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理学療法学科

2014.11.27

国際学会「Society for Neuroscience」参加レポート!~大学院健康科学研究科

2014年11月15日(土)~19日(水)に、アメリカのWashington D.C.で開催されたSociety for Neuroscienceに参加させて頂きました。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターからは森岡周教授、冷水誠准教授をはじめ、森岡研究室の大学院性5名(修士課程4名、博士課程1名)が演題発表しました。 本学会は毎年多くの演題が募集されており、今回は世界各国から神経科学の研究者が31000人以上参加し、15000以上の演題発表が行われました。このような大きな規模の学会は国内では見当たらず、私自身初めて国際学会に参加させて頂くこともあり、様々な職種の方々が会場内で所構わず議論されている環境に大変感銘を受けました。 本学会は英語での発表であり、私は意見交換など大変苦労しましたが、森岡周教授や冷水誠准教授、博士後期課程3年の大住倫弘さんといった先生方が英語で円滑に意見交換をしている姿を見て、次に国際学会に参加する際には、「自身の考えをもっと正確に伝え,有益な意見交換を行う」といった目標をたてることができました。 また、今回共に参加した同期入学の修士課程2年保屋野健悟さん、脇聡子さん、後輩である修士課程1年の高村優作さんが発表している姿から多くの刺激を頂き、今後いっそう切磋琢磨し自身の研究・臨床を磨いていきたいと感じました。森岡研究室では日頃の授業においても研究内容に対して議論しあうことが多く、大変恵まれた環境です。研究室内でお互いを鼓舞しあえる環境にあることは本当にありがたく、何よりも自身を成長させてもらえるものだと改めて感じました。 本学会に参加し研究発表、意見交換を行えたことは、私自身にとって貴重な経験となりました。本学会を通して「自分の安心できる範囲で留まらず新しい環境に飛び込むことで多くのことが学べること」、多くの演題発表を聴講する中で「自己の研究能力の向上には想像力、知識の幅が必要であること」、今後社会的に貢献ができるような研究をしていくためには「自己の考えに対して、賛同や批判的な意見をして下さる人脈」などが重要であることを学ぶことができました。 最後になりましたが、このような貴重な経験ができたのは畿央大学の研究活動に対する手厚い支援と、森岡周教授をはじめとする多くの方々のご指導やご協力があってのものです。このような環境で学ばせて頂いていることに深く感謝し、この経験を今後の研究や臨床に結びつけるように励んでいきたいと思います。   畿央大学大学院健康科学研究科神経リハビリテーション学研究室 修士課程2年 湯田智久

2014.11.26

卒業生が4回生に国家試験勉強の経験談を講演しました!(理学療法学科)

今年度の理学療法士国家試験は2015年3月1日(日)、2日(月)に行われます。 各学科でそろそろ国家試験に向けた勉強をはじめていますが、理学療法学科ではそんな4回生の国家試験対策とモチベーションアップのために『理学療法総合演習』の授業で、毎年、卒業生から国家試験についての勉強ノウハウを聞く機会を設けています。 11月18日(火)には、今年2回めの講演会が行われ、聴講していた学生からは早くも国家試験に対する意気込みが感じられました!!     【講演した卒業生のコメント】 私たちは今年3月に卒業し、4月からそれぞれ病院で働き、臨床を半年経験しました。社会人として働く中で、学生とは違う責任の重さや対人関係、また座学や教科書では得ることのできない知識や技術を常日頃から学んでいます。実際に患者様と向き合うことで、臨床現場の楽しさを経験し、理学療法士として仕事のやりがいを感じています。 私たちも畿央大学に在学中は、先生方のご指導や協力を経て国家試験に無事合格することができました。今度は私たちが母校に何か還元したいという気持ちと、後輩が無事国家試験に合格し、理学療法士の仕事のやりがいと楽しさを知ってほしいと思いがあり、今回講義という形でお話しをする機会をいただきました。 内容としては、国家試験の概要、実際に私たちがしていた勉強方法・時間の使い方を一つの方法としてアドバイスさせていただきました。4回生の皆が真剣に話を聞いてくれており、国家試験に対する真剣さが表れているのではないかと感じました。講義後には、個別にたくさんの質問を受け、こちらもこのような機会を得てよかったと思いました。 今回の私たちの話を国家試験の勉強法として多少でも参考にしていただくことができ、全員が頑張って国家試験に合格して理学療法士になっていただければと思っております。 畿央大学の理学療法学科の合格率が、3年連続100%となることを心より願っております。 あんしん病院  前原  駿 愛仁会リハビリテーション病院  松江 愛奈   【参加した4回生の感想】  卒業研究発表も終わり、国家試験も迫ってきていることで焦っていました。 その様な中、先輩から勉強方法をお聞きしたことで、今後どの時期にどのように勉強すればいいのか参考になりました。 今回講演に来てくださった先輩たちのように頑張って勉強して必ず国家試験に合格し、臨床現場で楽しく働けるようになりたいと本気で思いました。

2014.11.17

理学療法学科卒業研究発表会を開催しました。

2014年11月8日(土)・9日(日)に理学療法学科卒業研究発表会が行われました。 在学生および教員から当日の様子についてレポートが届きました!   【卒業研究発表会当日まで】 理学療法学科4回生、庄本ゼミの柿本優生です。 庄本ゼミは、昨年2013年11月頃には研究内容(神経筋電気刺激による呼吸循環動態への影響)を決め、12月にはその研究に関する論文を読み、ゼミ内で論文を発表し合っていました。 2014年1月~2月にはゼミ内でプレ実験を行い、実施に関しての改善点などを話し合いました。 3月~7月までは、学外の長期実習などで研究を進められませんでしたが、8月下旬には実施計画書を書きつつ被験者を集め、何度もプレ実験を行いました。 9月中旬には本実験を始め、データ収集やデータ整理を行い、10月下旬には統計、解析を終えている状態でした。 11月に入って卒業研究発表会に向けて資料用スライド、発表用スライドを同時進行で夜遅くまで作成して、本番を迎えました。 ザッと書きましたが、私のゼミは比較的スムーズに研究を進められたと思います。 その理由として、実習前にはテーマを決めて、早めに準備ができていたこと。 また、私のゼミは4人で1つの研究をしているのですが、役割分担を上手く行い、チームとして動けていたからだと思います。 そのようなことを踏まえて、後輩の皆さんへアドバイスできることは、 早めにテーマを決め、早めに研究に取り掛かることだと思います。 もう取り掛かっているゼミもあると思いますが、 来年も有意義な研究発表会になることを願っています。   【発表会当日】   平成26年11月7日~8日の2日間にかけて、 全42演題の熱い卒業研究発表会が行われました。 全て活発かつ興味深く、質疑応答では先生方や在校生から 沢山の意見・質問が飛び交う有意義な発表会になったと思います。     このような有意義な発表会になったのも研究について無知な私たちに朝から夜遅くまで 付き添って教えていただいた 先生方の手厚いご指導のおかげだと思います。 ありがとうございました。   また、卒業研究発表会に向けて 仲間と助け合い、時にはぶつかり、そして話し合い、試行錯誤し... いい研究を作り上げようという皆の熱い思いが 結果に現れたのだとも思います。 とてもいい経験ができました。     発表が終わった後は、庄本ゼミ好例の「創作お好み焼き 満月」さんで 最高のお酒と最高のお好み焼きで打ち上げをしました。 研究や発表のフィードバック、熱いお話を頂きながら、最高の時間を過ごしました。 庄本ゼミは打ち上げまでが発表会なのです。     発表までのプロセスや飲み会などの経験・学びを活かして 理学療法士になった時に日々の業務をこなすだけでなく、臨床の疑問を研究していけるような熱い理学療法士になりたいと思います。 理学療法学科4回生 柿本 優生   ●理学療法学科教員から   11月7日、8日の2日間で42演題の発表が行われました。 テーマは脳科学、コミュニケーション、物理療法、心理、姿勢、スポーツ、子ども・妊産婦・高齢者への調査、動物実験による基礎研究など、理学療法をさまざまな角度から見た幅広く、1発表7分では収まりきらない内容と熱い思いが詰まった発表でした。   理学療法学科の卒業研究は、3回生の前期から各教員のゼミに配置され、英語論文の抄読や研究計画の準備を少しずつ行ってきました。 3回生の2月~4回生7月末までは病院実習があり、実習を終えてホッとする時間もなく、就職活動、国家試験勉強と併行しながらデータ収集・解析、結果の解釈から考察、プレゼンテーション作成、発表準備と、慌しい中で多くの時間を研究に費やしました。   理学療法士の学会に出せるほど深く考えられた内容もたくさんあり、年々質が高くなってきているのが感じられ、また今年は以前と比べ、質問が多く、活発なディスカッションができていたのが印象的でした。   本学の特徴として、指導教員の専門分野が多分野に分かれており、また、それぞれの教員自身も学会発表や論文掲載で日頃から研究に対し研鑽しています。そのような教員から指導を受けることでより深く、また幅も広く洗練された研究が可能となっています。   学生たちは教員からの厳しい?指導の中、夏休みもなく毎日、毎日、夜遅くまでデータ解析を行ったり、文献を読んだり、発表の準備、・・となかなか大変な日々を送りました。 実験をより精度のいいものにしようと、1からデータを取り直すこともあります。 3年半の学生生活と病院実習で培った学習・経験・タフさ?を活かして、物事をより深く考えることができるようになっており、夜遅くまで教員と熱い議論になることも。   この機会に養った思考は研究以外にも非常に役に立つはずです。また、卒業生の中には病院に就職してからも、「患者さんをよくしたい!」「自分の技術や能力高めたい!!」ということで大学院に入学したり、大学に足を運んで教員と一緒に研究を行ったりしています。   今回の卒業研究を通して、物事を客観的に捉え、深く突き詰めていくことを経験し、患者さんをよりよくするために努力するマインド「All for Patients」がさらに育ったのではないかと思います。「選ばれる理学療法士」になり続けるための土台として本学の学びがあればうれしい限りです。   これからは休むことなく、国家試験100%合格をめざして、猛勉強!!! 理学療法学科教員 一同

2014.11.10

第7回運動器疼痛学会学術大会に参加しました!(大学院健康科学研究科)

10月25日(土)・26日(日)に山口県ANAクラウンプラザホテル宇部で『第7回運動器疼痛学会学術大会』が行われました.   畿央大学大学院健康科学研究科神経リハビリテーション学研究室からは,D3大住倫弘さん,D2佐藤剛介さん,M2今井亮太,M1片山修さんが演題発表しました.そのなか,D2佐藤剛介さん,M2今井亮太は優秀賞候補にノミネートさました.結果は次回『第8回運動器疼痛学会』で発表されます.     シンポジウムでは「運動器疼痛に対する臨床的アプローチとその根拠」について,4名のシンポジストが様々な視点から講演されました.村上孝徳先生(札幌医科大学リハビリテーション医学講座),「上肢CRPS症例に対する運動療法の効果-fMRIによる皮質認知領域検討-」,池本竜則先生(愛知医科大学運動療育センター・痛みセンター)「運動療法の実際とその効果」,信迫悟志先生(畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター客員研究員)「運動器疼痛に対する神経科学に基づいたアプローチの試み」,石田和宏先生(我汝会えにわ病院リハビリテーション科)「腰部疾患における運動療法の効果とその根拠」.座長は矢吹省司先生(福島県立医科大学整形外科学講座),森岡周先生(畿央大学大学院健康科学研究科主任・教授)でした.     シンポジウムの中では,末梢や全身に対する運動療法や急性疼痛,慢性疼痛への運動療法など,痛みの評価を細分化し適切な運動療法を実施していくための議論がなされていました.また,今までに評価や治療を行う上で考えられていた「痛みの多面性」についても再考していく必要性があると感じました.これからはMotivation,報酬,学習などを応用したリハビリテーションを実施していくことが大切であり,今までの運動療法を見直す必要性を感じました.加えて,痛み治療においてはMotivation,報酬,学習をはじめとした様々な視点や知識が重要であることを感じました.畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターでは,「高次脳機能学部門」,「社会神経科学部門」,「身体運動制御学部門」,「発達神経科学部門」の4つの領域で研究を行っています.大学院での授業では包括的にすべての講義を聞き,ゼミでは様々な分野から指摘・助言を頂ける環境です.このような研究領域を超えたコミュニケーションを図れることは,すぐに共同研究が行えるニューロリハビリテーション研究センターの強みであると思えます.これからは疼痛をテーマとした研究であっても,他の領域の人達と協力していくことでさらなる知見を発信していけるように思います.よりいっそう疼痛分野での研究を発展させ、より質の高い研究を提供できればと考えています.     次回の『第8回運動器疼痛学会』は,2015年の12月に名古屋で行われます.次期大会長は,理学療法士である日本福祉大学の松原貴子教授です. 10月25日に行われた懇親会での松原教授の挨拶では,コメディカルといった表現ではなく,全員をメディカルスタッフとして扱われることを伝えていました.こうした職種をこえた連携は,疼痛分野における本当の意味でチーム医療による治療の発展の一つになると考えられます.我々もこういった世の中の流れには乗り遅れないように精進していきたいと思います.   畿央大学大学院健康科学研究科神経リハビリテーション学研究室 修士課程2年 今井亮太  ※ M;Master(修士課程) D;Doctor(博士後期課程)

2014.11.07

北海道大学・畿央大学合同ゼミを行いました!(森岡研究室)

平成26年10月21日(火)、22日(水)の2日間で、北海道大学大学院の浅賀忠義先生の研究室と我々が所属する畿央大学大学院の森岡研究室の身体運動制御学部門のメンバーで合同ゼミを開催しました。     浅賀研究室では姿勢・運動制御が専門でフィードフォワード制御・フィードバック制御や歩行開始に関連する制御について床反力計や三次元動作解析装置を使用した研究を行っておられました。 解析や実験設定についてMatlabやLabview等を使用してプログラムから作成されており、厳密にデータ解析を行う技術を持っておられることに尊敬の念を抱きました。 本大学からはD3:植田、M2:石垣、菅沼、脇が脳波を用いた姿勢制御や神経学的な側面を含んだ研究を紹介させていただきました。 運動学的な領域に長けている浅賀研究室の皆さんとのディスカッションは非常に実り多いものとなり、自分の研究に対して反省すべきことも含めて多くを勉強させていただきました。     私は神経科学的な観点から歩行開始の脳波測定を行っていますが、北海道大学で歩行開始を研究されている武田さんと情報交換を行えたことはとても有意義であり、行動学的なデータ解析や実験手順について多く学ばせていただきました。 互いの研究室で得意とするところが異なっている分、それぞれの強みを活かして一つの研究を作り上げることができる可能性に気持ちが高ぶり、今後共同研究を行っていける関係を築くことができました。     また、合同ゼミ以外にも懇親会や研究室の見学の場でも、有意義な情報交換ができ今後につながる関係性に喜びを感じる時間となりました。     今回の合同ゼミ開催をご快諾いただき、貴重な時間を割いてご参加くださいました浅賀先生をはじめ、手厚くすばらしいおもてなしで迎えてくださいました北海道大学大学院生の皆さんに深く感謝申し上げます。 この素晴らしいつながりを続けていく為にも、次回は是非とも畿央大学にお越しいただき、共に実験や解析を行うことができればと思っています。 最後になりますが、このような機会を与えて下さった森岡先生、畿央大学大学院生の皆さんにも感謝申し上げます。 本当に有り難うございました。   畿央大学大学院健康科学研究科 神経リハビリテーション学研究室 修士課程 脇 聡子 ※ M;Master(修士課程) D;Doctor(博士後期課程)

2014.10.30

第29回KSM(Kio Study Meeting)を開催しました。

畿央大学健康科学部理学療法学科4期生の熊本です。   10月26日(日)に畿央大学4期生が中心になって行っている「理学療法勉強会」、KSM(Kio Study Meeting)第29回を行いました。 今回は都合のつかないメンバーも多く、5人の参加となりました。   初めに南君が「治療の原則-骨折、急性期の筋力低下-」というテーマで発表してくれました。骨折治癒に必要とされる適度なメカニカルストレスに関してや、筋力増強訓練の捉え方など、普段臨床や学生教育を行う中で生じる疑問について話をしてくれました。運動を用いた“循環動態へのアプローチ”という視点を皆でディスカッションすることが出来ました。     次に櫻井君が「肩関節の痛みについて」症例を交えて発表をしてくれました。 神経、筋、骨関節など多くの組織で複雑に構成されている肩関節に関して、解剖学的特徴や痛みにつながる関節内圧の変化について、見やすいイラストを用いながら説明してくれました。 症例に関しては、痛みの部位だけでなく、周辺部位の評価の仕方や夜間時痛の捉え方など様々な意見が出ました。     最後は山野君が「変形性関節症の治療戦略-メカニカルストレスの視点から-」というテーマで膝OAに関する発表をしてくれました。 山野君は畿央大学の運動器セミナーでも講義をしており、多くの先行研究での知見を含めた発表をしてくれました。また後半は実技も行い、アライメントを整えた状態で運動を行うことの大切さを実感をもって学ぶことが出来ました。     いつも終わった後は、疲労感とともに臨床に対するモチベーションが上がるのを感じます。 来月でKSMは30回目を迎えます。 共に成長出来る仲間と、その環境を与えて下さる畿央大学の方々に感謝しながら、学んで行ければと思っています。   健康科学部理学療法学科4期生 熊本

2014.10.08

運動器リハビリテーションセミナー(臨床編:下肢)を開催しました!

こんにちは!畿央大学大学院修士課程2回生の田中和宏です。   10月5日(日)に運動器リハビリテーションセミナー(臨床編)が開催されました。 台風の影響で開催されるか危ぶまれましたが、何とか天候も持ちこたえ、全国各地から運動器に興味がある方々が参加してくださいました。 この運動器リハビリテーションセミナーは、卒後のリカレント教育(再教育)の機会や最新知見の提供することで、運動器リハビリテーションに必要な知識を基礎から実践まで系統的に学べるプログラムとなっています。 運動器リハに必要な基礎知識を学べる『基礎編』、基礎知識をもとに基本的な運動療法に活かせる『応用編』、今年は下肢にフォーカスを絞った『臨床編:下肢編』、データの解析手法を学びながら、実際に計測機器を使用する『実践編』の4つで構成されています。   その中でも今回は臨床編ということで、これまでの基礎編、応用編で学んできたことを、実際の疾患と結びつけるための講義となりました。 台風の影響もあり、プログラムを変更して講義が行われました。     1限目の平川善之先生は、「最新知見に基づく人工関節のリハビリテーション」という題で、THAやTKAの手術手法や最新の知見を含めたリハビリテーションの内容を、とてもわかりやすくお伝えして下さいました。 講義の中では、平川先生が行っている治療のお話しなども随所にちりばめられていて、臨床と結びつけやすく、「そうだったのか!」、「なるほど!」と思うことばかりでした。     2限目は、大学院生の山野宏章先生と私が、「変形性関節症に対する保存療法」という題でお話しをさせて頂きました。 今回は、近年注目されているメカニカルストレスにフォーカスを当てて、変形性股関節症、変形性膝関節症に対するリハビリテーションの考え方を、今持っている情報と合わせて、最大限にお伝えさせて頂きました。     3限目は、瓜谷大輔先生が、「足趾機能と運動器リハビリテーション」という題でお話しをして下さいました。 足趾機能について、90分みっちりお話しして下さり、少しマニアックな部分と思われがちですが、足趾も歩行能力、バランス、転倒に強く関与していることを学びました。     そして、4限目は、京都大学で行われたThrust Contestで優勝した福本貴彦先生が、「Thrustを科学する」という題でお話しして下さいました。「Thrustって何だろう?」というところから「臨床応用」まで、いつもは敬遠しがちなバイオメカニクスを、身近に感じられるように、わかりやすくお伝えして下さいました。   今回の講義も内容が盛り沢山で、とても充実していました。 自分の臨床にエッセンスを加えられるような内容ばかりでしたので、明日からの臨床がとても楽しみになりました。 次回は、実際に計測機器を使用する『実践編』です。 研究をしている方も、これから研究していこうと思っている方にも、実際の計測機器に触れることで、研究に対する具体的なイメージが湧き、とても勉強になる内容ですので、是非ご参加下さい!   畿央大学大学院修士課程2回生 田中和宏

2014.10.01

国際学会「ISEK2014」参加レポート~理学療法学科

2014年7月15日~18日の日程でイタリア ローマにおいて開催されたISEK2014(XX congress of the International Society of Electrophysiology and Kinesiology)に参加し、ポスター発表を行ってきました。   この学会は電気生理学や運動学を中心とした手法によるバイオメカニクス(生体力学)関連の国際学会で、今回は世界中から500名あまりの参加者が集まり開催されました。 今回「EFFECT OF TOE CONTACT WITH THE GROUND ON KNEE AND TRUNK MOVEMENT DURING WALKING: A PRELIMINARY STUDY」という演題で、本学卒業生で瓜谷ゼミ卒業生の阪本千夏PTと本学福本准教授との共同研究の報告をしてきました。 研究内容は足趾が歩行時にしっかりと接地できているかどうかが、膝関節や腰部の動きにどのような影響を与えているのかを加速度計を用いて、健常大学生を対象として行った研究結果の報告でした。   1時間のポスターセッションでは国内外の多くの研究者と意見交換を行いました。データ解析の視点や具体的方法についてのアドバイスをいただいたり、今後の研究の方向性についてのアドバイスをいただいたりすることができ、有意義な議論を行うことが出来ました。   皆さんご存知のように、イタリアといえば街の至る所に見どころがたくさんです。   またワインやパスタなど美味しいものもいっぱいです。「路地裏のええ感じの店を発掘する嗅覚」に長ける私(自称)は、地元の人たちが集う食堂やバーで美味しいワインと食事も堪能してきました。   次回のISEKは2016年にアメリカのシカゴで開催される予定です。 次回は一緒に研究しているゼミ生、卒業生達と参加したいと思っています。 理学療法学科 助教 瓜谷 大輔

2014.09.30

ニューロリハビリテーションセミナー応用編を開催しました。

2014年9月27日(土)、28日(日)にニューロリハビリテーションセミナー応用編が開催されました。 素晴らしい秋空での開催となりました。 今回も北海道から沖縄まで300名以上の方々にお越しいただきました。せっかくなので,私(大住倫弘)の方から報告させて頂きます。     今回の応用編は「情動」ではじまり「社会性」で締めくくりました。   松尾教授からは「情動と共感の神経機構」「社会性の神経機構」の講座でした。「社会性」に関する講義は特に面白くて,シンプルに「人間っておもしろいなぁ」って感じることができたと思います.また、言語・表情・身体(ボディー)の一致性が、コミュニケーションには重要というところが印象深かったです。 私は「身体性の神経機構」を担当させていただきました。身体所有感・運動主体感についての研究を中心に説明させていただきました。分かりにくいところが多々ありましたが、臨床現場でよく聴取される身体に関する愁訴を捉えるための材料は提供できたかなと思っております. 前岡助教の「記憶・ワーキングメモリーの神経機構」の講座では、海馬・前頭前野が中心に取り上げられました。ワーキングメモリーは短期記憶という単純なものだけではないということがよく理解できたかと思います。 森岡センター長の「注意の神経機構」の講座では、スライドのアニメーションを駆使してcue(手がかり)刺激を提示したりして,ボトムアップ処理とトップダウンの処理を皆さんに体験してもらいながら説明していただけました。あのような親切な説明を聴くことができるのもニューロリハセミナーだからこそかなと思います。   岡田助教の「姿勢制御・歩行の神経機構」の講座では、前庭、小脳、大脳小脳連関、CPGなどを中心にまとめられました.特に、近年非常に注目されている前庭機能についての最新の知見も取り入られており、大変勉強になったと思います。   信迫客員講師の「上肢の運動制御」の講座では、背側-背側経路、背側‐腹側経路、腹側経路の機能が中心に取り上げられました。この神経機構は,失行症状の発現機序を捉える上で非常に重要なものにもなります。信迫客員講師は,今年度は非常にやさしく分かりやすくまとめていただいたと感じました。   冷水准教授の「運動学習の神経機構」の講座では、いつもに増して笑いが多かったように感じます。運動学習における報酬の重要性を中心に取り上げながらの講義でした。順モデル・逆モデルについても話題になりました。     次回は12月6日(土)・7日(日)の「臨床編」です! 様々な疾患に対するニューロリハビリテーションについての情報が提供されます。これからの臨床が少しでも良いものになっていくために頑張りますので,宜しくお願い致します。   畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 特任助教 大住倫弘

2014.09.22

理学療法学科「全学年症例報告会」を開催しました。

9月17日(水)に理学療法学科4回生が「総合臨床実習」で学んだことを下級生たちに伝える「全学年症例検討会」を行いました。 4回生は、4月~7月までの期間、8週間の総合臨床実習を、2か所の病院で計16週間行います。 実習を引き受けてくださっている病院にて理学療法士(実習指導者)の指導のもと、様々な疾患の患者さんを対象として基本的な評価を行い、その結果に基づいて治療プログラムを立案します。 また実際に治療をさせて頂くことで、基本的な理学療法を修得していきます。 学内での学習とは異なり、患者さんと直接向き合う経験を通して、4回生たちは見違えるほど大きく成長します。 症例検討会は、各学年2~3名、合計12名程のグループに分かれて行います。 4回生は担当した症例から学んだことをまとめ、基本的な知識を再確認し、下級生たちに説明できる能力を高めることが目標です。1~3回生は現在学んでいる基礎医学と臨床との関係を理解することで、学習へのモチベーションを高めることが目標となります。 司会進行は4回生が担当し、教員はファシリテーターとして見守ります。 どのグループも活発な質疑応答が行われ、また実習に関する情報も得ることができ、学年を超えた縦のつながりがより一層強くなった症例検討会であったと思います。 各学年の学生たちの感想を紹介します。 ▼4回生 それぞれの学年に合わせて必要な話をするように努めました。 学年毎にそれぞれ感じることは違うようで…1,2回生には、いま学校で勉強していることが実習に活かせるということを想像をするのが難しく、3回生は実習に対する不安や、楽しみだけど自信がないといった声が多かったように感じます。 その気持ちは私たち4回生も感じてきたことですが、それでも皆さんの前で説明しながら、お話をすることができたと思います。 皆さんならきっと大丈夫!そう信じてます! 実習での私たちの経験や今回できた縦のつながりが、後輩たちにとって少しでも良い支えになれば幸いです。  理学療法学科4回生 諸橋 直紀 ▼3回生 症例発表で先輩方から症例についてや実習がどんなものか聞くことができました。 1、2回生のときは専門用語や疾患について理解出来ず、症例についてほとんど理解できませんでしたが、3回生になって聞いてみて、少しはイメージ出来るようになりました。逆に分からない用語や勉強不足だと感じることも多くあり、勉強しなければと強く感じました。 今回の発表された症例は、どちらも患者さんの心理状況が痛みに関連している症例で、理学療法は運動系だけでなく患者の心理面まで見ていかなければならないことを改めて学びました。そのためには知識や技術だけでなく、コミュニケーションが大切だと思い、そういう面でも自分を磨いていかなければならないと感じました。 来年は自分達が実習なので先輩方のお話はとても参考になり、自分が頑張らなければならない部分を知る良い機会になりました。後期からは実習や臨床に出た時のことを意識し、一層勉強や実習などを頑張って行きたいと思います。 理学療法学科3回生 杉本 由貴 ▼2回生 昨年1回生として参加した症例発表の時とは異なり、4回生からの説明や配布資料の中に聞き覚えのある言葉や理解できる箇所があり、一年間の学びを感じ取れました。 4回生が私たちのことを思い、わかりにくい箇所をかみ砕いて説明してくださったり、図示してくださったので、なお理解しやすかったです。しかし、その反面で知識の定着不足や、臨床へのより多くの知識、技術の必要性を感じました。 今回の症例発表では症例だけでなく実習の話も聞くことができ、全ての科目の大切さを改めて痛感し、後期に向けての『学び』のモチベーションに繋がりました。 理学療法学科2回生 塩谷 純郎 ▼1回生 今回、4回生の先輩方に実習のお話をしていただきました。実習とはどういうものなのかを教えていただいたり、用語や病気を解説していただいたり、まだ何も分からない私たちにも分かりやすく説明していただきました。実習を通して感じたことを尋ねたところ、「基礎をもっとしっかりやっておけば良かったと感じた」とおっしゃっていました。「基礎となる土台がなければ、その上に学んでも積み重ならない。1回生で学ぶ、解剖学と生理学がとても大切であり、しっかりと理解していることが大事である」と言われました。またお話を聞いて、人と接してコミュニケーション能力を磨くことも大切であると感じました。これからの授業や活動からも積極的に学び、自分のものにしていきたいと思います。 理学療法学科1回生 原田 梨紗子