学生たちは座学で学んできたことを実際に当てはめていきましたが、初めての経験で右も左もわからないまま、まだ学んでいなこともあったりと、いろいろつまづくこともありました。それでも、自分たちのできる精一杯の努力を尽くしてくれました。 先日、その努力を学生同士そして教員で共有するため、まとめとしての「症例発表」を行いました。当然、症例発表も初めてのため、「ぎこちなさ」や「たどたどしさ」はありましたが、自分たちが評価したこと、考えたことを発表してくれました。学生同士での質疑応答も活発となり、症例発表は3時間も続きました…。     学生たちは初めての評価を悩みながら進んできたと思います。 そして自身の成長を感じると同時に、出来なかったこと、反省点もいっぱい感じているはずです。 それでも、参加者の方々からは元気塾最後の日に「ありがとう」という言葉を頂きました。おそらく、出来なかったこと以上に、学生たちの「一生懸命な努力」が伝わった「あかし」だと思います。 この4ヶ月、日々の授業での勉強をしながら、このKio元気塾でも学び続けてきた学生には頭が下がります。 これからの勉強も、今回の反省を踏まえて一生懸命頑張ってもらえればと思います。   最後に、まだまだ未熟な学生たちにこのような機会を与えて頂いた参加者のみなさまに本当に感謝しています。 我々教員も、参加して頂ける方々がますます元気になるように、そして学生が理学療法士として成長できるようこれからも一生懸命取り組んでいきたいと思います。   このKio元気塾は、スタートして5年以上が経ちます。個人的に、毎回、元気塾の最終日が大好きです。 参加者の方々も元気になろうと一生懸命参加して、学生たちも「自分たちのできるだけのことを」と一生懸命努力してくれます。 そんな最終日、参加者と学生全員のお話が名残惜しいのか、いつまでも終わりません。 お互いの「想い」が繋がって、溢れてくるのでしょうね。ほんと、人間って素晴らしい!!     理学療法学科 准教授 冷水 誠  

2014.07.11

大学院生の国際学会への参加レポート!

2014年6月29日~7月3日にカナダのバンクーバーで開催されたThe 2014 International Society for Posture & Gait Research World Congress(国際姿勢と歩行学会)にて、森岡研究室の大学院生3名(修士課程2名、博士課程1名)が参加・発表をさせて頂きました。 現地のバンクーバーまでは関西国際空港から羽田を経由し、移動に14時間程度かかりましたが、バンクーバーは日本よりも少し気温・湿度ともに低く、非常に過ごしやすい気候でした。また、何よりも景色が特徴的で、都市部の高層ビルと山や海辺の自然が綺麗に融合しており、非常に感銘を受けました。     このような美しい場所で開催された「国際姿勢と歩行学会」は、名前の通り姿勢やバランス、歩行の研究を専門とする世界各国の研究者が一堂に会する学会です。今回の学会には世界27ヵ国から503名が参加し、日本からは35名が参加していました。その中でも、本学会はリハビリテーションの対象となる歩行や姿勢に関するものであるため、日本に限らず多くの理学療法士が参加し、研究と臨床の双方において積極的な意見交換がなされていました。学会で扱われていたテーマは、生体力学から脳科学、そして整形疾患から神経疾患までと広く、ヒトの運動に関する研究発表やシンポジウム、講演があり、どれも最新の知見を示すものであり非常に勉強になりました。特に今回の学会では前庭感覚(耳の中にある三半規管という体の傾きを感知する器官により生じる感覚)に関する報告が多くありました。日本でもこの前庭感覚を利用したリハビリテーションに関する研究は行われておりますが、その最新の研究成果を知れたことは非常に貴重で、自身らの今後の研究や臨床に対して示唆に富むものばかりでした。 私たちがこの学会に参加した目的は、自身の大学院における研究結果をポスター発表するためです。 博士課程3年の植田耕造は「Influence of cognitive demand on center-of-pressure sway and coactivation of ankle muscles during quiet standing in individuals with stroke」の演題名にて、脳卒中後遺症患者における認知負荷が立位バランスに及ぼす影響について検討したものを発表しました。     修士課程2年の石垣智也は「Influence of different standing conditions on Light Touch effect which focus on the relation between subjective attention strength」の演題名にて、ヒトの立位バランスにおける注意の影響について検討したものを発表しました。     修士課程2年の菅沼淳一は「Influence of visual target distance on body sway and muscular coactivation at the ankle joint under conditions of fear」の演題名にて、恐怖心の生じる立位バランス条件における視覚情報による影響について検討したものを発表しました。     どの発表も世界各国の研究者と積極的な意見交換をすることができ、今後の課題や新たな仮説を得ることができました。学会発表の目的は、単に研究結果を発表することではなく、発表をすることで他の研究者からの意見をもらい、更により良い研究活動につなげるためです。もちろん、日本国内での学会発表でも同様に意見交換をすることが出来ますが、広く自身の研究結果を問い、それが世界基準でどのような立ち位置にあるのか、改善すべき点は何なのかということを知れることは、国際学会における発表のメリットです。また、学会の雰囲気として非常に意見交換が活発であり、私たちが行ったポスター発表も2時間の発表時間の間ずっと質問や意見交換が行われました。このような活発な意見交換は海外の学会特有のものであり、少し控えめな国内の学会(文化的な影響かも知れませんが)においても、このような前向きな態度や雰囲気は学ばなければいけない点であると実感しました。     国際学会は知らない海外に行くことや、英語での発表や意見交換など、緊張するとともに非常に新鮮な経験で、学会期間全てを通して充実した日々を過ごすことができました。このような貴重な経験ができたのは、畿央大学の研究活動に対する手厚い支援と、森岡教授をはじめとする多くの方々のご指導や、ご協力があってのものです。このような環境で学ばせて頂いていること、心より感謝申し上げます。そして、この経験を糧に、より良き研究成果を公のものにできるように、日々の研究に励んでいきたいと思います。     畿央大学大学院 健康科学研究科 神経リハビリテーション学 修士課程2年 石垣智也 (理学療法学科4期生)

2014.07.10

宇陀市連携「子ども元気体操づくり・子ども体力測定」プロジェクト、進行中!

畿央生が中心となり、体操の動作や音楽づくりが本格化しています!   2014(平成26)年6月に宇陀市と包括連携協定を締結した畿央大学では、健幸都市「ウェルネスシティ宇陀市」構想の具体策を実施するため、『子ども元気体操づくり・子ども体力測定』に取り組んでいます。   5月24日(土)宇陀市最大の約180名規模の幼保児童を擁する大宇陀幼児園で、隣接する交流ドーム体育館内で25m走・テニスボール投げ・足指握力等の測定を行いました。当日は保護者参観日とし保護者に対して、畿央大学の理学療法学科福本貴彦先生、健康栄養学科柴田満先生による講演会も実施しました。子どもたちは宇陀市内のあちこちから送迎バスに乗って通園しており、また普段から保護者の車に乗っての生活習慣になっているようで、足腰の弱さが体力測定結果に出ています。 この測定結果を踏まえて、体力向上に有効な「幼児向け体操」および体操の「音楽」づくりに取り掛かっているところです。     2014(平成26)年7月8日(火)小体育館に、現代教育学科辰巳智則先生、理学療法学科福本貴彦先生、音楽の非常勤講師吉田はるみ先生、教育学部生4名が集まって体操と音楽のラフイメージづくりを行いました。 ホワイトボードに各自が思いついたダンスアイデアと楽曲の骨組みを記録していきます。このダンス・音楽部会は学生7~8名の構成とし、この日は2回目の集まりで4名が参加しました。小さなパーツをいくつか作って組み合わせて、子どもたちと保護者らが無理なく楽しく繰り返し踊れるダンス体操づくりをめざします。     辰巳先生からは幼児体操の特性について話して頂き、学生たちは思いつきを次々に書きとめ体操の動作として表現してみます。その一部始終をビデオ録画や写真に収めて、次回の打合せに活かしていくことにしています。   【関連記事】 2014年5月24日 宇陀市連携「子ども元気体操づくり・子ども体力測定」 TASK(健康支援学生チーム)活動レポート vol.2 ~幼児園での体力測定に協力!

2014.07.08

第25回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました!

こんにちは、理学療法学科6期生の小西佑と申します。 2014年6月22日(日)に、本学理学療法学科卒業生が主体的に活動している勉強会であるKSM(Kio Study Meeting)がとり行われました。 今回で第25回目の開催となった本勉強会には、今春から参加させて頂いている僕自身、3回目の参加となりました。 今年度からは、各勉強会で一貫性を持った知識を共有するために、各々が実際に臨床現場においてよく担当する疾患である「中枢性疾患」、「腰痛」を固定テーマとし、もう一題を「自由テーマ」と設定することで、勉強しています。 テーマを設けてから3回目となる今回の勉強会では、 中枢テーマには及川さんによる「頭頂葉の機能解剖と失行」 腰痛テーマには南さんによる「腰痛の保存療法」 が発表され、 自由テーマでは前回に引き続き、腰痛を持っている参加メンバーの実演検討会としました。 初めに発表された及川さんによる頭頂葉の演題では、頭頂葉の機能解剖を復習することで、改めてその部位を障害された患者様がどのような病態を呈しうるか、特に失行症状についての議論を交わすことが出来ました。 また、頭頂葉の障害を受けた患者様に対して、実際に理学療法を実践していく上で、どのように思考していくべきか、どのようなアプローチの工夫が必要か、といった話まで発展することができました。 次に発表された南さんの演題では、腰痛治療の第一選択となることが多い保存療法について発表されました。 前々回の「急性期の腰痛」、前回の「腰痛患者の評価、治療戦略」と勉強してきた、いわゆる急性期の腰痛についての疫学や理学療法的評価・治療の視点から、保存療法について、その対象となる原因や時期、保存療法の一手段としての運動療法、ひいては理学療法評価の視点で、実際の症例を提示しながら検討形式で発表されました。 議論の中で、腰痛診療ガイドラインの捉え方や、腰痛の発生機転・再発予防について、各々が考える意見を交換する事が出来ました。 最後の自由テーマ枠は、実演形式での腰痛に対しての検討会でした。 ここでは、腰痛の愁訴がある参加メンバーに対して、問診やフィジカルアセスメント、動作観察を他の各メンバーが実施し、その方法論や、理学療法進行についての考え方の討議がされました。 働く場所や働いた年数、勤務する環境、分野の違うメンバーそれぞれが、得手不得手とする知識・技術を提供しあい、補完しながら進行していくため、個人的にはこの場で得るものは目新しい視点に溢れており、非常に有意義な時間を過ごすことができます。 今回で25回目となる本勉強会は、その活動を2年以上続けている勉強会です。 自主的に卒後教育に取り組む素地を作った先輩方とその行動力、2年以上もモチベーションを維持しながら活動を続けてきた継続力には尊敬しています。 また、25回の開催にわたって、そのほとんどの活動の場所を提供して下さる大学の先生方、関係者の皆様には感謝しております。 多数の人の理解と協力があって活動できるこの環境に感謝し、卒業してからも自分自身を高めるために訪れられる畿央大学の存在に、卒業生として誇りを持ちながら、これからも邁進していこうと思います。                         理学療法学科6期生 小西 佑 【今までの記事】 第24回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました! 第23回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました! 第22回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました!

2014.07.07

京都大学鳥人間コンテスト出場チームShooting Starsを今年も応援しています。

読売テレビ「第37回鳥人間コンテスト」7月27日(日)にフライト決定 京都大学Shooting Starsの悲願の優勝を支援しています!   畿央大学理学療法学科の教員有志(田平先生、福本先生、松本先生)は、京都大学鳥人間コンテストチームShooting Starsのパイロット学生の体力測定で今年も支援しています。 読売テレビ「鳥人間コンテスト」は毎年7月下旬の土曜日と日曜日の2日間、琵琶湖畔彦根市松原水泳場で開催され、今夏で37回目となります。 京大Shooting Starsは今年で20回目の古豪出場チームで一昨年は滑空部門835.38m4位、過去に2度、3位までこぎつけています。昨年は出場対象からはずれましたが、今年こそ優勝をめざし一丸となって頑張っています。     2014(平成26)年7月2日朝早くから今年のパイロット來山典弘君(きたやまのりひろ、京大工学部3回生)が体力測定のために来てくれました。來山君は昨年3月にも本学で体力測定を行ない、その年にフライト予定だったのですが、惜しくも京大チームが不参加になりました。そして今年のパイロット候補だった野尻勢君(総合人間学部2回生)が体調不良のため急遽來山君がカムバックすることになり、現在体力づくりに励んでいるところです。   來山君の運動負荷を与えたときの筋力、持久力、心電図異常、心拍数、運動耐用能力などを測定したところ、以前の数値より良い結果が出ていました。     しかし、鳥人間コンテストでは当日の天候、風向き、機体の状態、もちろんパイロットの体調や舵取りの勘など様々な要素が飛距離を左右します。2012年は風にあおられたのと機体トラブルが重なって1,000mを超えられない残念な結果に終わりました。自然条件は仕方ないとして、みんなで出来得る限りの事前努力は惜しまず、優勝をめざしています。   第37回鳥人間コンテスト人力プロペラ機ディスタンス部門、7月27日(日)の京都大学Shooting Starsの飛行をお楽しみに!   【関連記事】 2012年夏のフライト参加当日のレポート 2012年のメディカルサポートの様子

2014.07.04

大学院生の論文が、神経心理学雑誌に掲載!~健康科学研究科

6月25日発行の「神経心理学」(2014 Vol.30 No.2)に私が修士課程在籍中に行った研究内容をまとめました「脊髄損傷者の下肢運動イメージ能力」が掲載されました。 (http://www.neuropsychology.gr.jp/journal/journal_j.html)     本論文では、脊髄損傷者を対象として下肢の運動イメージ能力について調べました。運動イメージの評価にはTime dependent motor imagery スクリーニングテスト(TDMI)とThe Kinesthetic and Visual Imagery Questionnaire(KVIQ)の2種類を用いました。TDMIは運動イメージの時間的側面を評価し、KVIQは運動イメージの鮮明度を「視覚イメージ」と「運動感覚イメージ」に分けて評価します。分析では、脊髄損傷者をさらに完全損傷者と不全損傷者に分類して運動イメージ能力の比較を行いました。結果は、脊髄損傷者で運動イメージの時間的側面は維持されていましたが、不全損傷者では視覚イメージが低下していることが明らかにされました。それとは逆に、完全損傷者では健常者と同様に視覚イメージが運動感覚イメージより高い鮮明度を示す傾向にあることがわかりました。 今回の研究は、脊髄損傷者の運動イメージの特徴を明らかにした初めてものであり、脊髄損傷者の病態を理解する上での有用な資料になることを期待しています。今後は、脊髄損傷者に対する運動イメージを利用した治療法を模索・提案していくとともに脊髄損傷者の様々な病態について理解を深めていけるよう研究を進めていきたいと考えています。   普段、私は理学療法士として病院に勤務し、脊髄損傷者のリハビリテーションの援助をさせていただいております。そのような日常で感じた疑問に関して、大学院の研究で明らかにすることができ、うれしく思っております。掲載された論文が、少しでも脊髄損傷後のリハビリテーションに生かされることを願っております。 また、掲載された「神経心理学」は、1985年に創刊された歴史ある雑誌です。神経心理学は、脳損傷や発達障害による高次脳機能障害を中心とした脳に関連する様々な内容を取り挙げる分野になります。脊髄損傷自体では脳損傷が伴うわけではありませんので、脊髄損傷後の脳機能について取り挙げられることは少ないのが現状です。その中で、私の論文が神経心理学に掲載されたことは、非常に光栄に思っております。理学療法士のフィールドのみならず、色々な立場の方に見ていただけることは、これからの私の研究の糧になると感じています。さらに、今後も社会に貢献していけるよう研究に取り組み、公表していきたいと思います。     最後に、研究に快く協力してくださった脊髄損傷者の皆様、ご指導いただきました森岡 周教授、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの信迫悟志客員講師、研究内容についてアドバイスしてくれた研究室の仲間達にこの場をかりてお礼を申し上げます。   畿央大学大学院 健康科学研究科博士後期課程 神経リハビリテーション学研究室 佐藤剛介

2014.06.25

第24回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました!

2014年(平成26年)5月25日に理学療法学科卒業生による勉強会KSM(Kio Study Meeting)が開催されました。   畿央大学6期生の藤原がブログを担当させていただきます。 KSMは畿央大学理学療法学科の卒業生が立ち上げた勉強会ですが、現在は4期生、6期生のメンバーが参加しており、急性期・回復期・クリニック・デイサービス・訪問サービス・自費診療領域などさまざまな臨床領域で働いている卒業生、また経験年数もさまざまで、広い視点でのテーマ・ディスカッションができています。   前回から中枢領域・整形領域・自由テーマといったようなテーマを絞って、体系的に行っています。 今回は中枢テーマでは佐藤さんによる「延髄レベルでの出血にて障害を生じた症例に関する発表」、自由テーマでは中田さんによる「腰痛症患者の評価、治療戦略といった実技」の2本でした。   佐藤さんの症例検討は、画像所見から予測した疾患の障害像の予測から実際の患者さんの動作をみんなで行い、身体機能面での評価の検討やそれぞれの視点から問題点の抽出を行い治療戦略を立案しました。多くの視点からのディスカッションができその患者様のADL(Activities of Daily Living/日常生活動作)向上に向けて前向きな意見交換ができました。     次に、中田さんの実技では、参加メンバーで腰痛を持っている3名を被験者として、みんなで問題点を話し合い、実際に治療を行い、治療効果を検討しました。 それぞれの訴えやアライメントなどを実際にみんなで検討することでより理解が深まり臨床の幅が広がりました。     さまざまな環境で経験を重ねたメンバーが、そのひとの症状や生活を改善する、といったひとつの目標に対して、経験や知識、技術、考えを共有することで、また臨床での患者様に反映できています。 学校でのつながりを深めることができる環境に本当に感謝です。   理学療法学科6期生 藤原 菜津 【今までの記事】 第23回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました! 第22回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました! 第21回 KSM(Kio Study Meeting)を開催しました!  

2014.06.11

本学大学院生が日本理学療法学術大会で優秀賞を受賞しました!

2014年5月30日~6月1日に、パシフィコ横浜にて「第49回日本理学療法学術大会」が行われました。   基礎理学療法、神経理学療法、運動器理学療法、内部障害理学療法、生活環境支援理学療法、物理療法、教育・管理理学療法と分野が多岐にわたり、演題数は1500程度あります。今学会は、日本における理学療法士の学会で1番大きな学術大会です。   その中、「第48回日本理学療法学術大会(昨年度の学術大会での発表に対して)の表彰式」が行われました。 畿央大学から、冷水誠理学療法学科准教授、私(今井亮太)が優秀賞を授与しました。     このような名誉ある賞を受賞でき、本当に心から嬉しく思います。受賞の連絡を頂いたときは、喜びよりも驚きの方が大きかったことを覚えています。私は臨床4年目、また修士課程2年目であり研究歴は非常に短いです。こんな自分が優秀賞を受賞して大丈夫であろうかと、心配になり不安にもなっています。しかし、これに恥じぬように精進していくしかないと思っています。 本学の神経リハビリテーション学研究室では、多岐にわたる分野で研究がされています。そのため、予演会などでは、様々な視点から活発な意見交換が行われます。また本研究室では、他人の研究でも自分の研究のように考えています。このような背景が、優秀賞に導いてくれたと思っています。   理学療法学科の冷水准教授は、基礎理学療法部門での受賞であり、演題名は「立位バランス学習における自己運動観察によるフィードバック効果の検証」です。これは、効果的な運動学習をもたらす視覚フィードバックを用い、自分の運動を観察させるビデオフィードバック学習と、他者の運動を観察することで運動学習効果がある観察学習との学習効果の違いに関して、脳活動を含めて明らかにされています。結果、バランス学習において他者観察による観察学習効果ではなく、自己観察によるフィードバックによって有意な学習効果が認められました。これは、自己観察により自己の運動感覚情報との誤差を視覚的に明確に認識することができ、次の試行に対して修正した新たな自己運動イメージを形成することができたことによるものと考えられます。これを裏付けるように、課題試行時の脳活動では、他者観察群が運動イメージに関連した領域の広範な活性化を認めたのに対し、自己観察群ではこれらの限局した領域の活性化が認められていました。理学療法の意義として、健常成人を対象としたバランス学習において、簡便なビデオを用いた自己観察学習が有効である可能性を身体パフォーマンスおよび脳活動レベルにおいて見いだすことができましたので、今後、症例研究を進めることにより、臨床上有用なバランス学習における介入手段への発展に繋がると考えられます。   私は物理療法部門での受賞であり、演題名は「撓骨遠位端骨折術後に対する腱振動刺激による運動錯覚が急性疼痛に与える効果」です。これは、術後患者に対し、あたかも自分の手が動いているかのような錯覚を惹起させることで、痛みや不安などの心理面、関節可動域の改善が得られるかどうか検証しています。結果、運動錯覚を生じさせない群よりも運動錯覚を生じさせた群の方が1週間後の痛み、心理面、関節可動域に有意な改善が見られました。また1ヵ月、2ヵ月後まで評価しており、そこでも有意な改善が認められました。手術後翌日より、運動に対する痛み経験や不安を持つ患者に対して、腱振動刺激による運動錯覚を惹起させることで、運動に対する不安や恐怖感を改善させることにより、痛みや関節可動域の改善につながることを確認しました。理学療法の意義として、疼痛理学療法においては、対象の不動期間、痛み経験、破局的思考、不安を考慮することが重要になります。腱振動刺激は痛みの知覚をさせることなく、運動錯覚を惹起させることが可能であり、術後翌日といった早期介入が可能な有効な手段であります。急性疼痛の軽減だけでなく、痛みの慢性化の発生を防ぐことができる可能性があることを臨床研究で示しました。     最後に、研究を最後までご指導し、優秀賞に導いて下さいました森岡周教授をはじめ、本学の神経リハビリテーション学研究室の皆様に深くお礼を申し上げます。ちなみに、森岡教授は発表前から「この演題であれば絶対優秀賞を獲得できる」と言われていました。今後も森岡教授のご指導のもと、少しでも社会に貢献できるように研究室の皆様と切磋琢磨し、取り組んでいきます。 畿央大学 大学院健康科学研究科 修士課程2年 今井 亮太(畿央大学理学療法学科卒業生)   【関連記事】 本学ニューロリハ研究センターのメンバーが、日本理学療法学術大会で25演題について発表!

2014.06.09

本学ニューロリハ研究センターのメンバーが、日本理学療法学術大会で25演題について発表!

2014年(平成26年)5月30日~6月1日にかけて、神奈川県のパシフィコ横浜にて第49回日本理学療法学術大会が開催され、森岡教授を中心とした畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター(以下、研究センター)の多くのメンバーが参加・発表を行いました。 本学会は、日本理学療法士協会が主催する理学療法に関する最も大きな学術大会であり、ニューロリハビリテーションのみならず、理学療法に関する多種多様な分野の学術的発表が行われます。   研究センターからは学部卒業生から院生、修了生そして教員までと非常に多くの者が演題発表を行い、関連演題も合わせると25演題にもおよぶ新たな知見を世に示すことができました。 なかでも、優秀な演題のみが選ばれる「セレクション発表」といわれるものがあり、これには林田(学部卒業生)・辻本(修士課程修了生・現生理学研究所)・今井(修士課程)・片山(修士課程)・大住(博士課程)の5演題が選ばれ、理学療法の更なる発展に向けた活発な意見交換を行いました。   また、大会での発表後は研究センターがより円滑に機能し、前向きな研究活動を行うために、総勢30名での懇親会も開催されました。 研究センターの特徴の1つとして、各々の地位や立場に関係なく非常に仲が良いという点が挙げられます。そのため、真面目な研究に関する話以外にも、お酒の場ならではの、くだけた話でも皆で共に盛り上がることができ、研究センター内の絆を更に強めることが出来ました。     また、この場には、研究センターと共同で研究を進めている、国立障害者リハビリテーションセンター研究所の河島則天氏も参加してくださいました。 ここでは、研究センター内だけでの研究に留まらず、広く対外的に繋がりをもつことで、更に社会的意義のある研究へと発展させることのできる、前向きな場を得ることができました。   このように学会においては演題発表のみならず、他の研究機関や領域の研究者との交流も非常に重要な参加目的であります。 今回も多くのメンバーが自身の発表や意見交換を通じて、新たな問題意識や仮説を共有することによって、対外的な繋がりを新たに作ることができ、多くの研究機関とのコラボレーションに向けた大きな一歩を得ることができました。 このような対外的に新たな可能性を見出せるのは、研究センターの全員が単に研究実績のためだけでなく、真に臨床や社会に対して還元できる研究成果を見出したいという、強い未来志向的な意志があるためではないでしょうか。 その結果、領域や所属の垣根を超えて、前向きなコラボレーションを実現させていくのではないかと、私自身、身を以て実感することができた学会でありました。 そして、このような環境に身を置くことができる、本学大学院の環境の良さに関しても改めて実感することができ、今後の研究活動への意欲をより一層高めることができました。   最後に、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターは、未来志向的な意思のもと、センター内のみに留まらず、広く対外的な繋がりを形成し、真に臨床や社会に還元できる研究成果を公表できるよう、今後も更なる研究活動に励んでまいりたいと思います。      畿央大学大学院 健康科学研究科 修士課程2年 石垣 智也

2014.06.06

本学大学院生の論文が「Behavioural Brain Research」に受理されました。

現在、畿央大学神経リハビリテーション学研究室(大学院:森岡研究室)に在籍しております、博士後期課程の大松です。   先月、私がまとめた論文、“Activation of the serotonergic system by pedaling exercise changes anteior cingulate cortex activity and improves negative emotion.”が“Behavioural Brain Research (IF: 3.327)” に受理されました。   この研究は、私が修士課程の時に行った実験を論文にまとめたものです。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=ohmatsu+s     本研究は、運動の日課がある人に対し中等度のペダリング運動を行うことで、緊張・不安といった不快情動の軽減、活力といった快情動の増強といった情動面に対する効果に関して、主観的な情動面の変化、尿中セロトニン生成量、EEGの測定(前頭葉非対称性、sLORETA解析によるhight-alpha波帯域での前帯状回の活動減少)から検証しました。 今回の結果から、ペダリングといった周期的運動により5-HT神経が活性化され、その結果ACCの活動が低下し、情動の変化をもたらすのではないかと示唆されました。今後、森岡研究室では運動による下降性疼痛抑制のメカニズムの解明につなげて発展させていく予定です。   この論文が受理されたBehavioural Brain Researchは、行動神経科学の分野における国際的かつ複数の学問から構成される学際的な学術雑誌で,IF3点代と比較的影響度の高いものとなっています。自分の研究が,世界の方々の目に触れることに感動すると同時に、さらなる研究に励んでいきたいと身の引き締まる思いです。修士課程入学当時は、全く研究をしたこともなく、漠然と臨床現場で疑問に思うことを少しでも明らかに出来たら嬉しいという思いでした。当時思い描いていた研究の内容とは少し形が変わりましたが、周囲のサポートにより徐々に形になっていきました。研究について全くの素人だった私が、国際雑誌に自分の論文が掲載されたのは、教授の指導や授業による知識はもちろん、異なる専門性や知識を持った研究室のメンバーと多くのディスカッションを行っていく中で、より良いものに作り上げていけたからだと強く感じます。     最後に、この研究や論文作成の全過程で指導して下さった森岡周教授をはじめとする、本学の神経リハビリテーション学研究室のメンバー、また尿中セロトニンに関して助言や指導して頂きました坂田進教授、西井康惠助手に深くお礼申し上げます。ありがとうございました。そして、今後も研究室のメンバーとリハビリテーションの専門家として互いに切磋琢磨し、少しでも社会に貢献できるような研究を行えるよう前進していきたいと思います。 畿央大学大学院 健康科学研究科博士後期課程 大松 聡子