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理学療法学科
2015.01.26
平成26年度 神経リハビリテーション研究大会を開催!~健康科学研究科(森岡研究室)
2015年1月24日(土)、25日(日)に畿央大学大学院健康科学研究科神経リハビリテーション学研究室(森岡研究室)主催による「平成26年度 神経リハビリテーション研究大会」が信貴山観光ホテルにて開催されました。 この研究大会は毎年開催されており、大住さん(D3)の開会挨拶から始まり、M2、D1、D2、D3から合計11演題の研究成果の発表が行われました。加えて、M1はグループに分かれて研究計画に関するディスカッションが行われました。M2は修士論文の最終試問に向けての発表でした。研究テーマは姿勢運動制御、疼痛、高次脳機能障害、小児と幅広い分野の研究成果の報告がありました。質疑応答では、森岡教授をはじめ多くの院生から質問や意見、示唆があり活発な意見交換が行われました。M1に関しても、博士後期課程の院生のもとグループで研究計画だけでなく予備実験などの研究成果についての報告を行いました。今年は天候にも恵まれ、途中の休憩時間にはホテルの周りを散策することもできました。 ※畿央大学大学院では、所属を、修士課程(Master)を「M」、博士後期課程(Doctor)を「D」としています。(たとえば修士課程2年目を「M2」、博士後期課程3年目の所属を「D3」といいます) 写真は参加者の集合写真です。長野や福井、愛知といった遠隔地の院生や修了生が一堂に会しました。 一日目の日程を全て終えて、夜は懇親会が開催されました。普段はなかなかゆっくり話すことができない院生同士が懇親を深めることができました。 畿央大学の大学院生はほとんどが社会人院生であり、普段はそれぞれの職場で臨床を行いながら、研究活動に取り組んでいます。研究に関する内容だけでなく、普段の職場のことやプライベートのことまで楽しく話ができ懇親を深めることができました。 二日目は朝から昼過ぎまで演題発表が行われ引き続き活発な意見交換が行われました。D1、D2、D3の発表は、研究目的が明確になっておりプレゼンテーションの仕方やスライドの作り方など大変勉強になりました。当研究室は、修士課程、博士後期課程の院生が普段から同じ部屋に集まりゼミを行っています。学会のように発表者対聴衆の関係ではなく、発表者を含めて院生同士で議論し更なる研究の発展に向けて何が必要なのかをいつも考えています。M1にとっては、そうした議論の場にいることで学ぶことが多くあります。 研究大会は、森岡教授による閉会の挨拶で無事に全日程を終えました。 森岡教授からは、自身の研究分野でしっかりと認知されていくためにも、社会の役に立つためにも研究成果を論文として世の中に出していくことの重要性についてお言葉を頂きました。 最後に、社会に役立つ研究成果を出せるように今後も研究室一同努力して参ります。 M1 片山 脩 【関連動画】畿央大学の「?」が「!」に変わる1分間ムービー 働きながら通える「畿央大学大学院」のヒミツって? 【関連記事】 ●「平成25年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」 ●「平成24年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」 ●「平成23年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」 ●「平成21年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」 ●「平成20年度 畿央大学神経リハビリテーション研究大会」
2015.01.14
同窓会レポート~理学療法学科瓜谷ゼミ+裏瓜谷ゼミ同窓会!
2014年12月28日に難波周辺にて、理学療法学科の瓜谷ゼミ+裏瓜谷ゼミの忘年会を開催しました。 今回「瓜谷ゼミ」は、1期生~7期生まで全ての年代が、また「裏瓜谷ゼミ」は他のゼミの卒業生からさらには現役京大生まで、多岐に渡るメンバー総勢20名以上がこの日、瓜谷先生のもとに集まりました。 さて今回の忘年会ですが、いつもお邪魔しているカフェ(?)をお昼から貸し切り、有志で6名のメンバーが発表をおこなう、勉強会から始まりました。 もちろん、お酒を片手に…。 発表内容は専門的なものから法的制度、さらには競輪に至るまで。(笑) 多くの分野のものが揃い、とても勉強になり楽しいものばかりでした。その後の討論も白熱し、とても有意義な時間となりました。 そして夜からは場所を居酒屋に移し、二次会、三次会と続きました。 瓜谷ゼミと言えば、「飲み会の多いゼミ」との印象が強いようですが、飲み会、遊び、勉強を両立するゼミとして、瓜谷ゼミならではの忘年会を皆さん楽しめたようです。 このように縦・横のつながりがしっかりと築かれ、またこのように毎年集まることが出来ることは本当に素晴らしいと思います。 また興味のある方は是非来てみてください♪ これからも瓜谷ゼミは拡大予定です。 理学療法学科7期生 坂東 峰鳴 ●畿桜会(畿央大学・畿央大学短期大学部・桜井女子短期大学同窓会)は、一定人数以上の同窓会開催を支援しています。 詳細は大学ホームページ「同窓会開催の補助」をご覧下さい。
2015.01.07
KIO元気塾のクリスマス会を開催しました!
こんにちは! 今回は理学療法学科3回の小柿亜香里が昨年末に行われたKIO元気塾のクリスマス会について書かせていただきたいと思います。 そもそもKIO元気塾とは… 理学療法学科と健康栄養学科の学生が教員立会いのもと、月曜日と金曜日に病院を退院しても障害が残っておられる方に運動指導と栄養指導を行う取組みです。ここに参加している学生は強制ではなく、自ら進んで学びたいと申し出た学生です。その学生が1チーム5~6人で一人の利用者さんを担当します。人との関わり方や、治療の進め方、考え方など授業では学べないことを学べる場です。 そして元気塾に参加している理学療法学科の学生が2014年最後の元気塾で企画したものが、クリスマス会です!!!!! 元気塾で「クリスマス会をしよう」という話がでたのは11月の後半でした。それから私たちは各班の代表者が昼休みに集まり、何をするか一から考え始めました。 初めは…というよりもクリスマス会の当日までなかなか意見がまとまらず大変でした(笑) わたしはこのクリスマス会の言いだしっぺだったのでなんとかまとめようと必死でしたが、私自身もいいアイデアが思いつかず、本当にクリスマス会が成功するのかとても不安でした。 そして本番当日! 昼休みから教室を飾りつけし準備万端でクリスマス会がスタートしました(^^)/ もう失敗しても楽しくできたらOK!という気持ちで挑みました。 まず一つ目のプログラムは人間すごろくです。 ここでは普段見られないような利用者さんの笑顔が見ることができ、また「あれ、こんな元気に動けたっけ(;・∀・)?」と思うような元気な利用者さんの姿を見られることができました。 二つ目は音楽会です。 クリスマスソングといえばジングルベル!ということで、ジングルベルの演奏をみんなで行いました。利用者さんには楽器をひとつずつ持っていただき、自由に演奏してもらいました! みんなが知っている歌だったので口ずさんだり、手拍子をしたり、とても盛り上がりました(^◇^) 最後にクリスマスといえばやっぱりプレゼントですよね! ということで各班、用意したメッセージ入りのプレゼントを渡しました。 各班利用者さんのことを考えて選んだプレゼントだったのでとても喜んで受け取ってくださいました(*’ω’*) そして先生たちも含めみんなで記念撮影をしてクリスマス会はお開きとなりました。 今回このクリスマス会をして本当にやってよかったなと思いました。いつもはバラバラにトレーニングしている利用者さんが一緒に一つのことをしてほしいということをテーマにして、このクリスマス会を企画しました。そのとおり、クリスマス会では会場が一つになり、何とも言えないとても幸せな、温かい雰囲気になっていました。 また普段見られない利用者さんの笑顔に、私たち学生は幸せをもらいました。終わった後に話をしていると何人もの学生が「クリスマス会中、涙が出そうになった」と言っていました。それが何故か、正直ことばではうまく言い表すことができません。しかし今回参加したメンバーはきっと、わたしと同じ気持ちだろうと思います。そしてこの気持ちはこれから生きていくうえで大事なものだと確信しています。このようなクリスマス会を開けたことを私は誇りに思います。 最後に、今回のクリスマス会に参加してくださった利用者様、この会のサポートをしてくださった先生方、そしてクリスマス会を盛り上げてくれた仲間に感謝の気持ちを伝えたいと思います。 本当に本当にありがとうございました。 理学療法学科3回生 小柿 亜香里
2015.01.05
広陵町連携「広陵町介護予防リーダー養成講座」の事前説明会が行なわれました。
目の前に迫る高齢者社会の健康を支える自助・互助の新制度の事前説明会に多数が参加! 畿央大学は広陵町(地域包括支援センター)と連携して、『介護予防リーダー養成講座』(畿央大学講義室および実習現場にて2015年1月から3月まで11回)を開講することになりました。 第1回目講座が1月29日から始まるにあたり、募集定員10名に対して30数名の希望者があり、講座内容の説明会が12月26日広陵町総合保健福祉会館「さわやかホール」4階会議室において行なわれました。 広陵町では転倒・骨折予防や認知症予防を目的として一般の高齢者向けの運動教室を町内5箇所で開設していますが、年々参加希望者が増加してきており、広陵町民の予防意識の高さが感じられます。国は団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向けて「元気高齢者が虚弱高齢者を支える仕組みづくり」を重要課題としており、健康づくり・介護予防の担い手の必要性が急速に高まっています。しかし、その養成と養成後に実際の地域活動につなげるのは容易ではありません。 今回の取組みは大学のキャンパスを利用して理学療法士である大学教員(理学療法学科准教授高取克彦、助教松本大輔)が中心となり既存の運動教室への「サポーター」だけにとどまらず、自主的な活動を行える地域支援の「リーダー」を養成することをめざしています。 市町村単独で行なう一般的な養成スタイルではなく、シルバー大学のスタイルを導入し、理学療法士である教員が中心となって養成を行なうこと、また養成後に活躍していただく実際の現場へ実習に行くという実習型の養成がこの講座の大きな特徴であり、全国的にみても数少ない取組みです。 この講座は、第1回目2015(平成27)年1月29日、2回目2月3日、3回目2月5日・・・10回目3月3日、11回目3月5日認定試験・修了式という形の短期集中型講義・実習を行い、終了後は「広陵町介護予防リーダー」、「誤嚥にナラん!体操指導員」に認定されます。地域の要請にお応えした新しい、そして注目されている取組みであり、この説明会には受講希望者30数名のうち22名が来られ関心の高さが窺われました。
2014.12.18
同窓会レポート~理学療法学科7期生の同窓会を開催しました!
12月6日に第2回理学療法学科7期生同窓会を実施しました。 場所は去年と変わらず「ゆめ八」です。 本当は謝恩会を開いた「RIVER CAFE」でする予定だったんですけど… 諸事情でできませんでした…残念。 来年こそは!!!! 今回は去年と比較し少人数の参加となりました。 なかなか社会人になると集まるのが難しいですね。 しかし!少しでも集まるなら実施します!!!!たぶん… みんな来てね…(..) そんでまぁ乾杯の挨拶はもちろん我らが理学のアイドルT橋君! 期待していたものの,なんら普通の乾杯で始まりました(笑) 卒業して2年が経過しようとしていますが… みなさん相変わらずの様子で,変わらない友達と会うと安心するものです。 隣のスクリーンで放送していた「めちゃいけ」の番組が気にはなりましたが(笑), 仕事の話から懐かしい大学生活の話,将来の話などいろんな話題が飛び交った集まりでした。 来年度はお世話になった先生方もお呼びして大規模で行いたいものです! 理学療法学科7期生 津田 宏次朗 ●畿桜会(畿央大学・畿央大学短期大学部・桜井女子短期大学同窓会)は、一定人数以上の同窓会開催を支援しています。 詳細は大学ホームページ「同窓会開催の補助」をご覧下さい。
2014.12.17
第31回KSM(Kio Study Meeting)を開催しました。
畿央大学理学療法学科6期卒業生の小西佑です。 12月14日(日)に、第31回目となるKSM (Kio Study Meeting)を開催させていただきましたので、ここに報告いたします。 今回の勉強会で発表された内容は、下記の2題です。 ①「小学生の姿勢について」(中田さん) ②「症候性腱板断裂患者に対して我々理学療法士が果たすべき役割」(中谷さん) 中田さんの発表は、実際に小学生の姿勢の悪化について懸念する小学校の教員を対象に、過去に中田さん自身が発表されたものでした。 近年の小学生の特徴的な姿勢やその原因、そして不良姿勢がもたらす健康的被害について、疫学的なものからその改善法までを事細かにまとめておられました。 それらの出典は、文部科学省の発表から大学の研究結果、新聞記事まで多岐にわたり、毎度のごとくその情報収集能力と資料をまとめる能力には驚かされます。 また、本来の対象が小学校の教員だったということもあって、専門的知識のない人でも十分理解できる配慮がなされておりました。 これは、私たち理学療法士が臨床現場で必要とされるスキルの一つであると考えられます。 つまり、医学的知識のない人が十分理解できるレベルに落とし込んだ上で、専門的な知識を説明することの難しさに類似しているということです。 個人的には、小学生の姿勢についての知識だけでなく、そういったプレゼンテーションや説明能力の難しさについて、改めて気づかされました。 続いて、中谷さんは腱板断裂のトピックに焦点を当てた内容を発表されました。 ご自身が急性期病院で担当されてきた経験談を織り交ぜながら、腱板断裂の重症度分類、手術適応・保存療法の違いによる介入方法の検討などがまとめられておりました。腱板断裂の理学療法について、全くの初心者であった私にすると、文字通りhow-toとしての発表であり、超急性期病院で働く中谷さんだからこその経験談も含めて、新鮮な気持ちで学習することができました。 中谷さんの資料には、英語論文から得ている情報が数多く登場します。 私たちが関わる医療の世界では、やはり英語で示された論文や科学を読み解くことが、一つ先の情報を得る為には必須になります。 腱板断裂のトピックについて、運動学や解剖学の知識再学習だけでなく、現存する最新のEvidenceを揃えてある資料は、唯一無二の学習教材でありました。 今回で31回目の開催を迎えましたが、単純計算で70~90の演題について、勉強・ディスカッションを深めてまいりました。 これだけの数をもってしても、理学療法とその関連事項に対する学習は追いつきません。 それだけ奥の深い学問、仕事なのだなあとしみじみ思います。 学習には意欲とそのための環境が必要になりますが、私たちにとっての意欲は理学療法という学問そのものへの探求心からなりますし、同じ勉強仲間が発する発表や意見からも発現します。 環境はこの勉強仲間(6期生の私が4期生の先輩方を仲間呼ばわりするのはおこがましいですが(笑))と、学び舎であると考えます。 そしてその学び舎(大学設備)を使用させて下さるのは、庄本先生をはじめとする大学関係者の皆さんです。 多数の方のご好意で継続できるこの環境に今一度感謝し、そしてその喜びを忘れず、これからも謙虚に勉学に勤しもうと思います。 理学療法学科6期生 小西 佑
2014.12.16
日本理学療法学生協会 畿央大学主催 関西支部大会を開催しました!
こんにちは!理学療法学科3回生の石川奈穂です! 11月23日(日)に行われた日本理学療法学生協会 畿央大学主催 関西支部大会について報告させていただきます! 日本理学療法学生協会(Japan physical therapy student association)とは、理学療法士を目指す学生同士の交流・情報交換の機会を増やすことで、学生の視野の拡大や理学療法に対する意識の向上を目的とした学生主体の団体です。 当日は、近畿地方を中心に、北は北海道から南は広島から総勢約80名の理学療法学生が集まりました!! 今大会のテーマは、『精神ケア~あなただからできること~』で、講演やディスカッション、学生発表、各職種の精神ケアについての展示、懇親会などを行いました。 初めに、開会式で大会長として挨拶をさせていただきました! こんな大勢の人の前でスポットライトを浴びながら挨拶をすることは滅多にないので、とても緊張しました。 ▲開会挨拶の様子 一つ目の講演として、東京都で理学療法士として勤務されている川井謙太朗先生に「スポーツ選手への理学療法」という内容で講演をしていただきました。 実際に先生が担当されたスポーツ選手の事例を通して、スポーツ分野において精神ケアはどのように行われているのか、先生が患者様に対して配慮されたことなどお話をしていただきました。 その後アイスブレーキングを取り入れたディスカッションを行い、漫画の一コマや実話をもとにさまざまな他大学の方々と身近な精神ケアについて考えました。 二つ目の講演として、奈良県で理学療法士として勤務されている佐藤剛介先生に「脊髄損傷者への精神ケア」という内容で講演をしていただきました。 脊髄損傷では受傷された年代によってその患者様に要求されること、患者様の心理状態は大きく異なります。 そのことについて講演をしていただき、先生がさまざまな年代の患者様にどのように接したかというお話を聞くことができ、いかに理学療法士が患者様の人生にとって重みのある職業であるかを知ることができ、深く心に響いた講演でした。 ▲ホールでの講演の様子 その後は医療者目線から精神ケアを考えるというディスカッション、そして会全体を振り返るフィードバックを行い、参加者全員で写真を撮影しました!!! 皆さんいい笑顔!!!!! ▲全員集合写真 最後に、新食堂で懇親会を行いました。学年関係なく全体が楽しい雰囲気で、あっという間に時間が過ぎてしまいました!! ▲新食堂での懇親会の様子 最後になりましたが、参加いただいた皆さん、会の開催にあたりご協力いただいた方々、本当にありがとうございました!! ▲運営委員のメンバー 日本理学療法学生協会 畿央大学主催 関西支部大会運営委員一同 理学療法学科3回生 石川 奈穂
2014.12.16
大学院生が日本高次脳機能障害学会学術総会に参加しました。
平成26年11月28日(金)・29日(土)に仙台国際センターで行われた日本高次脳機能障害学会学術総会に参加した大学院生からレポートが届きました。 畿央大学大学院健康科学研究科神経リハビリテーション学研究室の高村です。 本研究室からは,客員教授の河島則天さん,D1大松聡子さん,M2保屋野健吾さん,M1高村が演題発表しました.本学会は,医師や言語聴覚士を中心に,臨床の現場で活躍されている方が多く発表されおり,一人の症例に対する評価や行動観察の緻密さ,そして,そこから得られた結果の解釈および臨床推論の深さには只々驚くばかりでした. 会長講演では,東北大学大学院医学系研究科高次脳機能障害学分野の森悦朗先生が「行動神経学への誘い」という題目で発表されていました.行動神経学とは,脳血管障害や,神経変性疾患などを対象とし,神経心理学に加えて画像やリハビリテーション,薬理,病理などの多岐にわたる要素を包含した領域であると述べられていました.また,今までされてきた研究や自身の考えについても話されていました.その中で,常に臨床研究をするように患者を観ているとおっしゃっており,日々の臨床の中でも現象を観察し仮説を立て,的確なアウトカムを設定し検証していくことの重要性を再度認識させられました.そして研究も,その積み重ねであるように感じました. ポスター発表では,「半側空間無視の回復プロセスにおける左視線偏向について」という内容で発表しました.この内容は客員教授の河島則天さんと共同で研究させて頂いている内容です.半側空間無視は,脳卒中などによる右半球病変後に発生する症候群であり,大脳半球病変と反対側(左側)の刺激に対して,注意を向け反応すること,その方向を向くことが障害される病態と定義されます.半側空間無視を持つ患者さんの回復過程において,患者さん自身が日常生活上での問題(道を間違える,左側のものにぶつかるなど)や家族や医療スタッフからの指摘によって無視空間の存在に気づくと,意図的に左空間に注意を向けてその問題に対応する場面が散見されます.今回は,上述したような代償戦略としての左視線偏向と無視症状の回復の関係性に焦点をあて,反応特性及び,脳波の結果から検討した内容を発表させて頂きました.多くの方にご意見,ご指摘を頂くことができ,また発表時間外にも関わらず質問をして下さる方もおられ,大変参考になりました. 本学会を通じて,普段と異なる社会の中で発表することによって,違う視点から自身の研究を見ることができ非常に参考になりました.また,他の発表者の研究からも,自分にない考え方や発想を知ることができました. 最後になりますが,このような機会を与えてくださった畿央大学と森岡周教授をはじめとする研究室の皆様に深謝致します.今回得た経験を,研究や臨床に活かしていきたいと思います. 畿央大学大学院修士課程 高村優作
2014.12.09
ニューロリハビリテーションセミナー臨床編を開催しました。
2014年12月6日(土)、7日(日)にニューロリハビリテーションセミナー臨床編が開催されました. 寒さが厳しい日での開催となりましたが,300名以上の方々にお越しいただきました.ありがとうございました. 当日の模様を,私(大住倫弘)の方から報告させてもらいます. 今回は7講座+症例提示をさせて頂きました. 松尾先生による「損傷脳の再組織化と機能回復の神経機構」では,脳損傷後のシナプスレベルでの変化から脳機能の変化まで網羅された情報提供でした.脳卒中後の機能的コネクティビティについてのfMRI研究も多く紹介してくれ,回復プロセスでそのようなリハビリテーションが必要なのかを考える材料となったと思います。 前岡先生による「痛みの神経機構」では,痛みに関する神経科学的知見の情報提供でした.慢性疼痛における機能的コネクティビティの変化や,慢性疼痛患者に対する教育学的アプローチに関するものは非常に興味深いと感じました. 冷水先生による「運動失調症の神経機構」では,いわゆる失調症についての臨床的知見を多く紹介されました.運動障害におけるサブタイプ分類の方法や,失調症患者さんの運動学習の可能性についての知見を多く紹介してくれました.まだまだ失調症に対するニューロリハビリテーションのエビデンスが低いことも今後の課題としてお話頂けました. 岡田先生による「Parkinson病の神経機構」では,実際の症例の動画も提示しながら,パーキンソン病に出現する感覚運動障害や訴えを紐解くための科学的知見を大量に紹介してくれました.基底核のみならず,parietalの機能低下やSMAとの機能的コネクティブティの異常なども取り上げてくれました. 森岡先生による「半側空間無視の神経機構」では,半側空間無視の様々な病態を分類していく必要性が分かる講義になっておりました.また,情動や文脈が注意に及ぼす影響なども網羅された情報提供になっており,注意という機能の深さを感じました. 信迫先生による「失行の神経機構」では,オンライン情報処理,オフライン情報処理,その相互作用,模倣,・・・と広範で膨大な情報提供でした.膨大な情報と対照的な優しい語りがとても印象的でした.本年度は統合運動障害に関しても,実際の動画を交えて解説されました. 松尾先生による「神経科学に基づく脳卒中リハビリテーション」では, Dose-dependentに基づくリハや、脳半球間抑制モデル・運動イメージ・運動観察などのエビデンスが次々と紹介されました.報酬フィードバックやチームワークの重要性も紹介され,社会的要因がリハビリテーション効果に影響を与えるという意味でとても興味深かったです. 本年度のセミナーでは,神経科学を用いたクリニカルリーズニングとして,実際の症例報告を紹介されました. 今年度は,私(大住倫弘)が複合性局所疼痛症候群の症例を,大松さんが半側空間無視の症例を提示しました.不十分な部分が多くあると思いますが,基礎的知見と目の前の患者さんの症状とを行ったり来たりしながら,病態を紐解き,介入手段の選択を吟味していくプロセスは紹介できたかなと思います. 今回は,このような症例を提示する機会は一方向性のものでしたが,次年度は「ニューロリハビリテーションフォーラム」という場で,1症例を2時間ほど参加者の皆様とディスカッションする機会を設けたいと思っています.アナウンスは,畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターHPや畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター公式facebookからしていこうと思っていますので宜しくお願い致します. また,次年度からは内容をリニューアルしていこうと考えております!これまでニーズが高かった「応用編」「臨床編」をさらに分厚くするために,「機能編A」「機能編B」「病態・臨床編」というように講座数を増やしていく予定です.既に参加された方々にも新たな情報を提供できるかと思いますので,是非とも一緒に意見交換できれば幸いであります. 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 大住倫弘
2014.12.03
第30回KSM(Kio Study Meeting)を開催しました。
畿央大学理学療法科、4期生の中田宏樹です。 11月30日に第30回KSM(Kio Study Meeting)を開催しました。 KSMとは畿央大学4期生が中心になり行っている卒業生の理学療法勉強会です。数年前から始めた勉強会もはや30回目、毎回非常に楽しく勉強させて頂いてます。 今回は上田さんの「TKAについて」、熊本さんの「訪問リハビリについて」の二題でした。 上田さんは自分自身は整形術後のリハビリ経験が少ないとのことで、勉強をするきっかけにするためあえてTKAでの発表をしてくれました。 たくさんの文献を読み込んで発表をして頂いたので、その文献上の知識と他参加者の経験とを照らしながら有意義なディスカッションが出来ました。 術式によって理学療法のやり方を変えていくべきなのですが、そのための細かい術式まで述べて頂き良い勉強になりました。 次に熊本さんの訪問リハビリについての講義です。 熊本さんの回復期病棟から訪問リハビリに移行した経験から、訪問リハビリを行う上で大切だと考えることを述べて頂きディスカッションしました。 また在宅ならではの患者様の悩みについても共有し、症例を通して話し合いを行いました。 在宅での関わりの中でまず浮かぶデイサービスと訪問リハビリ。 患者様がサービスに依存してしまうことで、社会復帰が困難になることが共通の悩みとしてありました。その悩みの原因の一つに、「どこを薦めていいかわからない(デイサービス、その他介護事務所など)」ことが挙げられました。 おそらく同じような悩みを抱えているセラピストはたくさんおられると思います。 今回それを解決するような包括的な地域サービスが開発途中であることを教えて頂きました。 アプリで簡単に施設やその施設の特徴を検索できるようなもので、実現すれば非常に面白い。そう感じています。 今回は参加人数が3名と、いつにも増して少人数となりました。 発表数は2題と少なかったものの…何故か普段よりも長いディスカッションを行っています。 メンバーの結婚ラッシュにより最近参加人数が減ってしまっていますが、今後もパワフルに勉強していきたいと思っています。 理学療法科4期生 中田 宏樹
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