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畿央の学びと研究
2025.02.26
大阪市介護相談研修 第2回ステップアップ講座研修会講師活動報告 ~ 看護医療学科~
大阪市社会福祉協議会主催の大阪市介護相談研修 第2回ステップアップ講座で講師依頼を受け「介護予防について」研修を行いましたのでご報告させていただきます。 研修会には、民生児童委員や地域の見守り活動を実施されている方等29名が対面とオンラインでご参加くださいました。研修会では、介護予防の基本概念を理解し、日々の地域活動にどう活かせるかを考えていただき、高齢者が自立した生活を送るための支援方法を学び、大阪市の介護保険料や地域資源について理解する内容で講義させていただきました。 参加者からの質問は、「健康寿命の延長法を知りたい」「介護予防の最前線を教えて欲しい」など積極的でした。 受講後の感想では 「介護予防に社会参加が有効であることを改めて重要であると感じた」 「介護予防の4つの柱、身体機能の維持・向上、栄養管理、社会参加の促進、認知症予防ついて大切さと予防に向けてわかりやすく参考になった」 「地域の高齢者をこれからも見守りながら社会参加を促していきたい」 というお声をいただきました。 今後も地域から講師依頼を受けた際には、積極的に出向き地域の健康づくり活動を応援していきたいと考えています。 畿央大学 看護医療学科 准教授 田中 陽子 関連記事 障がい児かかわり方セミナー活動報告~看護実践研究センター地域包括ケア部門事業:安心感の輪子育てプロジェクト 令和6年度「臨地実習指導者研修会」を開催!~看護医療学科 ボランティア活動報告!~子育て応援ボランティアサークルSmile 認知症予防講座を開催しました。~ 看護実践研究センター認知症ケア部門 看護実践研究センターシンポジウム 行政・関係機関・大学連携による中小企業の健康づくり推進―広陵町における中小企業健康経営推進の取り組み―開催報告 「前向き子育てプログラム トリプルP」真美ケ丘西小学校PTA教育講演会活動報告 ~ 看護実践研究センター 安心感の輪子育てプロジェクト 畿央祭ウェルカムキャンパス「スマイル交流サロン」活動レポート~ 看護実践研究センター 畿央祭にて ”がんカフェ「きらめき」” を開催しました!~ 看護実践研究センター
2025.02.26
プロジェクトゼミ 御所まち旧和光ビル跡地活用提案 ~ 人間環境デザイン学科 陳ゼミ 前川ゼミ 吉永ゼミ
人間環境デザイン学科では、プロジェクトゼミという特色のあるゼミ活動を2回生の後期、3回生の通年と約1年半の期間取り組みます。学内での活動もあれば、学外へ出て地域課題に対して実践的に取り組む活動もあります。 今年度は3ゼミ(陳ゼミ・前川ゼミ・吉永ゼミ)が通年で御所市の御所まちという歴史的なエリアの建物解体跡地の活用方法について御所まちに住む住民のみなさまや行政の方々と実践的に取り組みました。 御所まち まち歩き 2024年7月に、市役所の方々のご案内で御所まちのまち歩きを行いました。 御所まちにはお寺や街なみが古くから残っていて昔にタイムスリップしたような感覚になります。 御所まちでは、江戸時代に整備された背割下水や環濠が昔の姿のまま残っているなど、まちが大切に引き継がれてきたことがわかります。 まち歩きでは、地元の方が私たちに建物を見せていただいたり、学びの多い体験でした。 まち歩きの経験を学内のゼミにもち帰り、メンバーで感想を議論したり、歴史を調べたり学びの時間をとります。 ワークショップを開催し、地域の方と意見交換しました。 8月には、地域住民のみなさまとワークショップに参加しました。住民と学生がテーブルに分かれて「どのような場所にしたいか」を意見交換しました。 住民のみなさまから御所まちのことを教えていただいたり、学生視点で見た御所まちの感想を議論しました。ワークショップで出た意見や感想をまとめて発表し、世代を超えた交流の機会になりました。 毎週の各ゼミでは跡地活用方法について、歴史的に分析したり、建築をデザインするだけでなく、広場としてのランドスケープ計画など議論を重ねていきます。敷地模型を作ったり、スタディ模型やパースを作成して検討を繰り返します。 中間発表会を開催し、案をブラッシュアップしていきます! 12月には御所市のホールで、住民のみなさまへの中間の発表会がありました。計画5案をスライドと模型を用いてプレゼンテーションしました。 時間をかけて作成した模型を住民のみなさまが熱心に見ていただき、感想や私たちの気づかなかったことなどをアドバイスいただき、地域住民のみなさまが熱心に跡地の活用を考えられていることに刺激をいただきました。そのアドバイスを再度各ゼミで案をブラッシュアップしていきます。 御所まちの未来を住民の皆さまと一緒に考えました。 2025年1月に最終プレゼンテーションを御所市役所で住民のみなさまに行いました。 たくさんの方にお集まりいただき、歴史ある御所まちの未来について一緒に考える良い機会となりました。 学生の感想 A 班 Mさん(吉永ゼミ) A班は議論を重ね、御所まちにとってより良い提案を考えてきました。私たちのゼミでは、古い木造建築の移築を提案しました。古い建物の構造躯体と瓦を移築し、屋根だけの、街の人たちの庭のような場所を提案しました。 また、御所市は、葛城山、棚田、御所まちという連続するまちがあるため、今回の提案に棚田を取り入れ、棚田テラスを提案しました。屋根のかかる場所があり、棚田のような庭があるという連続性があります。 移築してきた大きな屋根の下には最小限のトイレと防災備蓄的な倉庫を計画して、多目的に使える場所としました。棚田テラスでは、地域の人が休憩する場所として使えたり、観光客の休憩場所、みんなの庭としてまちに開かれます。 また、祭りなどイベントの際にも活用されます。お店をされたい方がイベントとしてお店を出せたり、日本酒の飲み比べイベントを開催するなど、地域活性化にも繋がります。ビルの跡地が、みんなの大きな庭になり、地域のみなさんに愛される場所になればいいなと思います。 B班 Mさん(吉永ゼミ) 歴史的な町並みが残る御所まちの入り口となる今回の敷地において、私達は歴史的景観の保護を最優先に考え、取り組んできました。 近年、御所まちでは古民家を活用したカフェや銭湯など、観光・地域活性化の取り組みが進められています。しかし、その一方で、人を雇ったり管理を続けることの難しさも課題として感じられます。そこで今回の敷地では、管理やメンテナンスが容易で、周辺住民の方々が自由に使える「庭」のような場所を提案しました。 住民の方々にとって日常的に親しまれ、観光客にも開かれた空間となることを目指しました。 また、このエリアは重要伝統的建造物群保存地区の選定を目指しているため、歴史的景観の保護も重要なテーマでした。そのため、敷地のファサードには今後取り壊される予定の空き家などの古材を再利用し、景観との調和を大切にすることを考えました。 駅からのアクセスも良く、歴史を感じながら散策できる御所まち。その入り口として、住民の方々や観光客に愛される場所となることを願っています。 C班 Tさん(前川ゼミ) 遠見遮断や商店街、江戸時代の町並みや昭和の町並みなどが、積層しながら残っている「御所まち」は、今井町とは異なる伝統的な町で、その中で行う旧和光ビルの跡地の活用の検討は、住民にとって重要なものだと感じました。 そのため、ゼミ内で活用検討を行った時は、アイデアを出すのに難航しましたが、御所まちならではの敷地に焦点を当て、この土地ならではの提案を考えることを目標に進めました。 その際出てきたアイデアである、地下広場や御所キオスクなどは、ここでしかできない空間デザインであり、ひとつの成果だと思っています。住民のみなさまに向けて提案した経験は、とても貴重なものとなりました。 D班 Sさん(陳ゼミ) D班は多様な使い方ができる広場と、まちの人が癒されるガーデンを中心に考えました。約半年間の長期にわたっての提案で、地域の方や役所の方からいただく様々な要望に応じた設計を行うのが難しかったです。 デザイン面や機能面、景観の規制といった様々な条件を考慮しながら、話し合いを行い、グループで協力して提案を行うことができました。 E班 Tさん(陳ゼミ) 御所まちの提案は今までの提案とは違って、多くの視点から土地を見て、考えさせられました。建物の高さや周りの建物との調和、土地と町全体との配置関係などの「環境面」とコンセプトや利用目的、利用者への使われ方などの「施設面」がうまくマッチした提案を考えるのは大変でしたが、とてもやりがいを感じました。 今後もプロジェクトゼミでは、学外に出て地域課題に対して実践的な提案などを行なっています。 人間環境デザイン学科 講師 吉永 規夫 関連記事 ▶ プロジェクトゼミについての紹介記事はこちら ▼ 人間環境デザイン学科についての過去のブログ 完成した椅子を畿央大学付属広陵こども園の子どもたちにお届け ~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 学生がデザインしたKIOオリジナルバッグが完成しました!~人間環境デザイン学科|KIO Smile Blog 第4回近畿学生住宅大賞で3回生が「企業賞」に!~人間環境デザイン学科 学生がデザインしたKIOオリジナルバッグを制作中!~人間環境デザイン学科 第6回エコマミ公開講座に人間環境デザイン学科 村田浩子教授と学生が参加しました!~ 人間環境デザイン学科 地域とデジタルをつなぐ – スマートフォン年賀状作成ワークショップの開催 ~人間環境デザイン学科 清水ゼミ 河合町佐味田地区の「佐味田みんなの縁側」の増設 板絵の飾り棚および遊び道具の動物将棋の制作活動 ~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 学生視点で「畿央食堂なごみ」のリノベーション提案!! ~ 人間環境デザイン学科 李ゼミ
2025.02.25
「不登校の子どもの気持ちと支援」を開催しました。~ 畿央大学大学院教育学研究科プロジェクト研究会
2025年2月11日(火・祝)に、教育学研究科研修会「不登校の子どもの気持ちと支援」を開催しました。当日は、学校や教育委員会などの関係者や保護者、不登校支援者、学生など約100名の方々にご参加いただきました。 畿央大学教育学研究科では、現代的教育課題の中から「生徒指導」「特別支援教育」「ICT」の3分野に焦点を当て、教育実践力の育成と教育課題の解決に向けたプロジェクト研究に取り組んでいます。本年度の研修会は、「生徒指導」グループの企画によるものです。 今回は、2016年に公布された「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(いわゆる「教育機会確保法」)において、不登校児童生徒への支援等が明記されたことや、2023年度の不登校児童生徒数が過去最多となったことを受けて、「不登校」をテーマにしました。また、プロジェクト研究会の目的は、不登校に関する政策動向と、不登校の子どもや保護者、教職員等の支援に関わる人たちの思いを知り、学校や地域での不登校支援の在り方について考えることとしました。講師は、伊藤美奈子先生(奈良女子大学教授、文部科学省「不登校に関する調査研究協力者会議」委員)です。 講演に先立ち、髙田恵美子(畿央大学大学院教授)より、「子どもの敏感さと不登校」についての話がありました。「いわゆる化学物質過敏症」「感覚過敏」「HSP」などの敏感さにより、学校環境に困難を生じ、登校できない子どもがいるのではないかという視点を持つことも、不登校の子ども理解や支援につながるのではないかという話題提供が行われました。 伊藤先生のご講演では、不登校の指針である「不登校というだけで問題行動とみなしてはいけない」「学校復帰がすべてではない」ということについて、「問題じゃない」のは子ども自身であって、支援は必要であり、そのためには複数の視点からのアセスメントと複数の職種による支援が必要であること、「学校復帰」を望む子どもには復帰を支えることなどを強調されました。また、支援の目標とされている「社会的自立」とは、依存しないことや支援を受けないことではなく、適切に他者に依存したり、自らが必要な支援を求めたりしながら、社会の中で自己実現をしていくという意味をご教示くださいました。 参加者からは、「不登校児童生徒のその後を知りたい」というご質問がありました。伊藤先生からは、不登校生徒に関する追跡調査から、不登校経験者の高校進学率の増加や、不登校の経験を振り返りながら前向きに進んでいる子どもたちの様子をお話しくださり、不登校は「自分自身や将来のことを考えるためのターニングポイント」と考えることも大切であると話されました。 参加者は、伊藤先生の温和なお人柄に加え、国の最新の動向や、リアルなエピソードに引き込まれ、「ロープの先を持つ」子どもとの程よい関係と、伴走者として寄り添う思いを強くした貴重な研修となりました。ご講演いだいた伊藤先生、ご参加いただいた皆様、ご協力いただいた皆様に改めて感謝を申し上げます。 畿央大学教育学研究科では、今後も、プロジェクト研究を深め、広く発信して参りたいと考えています。 教育学研究科 教授 髙田 恵美子 関連リンク 教育学研究科
2025.02.22
障がい児かかわり方セミナー活動報告~看護実践研究センター地域包括ケア部門事業:安心感の輪子育てプロジェクト
看護実践研究センター地域包括ケア部門では、母子分野における事業活動として、「安心感の輪 子育てプロジェクト」を展開しています。これに関連し、2月1日(土)に畿央大学で障がい児サポーター育成研修会「障がい児かかわり方セミナー」を開催しました。今年度は9月17日開催時に3名、今回9名、両日で計学生12名が参加しました。参加者には子育て応援ボランティアサークル「Smile」のメンバーや、保健師課程の学生、また将来的に子ども病院等への就職を目指している学生が含まれました。 セミナーでは、まずアメリカのグレン・クーパー、ケント・ホフマン、ボブ・マービン、バート・パウエルによって開発されたCircle of Security「安心感の輪子育てのプログラム」を一部紹介し、愛着についての理解を深めました。その後、障がい児の特徴や愛着形成支援のポイント、家族アセスメントの重要性について、教員の研究成果(科研費若手21K17446)をもとに詳しく学びました。また、演習として、プレイセラピー技法を取り入れた遊びのロールプレイを実施しました。参加者は、子ども役と支援者役に分かれ、実際に遊びながら声かけや関わり方を体験しました。 参加者からは以下のような感想が寄せられました。 「実際に遊び、声をかけてもらうことで、寄り添ってもらっていることを実感できた」 「子どもの感情を言葉にして伝えるためには、子どもの様子を丁寧に観察することが重要だと感じた」 「子どもと関わる機会が少なかったが、もっと楽しんで関わりたいという気持ちが強くなった」 今後も、在宅で障がい児をケアする支援者向けに愛着形成支援プログラムを開発し、小児在宅ケアにおける家族支援の円滑化と、実践能力向上を目指していきます。 *科研費基盤研究C24K14212 の助成を受けたものです。 畿央大学 看護実践研究センター 看護医療学科 准教授 田中 陽子 関連記事 令和6年度「臨地実習指導者研修会」を開催!~看護医療学科 ボランティア活動報告!~子育て応援ボランティアサークルSmile 認知症予防講座を開催しました。~ 看護実践研究センター認知症ケア部門 看護実践研究センターシンポジウム 行政・関係機関・大学連携による中小企業の健康づくり推進―広陵町における中小企業健康経営推進の取り組み―開催報告 「前向き子育てプログラム トリプルP」真美ケ丘西小学校PTA教育講演会活動報告 ~ 看護実践研究センター 安心感の輪子育てプロジェクト 畿央祭ウェルカムキャンパス「スマイル交流サロン」活動レポート~ 看護実践研究センター 畿央祭にて ”がんカフェ「きらめき」” を開催しました!~ 看護実践研究センター
2025.02.22
英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.12 ~ 待ち望んだ雪が降りました!
2020年度に開設された現代教育学科英語教育コースでは、6か月間にわたって英語圏で生活し語学や異なる文化・価値観を学ぶ「セメスター留学」を2回生後期に開講。今年度は、2回生3名が、2024年9月21日(土)にカナダのビクトリアに出発しました。現地からの学生リポート第12弾です! こんにちは。教育学部現代教育学科英語教育コース2回生の川上明莉です。私は現在、カナダのビクトリアに畿央大学から3人で留学しています。早速、現地での生活をリポートしていきます。 雪遊びを体験しました! 2月1日ビクトリアに雪が降りました。カナダに来てからずっと待ち望んでいたのでとてもうれしかったです。 気温はとても寒く、雪が積もったので道も歩きにくかったです。学校の昼休憩に友達と雪合戦をし、雪だるまを作って楽しみました。 アクティビティを実施しました! 2回目のアクティビティを行いました。前回よりも緊張することがなく、楽しんで教えることができました。このアクティビティのおかげでたくさんの友達ができ、英語で教えるというとても貴重な経験をさせてもらいました。本当にこのような機会をくれた学校に感謝です。 カナダでの生活を楽しんでいます! カナダに来てから約5ヶ月が経ちました。最初の頃はYesやNoといった意思表示しかできず、授業が始まる前、毎回緊張していました。ですが、どのように英語を学習したら良いのか友達に聞き、それを実践したおかげで今では緊張することなく授業を受けることができます。 また、自分から違う国出身の友達を誘って遊びに行き、とてもカナダでの生活を楽しんでいます。帰国まで残り1ケ月をきりました。最後まで頑張りたいです。ご覧いただきありがとうございました。 現代教育学科 英語教育コース 2回生 川上 明莉 関連記事 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.1~今年は3人がカナダへ! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.2 ~ カナダに来て3週間がたちました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.3 ~ ウィンタースポーツ観戦を楽しみました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.4 ~ 祝日の過ごし方! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.5 ~ 誕生日を祝ってもらいました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.6 ~ もうすぐクリスマス! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.7 ~ 新年も積極的に活動しています! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.9 ~ お正月を2回体験しました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.10 ~ カナダでの学びと私生活を振り返って 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.11 ~ 留学生活を振り返って ▶ イギリス短期語学留学2024についての記事は こちら ▶ カナダ短期語学留学2024の記事は こちら
2025.02.22
英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.11 ~ 留学生活を振り返って
2020年度に開設された現代教育学科英語教育コースでは、6か月間にわたって英語圏で生活し語学や異なる文化・価値観を学ぶ「セメスター留学」を2回生後期に開講。今年度は、2回生3名が、2024年9月21日(土)にカナダのビクトリアに出発しました。現地からの学生リポート第11弾です! こんにちは。畿央大学 教育学部 現代教育学科 英語教育コース 2回生の福岡 煌大です。 今回で最後のブログになります。最後のブログということで、この留学生活の振り返りそしてこの留学生活で何を得ることができたかの大きく二つのトピックに分けて書いていこうと思います。 ▼ Parliamentにて 留学生活を振り返って 初めてカナダの地に降り立った時、環境がまるで違い、周りの看板、人が話している言語、景色、本当に何もかもが初めてで不安でした。英語で自分の言いたいことを話すことができるか、海外の友人関係が上手くいくかなど悩みに悩んでいました。運が良かったことに、ホストマザー、最初のルームメイト、私と同時にGVに入った友達の人柄が良く、皆が私を助けてくれました。GVに入学すると、本当に周りの話している言語が英語のみで最初の1週間は緊張のしない日はなかったです。 最初のルームメイトにとても助けられました。彼はメキシコ出身で自分よりも若くそして英語が上手でした。彼のおかげで自分の英語力が上がったといっても過言でないくらい、英語初心者だった私にとっては話す力、聞く力が養われたと思います。ハロウィン、クリスマスを共に過ごし、一緒にハイキングに行き、お互いの国の食べ物などを交換するなど留学の大半を彼と過ごしていました。今でも連絡を取っているぐらい心に残るルームメイトでした。 そして一番大切なホストマザーです。彼女は元教師ということもあって、少し家のルールが厳しかったことなど、最初は少しマイナスなイメージを持っていました。しかし彼女は本当に優しく私たち生徒のことを大切にしてくれました。 私の誕生日をカナダで過ごすことができ、その時に誕生日ケーキやちょっとしたプレゼントをいただき貴重な経験ができました。そのケーキはホストマザー自ら作っていただき思いのこもったケーキで忘れられない味です。 最近も残り日数の話をすると「本当に恋しいから日本に帰らないで」と言ってもらえました。いつも「あなたが一番よ」と言ってくれ本当にこの人のホームステイ先で良かったと思います。 日本では経験できない多くのことができました。本当に充実した6か月間だったと思います。 留学生活を経て得たもの この留学生活で英語力はもちろん、なんでも挑戦してみようという心が芽生えました。日本とは環境も全く違う、そして英語で自分の意見を伝えなければならず、この環境であったから、失敗してもいいから何事にも挑戦してみようという心が芽生えました。コミュニケーションでも失敗を重ねて学習し自分の力にしていこうとポジティブな思考にも少し変わりました。 またカナダに来て生活習慣も改善されました。寝る時間も海外の人は早寝早起きで、ホストマザーやルームメイトがそうだったのでしっかり改善されました。海外の人は自分の意見を出し、相手に伝える外向的な性格であるため、以前に比べ、意見を言えるようになったかなと思います。 最後に… 留学生活が終わりに近づいてきていると思うと、日本に帰って友達に会い、日本食を食べることができる嬉しさの反面、カナダで出会ったGVの先生方、友達、ルームメイト、そしてこの6か月間共に過ごし心身ともにケアをしていただいたホストマザーと離れ離れになることがとても寂しく思っています。残り数週間最後まで楽しもうと思います。半年間読んでいただきありがとうございました。 現代教育学科 英語教育コース 2回生 福岡 煌大 関連記事 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.1~今年は3人がカナダへ! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.2 ~ カナダに来て3週間がたちました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.3 ~ ウィンタースポーツ観戦を楽しみました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.4 ~ 祝日の過ごし方! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.5 ~ 誕生日を祝ってもらいました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.6 ~ もうすぐクリスマス! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.7 ~ 新年も積極的に活動しています! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.9 ~ お正月を2回体験しました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.10 ~ カナダでの学びと私生活を振り返って ▶ イギリス短期語学留学2024についての記事は こちら ▶ カナダ短期語学留学2024の記事は こちら
2025.02.22
完成した椅子を畿央大学付属広陵こども園の子どもたちにお届け ~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」~
1回生対象の科目「立体表現Ⅱ」では、丹波篠山で家具作家をされている稲葉 崇史先生を講師としてお招きし、2023年4月に開園された「 畿央大学付属広陵こども園 」の子どもたちのために、2021年からこども用椅子を製作しています。 本年度は31名の学生が履修し、全15回の授業を通して、子ども達の成長をサポートすることができる以下の条件をふまえた椅子を一人一脚製作しました。 木の材質をそのまま活かしたシンプルなもの(子どもの好むデザイン性) 一人ひとりの子どもの身体(足の長さ)にあったもの 椅子の高さは両足が床に着く長さ(膝と股関節が横から見て90度)のもの 少々乱暴に扱っても壊れないくらいの強度と安全性を保っているもの 椅子の製作が始まりました! まずは、基本デザインをもとに、こどもたちが安全に使用できるデザインを考え、学生が設計図を描きます。 設計図が完成すると、椅子の材となる「脚」「貫」「座面」「笠木」の加工を行います。のこぎり、鑿(のみ)、鉋(かんな)などの工具や、バンドソー、ドリルなどの本格的な電動工具を使用します。ほとんどの学生は、初めて工具を使用するので、先生から使い方を学びながら、加工を進めていきます。授業の後半になると、工具にも慣れ、各々が加工に没頭している姿がみられました。 自分で製作した椅子に座る瞬間は、はじめは不安そうに腰をおろしていましたが、しっかり座れることが確認できると、とても満足気な表情を浮かべていました。完成させた達成感に加え、椅子に対する愛着も感じているようでした。 こども園に完成した椅子を届けました! 後日、子どもたちに椅子を届けるため、こども園を訪問しました。 椅子に取り付ける「キャラクターを描いた名前タグ」も用意し、一緒に渡しました。 椅子のデザインは一つも同じものはなく、すべてが「世界にひとつだけの椅子」です。子どもたちは、好きな形の椅子を見つけると座って、満点の笑顔を見せてくれていました。その姿をみて、学生たちも満足げにとても喜んでいました。 初めて工具に触れる学生が、職人から技法を学び、椅子を作り上げることは容易ではありませんが、全員が完成させることができました。 今度は自分の椅子を作りたい!という学生もおり、ものづくりの楽しさを実感することができたと感じています。 人間環境デザイン学科 助手 中井千織 関連記事 ▼椅子づくりに関連する記事 【現代教育学科×人間環境デザイン学科】畿央大学付属広陵こども園の園児のために椅子を製作! 畿央大学付属こども園の園児に手作り椅子をお届け!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 畿央大学付属広陵こども園で使う子ども用スツールが完成しました!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 今年も畿央大学付属広陵こども園の子どもが使うスツールを製作!~人間環境デザイン学科「立体表現Ⅱ」 ▼人間環境デザイン学科に関連する記事 学生がデザインしたKIOオリジナルバッグが完成しました!~人間環境デザイン学科 第4回近畿学生住宅大賞で3回生が「企業賞」に!~人間環境デザイン学科 第6回エコマミ公開講座に人間環境デザイン学科 村田浩子教授と学生が参加しました!~ 人間環境デザイン学科 地域とデジタルをつなぐ – スマートフォン年賀状作成ワークショップの開催 ~人間環境デザイン学科 清水ゼミ 河合町佐味田地区の「佐味田みんなの縁側」の増設 板絵の飾り棚および遊び道具の動物将棋の制作活動 ~人間環境デザイン学科 陳ゼミ 木の家設計グランプリ「銀賞」に入賞!~人間環境デザイン学科吉永ゼミ
2025.02.22
英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.10 ~ カナダでの学びと生活を振り返って
2020年度に開設された現代教育学科英語教育コースでは、6か月間にわたって英語圏で生活し語学や異なる文化・価値観を学ぶ「セメスター留学」を2回生後期に開講。今年度は、2回生3名が、2024年9月21日(土)にカナダのビクトリアに出発しました。現地からの学生リポート第10弾です! さて、今回の留学について書くことが最後のブログになるかもしれないので、少し寂しいような気もしますが、いつも通り書いていこうと思います。今回はこの半年間の留学生活で得たものについて撮りためた写真とともに書いていきます。 Global Villageでの学びについて GV4というレベルから英語学習を始め、そこでは英語の楽しさを学びました。授業内ではたくさんのアクティビティをしてきました。ある街の風景が流れる映像を見て、どの国のどの都市なのか推測したり、毎週金曜日にはその週に出てきた英単語、フレーズをレビューするゲームがあったりと、とにかく楽しい時間を過ごしてきました。 2か月も経たないうちにGV5へと一つレベルが上がることができました。 GV5で過ごした時間が最も濃い時間だったのかなと感じます。GV4に比べると楽しい活動も少なくはなり、時には退屈だと感じることもありましたが、自分の英語力を大きく向上させることができました。みんなが上手に英語を扱う中、なかなか上手く扱えず悩んだ時期もありました。そんな期間を乗り越えて今の自分がいるので、あの頃の自分に会えるならよく頑張ったねと褒めてあげたいです。 そして今はGV6にいます。 このレベルでの学習は難易度も高くなってきており、また周りのレベルもより高く、GV5にいた頃とは違った緊張感を持ちつつも、楽しく英語学習することができています。また話は逸れますが、将来教員を目指す学生として、GV6の先生の授業は本当に上手だなと感じます。日本で受けてきた教育は、ほとんどが話を聞く、ノートにまとめるという流れが基本でした。そのためノートをとることが目標になってしまうと感じることもありました。 GV6での学習は本当に飽きません。キーワードは集中させないです。え?勉強やのに集中してなかったら意味ないやろ!と思う方もいるかもしれません。ここで私が言いたいことは、集中させる対象を1つに絞らないということです。ホワイトボードに集中する時間、テレビに映されたスライドに集中する時間、先生の話を聞く時間、友達との会話に集中する時間など、メリハリがあって、飽きることがありません。 また、週が始まる前には学習する予定のスライドを、授業終わりにはその日の学習した内容の答えがついたスライドを添付してメールで共有してくださるため、予習、復習のどちらも効果的に行うことができます。本当にきっちりとしている先生で、一見堅そうに思われますが、ユーモアにも長けた先生で、本当に中身の濃い時間を過ごすことができています。 残り1か月は自分の目標であるGV7に行くことをめざし、最後まで無理することなく自分なりに頑張れたらいいなと思います。 ここまで読んで、あれ?今回の池田ちょっといつもと違うぞ?となっていたら申し訳ありません。ここからが本番みたいな感じです。 Canadaでのフリータイムの過ごし方 個人的な話にはなるのですが、日本にいた頃から筋トレにハマっていて、カナダに来てからも筋トレはずっと続けています。カナダのジムに来て驚いたのは、利用客の多さです。私が日本にいた頃通っていたジムはどちらかというと年配の方が多く、健康維持が目的の方が多かったように思えます。しかしカナダでは、年配の方はもちろん、比較的若い年代の方が自分の体と見つめ合って本気でトレーニングをしています。また、扱うダンベルの重さ、ベンチプレスの重量、ラットプルダウンの重量など、すべてにおいて規格外です。 ダンベルを例にとってみましょう。日本のジムでは、よほどいいジムでない限り、一番重くても30キロ程度でしょう。私が通っているカナダのジムには50キロ近くあるダンベルが整備されています。それも1つじゃなく、何個もきれいに整理されて並んでいます。 ある男の方を見ました。パーカーを着ていたのですが、明らかに服の上からでもわかるゴツさ。何を始めるのかと思えば、先ほど話した50キロ近くあるダンベルを2つ持って、さらに重りをつけて、インクラインダンベルベンチプレスを始めたんですよ。その時開いた口がふさがらなかったのを鮮明に覚えています。本当に訳が分からなかったです(訳が分からないのは、この訳の分からないブログを書いているあんたや)。 といったように、セメスター留学で英語力はもちろん向上し、身体も大きくなって、背中も大きく見えるようになったんじゃないでしょうか。(座布団一枚) 最後にはなりますが、カナダに来て様々なことを経験できました。繰り返しにはなりますが、英語力だけでなく、人として成長できた半年間だったのかなと感じます。 こうして今このブログを書くことができているのも皆さんの多大なるサポートのおかげです。本当にいつもありがとうございます。残り1か月を、人生最後の1か月であるかのように目一杯楽しんで価値ある生活にしていこうと思います。 貴重なお時間ありがとうございました。 現代教育学科 英語教育コース 2回生 池田 一樹 関連記事 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.1~今年は3人がカナダへ! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.2 ~ カナダに来て3週間がたちました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.3 ~ ウィンタースポーツ観戦を楽しみました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.4 ~ 祝日の過ごし方! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.5 ~ 誕生日を祝ってもらいました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.6 ~ もうすぐクリスマス! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.7 ~ 新年も積極的に活動しています! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.9 ~ お正月を2回体験しました! ▶ イギリス短期語学留学2024についての記事は こちら ▶ カナダ短期語学留学2024の記事は こちら
2025.02.07
英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.9 ~ お正月を2回体験しました!
2020年度に開設された現代教育学科英語教育コースでは、6か月間にわたって英語圏で生活し語学や異なる文化・価値観を学ぶ「セメスター留学」を2回生後期に開講。今年度は、2回生3名が、2024年9月21日(土)にカナダのビクトリアに出発しました。現地からの学生リポート第8弾です! こんにちは。教育学部 現代教育学科 英語教育コース2回生の福岡 煌大です。2月になり冬の寒さも本格的に感じるような気候になってきました。最近学校に行くような時間帯はマイナスの気温になる頻度が増え、体調管理が少し難しくなってきました。今回も前回のブログ以降に私が経験したことについて書いていこうと思います。 海外で迎えたお正月 人生で初めて国外で迎えた正月は記憶に残るものとなりました。 日本では正月におせちを食べる、初詣に行く、おみくじを引く、家族と時間を過ごすなどが一般的ですが、カナダではそういった特別なことはなく、ただ新年をカウントダウンすることは世界共通でした。新年を祝うイベントが大晦日にあり、そこではカナダの伝統料理のプーティンやホットチョコレートが売られていました。 ▼ 会場の様子 とても海外っぽいと感じたことが簡易的な観覧車が会場に設置しており、私たちも乗車してきました。一般的な観覧車とは違って少しスピード感があり海外のユニークな点を感じることができました。またその場ではアーティストの方がステージでショーを開催し、多くの人がステージ前で歌って踊っており、一種のフェスティバルのように感じました。海外の方の熱気が高く一部の人は仮装をしておりハロウィンを二度味わったような感覚でした。 学校は大晦日であるにもかかわらず授業があり、元日のみが休日でその次の日からも学校があり不思議な感覚でした。 旧正月も体験! カナダは多くの国の人々が暮らしているため、旧正月もカナダに来て経験することが出来ました。中国や韓国は日本とは暦が違い、1月1日に祝わず、1月29日に祝いました。一年で2回も正月を経験するというのは少し不思議な感覚でした。 ▼ China Town その際にDown Townの近くにあるChina Townに行き中国の歴史について学び、中国料理もGVの友達と一緒に食べてきました。中国と韓国の友達がいたので、言語や旧正月についても教えてもらうことが出来、いい経験となりました。 Origami Activityに参加! Global Villageでは毎週アクティビティがあり、無料のものもあれば料金を払って参加するものもあります。とても魅力があり多くの生徒が参加しています。その中で折り紙を折ろうというアクティビティがあり、日本人としてこれは参加せねばと思い参加してきました。 海外の人たちは折り紙をあまり知っていなかったため、私たち日本人が教えるなどして自分の英語のスピーキングの練習にもなり、また文化交流ができたためとても楽しかったです。旧正月ということもあり、今年の干支は巳なのでみんなで蛇をおりました。他にも鶴や兜やハートなどみな興味津々で取り組んでいました。 GVでの学習は、よりコミュニケーションが流暢になり海外の友達も多くできているので日々スピーキングとリスニングが鍛えられていると実感しています。友達とご飯に行く機会や遊びに行く機会が増えてきたため日本ではなかなかできない経験ができています。 残り留学生活も一か月となり残り時間が少ないため少し焦りもありながら、後悔の無いようにより充実した留学生活にしたいと思います。ご覧いただきありがとうございました。 現代教育学科 英語教育コース 2回生 福岡 煌大 関連記事 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.1~今年は3人がカナダへ! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.2 ~ カナダに来て3週間がたちました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.3 ~ ウィンタースポーツ観戦を楽しみました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.4 ~ 祝日の過ごし方! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.5 ~ 誕生日を祝ってもらいました! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.6 ~ もうすぐクリスマス! 英語教育コース「セメスター留学2024」 現地リポート vol.7 ~ 新年も積極的に活動しています!|KIO Smile Blog ▶ イギリス短期語学留学2024についての記事は こちら ▶ カナダ短期語学留学2024の記事は こちら
2025.02.06
虐待防止教育に取り組む卒業生が大学に帰ってきてくれました!~現代教育学科
現代教育学科13期生(2022年3月卒)の尾上 翼さん、小松 奏楽さんが近況報告で大学に帰ってきてくれました。現在お二人は子ども虐待防止団体HeartresQ の一員として活動しています。今回はクラウドファンディングを経て一般社団法人を立ち上げた尾上さんに、大学のことや今やろうとしていることを語っていただきました。 自己紹介・略歴をお聞かせください 教育学部13期生の尾上 翼(右)です。 現代教育学科 幼児教育コース で4年間所属し、保育や教育について学んできました。2022年3月に卒業し、大阪の児童養護施設で勤めながら、クラウドファンディングで資金を調達し一般社団法人 HeartresQを設立し、代表理事に就任しました。2024年4月から法人の資金調達を行うために、個人事業を開業し現在に至ります。 なぜ、社団法人を立ち上げたのですか? 私たちHeart resQは児童虐待を防止し、子どもたち並びに子どもを持つ保護者も笑顔で溢れる社会を実現したく立ち上げました。児童虐待をなぜ防止したいと思ったのかについては、まさに畿央大学での学びの中での「気づき」からでした。私は「児童虐待」という言葉を大学2回生の時に初めて知りました。 その実態を知りたいと思い、当時の授業をしてくださったた吉原 豊先生と実際に児童養護施設へ見学に行き、その後アルバイトとして働く中で私の人生の分岐点がやってきます。 少し関わる程度であれば、虐待を受けて育ったとは思えないとても明るい子どもたちがいっぱいです。しかし長い時間過ごしていると、子ども自身の心に一生消えない傷ができて苦しんでいる姿を目の当たりにしました。その時に、 虐待についてもっと早く知りたかった 児童養護施設に早く来たかったSOSを 出せる場所が欲しかった そんな言葉を聞きました。その子どもたちの声を聴いて、私は子どもたちや子どもを支える保護者がもっと笑える社会を作るために児童虐待のない社会を作ることを決心し、団体を立ち上げました。 どのような活動をされていますか? 現在は、「虐待についてもっと早く知りたかった」「児童養護施設に早く来たかった」「SOSを出せる場所が欲しかった」という子どもの声を実際に実現すべく活動を進めています。 具体的には、児童虐待予防教育のカリキュラムを作成し、行政機関と一緒に授業を取り入れていくための協議を繰り返しています。実際に児童虐待予防教育を行なった後、子どもたちがどこにSOSを発信すればいいのかと思った時に、SOSを受信できる場所として、また子どもたちのことを支えることができるように「子どもの居場所」を開所するための準備を行なっています。 また、熱い思いを持つ児童虐待防止活動者が孤立して、活動を諦めてしまう人も多く見てきた為、自社で児童虐待防止活動者のオンラインコミュニティを立ち上げました。現在会員は15人で児童虐待のない世界に向けて活動をしています。 振り返ってみて、畿央大学での4年間はどうでしたか? 畿央大学で過ごした4年間は、本当に濃い時間でした。畿央大学に入学していなかったら、「児童虐待」という言葉も知らずに生きていて、今では全く別の活動や仕事をしていたかもしれません。また、人にも恵まれました。教育に携わる友人が多く、「児童虐待防止活動」を行う際には協力してくれる友人もいました。このような課題に取り組むことができたのも、教育学部にいたからこそだと思います。 大学のキャンパスライフとしては、とても楽しい思い出がたくさんあります。クラスの友人と毎日地下食堂で話したり、一緒に遊んだり、時には提出期限が迫っている課題を一緒にしたりと、とても濃い時間を過ごしました。 教育学部での学びは、今にどう生きていますか? 現代教育学科での学びは、私にとって最も大切な土台となっています。幼児教育コースで学んだ私は、子どもの支援を発達の段階から考えるだけでなく、環境設定や海外で取り組まれている教育の仕組みを学び、子どもへの関わり方の視点が広がりました。畿央大学の4年間で、子どもと関わる中で遊びを通して何を伝えたいかを学びました。「遊び」や「環境」など、どれひとつ取ってもこだわることで子どもへの支援方法が変わると感じています。このような基礎を学び、児童養護施設での勤務でも実践的に活かしています。 また、授業では、たくさんの質問やチャレンジしたいことを教授に尋ねる機会が多くありました。先生方はいつも「まずはやってみたらいい」「やってみないと分からない」と励ましてくれました。この経験から、「まずは一歩踏み出してみる」という精神を学びました。入学当時ピアノが弾けなかった私も、「まずはやってみないと分からない、あとは努力の数」と言われたことを鮮明に覚えています。頑張らない人に結果はついてきませんが、頑張った人には必ず何かの成果がある。そう思えるようになったのも、この4年間の経験のおかげです。 今後の目標や展望をお聞かせください 私の目標は、「笑顔で溢れる社会」の実現です。「笑顔」の作り方はたくさんあります。例えば、お笑いや美味しいご飯、友人と過ごす時間などが自然と笑みをもたらします。しかし、その中でも特に私は「児童虐待」という問題を解決することを決心しています。 児童虐待を受けた子どもたちは、心に深い傷を一生背負って生きていかなくてはなりません。助けを求めたいけれど、求めても何もしてくれなかったという喪失感や、「大人はどうせ頼りにならない」という無力感を持ちながら苦しんでいる子どもがたくさんいます。私は、そんな社会を終わりにしたいと思っています。 助けを求めて助けてもらえる、また大人を頼ればどうにかなると思ってもらえるように、SOSを発信しやすい環境を作っていきます。直近の具体的な目標としては、誰もが遊びに来られる学校外の居場所を創造することです。 地域のコミュニティが衰退してきた今、子どもの遊び場も少なくなっています。また、保護者も地域内で孤立してしまい、子育ての相談ができる人がいなくなる傾向があります。そこで、大人も子どもも気軽にほっと一息つける居場所を作っていきます。さらに、子どもたちの未来を守るための教育カリキュラム「児童虐待予防教育」も進めていき、子どもも大人も笑顔で溢れる社会を実現します。 最後に在学生や大学に向けてメッセージをお願いします! 在学生の皆さんへ 大学生活は「人生の夏休み」とよく言われています。また、大学受験する際にこんな言葉を言われませんでしたか? 「受験勉強は、夏休みが1番の山場」 世の中では、「夏休み」という期間をどう使うかそれでその後の人生が変わってくるかもしれないということです。しかも、「夏休み」が4年もあります。この時間をどう使うかで、社会人になるまでに大きく差がつきます。現に私も大学1年生の時に、他の大学で起業している人や社会で成功している同年代の方と会い、ものすごく差を感じました。正直こんなに差があったら追いつけないとも諦めかけた日もあります。諦めることは本当に簡単です。でも、諦めなければクラウドファンディングで資金調達も会社を設立することも、行政機関と連携した居場所作りをすることも必ずできます。必ずと言い切れるのは、諦めずにずっと続けるからです。僕は、とんでもないほどの負けず嫌いで、しつこいやつです。だから、居場所作りの開業も虐待予防教育の導入も必ずやり遂げます。 「夏休み」という時間をどう使うかはあなた次第です。それぞれが最高に楽しい大学生活を送ってください!応援しています! 畿央大学の皆さんへ 在学中は本当に色々なことでご迷惑をおかけしたこともたくさんあると思います。そんな中でも優しく何も知らない私に、世の中のことを教えていただきありがとうございました。畿央大学に在学していたからこそ、私は今の活動ができています。 2021年に奈良県で虐待防止イベントをする際や2022年に奈良県庁に訪問した際も本当に温かく見守ってくださり、無事に会社も設立することができました。畿央大学を卒業したことを誇りに思って今後とも活動を続けてまいりますので、今後とも何卒よろしくお願いします。 関連記事 海外のスポーツチームでトレーナーをする卒業生が大学に帰ってきてくれました~理学療法学科 【森岡准教授が読売新聞に】8/17(土)夏の無料体験講座「ひらめき☆ときめきサイエンス」予約受付中! 6/21(金)ならコープとのコラボ企画「こども寺子屋」を開催しました! タイ ドンデーン村での教育調査レポートvol.4~学校での授業実践を通じて タイ ドンデーン村での教育調査レポートvol.3~タイ農村部の教育的課題って? タイ ドンデーン村での教育調査レポートvol.2~コンケン大学でワークショップに参加! タイ ドンデーン村での教育調査レポートvol.1~現代教育学科教員が22年ぶりの再訪!
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