2026.04.20
小学校一日見学を実施しました 〜 現代教育学科
「小学校一日見学」は、畿央大学教育学部が独自に設置している必修科目です。本科目は、学生が早い段階で学校現場を経験することを目的としています。

本取り組みは、平成22年度より大阪教育大学のご協力のもと実施しており、令和元年度からは大阪教育大学附属平野小学校において実施しています。今年度は、午前に4時間の授業参観を行い、午後には吉松副校長による講話および一日の学びを振り返るレポート作成を実施しました。参加者は148名でした。
午前中の授業参観では、1年生から6年生までの各学級に分かれて授業を見学しました。時間ごとに異なる教科の授業を教員の視点で観察することができ、学生にとって非常に有意義な機会となりました。また、グループ活動に参加して子どもと関わる学生や、子どもの言葉に耳を傾ける学生の姿も多く見られました。


午後には、吉松副校長による講話があり、「子どものつぶやきや気付きからのめあての設定」「個別(自力解決)と協働のメリハリをつけた学習展開」「子どもの学びを点ではなく線で捉えること」など、授業づくりにおける重要な事項や、教師に求められる「専門性」と「人間性」について学びました。また、グループごとに授業参観を振り返り、感じたことや考えたことを共有しました。

講話後、学生は一日の学びを振り返り、レポートを作成しました。
学生のレポートの一部を紹介します。
授業について
- 学校としての方針を踏まえて授業見学をしていると、その方針を実現できているように見えた。(中略)授業のめあてに「〜のやり方を説明しよう!」と書かれていたことに驚いた。説明するということは自分が理解したことを他者に伝えるという、まさしく「一人で考え、ひとと考える」そのものだと感じた。それだけでなく、児童に学習を行ってもらうための工夫にも感動した。自分たちで発見させる学習を積極的に行っていたのだが、それにやる気を持って取り組んでもらうための導入がよく考えられていた。はじめから長々としゃべるのではなく、児童が活動できる場を早く与えていたのだ。それも、目的にたどりつくよう声かけが行われ、主体は子どもだが、その場は教師がコントロールしている。自分もそんな授業をしてみたい。
- 「一人で考え、ひとと考える授業」について、ほとんど全ての授業で、一人でかんがえる時間と班で共有する時間が取られていて、はっきり区別して取り組んでいるように感じた。また、班で考える時間では先生はほとんど介入せず、児童たちの好きなように進めていた。これらのことや、副校長先生の話を聞き、個別で進める学習と協働して学ぶ学習の両方がとても大切だと学んだ。協働して学ぶためには、自身の個人の意見が必要であり、それらの多様な視点や価値観を理解し合うことで、最適解を見つけることが学習なのだと改めて実感した。今の社会では多様という言葉が様々な場面で使われているが、様々な行動を全て肯定することは多様性ではないと感じており、多様性という言葉の線引きがとても難しいと感じた。実際に授業中には、良くない行動についてはルールを確認し注意する場面が多く、怒るべきところでは怒っていたのが印象的だった。今後、この多様性について、何でもOKではなく、様々な視点や価値観を受け入れるという意味として使われるように、子どもたちと考えたいと感じた。
教師の働きかけについて
- 私は今回、先生がどのような意図を持って、発言や行動をしているのかを理解することを主なめあてとして参観した。その中で気がついたことが2つある。1つ目は、先生が大事なことをすぐに言わないことである。算数や理科などの時間に先生がすぐに答えを言うのではなく、子どもたちに考えさせていた。その中で、良い意見を黒板に書き、少しずつ答えに近づけるように子どもたちを導いていた。そして最後に、今回の授業のまとめを先生がわかりやすく言うことで子どもたちが今回の授業で何を学んだのかを明確化している。なぜ先生がすぐに答えを言わずに、1時間かけていたのかを考えると、先生がすぐに答えを言うと、授業が進むスピードが速いが、子どもたちが自分で考えることが少なくなったり、記憶に定着しにくいからだと考えた。私は高校の数学の教員を目ざしていて、数学はどうしても系統的に教えてしまうことが多くなってしまう。今回の授業を見ると、経験することに重きを置いているように感じたため、今日学んだことを生かして生徒たちが楽しく、わかりやすい授業を作れるようにしたいと感じた。
- 主体性とは、積極的に発言・発表をすることというイメージがあったが、1人で書く活動をがんばっている児童にも主体性はあり、点ではなく線でとらえることが重要だということも学んだ。私が教師になったときは、平野小学校の先生方のように、児童たちが気づきや関心・興味をもって授業に参加してもらえるような行動や問いかけを意識していきたいです。また、児童一人ひとりに目を向け、児童たちと共に考えていける教師を目ざしたいです。
- 「〇〇くんが泣いている」といった子どもに「泣いているときはどんな言葉をかければいいの」と質問している場面を見かけた。こうすることで、子どもたちは、ただ言われたことをするのではなく、自分たちで考え解決する力を身に付けているように感じた。
- 先生と子どもたちの関係について、大人同士の関係のように一人の人としての関係ができていると気がついた。授業中の離席については、なぜ離席したのかを観察し、ただ離席を注意するのではなく、離席の理由を見ていた。そこには「今、あの子には〇〇が必要だから離席をしている」というような信頼関係があった。
子どもの姿から
- 班での活動も、言葉のキャッチボールが非常に上手く、自分が小学校6年生の頃、これほど充実した会話ができていたのだろうかと思えるほど衝撃を受けました。先生に立ち歩いて見てもらってもいいように許可をもらい、見て一番印象にのこっているのは、「未来」の授業でマンダラチャートを用いてポスターを作成している児童を見たことです。マンダラチャートは、中心に重要なテーマをおき、そこから周りに関連するものを書いていくというもので、それを踏まえたポスターの完成度がすごく良く、驚きを隠せませんでした。「どうしてこう考えたの?」という自分の質問にも、端的でかつ、わかりやすく答え返してくれたので、すべてを踏まえて、本学校の教えが非常によいものだということに気づかされました。改めて、教師の偉大さに気づくことができて本当によかったです。
教職について
- 将来自分が教師になった時に、児童や生徒との信頼関係を大切にし、子どもに自らが考えられるような環境作りを、教員生活を通してずっと学び続けることのできる先生になりたいと思った。
「小学校一日見学」を通して、学生は教職への思いをさらに強めたことと思います。最後に、本取り組みにあたり貴重な学びの機会をご提供いただきました大阪教育大学ならびに附属平野小学校の皆様に、心より感謝申し上げます。
現代教育学科 講師 増永 雄一郎
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