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理学療法学科

2011.07.12

書評「Pain Rehabilitation(ペインリハビリテーション)」

松原貴子、沖田実、森岡周 著  今回ご紹介する書籍は本学の森岡教授が日本福祉大学の松原貴子教授、長崎大学の沖田実教授と共に執筆された、痛みに対するリハビリテーション、すなわち「ペインリハビリテーション」について現時点での集大成といえるテキストです。具体的には痛みの発生に関与する組織の機能解剖、組織損傷・炎症の病態生理、神経科学から痛み発生のメカニズム、痛みの様々な評価方法やリハビリテーションの考え方など、痛みの基礎から臨床までを文字通り網羅した内容になっています。 (さらに…)

2011.07.07

平成23年度畿央大学ニューロリハビリテーションセミナー(基礎編)開催

昨年度から引き続き、第2回目となる「平成23年度畿央大学ニューロリハビリテーションセミナー」が今年度も始まりました。昨年と同様、「基礎編」・「応用編」・「臨床編」・「実践編」で構成され、応募開始から1日で全編が定員を超えるという反響をいただき、改めて本セミナーの重要性を再認識しています。 そして、7月2日(土)、3日(日)にシリーズの最初となる「基礎編」が開催されました。ニューロリハビリテーションの基礎となる脳の機能、解剖について学ぶことを目的に、北海道から沖縄まで200名を超える方々に参加していただきました。 今回の「基礎編」では、新たな講座の追加や各講座内でも昨年度をもとに新しい情報を追加し、さらに充実させた情報提供ができるよう努めました。 セミナー後のテーブル討議や質疑応答でも、活発な意見をいただき、また懇親会でも様々な意見交換がなされ、講師および参加者間の仲間意識も深まったと考えます。さらに今回の「基礎編」では、セミナーに関するアンケートも実施しました。いただきました様々な意見を参考に、さらに有益な情報提供の場となるよう研鑚してまいります。

2011.05.26

森岡周著『脳を学ぶ③』を読んで

『脳を学ぶ③』は、森岡先生の「脳」レクチャー・シリーズの3作目で、ヒトにとって音楽とは何か、特に「楽器を演奏する」というヒトに特有の行為の意味を深く考えさせてくれます。楽器を演奏する人が感じる情動や躍動感、イメージや創造性、美的価値、身体の制御や記憶など、楽器を演奏するという行為に伴う、非常に多様で高度な脳の働きが分かりやすく解説されています。私のように楽器を演奏する者にとっては、自分が子どもの頃から行っている行為が、いかに複雑な脳の働きによって可能となっているかが分かり、あらためてヒトの脳がいかに神秘に満ちたものであるかを考えさせられます。     全体は2部構成になっています。前半は3人のアンサンブル奏者(フルート奏者、鍵盤奏者、ヴァイオリン奏者)の方々が意識的・無意識的に行っている経験を、森岡先生のインタビューにより引き出されていきます。ピアノを弾く私にとって興味深かったのは、力を抜くという行為や四肢(鍵盤を弾く右手と左手、ペダルを踏む右足と左足)を制御することが脳にとっては非常に高度な働きだという話でした。そして、初心者にとって、奏でたい音を奏でることがどうして難しいのか合点がいきました。もう1つ面白かったのは「暗譜」についてです。ピアノの暗譜では、同時に幾つもの音を弾くので膨大な音を覚える必要があるのですが、指や身体が音楽の動きを記憶しているから可能なのだということが分かりました。   後半は、音楽教育と音楽療法に関わっている私には最も関心の高い内容でした。音が身体と共鳴し、快の感情や「感動する脳」を生みだすということ。下頭頂小葉で五感を統合し、比喩的・感覚的にイメージしていること。またイメージを質感として記憶し蓄積することも脳の働きによって成り立っていること。特に興味深かったのは、音楽の訓練を受けた者は、左右の脳をつなぐ神経活動が活発になることや音楽を聴くだけでも運動(演奏)にシミュレーションする能力が働くということでした。しかもこの脳の可塑性は、幼児期だけでなく老年期でもある程度変化するということでした。脳科学の知見から音楽活動の意義を見ることができて嬉しくなりました。   本を読み終えようとした時、「あとがき」の「My life with music」という言葉が飛び込んできました。その瞬間、なぜこの本が他の音楽と脳に関わる本と違うのかが分かりました。それは、森岡先生が脳科学研究者であると同時に音楽の表現者だからなのでしょう。   最後に、この本は演奏家だけでなくあらゆる立場、職業の人が読んで楽しめる本だと思います。脳を知ることは人間を理解することにつながる、ということを感じる一冊になりました。 現代教育学科 准教授 坂本暁美(音楽教育)♪   【参考】 『脳を学ぶ②』  https://www.kio.ac.jp/information/2010/05/post-263.html

2011.05.17

海外雑誌『Clinical Rehabilitation』に理学教員の研究論文が掲載!

リハビリテーション領域おける海外雑誌「Clinical Rehabilitation」に理学療法学科教員2名の研究論文が掲載!!   今回、理学療法学科の森岡周教授および冷水誠助教の2名の筆頭研究論文が、リハビリテーション領域で有名な海外雑誌(イギリス)「Clinical Rehabilitation」に掲載されました。この「Clinical Rehabilitation」には2009年にも同科の森岡周教授および高取克彦准教授の筆頭研究論文が同一号に掲載されています。   これらのことは、畿央大学から世界のリハビリテーションの発展に向けた非常に有益な情報を提供していると言えるでしょう。   【掲載論文】 Hiyamizu M, Morioka S, Shomoto K, Shimada T. Effects of dual task balance training on dual task performance ability in elderly people: a randomized controlled trial. Clin Rehabil. 2011; Mar 18.   Morioka S, Fujita H, Hiyamizu M, Maeoka H, Matsuo A. Effects of plantar perception training on standing posture balance in the old old and the very old living in nursing facilities: a randomized controlled trial. Clin Rehabil. 2011; Apr 19.

2011.04.19

産学連携 女性専用フィットネスクラブ業界NO.1の"カーブス"広陵と共同研究をスタート!

体力測定会と健康講座で地域のみなさんの健康増進を応援します!   2011(平成23)年4月から畿央大学の隣、エコール・マミ内“カーブス広陵馬見店”と連携して、地域のみなさまに健康増進プログラムの提供を始めました。”カーブス“は世界86カ国約8,000店舗、約400万人の会員を有し、日本でも現在約900店舗・会員35万人(奈良県内9店舗)を展開する女性専用フィットネスクラブで、「会員は自分独自の目標を立て1日30分、好きなときに好きな運動メニュー」を続けて行う習慣付けによって成長している企業です。畿央大学健康科学部(理学療法学科、健康栄養学科)は日頃の研究や特定健診で培ったノウハウで“カーブス広陵馬見店”との連携事業に取り組んでいます。   <4月2日体力測定会>   (さらに…)

2011.04.12

新入生宿泊研修 -理学療法学科-

平成23年4月6、7日の2日間、理学療法学科新入生宿泊研修を大阪リバーサイドホテルにて行いました。 この研修では、新入生が畿央大学の建学の精神である「徳をのばす」「知をみがく」「美をつくる」を具体的に考えることが目的でした。1日目は4回生5名の発表を聴き、大学生活と建学の精神についてグループワークを行い、2日目は実際に理学療法士として働いている卒業生5名の発表を聴き、理学療法士と建学の精神についてのグループワークを行いました。 新入生の皆さんは、先輩方の発表内容を踏まえ、建学の精神について真剣にディスカッションしました。ディスカッションでは、理学療法士にとっての「徳」「知」「美」とは何かを具体的に考え、理想の理学療法士像に近づくためにこれからの大学生活をどう過ごしていくかの意見を出し合い、最後にグループ発表を行いました。各グループの発表では、入学したばかりにも関わらず、新入生とは思えない程すばらしい意見が飛び交いました。これからの4年間、ぜひとも今回の研修で考えたことを忘れずに実践してもらいたいと思います。 大阪リバーサイドホテルの隣は桜の有名な桜之宮公園があり、新入生達は、昼間は“みっちり”研修し、夜は満開の夜桜を楽しみながら学生同士“ばっちり”交流を深めていました。

2011.03.07

奈良県理学療法士会スポーツ理学療法勉強会が開催されました!

 平成 22 年度第3回奈良県理学療法士会スポーツ理学療法勉強会が開催されました!   2 月 27 日(日)に本学を会場にして「奈良県理学療法士会専門領域勉強会スポーツ理学療法勉強会」が開催されました。 奈良県理学療法士会の中でも、専門をスポーツ領域に特化したこの会は、本学理学療法学科の福本貴彦先生が代表を務めておられます。スポーツによる外傷・傷害の理学療法に関する臨床的な実践と研究と教育や情報交換、ネットワークの場として、1年に3度、勉強会が開催されています。   まず、高井悠二先生(田北病院)による「投球障害肩を呈した一症例」についての症例検討が行われました。はじめに講義があり、その後、写真や動画を使いながら、症例について参加者と一緒に考えていくような形式で、ディスカッションも活発に行われました。     また、本学の福本先生から、奈良県高校野球連盟選抜チームのメディカルスタッフとして、昨年12月にタイ遠征に帯同された際の報告も行われました。海外で行われた福本先生のメディカルサポートについて、若手の理学療法士の方々は特に興味深く聞かれていました。     このスポーツ理学療法勉強会は、奈良県を中心に、スポーツに関わるすべての方々が、ケガのないように、そして、ケガをしてもできるだけはやく復帰できるように、いいパフォーマンスが発揮できるように、知識や技術を高め、共有して地域に還元していきたいと考えています。   勉強会は、来年度以降も継続的に開催していく予定ですので、卒業生はもちろん、たくさんの方々のご参加をお待ちしております。

2011.02.16

理学療法学科学生5名が禁煙スローガンで入選!

理学療法学科3年生5名が、日本生活習慣病予防協会の禁煙スローガンに入選しました。   日本生活習慣病予防協会は、生活習慣病の一次予防を中心に、その成因、診断、治療、リハビリテーションに関する知識の普及啓発、生活習慣病に関する調査研究を行うことにより国民の健康の増進に寄与することを目的に、調査・研究や啓発活動のための「全国生活習慣病予防月間(毎年2月)」の推進などを行っています。   この度、日本生活習慣病予防協会が禁煙スローガンを公募し、理学療法学科3年生の片山雄登君、福井美穂さん、上田和輝君、森田匡博君、松阪麻衣さんの5名が入選しました!! 全国応募総数425作品から、厳正なる審査の結果、入選作品13作品(最優秀賞1作品,優秀賞3作品,佳作9作品)が決定しましたが、今回は、本学の学生の応募作品から、優秀賞1作品、佳作4作品の計5作品も入選したのです!     ★入賞作品を紹介します★    【優秀賞】 そのタバコ いつか真似する 我が子供  【佳 作】 その煙の行き先を知っていますか?  【佳 作】 副流煙 奪う みんなのしあわせを  【佳 作】 吸う度に 短くなってく 煙草と寿命。  【佳 作】 その煙で失うものは…無限大です   どのスローガンも、自分はもちろん、自分だけではなくまわりにも影響があるというメッセージが伝わる内容でした。 残念ながら入選はできませんでしたが、他にもたくさんの学生が応募してくれました。これも、本学の継続的な禁煙活動が学生さんたちに伝わった成果だと感じています。 タバコを吸わないという意識がさらに拡がり、学生が中心となって健康増進・疾病予防につなげた活動を進めてくれることを期待しています。

2011.02.07

『第1回冬季日本理学療法学生交流会』

去る2010年12月19日(日) 畿央大学にて『第1回冬季日本理学療法学生交流会』が行われました。   一昨年までは「関西理学療法学生交流会」として行われていた交流会ですが、今回からは対象地域を全国に広げ、記念すべき第一回目の交流会を畿央大学で行いました。 この交流会は、理学療法士を目指す学生が企画運営して講演会や懇親会を通して、視野の拡大や知識の充実、さらに大学を超えた横とのつながりを深めることが目的です。運営委員として本学の理学療法学科の学生約30名が昨年の4月から準備を進めてきました。当日は215名の学生が畿央大学を訪れ、講演、ディスカッション、懇親会に参加し、他大学との交流を行いました。     今回のテーマは「理学療法士の可能性」です。 このテーマに沿って、プログラムとして、午前には交流会理事を経験されたOBの先輩方に、今活躍されている分野についての現状や展望などをお話ししていただき、さらに理学療法士が社会への貢献についてパネルディスカッションを行いました。午後には畿央大学学生によるランチョン発表を行い、さまざまな先生に聞いた話や、施設見学や集めた資料などを通して、理学療法士の可能性について学生の視点で考え感じたことを発表しました。   (さらに…)

2011.01.28

第4回理学療法特別講演会・理学療法学科同窓会

平成23年1月22日(土) 第4回理学療法学科特別講演会を開催しました。今回は、姫路獨協大学の泉唯史先生をお招きして、「心疾患を合併した患者に対するリハビリの注意点」という題目で、教科書的な内容から応用まで幅広く、わかりやすく講演していただきました。   その後、学食において、理学療法学科同窓会(懇親会)を開催しました。過去3回は学外で実施していたものを、今回は学食での懇親会としました。1期生から4期生まで約40名の卒業生と4名の先生方に参加していただきました。     庄本先生の乾杯から始まり、母校での会は学生時代に戻ったような気分で楽しめました。また、同期同士だけでなく先輩・後輩ともたくさんお酒をかわしました。学生時代の思い出話で盛り上がり、たくさん笑いました。先生方とも気軽に話せ、日頃の臨床場面での悩みも打ち明けることができました。   畿央大学の特徴の一つでもある、アットホームな雰囲気は変わらず、安心感を与えてくれました。毎年リカレント教育を兼ねて実施している理学療法部会ですが、大変有意義だと好評をいただいていますので、もっともっと多くの卒業生の皆様に参加していただき同窓会を盛り上げていきたいと思います。 同窓会長 唄大輔(理学療法学科2期生)