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看護医療学科

2018.02.20

第6回「Kioオレンヂカフェ 分かちあい in 御所」を開催!~看護医療学科

畿央大学と御所市、住民が共同して運営している「金曜日カフェ~つどい~」で平成30年2月9日(金)に「Kio オレンヂ喫茶(カフェ) 分かち合いin 御所」(認知症カフェ)が開催されました。   午前は認知症についての話で、認知症サポーター養成講座としています。午後は「認知症の人の介護について語る会」として認知症の人とその家族、介護をされている方、介護経験者による認知症についての思いを語り合う場を設けています。 御所市認知症啓発事業として、御所市と畿央大学健康科学部看護医療学科の老年看護学教員が共同で行っており、この日は地域のボランティアの方3名と畿央大学看護医療学科老年看護学教員・寺田講師と南部、御所市地域包括支援センター職員2名で行いました。午前は地域の方、ボランティアの方を含めて15名の参加がありました。     <午前の部> 寺田講師による『認知症の話』 「認知症とは」「主な症状」「対応の仕方」などについての具体的な話をしました。認知症についてのDVDがうまく映らなかったため、寺田講師と南部講師がKio劇団による「ス-パーでの出来事」の劇を行いました。勝手に店のお菓子を食べる高齢者を店員役がきつい口調で責めるという設定で、どのように対応したらよいか参加者から意見をもらいました。参加者からは「ますます興奮したり不安が大きくなる」などの意見が出ました。高齢者はなぜ自分が責められているのか理解できないため、きつい店員の言葉や態度に不安になります。「奥の椅子で休みませんか?」などやさしく落ち着くような言葉かけが大切です。   南部講師による『太鼓と鳴子と歌』 「あんたがたどこさ」の歌に合わせて太鼓や鳴子の演奏をしました。脳に刺激を与えるためには、演奏と歌を両方するなどやや難しいことを取り入れると効果が上がります。また、太鼓は皮膚と同じ1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)作用があり、リラックスや快の作用があります。難しいポイントも入れましたが、皆さん楽々とこなしていました。     〈午後の部〉 介護者との体験談を交えて 午後は、認知症当事者の方とそのご主人、同じ奈良に住んでいる娘さん家族を初め、家族の会の方、広陵町で認知症カフェを開催している施設の方、地域の施設でケアマネージャ―をされている方、御所市地域包括支援センターの支援員、畿央大学教員の13人で、認知症についての思いを話し合いました。   今日の主な議題は、認知症になると何もできなくなるのではなく、できることはたくさんあるでした。今までの仕事内容や経験が活かされたという例です。また、施設でタオルたたみなどをしていただくこともありますが、本人から「働いているのに給料が出ない」との発言があったため、家族からお金を預かりお給料として渡したという例もでました。職員や家族の言葉かけや関わり方で、本人の気持ちや行動も変わります。     2017年度の「Kioオレンヂ喫茶(カフェ) 分かち合いin 御所」は今回で終わりとなります。   2018年度も開催しますので、お近くの方は、ぜひご参加ください。またお知り合いの方もお誘いください。   看護医療学科 准教授 南部登志江   【関連記事】 ・過去の「御所コミュニティカフェの取り組み」記事を読む

2018.02.14

「第1回大韓老人療養病院協会主催研修」が開催されました~看護医療学科

2018年2月7日(水)から9日(金)まで「第1回大韓老人療養病院協会主催研修」が畿央大学で行われました。3日間にわたりソウルと釜山から15か所の病院の看護師、理学療法士、医師、経営者など43名の参加者が来校し、修了書を受領しました。     この研修会は、昨年の訪問団来日の際の出会いを契機に、畿央大学と奈良学園大学の教員が韓国の療養病院や施設を訪問したことで交流が深まり、韓国側の要請により畿央大学で企画したものです。 日本では全国各地に在日韓国人の方が多数在住されており、韓国と日本の医療制度や看護ケアの実践状況について情報共有し、相互交流することにはお互いの国とその国民にとって意義があると考えています。 今回の研修会では、日本のケアシステムや認知症および褥瘡(じょくそう:床ずれのこと)ケアの実際と奈良県内のリハビリテーション病院や高齢者ケア施設での看護実践を理解できる内容としました。     1日目:2月7日(水) 開会とともに畿央大学学長の冬木正彦先生の挨拶、大韓老人療養病院協会会長 LEE PIL SOON氏による挨拶が行われ、講義が開始されました。松本泉美教授による「日本の介護保険制度の現状と課題」、山崎尚美による「認知症高齢者の看護」、教育基盤センター准教授の冬木正紀先生による人工筋肉の開発に関する講義をしました。     講義中の参加者の反応としては、認知症ケアの専門家の養成について、人工筋肉の今後の活用について大変興味を示され、活発な質問がありました。   2日目:2月8日(木) 午前に訪韓者の一人である奈良学園大学 大山末美先生による「褥創予防の看護」の講義をしました。韓国の参加者からは、「予防という認識を持つことも大変参考になったが、現実問題として今起こっている褥創の治療について、特に壊死した(写真)褥創の処置はどうするのか」という質問がありました。 日本では、創傷(Wound)、ストーマ(Ostomy)、失禁(Continence)にかかわる専門の知識や技術を有する看護師WOCナースが褥創予防チームとして病棟間をラウンドしていることを説明し、重度化した褥創の実際のケアについては、翌日の西大和リハビリテーション病院の褥創対策委員会の看護師により説明を行うこととしました。 実際に翌日2月9日にはWOCナースによるマトレスやエアーマットの使用について説明がなされ、韓国の参加者はとても興味深く質問していました。     講義の後には、本学の基礎看護学および老年看護学の教員も加わって、グループごとに演習を行いました。 座位・車いすでの除圧方法を10グループに分かれて全員が、ハーディグローブを装着して体験しました。 言葉の翻訳には、ipadを使用して日本語⇔ハングル語の翻訳アプリを利用しましたが、実際はジェスチャーでコミュニケーションは図れていました。 体圧測定器で実際の圧を測定すると、座位と仰臥位では圧力は異なっていることが数値でわかり、参加者はとても驚いていました。     その後、カトレア食堂に移動し、健康科学部長・研究科長 金子章道先生による挨拶の後に昼食をとりながら情報交換会が行われました。講義や演習の感想や韓国での褥創ケアの課題について活発な意見交換の場となりました。     午後からは西大和リハビリテーション病院と有料老人ホームささゆりに移動し、4グループに分かれて病院と施設の説明や施設内の見学が行われました。病棟では、胃瘻※チューブや経管栄養法の栄養剤のセット、リクライニング・チェアーに大変興味をもたれ、多くの参加者が写真を撮っていました。   ※胃瘻(いろう):口から飲食が難しい人に、お腹に小さな穴を開けてチューブを通し、そこから栄養補給を行うこと     3日目:2月9日(金) 3日目(2月9日)には、平成まほろば病院で、認知症の対応について主任看護師による説明、転倒予防センサーの説明の後に、20人ずつ2グループに分かれて院内見学がありました。     介護老人保健施設 鷺栖の里では、褥創予防についてWOC認定看護師による説明の後、褥創予防ガイドライン、airマットやウレタンマットについて実際の使用状況について施設内見学を行いました。AIによる腰痛防止の介護ロボットの実際の見学や防災マニュアルや防炎(煙)のマトレス、防炎設備、洗髪機や車いす体重測定器に関心がとても高く質問していました。       3日間の研修を企画して、講義と演習の組み合わせであり理解しやすかったこと、病院や施設でのケアの実際が見学できたことは、参加にとって満足度の高い教育カリキュラムであったと評価されました。 韓国では、少子高齢化の速度が急速に進行し近い将来には日本を追いこすほどの状況となることが推計されており、高齢者ケアシステムの構築および認知症対策が急務となっています。高齢者ケアシステムとしては日本の介護保険制度をモデルとして対応していますが、医療と在宅の連携、そして一番重要な地域での高齢者とその家族を含めた予防とケアが課題となっています。それは日本に共通する課題でもあり、隣国としてお互いの良い点を学び合うことはダイバーシティケアの視点でも重要なことであり、双方のメリットになると考えます。 今後も高齢者看護や認知症看護、褥創予防などの看護を通じて両国の交流が深まることを願っています。   看護医療学科教授 山崎尚美   【関連記事】 マダム信子氏の講演会&意見交換会を開催!~第1回認知症の人と課題解決のステーションづくり in 畿央大学 認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。

2018.01.26

認知症カフェ(ひまわりカフェ)の看板制作に協力!~人間環境デザイン学科/広陵町×畿央大学KAGUYAプロジェクト

平成30年1月21日(日)に私たち人間環境デザイン学科1回生6名が、特別養護老人ホーム大和園で開催されている「認知症カフェ(通称:ひまわりカフェ)」にお邪魔してきました。ひまわりカフェは、健康に強いまちづくりを推進する広陵町×畿央大学「KAGUYAプロジェクト」の一環で行われており、畿央大学からは看護医療学科の山崎先生が参加しています。私たちはひまわりカフェの存在を町民の方に広く知っていただけるよう、人間環境デザイン学科の西山先生の指導のもと看板制作を担当することになっており、当日は現地の様子を見学させていただきました。   この日は台湾から国立雲林科技大学建築室内設計学科の曾先生が看護医療学科の山崎先生、人間環境デザイン学科の陳先生と一緒に訪問されていました。曾先生は、日台交流協会の助成を受けて日本の認知症カフェを調査するために来日中で、奈良県・徳島県・福岡県の10か所を訪問するなかで、最初の訪問場所が大和園ということでした。   ▲学生の紹介   私たちは、参加者の方々とクロスワードや漢字パズル、シナプソロジーなどの脳活トレーニングや体操を一緒にさせて頂きました。皆さん楽しそうに活動されており、私たちも一緒に考えたり交流することができ、楽しい時間を過ごさせて頂きました。日常では高齢者の方々と関わる機会も少ないので、とても貴重な体験をすることができました。   ▲プログラム 誤嚥(ごえん)予防の話   ▲クロスワードや漢字パズルに取り組む参加者の方々   ▲シナプソロジーなどの脳活トレーニング   実際の様子を見学させていただき、皆さんと交流したことで、ひまわりカフェを訪れる方々に気に入って頂き、ひまわりカフェを知らない方々にも立ち寄っていただけるような看板を制作できるように頑張りたいと思いました。   次回のひまわりカフェは、2月18日(日)です。次は健康支援学生チームTASKの皆さんにバトンタッチします。ご興味のある方はぜひ参加してみてください!   人間環境デザイン学科1回生 上田琴乃、海本有希、岡田由希、陣田真衣、谷村菜緒、堀祐実   【関連記事】 Timberize TAIWAN 2017 Student Competitionで佳作&入選賞を受賞!~人間環境デザイン学科 竹取公園ツリーハウス『みんなのひみつきち』披露式典~人間環境デザイン学科プロジェクトゼミ~ 3回生がカフェの空間デザイン・工事に協力!~人間環境デザイン学科 畿央祭・ウェルカムキャンパス企画展示「紐庵」~人間環境デザイン学科   ●広陵町×畿央大学「KAGUYAプロジェクト」ホームページ

2018.01.17

第5回「Kioオレンヂカフェ 分かちあい in 御所」を開催!~看護医療学科

畿央大学と御所市、住民が共同して運営している「金曜日カフェ~つどい~」で平成30年1月12日(金)に「Kio オレンヂ喫茶(カフェ) 分かち合いin 御所」(認知症カフェ)が開催されました。 午前は認知症についての話で認知症サポーター養成講座としています。午後は「認知症の人の介護について語る会」として認知症の人とその家族、介護をされている方、介護経験者による認知症についての思いを語り合う場を設けています。 御所市認知症啓発事業として、御所市と畿央大学 健康科学部看護医療学科 老年看護学教員が共同で行っており、この日は地域のボランティアの方4名と畿央大学看護医療学科 老年看護学教員・山崎教授と松原臨床教授、南部、御所市地域包括支援センター職員2名で行いました。午前は地域の方、ボランティアの方を含めて13名の参加がありました。   <午前の部> 南部講師による『認知症の話』 「認知症とは」、「主な症状」、「対応の仕方」などについての具体的な話をしました。参加者の方から「何度聞いても損はない」などの意見がありました。   松原臨床教授による『フラダンス指導』 ふんわりと広がったスカートとレイや髪飾りをつけると皆さん少女のように華やかになって、初めてとは思えないような上手さです。「間違っても大丈夫、笑顔が大切ですよ!」という松原先生の言葉でさらに笑顔が広がりました。寒い日でしたが、皆さんの熱気と会場を貸してくださっている上田さんからのぜんざいの差し入れとでほっこりしたカフェとなりました。カフェの入り口には地元で作っている野菜が安く並んでいて、飛ぶように売れていました。野菜が高い日が続いているので安くて安全な地元野菜は助かります。     〈午後の部〉 介護者との体験談を交えて 午後は、認知症当事者の方とそのご主人、同じ奈良に住んでいる娘さん家族を初め、家族の会の方、地域の施設でケアマネージャ―をされている方、御所市地域包括支援センターの支援員、畿央大学教員の11人で、認知症についての思いを話しあいました。 今日の主な議題は、家族が認知症かと思ってもそれを認めることの難しさや、本人にどのようにして専門医を受診してもらったりデイサービスを利用してもらえばよいかについて、体験や助言を話してもらいました。家族の方は、「最近何かおかしい」「もしかして認知症かな」と思っても、受診させるなどの行動はなかなかできなかったと話されていました。血圧や健康を診てもらうと言って受診してもらったり、普段診てもらっている主治医からデイサービスを利用すると良いと言ってもらったりすることも一つの方法であるとのことでした。皆さん、悩みながらも様々な工夫をされてきたようです。     次回は2月9日(金)です。2017年度の「Kioオレンヂ喫茶(カフェ) 分かち合いin 御所」は2月で終わりとなります。 今後の予定は大学ホームページからもご覧いただけます。 2018年度も開催しますので、お近くの方は、ぜひご参加ください。 またお知り合いの方もお誘いください。   看護医療学科 准教授 南部登志江   【関連記事】 ・過去の「御所コミュニティカフェの取り組み」記事を読む

2017.12.27

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.52~12月勉強会は「家庭内事故を防ぐ住まいづくり」!

こんにちは!健康支援学生チームTASK※人間環境デザイン学科2回生の竹葉海翔です。 2017年12月21日(木)に「家庭内事故を防ぐための住まいづくりの工夫」をテーマに勉強会を行いました。   ※TASKはThink, Action, Support for Health by Kio Universityの略称で、学科の枠を越えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。   今回は人間環境デザイン学科の学生が中心になって、 ・玄関・アプローチ ・階段廻り ・お風呂場 ・キッチン の4つの場所について、グループごとに事故が起こりやすい場所の問題点とそれに対する改善点を話し合ってもらうグループディスカッションをしました。     ディスカッション後に発表してもらい、解決案や内装のデザインの工夫などを説明して理解してもらいました。家の内装は誰にとっても身近なことなので、今回の内容が今後自分の知識の一つとして活用してもらえたらなと思います。   ▲最後は全員でTASKのT!!   人間環境デザイン学科2回生 竹葉 海翔   ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。

2017.12.27

大阪母性衛生学会学術集会・研修会 参加レポート!~助産学専攻科

平成29年12月17日(日)に大阪大学中ノ島センターにて開催された大阪母性衛生学会学術集会・研修会に助産学専攻科の学生と教員が参加しました。     午前中は「重症脳性麻痺児の保育」をテーマに池下久弥先生から保育園の現状を、佐々百合子先生から実際に脳性麻痺児を出産したときから育児を通して感じた事を聞く機会を得ました。その中で重症脳性麻痺児の自宅療養の限界、行政の対応の課題についての話をされる中で改善の余地が多く残されている現状を知ることになりました。そして療養をする中でも地域や友人・家族に支えられた経験から、寄り添うことの必要性、助産師としての声かけのあり方についても知る機会となり、多くのことを学ぶことができました。   午後は学術集会でした。助産学専攻科9名はグループに分かれて4月から行っていた文献研究4題の発表を行いました。   「不妊治療後の母親の母親役割獲得過程と支援についての文献検討」 晩婚化や晩産化などの時代背景により、不妊治療によるトラブルや母親の不安や悩みも比例して増加しており、母親役割獲得過程にむけた支援が重要視されている。そこで、文献検討から、不妊治療後の母親の心身の特徴を明らかにし、母親役割獲得への支援を考察した。不妊治療後の母親の心身の特徴は【心理状態】【自己概念】【対人関係】【家族からの支援・家族関係】【イメージ化】【児との関係】の6項目に分類することができた。不妊治療後の母親は、母親としての自己を獲得するための支援が医療者に限らず家族など多くの人からの支援の必要性が示唆されていた。   青山加奈・川北明日香・川渕ひかり・上原麻利先生     「産後うつ病における高年初産婦の特徴と支援についての文献検討」 高年初産婦は産後うつ病のリスクが有意に高いことも示唆されていることから、文献検討により、高年初産婦の特徴と産後うつ病の発症を予防する支援のあり方を考察した。その結果、予防のための支援として、高年初産婦をとりまくサポート体制を把握し、個人にあった支援を調整することで、入院中から退院後を見据えた、産後1か月までの切れ目のない支援が重要であることがわかった。さらに、具体的な支援として、早期からの睡眠支援・夫への支援・社会資源の情報提供・2週間後の再評価・母親役割獲得の支援が重要であることが示唆された。   佐藤美沙都・高瀬和・戸田千枝先生     「骨盤ベルトを使用した骨盤支持における支援の文献検討」 妊産褥婦の骨盤ベルトの使用状況から骨盤ベルトの使用方法や効果の周知不足について、文献検討を行った。骨盤ベルトなどによる骨盤輪固定は「妊産褥婦の腰痛軽減や産後の子宮復古など様々な面でよい影響を与え、妊娠から子育てにおいて前向きな経過を辿るとこが分かった。しかし、使用方法が不十分であれば効果は期待できないため医療者が妊産褥婦に対して積極的に関わり、対象の日常生活における個別性を考慮したうえで適切な装着方法の指導が必要であることが明らかになった。   高脇優衣・山下夏美・戸田千枝先生   「青年期の避妊の現状とその心理に対する助産師の性教育の課題」 青年期の望まない妊娠や、人工妊娠中絶、性感染症を減少させるための有効な性教育のあり方について明らかにすることを目的に研究を行った。青年期に対して助産師が行う性教育には、『自身の性行為や避妊に関する意思や責任をもち、性における自己決定能力を高めるための支援』『自分やパートナー、仲間を大切にし、男性と女性の双方が性行為や避妊の意思を共有し尊重できる、集団の良好な関係形成のための支援』『一方的な指導ではなく学生が主体的に性について考えられるための支援』が必要であると考えた。性教育の実施にあたっては、対象の発達段階を踏まえ、発達段階的特徴や精神発達を考慮した内容、方法をとることが重要な意味をもつことが明らかになった。   甲村弥生・塩原紗也夏・中居由美子先生     助産学専攻科 髙瀬 和   【関連リンク】 助産学専攻科 ベビーマッサージとマタニティヨガの特別講演!~助産学専攻科 日本母性看護学会学術集会 参加レポート!~助産学専攻科 児童養護施設を見学!~助産学専攻科「乳幼児の成長・発達」

2017.12.22

TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.52~「認知症カフェ」でクリスマス会!

こんにちは、健康支援学生チームTASK※、看護医療学科2回の野口美波です。私たちTASKの学生が広陵町にある特別養護老人ホーム大和園で行われた「認知症カフェ」にボランティアとしてお邪魔しました!この認知症カフェは広陵町×畿央大学「KAGUYAプロジェクト」の一環で行われており、大学教員(看護医療学科の山崎先生、寺田先生)も参加しています。   ※TASKはThink,Action,Support for Health by Kio Universityの略称です。学科の枠を越えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。   今回はクリスマス会ということもあり、参加して頂く方々に楽しんでもらいながら、認知症予防を行うという企画でした!まず初めにクリスマスカードを皆さんで作って頂きました。皆さん、最初は苦戦していたものの、だんだんとコツをつかみ、最後にはとてもきれいなクリスマスカードが出来上がっていました!     この次に「シナプソロジー」を行いました。頭を使って考えながら体を動かす活動でした。 机に手を置いて、ゆっくりと立ち上がるスクワット。体幹はそのままで手を上に向けて左右に動かすストレッチなど、たくさん体を動かす体操を行いました。皆さんも、クリスマスカードで細かい作業をしていたため、体操すると気持ちがすっきりしているようでした! そして最後は「クリスマスケーキ作り」をしました!     管理栄養士さんによる清潔指導のもと、皆さん一生懸命ケーキを作っておられました。     みなさん美味しそうにケーキを食べておられました。「こんなに幸せな時が昔は来るとは思わなかった」と戦時中の話や昔の話をしている方々もおられ、とても勉強になりました!また最近の心配事なども話して下さり、このような集まりはただ楽しむだけでなく高齢者の皆さんの気持ちを表出できる貴重な機会であるということも学びました。 次回のKAGUYAプロジェクトの認知症カフェは1月21日(日)、次々回のKAGUYAプロジェクトの認知症カフェは2月18日(日)に開催されます。両日とも開始時刻は13時30分からとなります。(16時まで)皆さんも一緒に参加しませんか? 看護医療学科2回生 野口美波   ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。 ●広陵町×畿央大学「KAGUYAプロジェクト」ホームページ

2017.12.15

「母性看護学援助論Ⅰ」教員による授業レポート~看護医療学科

『母性看護学援助論Ⅰ』で「妊産褥婦(じょくふ)に対する指導技術演習」を行いました。   看護医療学科3回生の母性看護学実習では、看護師の大きな役割の一つである妊産褥婦への各種指導を行います。しかし、各実習施設の実施状況や日程によっては、学生が実際に経験できる指導項目は限られてくるのが現状です。 そのため、今年度は2回生後期配当の「母性看護学援助論Ⅰ」で、学生自身が妊産褥婦への指導を行う体験をするという新たな取り組みを行いました。   12月14日(木)1・2時限目 学生が指導する看護師と聴講する妊産婦役になって、妊娠初期から後期のⅠ~Ⅳに分けて「母親学級」を開催しました。   母親学級Ⅰ:妊娠初期の妊婦さん向け まずは、同じ時期に同じ施設で出産するお母さんの交流のために、それぞれの自己紹介をしてもらいます。     続いて、妊娠初期の異常をわかりやすく説明していきます。       母親学級Ⅱ:妊娠初期から中期の妊婦さん向け この時期には、妊娠中の食事や運動などを指導します。     やはり、妊娠中には、たばこやお酒をやめることが大切です。   母親学級Ⅲ:妊娠中期から後期の妊婦さん向け 男子学生も妊婦さんの気持ちになって必死に指導します。     妊婦体操を実際に指導しています!       母親学級Ⅳ:妊娠後期の妊婦さん向け いよいよ、お産の経過について、しっかりと説明します。     産痛に苦しむ産婦さんへのマッサージを実演しています。     学生たちはこの指導をするために、妊産褥婦と新生児の正常な経過を再学習し、知識を深めるとともに人に分かりやすく伝える指導案を考えたことで、さらなる学習の必要性に気づき、知識をさらに広く深く掘り下げて学習してくれました。人を指導するという行為はみんな初めてでしたので「照れ」はありましたが、指導するという体験を通して看護師の仕事や役割を再認識してくれたように思います。 皆さん、お疲れさまでした。後半グループの1月の発表が待ち遠しいです。   看護医療学科 母性看護学領域 講師 藤澤弘枝   【関連記事】 看護医療学科「母性看護学援助論Ⅱ」レポート、第2弾! 看護医療学科「母性看護学援助論Ⅱ」レポート! 看護医療学科『母性看護学援助論Ⅰ』~教員による授業レポート 

2017.12.08

第76回日本公衆衛生学会でKAGUYAプロジェクト研究成果を発表!~看護医療学科教員

平成29年10月29日~11月1日、鹿児島県文化ホール(宝山ホール)他にて、第76回日本公衆衛生学会総会が開かれました。   会場となった宝山ホールのすぐ横には西郷さんの像が、そして10分くらい歩くと桜島が見えるというシチュエーションでの学会でした。     KAGUYAプロジェクト※では、2016年3月に行った高齢者ベースライン調査、同年11~12月に行った壮年期(40歳~64歳)ベースライン調査の両方が揃い、分析を始めることとなりました。   ※広陵町×畿央大学KAGUYAプロジェクトは、地元広陵町と畿央大学が連携して地域住民の健康を支援しながら「元気のヒケツ」を探る地域密着型研究プロジェクトです。詳細はホームページをご覧ください   今回の発表タイトルは、「地域住民のソーシャル・キャピタルと主観的健康感-KAGUYAプロジェクト」というものでした。このKAGUYAプロジェクトでは、「ソーシャル・キャピタル」(地域のつながり)が重視されていますが、このソーシャル・キャピタルと健康に関する調査は、国内では主に高齢者の方々を中心に調査されてきました。KAGUYAプロジェクトでは、①「高齢群」と「壮年群」を比較することで、何が見えてくるか、②主観的健康感(本当に病気があるかどうかとは別に、健康だと思う気持ち)の要因はどのようなものか、を調べてみました。     高齢群に比べて壮年群では、新興住宅地域に多く住み、教育年数が高く独居者は少ない結果となりました。一方、高齢群は睡眠状態が良かったものの主観的健康感が低く、生活習慣病の罹患、転倒が多いことがわかりました。ソーシャル・キャピタルについては、社会参加、近所付き合いの頻度、近隣への信頼という項目については壮年群より高齢群の方が高かったのですが、互酬性の規範(本プロジェクトでは「情けは人の為ならず」)に同意しているか、また、実践しているかという項目は壮年群の方が高い結果となりました。   これらより、高齢者と壮年期住民とでは違いがよく見えてきました。現役世代は、まだまだ働きに出ていることもあり、ご近所付き合いが密になりにくい環境にあるのかもしれません。しかしながら、互酬性の規範については壮年期の方が高かったのは、ご近所付き合いはまだそこまでできていないけれども、職場を含む日常生活においては「世のため人のため」を実践しており、高齢期になって地域に戻ってきた後に、地域活動等において大いに期待が持てるのではないでしょうか。   主観的健康感については、年齢、性別、居住地域を調整しても社会経済的状況及びソーシャル・キャピタルが主観的健康感に影響する要因であることが示されました。このことから、地域のつながりは、高齢者のみならず壮年期を含めても健康に影響を及ぼすことがわかります。健康の維持増進のためにも、地域とのつながりを保つことが大切であると言えます。   このように、KAGUYAプロジェクトは、地域住民のみなさまが健康で幸せに暮らしていけるよう、これからも研究を続けていきたいと考えています。   ※この事業は、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業(平成27 年度~平成31 年度)「ソーシャル・キャピタル創出とヘルスケアデータ一元化による地域包括ケアシステム研究拠点の形成」の助成を受けて実施されます。   看護医療学科 准教授 文 鐘聲   ●広陵町×畿央大学「KAGUYAプロジェクト」ホームページ KAGUYAプロジェクトに関する記事はコチラから!

2017.12.07

ダイバーシケアに関するセミナー「異文化の理解と異文化におけるコミュニケーションのあり方」を開催!

異文化・多様性を実践的に学ぶ講演とワールドカフェを開催!   平成29年11月25日(土)にダイバーシケア(Diversicare)※1に関するセミナー『異文化の理解と異文化におけるコミュニケーションのあり方』(協力 在大阪オーストラリア総領事館)を開催しました。   ※1ダイバーシケア:1989年にクイーンズランド少数民族コミュニティ協議会(The Ethnic Communities Council of Queensland Ltd [ECCQ] )のコミュニティ・サービス部門として設立され、異なる言語や文化的背景を持つ高齢者や、障害を持つ若い人々とその介護者に対し、文化の多様性に配慮した自宅サービスを提供している組織です。   第1部は、講師にオーストラリアのブリスベンからMs. Jenni Pickrell ( Operation Manger Diversicare )をお迎えし、約140名がダイバーシケアについて講演を聴きました。   ▲公演中のMs. Jenni Pickrell   講演は「Cross Cultural Awareness 」「Cross Cultural Communication 」「Multicultural Service Delivery」、「Culture and End of Life Care」と盛沢山でした。その中から2つご紹介します。 皆さんも、ある指の形が国によって意味が異なることをご存じと思います。例えば「OK」の指。その意味はアメリカでは「Okay」、日本では「お金」、フランスでは「ゼロ」、トルコやブラジルでは「身体の一部」を現わすことを講義されました。また、異文化コミュニケーションへの恐れは、初めての人と会うときに感じるものと同じだと言われました。自分が恥をかくのではないか、相手に恥をかかせるのはないだろかという気持ちです。 では、異文化コミュケーションを円滑に行えるよう心がけることは何でしょうか?まずは「包摂(ほうせつ)」。多様な見方、見識を共有することです。 次にYes-Noで尋ねるのではなく、意見を言ってもらうことです。そして自分が意見を言う時は相手にも意見を求める、常に人を尊重する態度でいることです。これらのことはコミュニケーションを図るときの原則です。異文化であってもコミュニケーションを図る相手は「ひと」、コミュニケーションの原則が活かされます。   ▲多くの方にご参加いただきました。   第2部は、異文化における価値観の違い認識するために「自分が病気になったときして欲しいこと」をテーマについてインド料理(カレー、ナン、餃子)を食べながらのワールドカフェ※2実施しました。   ※2 ワールドカフェ:カフェで行うような自由な会話を通して、活き活きとした意見の交換や、新たな発想の誕生が期待できるという考えに基づいた話し合いの手法。   5つのテーブルにわかれてカフェを実施しました。 ・アジア圏では病気のときはお粥やリンゴジュース、アメリカではチキンスープを食べることが多い ・日本では病気になると病院を受診して回復するが、ケニアではお金がないと何もしてもらえず2日後に死亡した ・フィリピンやベトナムは家で亡くなると死亡診断書は不要 ・死者を家に入れないベトナムでは終末期は自宅に戻り、自宅で亡くなる ・日本は外国人を診察することを嫌がる ・日本の医療機関には通訳がいない など、他国の考え方を知ることができました。   ▲インド料理を食べながらのワールドカフェ   ▲参加者で記念撮影。参加国はアメリカ、ケニア、フィリピン、ベトナム、アルゼンチン、インド、オーストラリア、日本でした。   たくさんのご参加ありがとうございました。   看護医療学科 講師 寺田 美和子 【関連記事】 認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。