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理学療法学科

2014.12.10

大学院生が神経理学療法学会学術集会で発表しました。

畿央大学大学院健康科学研究科博士後期課程の佐藤さんが、平成26年12月6日(土)・7日(日)に、茨城県つくば市で開催された第11回神経理学療法学会学術集会に参加されました。 レポートが届きましたので紹介します!   第11回の学会テーマは,学会長の茨城県立医療大学の水上昌文教授の計らいで脊髄損傷に焦点をあてたものが大半を占めていました.医師を中心とした学会では,脊髄障害(脊髄損傷)に特化したものはありますが,理学療法士の学会では私が知る限りでは初めてでした.普段,脊髄損傷の方のリハビリテーションに関わっている自分にとっては非常に興味の惹かれる内容となっていました.     まず,12月6日の特別講演は「脊髄再生に関する取り組みの現状と理学療法(リハビリテーション)の役割」というテーマで国立障害者リハビリテーションセンター障害者健康増進・スポーツ科学支援センター長の緒方徹先生がご講演されていました.緒方先生は長年,脊髄の再生医療に関わってこられた実績があり,再生医療の歴史から原理・現状(臨床試験)についてわかりやすく解説していただきました.理学療法士が直接的に再生医療に関わることは少ないように思いますが,将来的にはそういった治療をされた方が身近になることも遠くない印象を受けました.現時点では,治療の対象になる方の基準は厳しいものがありますが,今後は段階を追って可能性が広がっていくように感じました.特に理学療法士にとっては,単に筋力を強化するといった身体を鍛えるという視点だけではなく,歩行のCentral pattern generatorに代表されるような神経回路を再構築していく視点の重要性を再確認することができました.私は神経リハビリテーション学研究室に在籍しているので,研究室メンバーが取り組んでいる研究などをもとに色々なアイデアを持ち治療へ応用していく必要性を感じました.   次にシンポジウムでは「神経理学療法の挑戦」ということで,水上教授・総合せき損センターの出田良輔先生・中部労災病院の長谷川隆史先生・茨城県立医療大学付属病院の吉川憲一先生がファシリテータとして情報提供をされていました.テーマは「神経理学療法の挑戦」ということですが,ファシリテータの皆さんは脊髄損傷者のリハビリテーションに携わっている方々でしたので身になる情報を得ることができました.水上教授からは,日本の脊髄損傷者のリハビリテーションの歴史と国内におけるトピックスについてわかりやすい解説を聴くことができました.出田先生からは,以前に私も共同研究として参加させていただいた脊損データベースの構築についての意義と現状について紹介がありました.長谷川先生からは吊り下げ式トレッドミル歩行トレーニング(Body Weight-Supported Treadmill Training:BWSTT)を用いた臨床介入によるデータの提示と現状・今後の展望について話を聴くことができました.私が勤務する病院でも同様の設備があるので,興味深い内容であるとともに自分達もデータを蓄積し分析していく必要性を感じました.吉川先生からは,ロボットスーツHAL®を使用した臨床介入データの提示と現状・今後の展望について話題提供がありました.BWSTTと同様にロボットスーツHAL®も勤務病院にあるので,興味深く聴くことができました.現状での臨床的効果としては,少しずつ公表され始めているようですが,ロボット技術が先行したような感じで具体的な臨床適用の方法についてはまだまだこれからのようでした.すでにBWSTTは導入されている施設も多いと思いますが,ロボット技術とも上手に付き合い,神経回路・神経ネットワークの再構築の視点に立ってアイデアを出していく必要性を感じました.ただし,理論を構築していく上では大学や研究機関の研究者の方と共同していかなければ実現は難しいと思いました.     12月7日は午前中が第22回脊髄損傷理学療法研究会との共催企画でのワークショップでした.「脊髄障害の理学療法・課題と展望」をテーマに「臨床」・「教育」・「研究」の3グループにわかれディスカッションを行いました.私は「研究」のグループに加えていただき,脊髄損傷者のリハビリテーションに関連した研究の問題点と展望についてディスカッションを行いました.ワークショップでは,冒頭に「臨床」について神奈川リハビリテーション病院の藤縄光留先生,「教育」を金城大学の丸尾朝之先生,「研究」を岡山労災病院の武田正則先生から現状と問題点について話題提供がありました.武田先生からは,過去5年間の国内外の脊髄損傷者のリハビリテーションに関する研究の動向について解説を聴き,国内と国外との大きなギャップがあることを教えていただきました.国内では,移動機能やADLの調査,ロボットや再生医療に関連したものが多いのに対して,国外では運動療法全般や痛み等の実際にリハビリテーションを行う上で難渋することをテーマにしているものが多いとのことでした.私は「脊髄損傷後の痛み」をテーマとしているので,国内外での取り組みにギャップのある分野にあたりますので,今後さらに研究をすすめて国内外で公表していく必要性を感じました.   午後からは,脊髄損傷後の痛みに関する研究について口述発表させていただきました.座長の星ヶ丘医療センターの羽田晋也先生には,セッション外でもディスカッションをしていただき,非常に有意義な時間を過ごすことができました.その他にも色々な方から研究に対するアドバイスをいただくとともに,痛み研究の必要性については肯定的な意見をいただき今後の励みとなりました.本当にご意見をいただいた皆様・研究のお手伝いをいただいた被検者の皆様に感謝したいと思います.また,研究内容についてディスカッションに参加してくれた研究室メンバーにも同様に感謝したいと思います.   余談になりますが,12月6日には脊髄損傷理学療法研究会の総勢50名余りが参加した懇親会にも参加させていただきました.毎年,研究会には参加していますが今回は研究テーマを話題として脊髄損傷者のリハビリテーションに関わる全国の理学療法士の皆さんと情報交換や仲を深めることができました.   最後につくば市は寒かったですが,私にとって非常に有意義な時間を過ごせた学会でした.これも研究活動を支援していただいた畿央大学ならびに森岡周教授,そして研究室メンバーの協力があってのことだと思っております.このような充実した時間を過ごす機会を与えていただき心から感謝申し上げます.       畿央大学大学院 博士後期課程 佐藤 剛介

2014.12.09

ニューロリハビリテーションセミナー臨床編を開催しました。

2014年12月6日(土)、7日(日)にニューロリハビリテーションセミナー臨床編が開催されました. 寒さが厳しい日での開催となりましたが,300名以上の方々にお越しいただきました.ありがとうございました. 当日の模様を,私(大住倫弘)の方から報告させてもらいます. 今回は7講座+症例提示をさせて頂きました.     松尾先生による「損傷脳の再組織化と機能回復の神経機構」では,脳損傷後のシナプスレベルでの変化から脳機能の変化まで網羅された情報提供でした.脳卒中後の機能的コネクティビティについてのfMRI研究も多く紹介してくれ,回復プロセスでそのようなリハビリテーションが必要なのかを考える材料となったと思います。   前岡先生による「痛みの神経機構」では,痛みに関する神経科学的知見の情報提供でした.慢性疼痛における機能的コネクティビティの変化や,慢性疼痛患者に対する教育学的アプローチに関するものは非常に興味深いと感じました.   冷水先生による「運動失調症の神経機構」では,いわゆる失調症についての臨床的知見を多く紹介されました.運動障害におけるサブタイプ分類の方法や,失調症患者さんの運動学習の可能性についての知見を多く紹介してくれました.まだまだ失調症に対するニューロリハビリテーションのエビデンスが低いことも今後の課題としてお話頂けました.   岡田先生による「Parkinson病の神経機構」では,実際の症例の動画も提示しながら,パーキンソン病に出現する感覚運動障害や訴えを紐解くための科学的知見を大量に紹介してくれました.基底核のみならず,parietalの機能低下やSMAとの機能的コネクティブティの異常なども取り上げてくれました.     森岡先生による「半側空間無視の神経機構」では,半側空間無視の様々な病態を分類していく必要性が分かる講義になっておりました.また,情動や文脈が注意に及ぼす影響なども網羅された情報提供になっており,注意という機能の深さを感じました.   信迫先生による「失行の神経機構」では,オンライン情報処理,オフライン情報処理,その相互作用,模倣,・・・と広範で膨大な情報提供でした.膨大な情報と対照的な優しい語りがとても印象的でした.本年度は統合運動障害に関しても,実際の動画を交えて解説されました.   松尾先生による「神経科学に基づく脳卒中リハビリテーション」では, Dose-dependentに基づくリハや、脳半球間抑制モデル・運動イメージ・運動観察などのエビデンスが次々と紹介されました.報酬フィードバックやチームワークの重要性も紹介され,社会的要因がリハビリテーション効果に影響を与えるという意味でとても興味深かったです.   本年度のセミナーでは,神経科学を用いたクリニカルリーズニングとして,実際の症例報告を紹介されました. 今年度は,私(大住倫弘)が複合性局所疼痛症候群の症例を,大松さんが半側空間無視の症例を提示しました.不十分な部分が多くあると思いますが,基礎的知見と目の前の患者さんの症状とを行ったり来たりしながら,病態を紐解き,介入手段の選択を吟味していくプロセスは紹介できたかなと思います.     今回は,このような症例を提示する機会は一方向性のものでしたが,次年度は「ニューロリハビリテーションフォーラム」という場で,1症例を2時間ほど参加者の皆様とディスカッションする機会を設けたいと思っています.アナウンスは,畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターHPや畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター公式facebookからしていこうと思っていますので宜しくお願い致します.   また,次年度からは内容をリニューアルしていこうと考えております!これまでニーズが高かった「応用編」「臨床編」をさらに分厚くするために,「機能編A」「機能編B」「病態・臨床編」というように講座数を増やしていく予定です.既に参加された方々にも新たな情報を提供できるかと思いますので,是非とも一緒に意見交換できれば幸いであります.     畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター 大住倫弘

2014.12.03

第30回KSM(Kio Study Meeting)を開催しました。

畿央大学理学療法科、4期生の中田宏樹です。   11月30日に第30回KSM(Kio Study Meeting)を開催しました。 KSMとは畿央大学4期生が中心になり行っている卒業生の理学療法勉強会です。数年前から始めた勉強会もはや30回目、毎回非常に楽しく勉強させて頂いてます。   今回は上田さんの「TKAについて」、熊本さんの「訪問リハビリについて」の二題でした。   上田さんは自分自身は整形術後のリハビリ経験が少ないとのことで、勉強をするきっかけにするためあえてTKAでの発表をしてくれました。 たくさんの文献を読み込んで発表をして頂いたので、その文献上の知識と他参加者の経験とを照らしながら有意義なディスカッションが出来ました。 術式によって理学療法のやり方を変えていくべきなのですが、そのための細かい術式まで述べて頂き良い勉強になりました。     次に熊本さんの訪問リハビリについての講義です。 熊本さんの回復期病棟から訪問リハビリに移行した経験から、訪問リハビリを行う上で大切だと考えることを述べて頂きディスカッションしました。 また在宅ならではの患者様の悩みについても共有し、症例を通して話し合いを行いました。 在宅での関わりの中でまず浮かぶデイサービスと訪問リハビリ。 患者様がサービスに依存してしまうことで、社会復帰が困難になることが共通の悩みとしてありました。その悩みの原因の一つに、「どこを薦めていいかわからない(デイサービス、その他介護事務所など)」ことが挙げられました。 おそらく同じような悩みを抱えているセラピストはたくさんおられると思います。 今回それを解決するような包括的な地域サービスが開発途中であることを教えて頂きました。 アプリで簡単に施設やその施設の特徴を検索できるようなもので、実現すれば非常に面白い。そう感じています。     今回は参加人数が3名と、いつにも増して少人数となりました。 発表数は2題と少なかったものの…何故か普段よりも長いディスカッションを行っています。 メンバーの結婚ラッシュにより最近参加人数が減ってしまっていますが、今後もパワフルに勉強していきたいと思っています。   理学療法科4期生 中田 宏樹

2014.11.27

国際学会「Society for Neuroscience」参加レポート!~大学院健康科学研究科

2014年11月15日(土)~19日(水)に、アメリカのWashington D.C.で開催されたSociety for Neuroscienceに参加させて頂きました。 畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターからは森岡周教授、冷水誠准教授をはじめ、森岡研究室の大学院性5名(修士課程4名、博士課程1名)が演題発表しました。 本学会は毎年多くの演題が募集されており、今回は世界各国から神経科学の研究者が31000人以上参加し、15000以上の演題発表が行われました。このような大きな規模の学会は国内では見当たらず、私自身初めて国際学会に参加させて頂くこともあり、様々な職種の方々が会場内で所構わず議論されている環境に大変感銘を受けました。 本学会は英語での発表であり、私は意見交換など大変苦労しましたが、森岡周教授や冷水誠准教授、博士後期課程3年の大住倫弘さんといった先生方が英語で円滑に意見交換をしている姿を見て、次に国際学会に参加する際には、「自身の考えをもっと正確に伝え,有益な意見交換を行う」といった目標をたてることができました。 また、今回共に参加した同期入学の修士課程2年保屋野健悟さん、脇聡子さん、後輩である修士課程1年の高村優作さんが発表している姿から多くの刺激を頂き、今後いっそう切磋琢磨し自身の研究・臨床を磨いていきたいと感じました。森岡研究室では日頃の授業においても研究内容に対して議論しあうことが多く、大変恵まれた環境です。研究室内でお互いを鼓舞しあえる環境にあることは本当にありがたく、何よりも自身を成長させてもらえるものだと改めて感じました。 本学会に参加し研究発表、意見交換を行えたことは、私自身にとって貴重な経験となりました。本学会を通して「自分の安心できる範囲で留まらず新しい環境に飛び込むことで多くのことが学べること」、多くの演題発表を聴講する中で「自己の研究能力の向上には想像力、知識の幅が必要であること」、今後社会的に貢献ができるような研究をしていくためには「自己の考えに対して、賛同や批判的な意見をして下さる人脈」などが重要であることを学ぶことができました。 最後になりましたが、このような貴重な経験ができたのは畿央大学の研究活動に対する手厚い支援と、森岡周教授をはじめとする多くの方々のご指導やご協力があってのものです。このような環境で学ばせて頂いていることに深く感謝し、この経験を今後の研究や臨床に結びつけるように励んでいきたいと思います。   畿央大学大学院健康科学研究科神経リハビリテーション学研究室 修士課程2年 湯田智久

2014.11.26

卒業生が4回生に国家試験勉強の経験談を講演しました!(理学療法学科)

今年度の理学療法士国家試験は2015年3月1日(日)、2日(月)に行われます。 各学科でそろそろ国家試験に向けた勉強をはじめていますが、理学療法学科ではそんな4回生の国家試験対策とモチベーションアップのために『理学療法総合演習』の授業で、毎年、卒業生から国家試験についての勉強ノウハウを聞く機会を設けています。 11月18日(火)には、今年2回めの講演会が行われ、聴講していた学生からは早くも国家試験に対する意気込みが感じられました!!     【講演した卒業生のコメント】 私たちは今年3月に卒業し、4月からそれぞれ病院で働き、臨床を半年経験しました。社会人として働く中で、学生とは違う責任の重さや対人関係、また座学や教科書では得ることのできない知識や技術を常日頃から学んでいます。実際に患者様と向き合うことで、臨床現場の楽しさを経験し、理学療法士として仕事のやりがいを感じています。 私たちも畿央大学に在学中は、先生方のご指導や協力を経て国家試験に無事合格することができました。今度は私たちが母校に何か還元したいという気持ちと、後輩が無事国家試験に合格し、理学療法士の仕事のやりがいと楽しさを知ってほしいと思いがあり、今回講義という形でお話しをする機会をいただきました。 内容としては、国家試験の概要、実際に私たちがしていた勉強方法・時間の使い方を一つの方法としてアドバイスさせていただきました。4回生の皆が真剣に話を聞いてくれており、国家試験に対する真剣さが表れているのではないかと感じました。講義後には、個別にたくさんの質問を受け、こちらもこのような機会を得てよかったと思いました。 今回の私たちの話を国家試験の勉強法として多少でも参考にしていただくことができ、全員が頑張って国家試験に合格して理学療法士になっていただければと思っております。 畿央大学の理学療法学科の合格率が、3年連続100%となることを心より願っております。 あんしん病院  前原  駿 愛仁会リハビリテーション病院  松江 愛奈   【参加した4回生の感想】  卒業研究発表も終わり、国家試験も迫ってきていることで焦っていました。 その様な中、先輩から勉強方法をお聞きしたことで、今後どの時期にどのように勉強すればいいのか参考になりました。 今回講演に来てくださった先輩たちのように頑張って勉強して必ず国家試験に合格し、臨床現場で楽しく働けるようになりたいと本気で思いました。

2014.11.19

女性専用フィットネスクラブ「カーブス広陵店」と連携した健康講座を開催しました。

畿央大学隣のエコール・マミ南館マミホールで約60名のカーブス会員が受講!   エコールマミ北館2階の女性専用フィットネスクラブ「カーブス広陵店」と畿央大学は2011年4月から連携し、地域のみなさまの健康増進のため定期的な骨密度測定、運動や食事に関する相談会、健康に関する講演会を行っています。 同店は2010年に開業し1年後には会員数300名、その後毎年100名ずつ会員数を伸ばし現在600名を超える規模にまで成長している人気の高いフィットネスクラブです。   2014(平成26)年11月15日(土)エコールマミ南館のマミホールにおいて、畿央大学理学療法学科松本大輔先生による第6回カーブス健康講座が開催されました。     年齢層としては子育てを終え「自分の健康」に強い関心を持ってこれからの人生を楽しく健康で長生きしたい、そのために1日30分間カーブスで体を鍛えたいと願う50歳代後半から70歳代の方々がほとんどです。 そこで、松本先生の講座内容は、 ①健康寿命と介護予防 ②更年期(中高年期)と運動の関係 ③美しいカラダを作るための姿勢と歩き方 の3つの観点からお話していただきました。     日本人の平均寿命が女性86.30歳、男性79.55歳(H22年)ですが、健康寿命(日常的に介護を必要とせず、自立した生活ができる期間)は女性73.62歳、男性70.42歳で、その差女性12.68歳、男性9.13歳というこの期間をできるだけ伸びるよう、普段から生活習慣病の改善にどう取り組んでいくかが重要です。 そして、姿勢を伸ばして美しいカラダを作る大切さを説いていただきました。   【関連記事】 女性フィットネスクラブ「カーブス」の骨密度測定会を実施しました。

2014.11.17

理学療法学科卒業研究発表会を開催しました。

2014年11月8日(土)・9日(日)に理学療法学科卒業研究発表会が行われました。 在学生および教員から当日の様子についてレポートが届きました!   【卒業研究発表会当日まで】 理学療法学科4回生、庄本ゼミの柿本優生です。 庄本ゼミは、昨年2013年11月頃には研究内容(神経筋電気刺激による呼吸循環動態への影響)を決め、12月にはその研究に関する論文を読み、ゼミ内で論文を発表し合っていました。 2014年1月~2月にはゼミ内でプレ実験を行い、実施に関しての改善点などを話し合いました。 3月~7月までは、学外の長期実習などで研究を進められませんでしたが、8月下旬には実施計画書を書きつつ被験者を集め、何度もプレ実験を行いました。 9月中旬には本実験を始め、データ収集やデータ整理を行い、10月下旬には統計、解析を終えている状態でした。 11月に入って卒業研究発表会に向けて資料用スライド、発表用スライドを同時進行で夜遅くまで作成して、本番を迎えました。 ザッと書きましたが、私のゼミは比較的スムーズに研究を進められたと思います。 その理由として、実習前にはテーマを決めて、早めに準備ができていたこと。 また、私のゼミは4人で1つの研究をしているのですが、役割分担を上手く行い、チームとして動けていたからだと思います。 そのようなことを踏まえて、後輩の皆さんへアドバイスできることは、 早めにテーマを決め、早めに研究に取り掛かることだと思います。 もう取り掛かっているゼミもあると思いますが、 来年も有意義な研究発表会になることを願っています。   【発表会当日】   平成26年11月7日~8日の2日間にかけて、 全42演題の熱い卒業研究発表会が行われました。 全て活発かつ興味深く、質疑応答では先生方や在校生から 沢山の意見・質問が飛び交う有意義な発表会になったと思います。     このような有意義な発表会になったのも研究について無知な私たちに朝から夜遅くまで 付き添って教えていただいた 先生方の手厚いご指導のおかげだと思います。 ありがとうございました。   また、卒業研究発表会に向けて 仲間と助け合い、時にはぶつかり、そして話し合い、試行錯誤し... いい研究を作り上げようという皆の熱い思いが 結果に現れたのだとも思います。 とてもいい経験ができました。     発表が終わった後は、庄本ゼミ好例の「創作お好み焼き 満月」さんで 最高のお酒と最高のお好み焼きで打ち上げをしました。 研究や発表のフィードバック、熱いお話を頂きながら、最高の時間を過ごしました。 庄本ゼミは打ち上げまでが発表会なのです。     発表までのプロセスや飲み会などの経験・学びを活かして 理学療法士になった時に日々の業務をこなすだけでなく、臨床の疑問を研究していけるような熱い理学療法士になりたいと思います。 理学療法学科4回生 柿本 優生   ●理学療法学科教員から   11月7日、8日の2日間で42演題の発表が行われました。 テーマは脳科学、コミュニケーション、物理療法、心理、姿勢、スポーツ、子ども・妊産婦・高齢者への調査、動物実験による基礎研究など、理学療法をさまざまな角度から見た幅広く、1発表7分では収まりきらない内容と熱い思いが詰まった発表でした。   理学療法学科の卒業研究は、3回生の前期から各教員のゼミに配置され、英語論文の抄読や研究計画の準備を少しずつ行ってきました。 3回生の2月~4回生7月末までは病院実習があり、実習を終えてホッとする時間もなく、就職活動、国家試験勉強と併行しながらデータ収集・解析、結果の解釈から考察、プレゼンテーション作成、発表準備と、慌しい中で多くの時間を研究に費やしました。   理学療法士の学会に出せるほど深く考えられた内容もたくさんあり、年々質が高くなってきているのが感じられ、また今年は以前と比べ、質問が多く、活発なディスカッションができていたのが印象的でした。   本学の特徴として、指導教員の専門分野が多分野に分かれており、また、それぞれの教員自身も学会発表や論文掲載で日頃から研究に対し研鑽しています。そのような教員から指導を受けることでより深く、また幅も広く洗練された研究が可能となっています。   学生たちは教員からの厳しい?指導の中、夏休みもなく毎日、毎日、夜遅くまでデータ解析を行ったり、文献を読んだり、発表の準備、・・となかなか大変な日々を送りました。 実験をより精度のいいものにしようと、1からデータを取り直すこともあります。 3年半の学生生活と病院実習で培った学習・経験・タフさ?を活かして、物事をより深く考えることができるようになっており、夜遅くまで教員と熱い議論になることも。   この機会に養った思考は研究以外にも非常に役に立つはずです。また、卒業生の中には病院に就職してからも、「患者さんをよくしたい!」「自分の技術や能力高めたい!!」ということで大学院に入学したり、大学に足を運んで教員と一緒に研究を行ったりしています。   今回の卒業研究を通して、物事を客観的に捉え、深く突き詰めていくことを経験し、患者さんをよりよくするために努力するマインド「All for Patients」がさらに育ったのではないかと思います。「選ばれる理学療法士」になり続けるための土台として本学の学びがあればうれしい限りです。   これからは休むことなく、国家試験100%合格をめざして、猛勉強!!! 理学療法学科教員 一同

2014.11.10

第7回運動器疼痛学会学術大会に参加しました!(大学院健康科学研究科)

10月25日(土)・26日(日)に山口県ANAクラウンプラザホテル宇部で『第7回運動器疼痛学会学術大会』が行われました.   畿央大学大学院健康科学研究科神経リハビリテーション学研究室からは,D3大住倫弘さん,D2佐藤剛介さん,M2今井亮太,M1片山修さんが演題発表しました.そのなか,D2佐藤剛介さん,M2今井亮太は優秀賞候補にノミネートさました.結果は次回『第8回運動器疼痛学会』で発表されます.     シンポジウムでは「運動器疼痛に対する臨床的アプローチとその根拠」について,4名のシンポジストが様々な視点から講演されました.村上孝徳先生(札幌医科大学リハビリテーション医学講座),「上肢CRPS症例に対する運動療法の効果-fMRIによる皮質認知領域検討-」,池本竜則先生(愛知医科大学運動療育センター・痛みセンター)「運動療法の実際とその効果」,信迫悟志先生(畿央大学ニューロリハビリテーション研究センター客員研究員)「運動器疼痛に対する神経科学に基づいたアプローチの試み」,石田和宏先生(我汝会えにわ病院リハビリテーション科)「腰部疾患における運動療法の効果とその根拠」.座長は矢吹省司先生(福島県立医科大学整形外科学講座),森岡周先生(畿央大学大学院健康科学研究科主任・教授)でした.     シンポジウムの中では,末梢や全身に対する運動療法や急性疼痛,慢性疼痛への運動療法など,痛みの評価を細分化し適切な運動療法を実施していくための議論がなされていました.また,今までに評価や治療を行う上で考えられていた「痛みの多面性」についても再考していく必要性があると感じました.これからはMotivation,報酬,学習などを応用したリハビリテーションを実施していくことが大切であり,今までの運動療法を見直す必要性を感じました.加えて,痛み治療においてはMotivation,報酬,学習をはじめとした様々な視点や知識が重要であることを感じました.畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターでは,「高次脳機能学部門」,「社会神経科学部門」,「身体運動制御学部門」,「発達神経科学部門」の4つの領域で研究を行っています.大学院での授業では包括的にすべての講義を聞き,ゼミでは様々な分野から指摘・助言を頂ける環境です.このような研究領域を超えたコミュニケーションを図れることは,すぐに共同研究が行えるニューロリハビリテーション研究センターの強みであると思えます.これからは疼痛をテーマとした研究であっても,他の領域の人達と協力していくことでさらなる知見を発信していけるように思います.よりいっそう疼痛分野での研究を発展させ、より質の高い研究を提供できればと考えています.     次回の『第8回運動器疼痛学会』は,2015年の12月に名古屋で行われます.次期大会長は,理学療法士である日本福祉大学の松原貴子教授です. 10月25日に行われた懇親会での松原教授の挨拶では,コメディカルといった表現ではなく,全員をメディカルスタッフとして扱われることを伝えていました.こうした職種をこえた連携は,疼痛分野における本当の意味でチーム医療による治療の発展の一つになると考えられます.我々もこういった世の中の流れには乗り遅れないように精進していきたいと思います.   畿央大学大学院健康科学研究科神経リハビリテーション学研究室 修士課程2年 今井亮太  ※ M;Master(修士課程) D;Doctor(博士後期課程)

2014.11.07

北海道大学・畿央大学合同ゼミを行いました!(森岡研究室)

平成26年10月21日(火)、22日(水)の2日間で、北海道大学大学院の浅賀忠義先生の研究室と我々が所属する畿央大学大学院の森岡研究室の身体運動制御学部門のメンバーで合同ゼミを開催しました。     浅賀研究室では姿勢・運動制御が専門でフィードフォワード制御・フィードバック制御や歩行開始に関連する制御について床反力計や三次元動作解析装置を使用した研究を行っておられました。 解析や実験設定についてMatlabやLabview等を使用してプログラムから作成されており、厳密にデータ解析を行う技術を持っておられることに尊敬の念を抱きました。 本大学からはD3:植田、M2:石垣、菅沼、脇が脳波を用いた姿勢制御や神経学的な側面を含んだ研究を紹介させていただきました。 運動学的な領域に長けている浅賀研究室の皆さんとのディスカッションは非常に実り多いものとなり、自分の研究に対して反省すべきことも含めて多くを勉強させていただきました。     私は神経科学的な観点から歩行開始の脳波測定を行っていますが、北海道大学で歩行開始を研究されている武田さんと情報交換を行えたことはとても有意義であり、行動学的なデータ解析や実験手順について多く学ばせていただきました。 互いの研究室で得意とするところが異なっている分、それぞれの強みを活かして一つの研究を作り上げることができる可能性に気持ちが高ぶり、今後共同研究を行っていける関係を築くことができました。     また、合同ゼミ以外にも懇親会や研究室の見学の場でも、有意義な情報交換ができ今後につながる関係性に喜びを感じる時間となりました。     今回の合同ゼミ開催をご快諾いただき、貴重な時間を割いてご参加くださいました浅賀先生をはじめ、手厚くすばらしいおもてなしで迎えてくださいました北海道大学大学院生の皆さんに深く感謝申し上げます。 この素晴らしいつながりを続けていく為にも、次回は是非とも畿央大学にお越しいただき、共に実験や解析を行うことができればと思っています。 最後になりますが、このような機会を与えて下さった森岡先生、畿央大学大学院生の皆さんにも感謝申し上げます。 本当に有り難うございました。   畿央大学大学院健康科学研究科 神経リハビリテーション学研究室 修士課程 脇 聡子 ※ M;Master(修士課程) D;Doctor(博士後期課程)

2014.10.30

第29回KSM(Kio Study Meeting)を開催しました。

畿央大学健康科学部理学療法学科4期生の熊本です。   10月26日(日)に畿央大学4期生が中心になって行っている「理学療法勉強会」、KSM(Kio Study Meeting)第29回を行いました。 今回は都合のつかないメンバーも多く、5人の参加となりました。   初めに南君が「治療の原則-骨折、急性期の筋力低下-」というテーマで発表してくれました。骨折治癒に必要とされる適度なメカニカルストレスに関してや、筋力増強訓練の捉え方など、普段臨床や学生教育を行う中で生じる疑問について話をしてくれました。運動を用いた“循環動態へのアプローチ”という視点を皆でディスカッションすることが出来ました。     次に櫻井君が「肩関節の痛みについて」症例を交えて発表をしてくれました。 神経、筋、骨関節など多くの組織で複雑に構成されている肩関節に関して、解剖学的特徴や痛みにつながる関節内圧の変化について、見やすいイラストを用いながら説明してくれました。 症例に関しては、痛みの部位だけでなく、周辺部位の評価の仕方や夜間時痛の捉え方など様々な意見が出ました。     最後は山野君が「変形性関節症の治療戦略-メカニカルストレスの視点から-」というテーマで膝OAに関する発表をしてくれました。 山野君は畿央大学の運動器セミナーでも講義をしており、多くの先行研究での知見を含めた発表をしてくれました。また後半は実技も行い、アライメントを整えた状態で運動を行うことの大切さを実感をもって学ぶことが出来ました。     いつも終わった後は、疲労感とともに臨床に対するモチベーションが上がるのを感じます。 来月でKSMは30回目を迎えます。 共に成長出来る仲間と、その環境を与えて下さる畿央大学の方々に感謝しながら、学んで行ければと思っています。   健康科学部理学療法学科4期生 熊本