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健康科学専攻(修士課程)

2024.08.14

第3回日本老年療法学会学術集会で大学院生と修了生(客員研究員)が発表~健康科学研究科

2024年8月3日(土)~4日(日)の2日間にかけて第3回日本老年療法学会 学術集会 が札幌医科大学で開催されました。今年のテーマは「Well-beingな未来を創造する ~老年療法学の挑戦~」ということで、スピリチュアリティや老いと死、ケアに関することなどについて考える機会をいただきました。また、QOLやうつ・アパシーなどを扱った演題等も多く、大変勉強になりました。 地域リハビリテーション研究室からは、私(山本)が口述発表し、修士課程修了生の中北客員研究員はポスター発表という形式でそれぞれ発表させていただきました。   学会発表内容のご紹介 山本 泰忠:「Apathyを有する要支援・要介護高齢者に対するAcceptance&Commitment Therapyが身体活動量に及ぼす影響-ランダム化比較試験-」 本研究は、Apathy(病的な意欲低下)を有する要支援・要介護高齢者に対して、Acceptance&Commitment Therapyによる身体活動へ行動変容介入の有効性を検討したものです。結果、対照群でのみ高軽強度身体活動量(2.0~2.9METs)が低下し、介入後ACT群と比較すると対照群では、有意に低下していることが明らかになりました。Apathyを有する地域在住高齢者に対しての身体活動量に対する行動変容介入は、これまで報告されておらず、今回が初の試みになります。   中北 智士:「基本チェックリストの個別項目による新たな認知症スクリーニング法の検討」 本研究は、65~80 歳の要介護認定を受けていない高齢者に自治体などで要介護リスクの高い方々をスクリーニングするために用いられる基本チェックリスト(KCL)を含む自記式質問紙の郵送調査を実施し、認知症とより関連の強いKCL個別項目を同定し、簡便で精度の高いスクリーニング法を検討しました。結果、買い物、相談、階段昇降、客観的記憶障害、時間の見当識が抽出され、5 項目合計スコアは認知機能ドメイン、KCL 合計スコアよりも良好でありました。介護予防に関わる地域包括支援センター、保健師等の専門職、介護事業所等においても簡便で一般臨床で活用しやすく効果的なハイリスク者の抽出や認知症に対する予防的介入の一助となると考えられます。     その他、個人的には電子カルテ情報から収集された情報を基に、機械学習を用いられた身体的フレイルの予測精度についてのご報告やスポーツの参加経験の有無や種類によって男性では、孤独感と関連があることをご報告されている演題等がとても印象に残りました。     次回(2025年12月16日・17日)は、東京の一橋大学一橋講堂で第4回日本老年療法学会学術集会 が開催される予定となっています。テーマは「しんか ―深化・進化・真価―」となっております。臨床に従事されている医療職による演題も増えてきているそうです。更なる盛会を祈念し、今後も老年療法に貢献できるよう邁進してまいりたいと思います。   健康科学研究科博士後期課程3年 山本 泰忠   関連記事 本学にて第33回奈良県理学療法士学会が開催されました。~健康科学研究科・理学療法学科 大阪経済大学との合同研究発表会を実施!~地域リハビリテーション研究室 【快挙】本学の研究グループがパーキンソン病の姿勢障害の5因子を抽出することができました 第28回 日本ペインリハビリテーション学会 学術大会で大学院生が一般口述演題奨励賞を受賞しました!~健康科学研究科 第66回日本老年医学会学術集会で修了生と教員が発表しました!~健康科学研究科 チームKIOによる快挙!第28回日本ペインリハビリテーション学会学術大会でポスター演題最優秀賞を受賞!~健康科学研究科 【快挙】大学院生の研究において、脳卒中患者の物体把持の測定における新しいアプローチを開発しました。 OARSI2024(世界関節症会議学術大会)で教員が研究成果を発表しました~理学療法学科

2024.08.14

本学にて第33回奈良県理学療法士学会が開催されました。~健康科学研究科・理学療法学科

2024年7月28日(日) 畿央大学にて第33回奈良県理学療法士学会が開催されました。ボランティアとして参加した学生のレポートとともに学会の様子をご紹介します!   2024年7月28日(日)、畿央大学にて第33回奈良県理学療法士学会が開催されました。本学理学療法学科の岡田洋平先生が学会長ということで、同じく学科教員の瀧口先生、私梶原が準備委員として参加するだけでなく、実習を終えたばかりの理学療法学科4回生の9名も運営補助のボランティアとして参加してくれました。   今回は「挑戦する理学療法:やさしさを力に未来を拓く」というテーマで開催されました。学会の特別講演ではニューロリハビリテーションセンターの信迫先生が講師を務めて下さり、他の講演や演題の発表者にも本学卒業生が参加してくれていました。     学生ボランティアは会場の設営や参加登録の案内、講師・座長への水の手配、それぞれの会場を仕切っている運営スタッフの細かなサポートなどを行ってくれました。運営の都合上、どうしても会場を離れることになるスタッフに代わり、指示に従ってテキパキと働く学生ボランティアのおかげもあり大きなトラブルなく学会を終えることができました。   ご参加いただいた参加者、当日運営スタッフ、学生ボランティアのみなさまに深く感謝申し上げます。   理学療法学科 助教 梶原 由布   ボランティア学生の学会参加レポートをご紹介 2024年7月28日(日)、第33回奈良県理学療法士学会が本学で開催されました。本学で開催ということから、理学療法学科4年生のボランティア学生9名が運営補助として参加しました。   学会の内容としては、運動器や神経、内部障害についての発表、特別講演や教育講演といったリハビリテーションの実践に関する発表などがあり、私たちこれから理学療法士として働く学生にとっても非常に有意義な1日となりました。 ボランティア学生は、初めてのことに戸惑いながらも、スタッフとして来ていただいた様々な病院の先生方と一緒に当日の会場設営や受付・誘導といった仕事を実行しました。また、当日には奈良県の理学療法士の方々が集まったため、3回生の評価実習や4回生の総合臨床実習でお世話になった方々と再会することもありました。   当日は運営補助の合間に先生方の発表や特別講演を聞くことができました。学会では、授業で学ぶことができなかった実際の臨床現場での内容や、多種多様な症例について知ることができ、多くの学びを得ることができました。また、初めてこのような学会に参加したため、会場の空気に圧倒されていましたが、学生時代から多くの理学療法士が集まる学会の空気に触れることができ、とても良い経験ができたと感じます。   「挑戦する理学療法 やさしさを力に未来を拓く」をテーマとした講演を聴取し、今後理学療法士として働くうえでどのようなスキルが必要なのか、興味ある分野への挑戦することの大切さを感じました。   今回、学会の運営補助を行ったことで、今後理学療法士として働きたいという目標から、このような学会で他の理学療法士の方々に対して発表できるように日々学びを深めていきたいという新たな目標ができました。このような機会を与えてくださった、学会運営スタッフの皆様に感謝申し上げます。   理学療法学科4回生 中尾 有結、繁地 佑果、吉村 拓磨 関連記事 7/28(日)、畿央大学で「第33回奈良県理学療法士学会」が開催されます(学生無料) 本学教員の編集した「エビデンスから身につける物理療法」第2版が発行! 卒業生に学ぶチーム医療のリアル~理学療法学科 第3回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」

2024.07.31

大阪経済大学との合同研究発表会を実施!~地域リハビリテーション研究室

2024年7月23日(火)に大阪経済大学 人間科学部 高井教授の研究室と合同研究発表会を実施しました。高井先生は社会ライフデザインコースにて社会健康学を中心に学部生および大学院生指導を行なわれており、特に地域リハビリテーションの予防分野においては我々地域リハビリテーション研究室と近い視点で研究をされています。   本学からは私(高取)と松本准教授、D3の山本氏、M2の池本氏他、客員研究員の中北氏、仲村渠氏の9名の参加でした。 今回は我々が大阪経済大学に訪問し、まず、本研究室M1院生(鳥居、置田)、M2院生(久保田)の研究計画、進捗の発表と意見交換を行い、続いて高井先生が指導されているM2院生の研究進捗やM1院生の方々と意見交換させていただきました。     本学からはM1の鳥居氏が「回復期リハビリテーション病棟入院患者の転倒恐怖感と身体活動量の関係について」、置田氏が「介護老人保健施設における認知症入所者の身体認識誤差と転倒との関係」という現在計画中の研究についてプレゼンテーションを行いました。M2の久保田氏からは修士中間発表会を控えた進捗報告として「介護老人保健施設における笑いヨガが身体活動量に及ぼす影響」のプレゼンを行いました。   高井研究室の大学院生は中国籍の留学生がおり、看護師、介護福祉士の資格を有しておられるため、我々リハビリテーション専門職とはまた違った視点でのご意見をいただくことができました。高井先生の研究室では現在、在日中国人専門のデイサービスの現状と課題についての質的研究を進めておられ、在日中国人高齢者がデイサービスに求めているものや価値観、健康感が日本人高齢者とは大きく異なることをデータと共に示していただき、私自身非常に刺激となりまた勉強となりました!   特に日本ではデイサービスのプログラムとしてリハビリテーションや体操が取り入れられているところが多く、いわゆるリハ特化型デイサービスも数多く存在していますが、在日中国人高齢者のデイサービスでは運動の要素は全く必要とされていないところが多いということに、今後外国人高齢者が増えていく現状にあって、日本のデイサービスの多様性についても考えさせられる内容でした。   ▼高井研究室のM2 張氏のプレゼンテーション     発表会のブレイクタイムでは高井先生にご用意いただいたサンドイッチや軽食を食べながら雑談タイムもあり、会話の中において院生の皆さまの意識の高さと日本語力の高さには驚かされました(私は英語もろくに話せないので・・)。M2久保田氏の「笑いヨガ」については中国人専用のデイサービスで使えるのではないかと興味を持っていただきました。   ▼最後に記念撮影!     やや院生教育がマンネリ化しつつあり、新たな刺激を取り入れたいということから皆で話し合った結果、実現した今回の合同研究発表会でしたが、院生の方々や指導教員である我々にとって非常に刺激をいただき、今後の研究活動へのモチベーションが高まりました! 今後もまた我々と近い研究領域を持つ他大学との交流を積極的に行っていきたいと思います。   畿央大学 大学院 健康科学研究科 教授 高取 克彦   関連記事・リンク 地域リハビリテーション研究室 【快挙】本学の研究グループがパーキンソン病の姿勢障害の5因子を抽出することができました 7/28(日)、畿央大学で「第33回奈良県理学療法士学会」が開催されます(学生無料) 第28回 日本ペインリハビリテーション学会 学術大会で大学院生が一般口述演題奨励賞を受賞しました!~健康科学研究科 第66回日本老年医学会学術集会で修了生と教員が発表しました!~健康科学研究科|KIO Smile Blog チームKIOによる快挙!第28回日本ペインリハビリテーション学会学術大会でポスター演題最優秀賞を受賞!~健康科学研究科 【快挙】大学院生の研究において、脳卒中患者の物体把持の測定における新しいアプローチを開発しました。 OARSI2024(世界関節症会議学術大会)で教員が研究成果を発表しました~理学療法学科  

2024.07.08

【快挙】本学の研究グループがパーキンソン病の姿勢障害の5因子を抽出することができました

本学大学院研究生/西大和リハビリテーション病院の藤井 慎太郎氏らの研究グループによる成果が、Journal of NeuroEngineering and Rehabilitation誌に掲載されています。     パーキンソン病には、臨床徴候や疾患進行速度などの違いから異なるサブタイプが存在し、姿勢障害の特徴にも様々なサブタイプの存在が想定されています。 パーキンソン病患者が姿勢障害における特徴分類を目的に、健常者とパーキンソン病患者に対して静止立位時の重心動揺を計測し、様々な特徴量を持つ変数に「因子分析」を行いました。その結果、姿勢障害の構成要素(因子)とした、揺れの大きさ、前後・左右・高周波(揺れの頻度)、閉ループ制御(揺れに基づく修正能力)の5つの因子を特定することができました。またそれらの因子を用いた「クラスター分析」を試みることにより、6つのサブタイプに分類可能であることを世界ではじめて見出しました。 興味深いことに、疾患重症度が同じであっても、異なるクラスターに分類されるケースが多く見られました。このことは、疾患重症度だけで姿勢制御の問題を評価するのではなく、姿勢制御を包括的に理解し、その観点から病態を捉える必要があることを示しています。   今回の研究成果は、姿勢障害のタイプに基づいた適切なリハビリテーション介入に貢献することが期待できます。今後はパーキンソン病患者で生じる体幹の前屈や側弯といった姿勢異常や筋活動特性を包含した姿勢障害の特徴分類への展開を予定しています。 関連記事 パーキンソン病患者における静止立位時の足圧中心の包括的多変量解析~ニューロリハビリテーション研究センター

2024.07.05

7/28(日)、畿央大学で「第33回奈良県理学療法士学会」が開催されます(学生無料)

  2024年7月28日(日)に第33回奈良県理学療法士学会が本学で開催されます。 大会長は本学理学療法学科の岡田洋平准教授が務めるほか、学会では本学教員、修了生、院生が多数講演を行い、一般演題においても本学の卒業生、大学院生も発表する予定です。   「挑戦する理学療法:やさしさを力に未来を拓く」というテーマのもと、本学キャンパスで各分野最前線で活躍する先生方の講演を直接聞くことができる貴重な機会です。   学生は無料で参加できますので、臨床・研究に挑戦している理学療法士の姿にぜひ触れてみてください。 なお、学会参加には事前登録が必要になります(2024年7月18日まで)   参加登録     主な登壇者(本学関係者)は以下の通りです。     特別講演 9:40~10:20 子どもの運動の不器用さ(発達性協調運動障害DCD)に挑戦する 信迫 悟志氏 畿央大学健康科学研究科 准教授 健康科学研究科 修士課程修了   15:35~16:20 内部障害領域における物理療法の活用 吉田 陽亮氏 奈良県西和医療センター勤務 健康科学研究科 博士後期課程修了 理学療法学科1期生   教育講演 10:30~11:10 めまい・ふらつきに対するリハビリテーション~前庭理学療法という新たな領域~ 塩崎 智之氏 奈良県立医科大学勤務 健康科学研究科 修士課程修了   13:00~13:40 患者の想いを考慮した理学療法の実践~Shared Decision Makingという新しい同意の取り方~ 尾川 達也氏 西大和リハビリテーション病院 勤務 健康科学研究科 博士後期課程修了 理学療法学科3期生   関連リンク 学会 ホームページ   大会プログラム 関連記事 本学教員の編集した「エビデンスから身につける物理療法」第2版が発行! (尾川さん登壇)卒業生に学ぶチーム医療のリアル~理学療法学科 第3回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」

2024.06.30

第28回 日本ペインリハビリテーション学会 学術大会で大学院生が一般口述演題奨励賞を受賞しました!~健康科学研究科

畿央大学大学院 健康科学研究科 博士後期課程3年の古賀 優之です。2024年6月8日(土)、9日(日)に長崎で開催された第28回 日本ペインリハビリテーション学会 学術大会 において、私たちは「人工膝関節全置換術患者における疼痛/運動恐怖と膝の運動学的データの関連性」というテーマで発表し、一般口述演題奨励賞を受賞しました! 学会発表内容のご紹介 人工膝関節全置換術は、膝の痛みや歩行・階段昇降動作の困難さを改善するのに有効ですが、比較的大きな手術侵襲が伴うことから術後のリハビリテーションにおいて膝周囲に過度な力が入り、膝の曲げ伸ばし運動が不規則な動きになる症例を経験することがあります。そこで私たちは、骨指標にマーカーを貼り付け、ベッド上でシンプルな膝の屈伸運動を撮影した動画データをトラッキングして、その角度変化から運動学的データ(速さ、大きさ、躊躇、円滑さ)を算出しました。運動学的データと痛みや恐怖心の強さとの関連を分析したところ、術後1週の安静時痛が術後2週の円滑さ低下の要因となっていることや、術後1週の運動の小ささが術後2週の安静時痛の要因となっていることが示唆されました。       本研究は、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの森岡 周教授による指導のもと、同大学院研究生の藤井 慎太郎氏、客員研究員/長崎大学生命医科学域(保健学系)西 祐樹氏と共同で進められた研究であり、この場をお借りして心より感謝申し上げます。   また、本学会では客員准教授の生野 公貴先生がポスター演題最優秀賞、修士課程を畿央大学大学院で修了されている田中 創氏が一般口述演題最優秀賞を受賞されている他、各種講演・セミナーの講師や座長、シンポジスト、一般口述・ポスター演題発表など、大学院生や修了生が幅広く活躍されており、ペインリハビリテーション領域における畿央大学の貢献をあらためて感じる機会となりました。   ▶生野 公貴 先生 ポスター演題最優秀賞のブログ記事はこちら         本学会で感じた熱量を次の研究に繋ぎ、ペインリハビリテーションのさらなる発展の一助となれるよう、引き続き研鑽に努めていきたいと思います。   健康科学研究科 博士後期課程3年 古賀 優之   関連記事 チームKIOによる快挙!第28回日本ペインリハビリテーション学会学術大会でポスター演題最優秀賞を受賞!~健康科学研究科 第66回日本老年医学会学術集会で修了生と教員が発表しました!~健康科学研究科 【快挙】大学院生の研究において、脳卒中患者の物体把持の測定における新しいアプローチを開発しました。 OARSI2024(世界関節症会議学術大会)で教員が研究成果を発表しました~理学療法学科 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.1~淡路さん×渕上さん 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.2~岩佐さん×赤口さん  

2024.06.20

第66回日本老年医学会学術集会で修了生と教員が発表しました!~健康科学研究科

2024年6月13日(木)~15日(土)にかけて第66回 日本老年医学会学術集会が愛知県名古屋市(ウィンクあいち)で開催されました。畿央大学 大学院健康科学研究科 地域リハビリテーション研究室からは一般演題として、高取 克彦教授と私 中北 智士(客員研究員/紀の川市役所・貴志川リハビリテーション病院)が口述発表を行いました。       学会発表内容のご紹介 高取 克彦教授:「運動を中心とした地域在住高齢者の『通いの場』における参加者の状態像から見た類型化の試み」     地域リハビリテーション活動支援事業で関わっている奈良県生駒市の運動主体の通いの場の新たな類型化を試みたもので、同じような体操を実施している運動拠点間でも、比較的年齢が若く元気なグループから参加者全員が高齢で心身機能の危険性が高いグループまで、状態像が異なることを明らかにしたものです。 これまでの通い場に対する支援は、体操指導や体力測定など画一的なプログラムであることが多く、本研究はリハビリテーション専門職種の強みを生かし、各運動拠点に応じた支援の必要性を示唆しました。   中北 智士:「COVID-19パンデミック前後における地域在住高齢者のフレイルステータスの変化:過疎・非過疎地域での比較」   和歌山県紀の川市におけるCOVID-19パンデミックの影響を、同一自治体内の過疎地域と非過疎地域で調査したもので、過疎地域でよりパンデミックの影響を受けていることが明らかとなりました。フレイル対策推進のためには、このような地域内格差を把握し、地域特性に応じた介入の重要性を示唆しました。   第66回日本老年医学会学術集会は「4つの愛(I :Integration, Innovation, Interdisciplinarity, Artificial Intelligence)で拓く老年医学の展望」というテーマで開催されました。日本の大きな課題の一つである認知症関連や自動車運転、ICT活用など時代を反映した発表が増えている印象でした。また、大規模データを活用した研究発表が多い一方で、地域課題の解決につながる研究や研究成果の社会実装の重要性を感じました。 老年医学会は多職種の方々が参加されているため、様々な視点から意見交換がなされています。これからも偏った知識とならないよう、新たな知見に触れ、地域社会に還元できるように取り組んでいきたいと思います。   畿央大学 大学院健康科学研究科 修士課程修了生 客員研究員 紀の川市役所/貴志川リハビリテーション病院 中北 智士 【参考記事】 チームKIOによる快挙!第28回日本ペインリハビリテーション学会学術大会でポスター演題最優秀賞を受賞!~健康科学研究科 【快挙】大学院生の研究において、脳卒中患者の物体把持の測定における新しいアプローチを開発しました。 OARSI2024(世界関節症会議学術大会)で教員が研究成果を発表しました~理学療法学科 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.1~淡路さん×渕上さん 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.2~岩佐さん×赤口さん

2024.06.17

チームKIOによる快挙!第28回日本ペインリハビリテーション学会学術大会でポスター演題最優秀賞を受賞!~健康科学研究科

第28回 日本ペインリハビリテーション学会 学術大会 において、ポスター演題最優秀賞を受賞しました! 健康科学研究科 客員准教授の生野 公貴です。先日、長崎で開催された第28回日本ペインリハビリテーション学会 学術大会において、私たちの研究がポスター演題にて最優秀賞を受賞しました。   今回我々は「神経障害性疼痛に対するしびれ同調経皮的電気神経刺激による自覚的疼痛強度と脳波の変化:症例報告」というテーマで発表しました。 学会発表内容のご紹介 神経障害性疼痛は、異常感覚やしびれ感などを伴い、生活の質を大きく損なうことがあります。我々はしびれ同調経皮的電気神経刺激(TENS)という新たな介入方法を開発し、その有効性が注目されてきつつありましたが、その作用メカニズムはまだ不明でした。そこで今回の研究では、脊髄炎によるしびれ感や触覚アロディニア(痛覚過敏)を呈する症例に対し、しびれ同調TENSを用いてその効果を脳活動とともに検証しました。その結果、しびれ同調TENSにより自覚的疼痛強度が低下した時の脳波は、脳の前頭領域のアルファ波のパワー値が増大しており、感覚領域からの結合により生じている可能性が示唆されました。   この研究は、畿央大学ニューロリハビリテーション研究センターの大住 倫弘准教授や、現在大学院生であり、私の勤務先の同僚でもある井川 祐樹氏、畿央大学大学院出身者で現在客員研究員かつ長崎大学生命医科学域の助教であられる西 祐樹氏との共同研究であり、まさにチームKIOによる研究です。     まだまだ予備的な段階ではありますが、この受賞に恥じないよう、また痛みに困っておられる患者様のお役に立てるよう今後も研究を続けたいと思います。   健康科学研究科 客員准教授 生野公貴   【関連記事】 理学療法学科 海外インターンシップ2024 vol.2~フランスの理学療法士と交流! 理学療法学科 海外インターンシップ2024~タイの理学療法士が来校! 【快挙】大学院生の研究において、脳卒中患者の物体把持の測定における新しいアプローチを開発しました。 その人らしさに寄り添う理学療法~理学療法学科 第11回「やさしさをチカラに変える次世代リーダー育成セミナー」 TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.91~新1回生対象説明会&機器体験会を開催! OARSI2024(世界関節症会議学術大会)で教員が研究成果を発表しました~理学療法学科 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.2~岩佐さん×赤口さん 【学生×実習先インタビュー】実習での症例を基にした卒業研究が国際誌に!vol.1~淡路さん×渕上さん 2024年度 新入学生研修 学科別レポートvol.2~理学療法学科  

2024.05.17

【快挙】大学院生の研究において、脳卒中患者の物体把持の測定における新しいアプローチを開発しました。

本学大学院博士後期課程/摂南総合病院の 赤口 諒氏)らの研究グループによる成果がClinical neurophysiologyに掲載されています。     本研究では、慢性期脳卒中患者の把持力調節の特徴把握のために、物体重量に応じた力調節、動作安定性、予測制御の3つの観点から評価し、①過剰な力発揮、②把持動作時の安定性低下、③予測制御の停滞という3つの特徴を見出しました。これらの運動制御の停滞が運動麻痺よりもむしろ感覚障害に強く影響を受けることが明らかになりました。 また今回の評価方法の測定には、把持力計測装置を使用し、既存の研究で明らかにされた制御方略と計測・解析方法を臨床に応用できる新しいアプローチを開発しました。運動制御のどの側面に停滞が生じているのかを感覚障害との関連から見極めた上で適切な課題設定や動作指導を行うことができれば、残存機能を最大限に活用した動作獲得を目指す上での足掛かりとなる可能性があります。これは脳卒中リハビリテーションの分野における大きな進歩を示しており、今後の治療法の発展に寄与することが期待されます。 尚、本研究で使用した把持力計測装置は、国立障害者リハビリテーションセンター研究所・神経筋機能障害研究室の研究成果をもとに、株式会社テック技販が既に製品化しています。   関連記事 運動出力の調節には「感覚フィードバック」が重要~ニューロリハビリテーション研究センター

2024.04.23

OARSI2024(世界関節症会議学術大会)で教員が研究成果を発表しました~理学療法学科

理学療法学科の瓜谷です。4月18日(木)~21日(日)の4日間、オーストリアのウイーンで開催された世界関節症会議学術大会(Osteoarthritis Research Society International 2024:OARSI2024)に参加し、研究成果をポスター発表してきました。       この学会は関節症に関する世界最大の国際学会です。ウイーンでは2020年4月に開催される予定でしたが、コロナ禍で中止となり、4年越しでウイーンでの開催となりました。私自身も2020年の開催に参加予定でしたが叶わず、この学会には2018年以来の参加となりました。     ▼会場のMesse Wien Exhibition and Congress Center     今回のポスター発表では、歩行中の足への体重のかけ方によって膝蓋骨と大腿骨の間に加わる圧縮力が変化することについて報告しました。研究の内容に対して、アメリカ、イギリス、オーストラリアなど世界各国の研究者に関心を持ってもらい、質問やアドバイスを多くいただきました。         会期中には2017~2018年に在外研究で滞在したメルボルン大学のKim Bennell教授はじめ研究所のメンバーと再会し、旧交を温めました。     コロナ禍でしばらく参加できませんでしたが、国際学会はいつも知的好奇心を刺激され、モチベーションを高めてくれます。新たなアイデアや発見も色々と見つかりましたので、それらを少しずつ形にしていきたいと思います。 理学療法学科 准教授 瓜谷 大輔   【関連記事】 「第16回アジア理学療法連盟学術大会」に教員と大学院生が参加!~健康科学研究科 第44回バイオメカニズム学術講演会(SOBIM2023 in 北九州)に教員・大学院生が参加しました!~健康科学研究科 瓜谷ゼミ「インソールセミナー」学部生レポート!~理学療法学科 瓜谷ゼミがインソールのセミナーに参加しました!~理学療法学科 「第11回日本運動器理学療法学会学術大会」院生レポート~健康科学研究科 「第11回日本運動器理学療法学会学術大会」在学生レポート~理学療法学科 学部生と大学院生が第11回日本運動器理学療法学会学術大会に参加しました~理学療法学科・健康科学研究科 卒業研究に向けて、瓜谷研究室が合同勉強会を実施!~理学療法学科 奈良学園大学 池田教授による質的研究勉強会を開催!~健康科学研究科 瓜谷研究室 大学院生が「第33回岐阜県理学療法学会学術集会」で奨励賞に選出!~健康科学研究科 メルボルン大学の研究チームとしてイギリスへ!~理学療法学科瓜谷准教授 平成29年度在外研究~メルボルンからの現地レポート