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看護医療学科
2018.07.27
ハンセン病療養所を訪問~看護医療学科
看護医療学科4年次開講科目「健康学特論」では、人権と医療問題に関する基礎的知識、マイノリティの健康問題について学びます。 とりわけ、ハンセン病の歴史と残る差別の現状について深く学んでいます。その上で、実際に国立療養所長島愛生園(岡山県瀬戸内市)に赴き、歴史館や園内を見学し、入所者の方にお話を伺うことができました。 学生たちは、医療における「人権」について深く考えるきっかけとなりました。 以下、2名の学生(井上知波さん、吉森由稀さん)が療養所訪問の様子をまとめてくれましたので紹介します。 私たち看護医療学科4回生は「健康学特論」の授業において、ハンセン病を中心に学びました。2018年7月18日(水)には、岡山県瀬戸内市にある国立療養所長島愛生園を訪問しました。大阪からバスで約3時間半、邑久長島大橋を渡り長島に到着しました。 30年前までは橋はなく隔離された島であり、この邑久長島大橋は「人間回復の橋」とも言われています。 長島愛生園歴史館では、職員の方からハンセン病についてのお話や、館内に展示されている補助具についての説明をしていただき、ハンセン病の歴史についてDVDを視聴しました。館内には当時の長島愛生園の模型や、療養者が書いた手紙や俳句、当時の写真などが展示されており、ハンセン病についてより多くの知識を得ることができました。 次に、実際に園内を歩いて見学させていただきました。収容桟橋についてのお話を聞き、上陸した時には職員用と患者用とで分けられていたことを知りました。 続いて、収容所を見学しました。ハンセン病患者は上陸後、消毒のためにクレゾール消毒風呂に入らなければなりませんでした。 また、納骨堂で私たちは手を合わせました。 本来なら納骨堂は必要なく、家族の元にあるべき遺骨。長島愛生園に納骨堂がある意味を考えたとき、ハンセン病の患者や回復者が不当な差別を受け、故郷に戻ることもできなかったという事実を知り心が痛みました。 昼食後、奈良県出身である長島愛生園入所者の方にお話をお聞きしました。 現在に至るまでの生活、当時の思いを詳しく話していただき、苦しみや不当な差別など心が痛むお話もありました。 短い時間でしたが、学内授業での映像や資料での学びとは違い、実際に自分の目や耳で見たり聞いたりしたからこそ、当時の方々の思いが想像でき感じることがたくさんあり、人権とは何か改めて考えることができました。 今回の学習で、ハンセン病を通して人権について理解を深めることができたと思います。 ハンセン病について病の存在自体知らない人や、未だ誤った知識を持った人がいる中で、今度は私たちが伝える側となり、たくさんの人にハンセン病についての正しい知識を知ってほしいと思いました。 看護医療学科4回生 井上知波・吉森由稀 旧優生保護法による強制不妊問題が世間を騒がせている中、ハンセン病をかつて患った方々もその対象者となりました。このようなことを決して繰り返してはならないという思いがきちんと伝わったと思います。今年度はもう一度、学生らとともに療養所を訪ねたいと思います。 看護医療学科 准教授 文鐘聲 【関連記事】 日本における感染症対策ーハンセン病の歴史ーを学ぶ~看護医療学科 ハンセン病療養所長島愛生園を見学~看護医療学科 「ハンセン病療養所訪問学習を通しての学び」報告会を開催しました。~看護医療学科
2018.07.26
ホスピス見学実習での学びを共有!~看護医療学科「終末期ケア論」
看護医療学科3年次の選択必修科目に位置付けられている「終末期ケア論」を4月から開講していますが、その授業も残すところあと1回となりました。 今年度は、およそ80名の学生がこの科目を選択し、4月から「死生観を養う」「終末期がん患者の身体症状マネジメントを理解する」「意思決定を支える」「家族、遺族の悲嘆をケアする」など大変重たい課題に対して、真剣に取り組んで来ました。 今回は、平成30年6月2日(土)に学生有志で田原本町の国保中央病院に併設された「緩和ケアホーム飛鳥」を見学したときの学びを共有するための発表会を行った様子をレポートします。 ▲ホスピス見学での学びを発表する3回生 終末期ケア論は、 1、エンドオブライフ期にある患者を総合的・全人的に理解し、その人らしさを支える看護援助方法について説明できること。 2、エンドオブライフ期での治療を理解し、苦痛の緩和方法について説明できること、 3、看取りをする家族の援助について説明できること。 この3点を卒業時の到達目標として16回の講義内容を構成しています。 死生観の構築や意思決定支援をテーマとした授業では、終末期にあるがん患者を講師に招いて、「死」を自身の問題として向き合う人の心理や社会とのつながり、身体症状のセルフマネジメント、残していく家族への思い、死を迎えるにあたっての意思決定過程についてお話をいただく、がん患者が体験する痛みや倦怠感のマネジメント方法を学ぶ、また臨死期のケアや逝去後のエンゼルメイク(死化粧)の演習を取り入れることで、看護師として必要な援助技術やケア態度を養っています。 ☆ホスピス見学実習は、授業での学びで関心を持ったこと、疑問に感じることを自身の課題として実践の現場で活躍する看護師が展開するホスピスケアプログラムを理解する目的で毎年、見学希望者を募って行っています。 そして、見学実習とほぼ同時期に「病院インターンシップ実習」で国保中央病院飛鳥にて実習を終えた4回生の学生と学びを共有する機会を設けています。 ▲見学実習に参加していない学生にも理解できる内容のプレゼンを行う3回生 まず3回生から実習についてプレゼンテーションを行いましたが、見学した施設の構造の特徴や看護師長から説明を受けたホスピスは、患者やその家族の人格すべてを受け入れチームで答えを探しながらケアの方向性を決定していく場所であること、同じ医療者の中には「治療が終わったのであとはホスピスにでも行きなさい」と患者や家族に十分な説明をすることなく転院を進められる事例を紹介されたことを受けて、学生はより良い最期を迎える障壁となるのは、「医療者の態度」であると伝えていました。「不安の中で、信頼していた医師から十分な説明を受けることなくホスピスに来られる患者さんにホスピスは、最後までその人らしく生き抜く場所であることを伝えることから援助がはじまる」こと「患者・家族がケアの中心にいて、今何を優先すべきかをチームで考えた実践を行う」こと「大切な家族を亡くしたあとの遺族ケアプログラム」などについて丁寧に伝えてくれました。 ▲3回生が気づきを得た終末期の対象を援助する目標 続いて緩和ケアホーム飛鳥で2週間の病院インターンシップ実習を終了した4回生の学生3名による学びの発表です。病院インターンシップ実習とは、病棟師長や看護師の業務・ケアに同行し、病院組織の中での看護管理や看護実践を体験するための実習になっています。4回生はこの実習が病院実習の総仕上げとなるのですが、ホスピスで実習する学生はホスピス緩和ケアに高い関心を持って臨んでいます。 ▲病院インターンシップ実習での学びを伝える4回生 4回生は実習で経験した看護管理や緩和ケアにおけるチーム医療、亡くなった患者さんへの関わりを振り返る「デスカンファレンス」の実際や終末期の患者とその家族へのコミュニケーションの在り方について伝達してくれました。 その中で「奥さんが眠っている間に夫が息を引き取った」という事例を紹介し、「そばにいながら、なぜ気づくことができなかったのかと自分を責める奥さんに皆さんならどのような声をかけますか?」と3回生に投げかけました。 ▲事例について意見を述べる3回生 3回生は、数名のグループになって考えを巡らせていましたが、「奥さんが気づかないくらい苦しまずに亡くなられたのですね」「つらいでしょうけど、ご主人はそっと逝かれたのだと思います」など事例を想定した声かけについてそれぞれの意見を活発に述べていました。 それに対して4回生は「実際に看護師さんは、まず『おつらいですね』と家族の思いを理解していることを伝えて、夫人がこれまでの経過のなかで患者に寄り添ってきた事実を肯定してから、『奥さんがそばにおられたので安心して旅立つことができたのではないでしょうか』とその亡くなり方に意味づけをしていた」と実習での経験を伝えていました。 ▲4回生の発表に対して自分の考えを述べる3回生 4回生の学びを聞いた3回生は、患者・家族の希望に添うケアの実際について活発に質問し、自分の考えを丁寧な言葉におこすことができていました。 また、4回生は実習を終えて「残された時間がわずかになり、エネルギーの消耗も大きい中である患者さんは、訴えを言葉にすることができない場合もあります。しかし、その中でも私たちに何か伝えようとして発信するサインを見落とさない看護師になりたい。」「患者の訴えには‘どうしてそう思うのか?‘と患者さんを理解する態度で応答したい」と緩和ケアホーム飛鳥での実習後に得た《看護観》を語りました。 ▲「訴えを見逃さず、患者・家族中心の看護をしたい」と授業の学びを伝える3回生 日本では、年間約375,000人ががんで死亡しています。そのうちホスピス・緩和ケア病棟で看取られるのは約1割となっています。このような背景から、卒業後に看護師として働く学生は、病院や地域で終末期がん患者のケアをする機会が必ずあるでしょう。その時には、この授業で共有した大切な「ケアの心」を礎に対象が最後までより良く生き抜く過程を支えてほしいと考えます。 看護医療学科講師 對中百合・大友絵利香 【関連記事】 「急性期看護学援助論Ⅱ」患者モデルを想定した援助法~看護医療学科 「第2回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」開催~看護医療学科 緩和ケア病棟を見学実習!~看護医療学科「終末期ケア論」 「エンゼルメイク」の演習を実施!~看護医療学科「終末期ケア論」 がんから学ぶ「生」と「死」~看護医療学科「終末期ケア論」レポート
2018.07.18
平成30年度第2回「Kio オレンヂ喫茶(カフェ)in 津越」を開催!~看護医療学科
2018年7月16日(月)、第2回目となる「Kio オレンヂ喫茶(カフェ) in 津越」(認知症カフェ)が開催されました。 「kio オレンヂ喫茶(カフェ) in 津越」は、西吉野町津越地区で文部科学省の科学研究費助成(挑戦的萌芽研究16K15979: 代表 島岡昌代)を受けて行っている認知症施策推進事業(新オレンジプラン)に基づく事業で、「たとえ認知症になったとしても安心して暮らし続けることのできる地域づくり」を目標に、五條市地域包括支援センターや高齢者総合福祉施設はるす・西吉野さんの協力を得ながら地域住民の方たちとともに創りあげていく認知症カフェです。 「Kioオレンヂ喫茶(カフェ)in津越」では、前半は地域の方が認知症についての理解が深まるような取り組みを行い、後半は「認知症について語る会」として認知症についての思いを語り合う場を設けています。今回は西日本で起こった大雨による災害があったことから参加した住民同士で災害時の対処について話し合う機会が設けられました。 今回の参加者は、地域住民の方12名、西吉野在宅介護支援センターの方2名、はるす・西吉野の職員の方が2名で、畿央大学からは看護医療学科老年看護学の教員4名と山崎ゼミ生4名、さらに健康栄養学科の串田先生とゼミ生7名も応援にかけつけてくれて、総勢35名の大人数でした。 『認知症高齢者の支援』についてのミニレクチャー 講師の南部登志江准教授から地域住民の方々に、認知症の種類や症状、接し方についての講義がありました。認知症の症状には中核症状と行動・心理症状(BPSD)があり、BPSDは心の状態や性格、環境によって出る症状であることから、周りの人の理解や関わりが大切であるとわかりました。認知症の人と接するときの心構えとして、①驚かせない、②急がせない、③自尊心を傷つけないといった3原則が大切であると学ぶことができました。 「誤嚥にナラん体操」 講義の後にはリフレッシュです! 畿央大学の理学療法学科の教員が制作し、学生が実際に実施している動画(YouTubeにアップされている)をもとに、「誤嚥にナラん体操」を実施しました。皆さん一生懸命に映像を見ながら実施されていました。 認知症についてのロールプレイング 今回は西日本で起こった大雨による災害から、大雨により避難指示が出た際に、家族が認知症の方を避難誘導する際の対応について、看護医療学科教員が悪い例と良い例のロールプレイングをしました。 悪い例では、家族が大雨により水が増水し、家の近くまで迫っている焦りや恐怖心があったこと、また自分がどうにかしないといけないという使命感から認知症の方を避難させようと必死になり、認知症の方に対してきつい言葉遣いになったり、強引に避難させようとしたりしていました。 良い例では、家族が認知症の方に目線を合わせ、落ち着いてやさしい言葉で話しかけており、知っている人も避難したことを伝え、自分も一緒にいるから大丈夫であると声掛けし、認知症の方が安心して避難できる関わりをしていました。 このロールプレイングを見て住民の方は、「良い例の対応の方がいいことはわかるけど、実際にそのような状況になった時に同じように対応する余裕がなく、現実的には難しい」という意見がありました。また、健康栄養学科の学生からは「ロールプレイングを見て、どのように対応したらよいのかを知っておくことで、災害時に意識することにつながる」という意見もありました。 実際に災害時にこのような状況になったら、冷静に余裕をもって行動することは難しいと思いますが、可能な限り良い対応を意識して、認知症の方も安全に避難できるように対応していきたいです。 認知症について語る会 本来は認知症について語る予定でしたが、今回は数日前の大雨による災害が起きたことから、急遽、津越での災害時の対策や避難方法の話を中心にコーヒーやお菓子を食べながら話し合いました。住民の方の意見にはロールプレイング時の認知症の方への良い対応例を見て、認知症の方に合わせた対応をすることは理想だが、災害時にはそんな余裕はないのではないかという声もありました。また、災害時の避難について住民の方は、「津越のような地域では警報が出てから避難してたら余計に危ない。川も水かさはすぐに増すし、避難場所は川のそばを通って車で10分程かかる。避難場所に行くんやったら家におった方が安全や。」「一人で住んでる人には近所が気にして声かけるようにしてる。」と言っておられ、その地域の特性が出た意見だと感じました。市の職員の方は、「お一人暮らしの方は在宅介護支援センターでも把握しており、日頃から気に掛けています。車を使えない人の場合は、連絡をくだされば送迎も行っていますので、なんでも相談してください。」と言っておられ、認知症カフェは住民の方と市の職員の方の情報交換の場にもなっていました。また、住民間で災害時には声をかけ合うなど、住民同士で協力し合っているというへき地における住民同士の繋がりの深さを感じることができました。 日頃は涼しい山間部の静かな地域ですが、この日は室温が30度を超える猛暑の中、しっかり水分を取りながらたくさんの貴重なお話を聴かせていただきました。本日の体験を今後の高齢者看護や認知症の方への看護を考える上で役立てていきたいと思います。 看護医療学科4回生 井上美香 島野綾子 野並あこ 前田理佳子 【関連記事】 川上村健康力向上プロジェクト「認知症教室」を開催!~看護医療学科 川上村民生児童委員会の方を対象とした「認知症を正しく理解する講習会」を開催!~看護医療学科 平成30年度第2回「Kioオレンヂ喫茶(カフェ)分かち合いin御所」を開催!~看護医療学科 平成30年度第1回「Kioオレンヂ喫茶(カフェ)分かちあい in 御所」を開催!~看護医療学科
2018.07.18
川上村健康力向上プロジェクト「認知症教室」を開催!~看護医療学科
奈良県川上村で文部科学省の科学研究助成を受けて展開している「安心して暮らすことができる地域づくり」を目指した川上村健康力向上プロジェクト。その柱のひとつである認知症教室は、5月に村職員を対象として村役場で実施、6月には民生児童委員の方々のご希望で研修講師として本学で実施しました。そして今回は全4回シリーズ教育の第1回・第2回を、川上村総合センターやまぶきホールで平成30年7月8日(日)に実施しました。 西日本を襲った豪雨が近畿地方にも影響を及ぼし、一時は中止せざるを得ないかと心配しましたが、7月8日(日)は嘘のような晴天に恵まれました。講師の本学(老年看護学)山崎尚美教授には、豪雨で避難指示が出ている倉敷のご実家の様子を心配しながらも気丈に講師を務めていただきました。 この度の西日本豪雨で被災された皆様には、謹んでお見舞い申し上げます。 豪雨の後の休日にも関わらず 164 名の村民の皆さんが参加してくださり、用意した配布資料が足りなくなる事態となりました。 さて、今回の教室は、国が認知症対策として進めている「オレンジプラン」の柱である認知症を理解し、支援できる人を養成する認知症サポーター養成講習として実施し、参加者には、講習受講者としてのオレンジリングを授与しました。前半にあたる第 1 回は、認知症サポーター養成講習に該当する認知症の症状や治療などの基本的な理解に関する講義、そして、後半の第 2 回では実際に認知症者とその主な介護者のやりとりをロールプレイ(寸劇)で構成されました。認知症患者役は大変重要ですので、愛知県の認知症模擬患者として厳しい講習を経て活動していらっしゃるお二人に、豪雨の中、三重県から来ていただきました。 前泊した7日には、夜遅くまでシナリオを基にセリフや動きの確認を入念に行い、8日の当日は、駐在所の警察官役を村職員の方に急きょお願いし、1日限りの劇団「かわかみ」が結成されました。講義だけではなかなかわかりにくい認知症の高齢女性(姑)の言動に、イライラして感情的になる主たる介護者である嫁とのぶつかり合う様がリアルに表現され、迫力ある嫁姑のバトルが繰り広げられる中、その間に入る絶妙な警察官の演技に会場の皆さんは、すっかり見入っている様子でした。 演技の後には、ファシリテーターの山崎教授が、参加者に認知症である姑の行動の背景にある感情を考えることを投げかけ、応答することで舞台と会場がつながりました。また劇は、認知症である姑を理解して穏やかに接する嫁とのやりとりの2つのパターンを観てもらいました。最後に演技をした姑役、嫁役の気持ちを語ってもらい、自分の努力が報われず“鬼嫁”と言われてしまう嫁の感情の語りでは、会場の女性の皆さんが大きく頷く姿が多数見られ、介護の経験があることで共感されている様子がうかがわれました。講習が終わり、劇団「かわかみ」の解散が告げられると客席から大きな拍手が寄せられ、会場が一体化した雰囲気となりました。 講習会終了後には、参加した多くの村民の方から「理解しやすくて良かった」と声をかけていただきました。 今後、続く第3回・第4回は、川上村での認知症に関するサポートのあり方の確認や今後につながる支援者づくりとその形をどうしていくかを住民の方々にも一緒に考えていただき、「認知症になっても安心できる川上村」であるためにどうしたらよいかを模索していく方向で進める予定です。 看護医療学科 教授 松本泉美 【関連記事】 川上村民生児童委員会の方を対象とした「認知症を正しく理解する講習会」を開催!~看護医療学科 平成30年度奈良県認知症ケア専門士会 第1回研修会を開催しました。 互助をテーマにした「川上村シンポジウム」を開催!~看護医療学科 看護医療学科教員が、川上村の地域包括ケアシステム構築に向けての研修会企画・講師を担当!
2018.07.18
新生児蘇生法(NCPR)講習会を受講!~看護医療学科
平成30年7月1日(日)に、新生児蘇生法(NCPR)一次コースの講習会を受講しました。 看護医療学科の学生を対象にしたNCPR一次コースは、今回で3回目の開催となります。将来のためにも是非身につけてほしいです。 この講習会は、出生時に胎外呼吸循環が順調に移行できない新生児に対して、いかにして心肺蘇生法を行うべきかを学ぶことを目的としたものです。 「すべての分娩に新生児蘇生法を習得した医療スタッフが新生児の担当者として立ち会うことができる体制」の確立を目指し、日本周産期・新生児医学会では、2007年から新生児蘇生法(NCPR)普及事業をスタートしました。 今回、私たちが受講した一次コースは、看護学生等を対象にしたもので、この講習会受講後に試験を受けて合格すると、所定の手続きを経て「新生児蘇生法修了認定」の資格を得ることができます。 本講習会によって、標準的な新生児蘇生法の理論と技術に習熟することにより、児の救命と重篤な障害の回避が期待されます。 「臨床知識編」「実技編」で構成される「基本的な新生児蘇生法の習得」を目的とした約3時間30分の講義と実践です。 13時から、助産専攻科の実習室での講義からスタート。 みんなテキストで事前学習をしてきましたが、真剣そのもので、必死にスライドを見て学習しました。 そのあとは、実践です。 指導してくださったのは、選択科目「ヒトの遺伝学」担当の看護医療学科講師の藤澤弘枝先生と小児外科の小角卓也先生です。 <講習会の感想> 初めてNCPRを受けて、生まれて60秒間で判断しなければいけないという時間の短さに圧倒されました。判断しなければならないことの多さに戸惑いましたが先生方の指導のもと、回数を重ねていくうちに状況判断に慣れてきてうまくいくことも増え、楽しかったです。 2回生 西村あかね 今回NCPRを受講し、限られた時間の中でいかに焦らず、正確に蘇生を行えるか、そしてチームワークの重要さを学ぶことができました。まだ、大学2回生で新生児看護についての知識が不足している中でNCPRの資格が取れるのか不安でしたが、先生方が丁寧に指導してくださったおかげで無事に資格を取得することができました。看護の分野に限らず、学生のうちに色んな資格に挑戦することは、今後人生の財産になると思います。 2回生 木村優見 NCPRの勉強を1人でしているとき、範囲が広すぎて「え、こんなの受かる気がしない」と思ったり、先生に指示を出してもらいながら技術の確認をしているときにも始めは「無理!!早すぎる!!頭と身体が追いつかない!!」と思ったりと、「自分には出来ないんじゃないか…」と不安になっていました。しかし、練習を続けていくうちに段々指示よりも先に身体が動くようになり、少しずつ自信がついてきて、終わった今では「大変だったけれど楽しかった!受講してよかった…!」と思っています。今回受講して、その大変さや緊張感、責任感が身をもってわかったのと同時に、仕事に興味を持つことができました。また、「なんでも興味のあることに挑戦してみると視野が広がる」ということを実感することができました。このコースを友達や後輩にも勧めていきたいと思います!! 2回生 難波穂乃香 【関連記事】 新生児蘇生法(NCPR)一次コース講習会を開催!~看護医療学科 新生児蘇生法(NCPR)Aコースを受講し、全授業が終了!~助産学専攻科 新生児蘇生法(NCPR)の結果発表!~看護医療学科 新生児蘇生法(NCPR)講習会を開催!~看護医療学科
2018.07.18
「急性期看護学援助論Ⅱ」患者モデルを想定した援助法~看護医療学科
看護医療学科3回生前期配当科目『急性期看護学援助論Ⅱ』では、学生たちが臨地実習に向けて多くの学びを得てきました。これまで、実習先の病院で受け持つ機会が多い疾患を対象に、8つの事例を用いた看護過程の展開を続けてきました。グループワークの時間が多く、授業外の時間も課題と向き合いながらメンバーが協力し合って、看護の方向性を見出しています。6月末から7月にかけては、これまで努力してきた学習内容を発表し、全員で共有する主旨の授業を行っています。 この授業の学習目標は、「術後看護の基本技術が修得できること」と「手術を受けた患者の個別性を考慮した計画立案と実施ができること」で、この日の演習では、学生が術後の患者の状態を創り、その状態に応じた全身清拭を計画するという内容でした。 ▼左乳房切除を受けた患者の術後の状態を想定した患者創り ▼頭部の手術を受けた患者創りに真剣な表情 授業では、後期から始まる臨地実習を見据えて、受け持ち患者さんをイメージしたうえで、手術を受けた患者さんが順調な回復過程を辿るために必要なケアの手段を考えることを目指しています。4月からグループワークを続けてきたメンバーが力を合わせて、自分たちの患者さんについて紹介していきます。 学生は、患者役と看護師役を演じてシミュレーションをしますが、即席で設けた「ランウェイ」に登場しモデルのように振舞います。全身麻酔で手術を受けた直後の患者さんには、複数の血管から点滴がされ、手術部位にドレーンとよばれる「排液用の管」が挿入されています。また、膀胱内にカテーテルが留置された状態で排尿の管理がなされます。 このように、患者役の学生も実際にドレーンや点滴を入れているかのように、患者モデルを創りあげました。 ▼胃切除術を受けた患者役を演じるグループ 若くて健康な学生たちですが、実際に手術後の患者さんが装着されているものを身につけて看護師の手を借りながら、高さ約45㎝の「ランウェイ」に上がろうとすると、座った姿勢から立ち上がるまでに相当の苦労をしていました。この体験から、手術後の患者さんは痛みがあり、自由に動けない状態であるため、一つの動作をするにも大変な苦痛を伴っていることが理解できたようです。 演習の中では、ドレーンから出てくる排液の色も、実際の手術後に近い色合いになっています。これは、学生がドレーン挿入部位と挿入目的を正しく理解するためにも大切ですが、実習が始まったときに、手術後の患者さんが挿入しているドレーン排液の異常を早期発見するためでもあります。 ▼膝関節の手術を受けた患者に包帯をまく様子 ▼人工膝関節置換術を受けた患者を紹介する様子 膝関節に人工関節を置換した事例では、一般にも広く知られているエコノミークラス症候群(下肢に形成された静脈血栓が肺に移動して肺梗塞を引き起こす症状)を予防する目的で、下腿に包帯を巻きます。学生は、包帯法についてすでに学んでいますが、膝に大きな手術創があり痛みを伴っている状態の患者さんへの包帯巻きは、簡単ではないようでした。 このような状態の患者さんに、全身清拭をするための計画を立て、患者さんに手術後の回復を助ける援助を経験しましたが、痛みを増強させずに体を動かす方法や点滴が入っている腕からどのように病衣を脱がせるのかなど試行錯誤を重ねているようでした。 9月になると「急性期看護学実習」が始まり、手術を受ける患者さんを実際にケアすることになります。手術を受けるということは、身体的な侵襲だけにとどまらず精神的な不安や仕事に支障をきたす、家事ができないなど社会的な問題も発生します。そのような対象を全人的に捉え少しでもお役に立てること、また、手術後の回復過程を促進するための看護について実践の場で学びを深めてくれることを教員一同願っています。 3回生の皆さん、暑さにめげず、実習めざして頑張りましょう! 看護医療学科教員(急性期看護学) 林田麗・大友絵利香・加藤由加・菊谷美代子 【関連記事】 救急看護の基本、心肺蘇生法を学ぶ!~看護医療学科「急性期看護学援助論Ⅱ」 がんから学ぶ「生」と「死」~看護医療学科「終末期ケア論」レポート 第5回BLS(一次救命処置)ブロバイダーコースを開催!~防災救命サークルWiL 救急蘇生法の演習を行いました!~看護医療学科「急性期看護学援助論Ⅱ」
2018.07.13
「第2回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」開催~看護医療学科
平成30年7月9日(月)~11日(木)「第2回韓国老人福祉(認知症ケア)研修」が開催されました。 韓国の老人病院や介護施設で勤務する看護職および介護に携わる専門職(保健所や市町村の行政関係者や医療関係者、認知症安心センター(日本の地域包括支援センター))が、認知症についての知識向上と援助技術の習得を図る目的で、韓国から37人が畿央大学および施設での研修に来られました。畿央大学では、山崎教授をはじめとする南部准教授、島岡助手、尼崎助手、松原臨床教授、吉井臨床教授、および林田准教授・大友講師、学生4人(山崎ゼミ4回生)が対応しました。 1日目:7月9日(月) 午後から東大阪市にある「地域包括支援センター向日葵」を見学されました。地域包括支援センターで認知症カフェの実際や認知症サポーター養成講座の説明を受けたあと、従来型の特別養護老人ホームを見学され、お点前(抹茶)を堪能されました。 2日目:7月10日(火) 午前中は、老人介護福祉施設 「和里(にこり)」を見学。和里は、10人程度の少人数が生活するユニットケアを行っており、関西をはじめとする施設職員の研修なども多く受け入れています。和里でのユニットケアの実際や看護・介護の実際を見学されました。 午後は畿央大学に移動し、13:00~17:15まで、日本における認知症看護についての最新の知見の習得を図るとともにコミュニケーション技術を学びました。 開催にあたり、畿央大学学長である冬木正彦学長が挨拶され、畿央大学の紹介をされました。 前半は、看護医療学科 山崎尚美教授と島岡昌代助手による「日本における認知症看護の動向と施策について~認知症理解を目指した認知症カフェの取り組み~」というテーマでの講議です。日本の認知症に対する施策及び新オレンジプランにおける「認知症カフェ」にもとづいての取り組みについて、畿央大学老年看護学教員が行っている4つのカフェの取り組みや現状について説明しました。 後半は、認知症高齢者との関りについての講義と演習で、ロールプレイを基にしたディスカッションを行いました。大友講師、林田准教授、南部の3人の教員で、認知症である姑と嫁、警察官役でロールプレイを行いました。最初は悪い関わりをロールプレイし、そのかかわりについて受講者がグループワークを行い、意見を発表しあいました。その後、モデル的なロールプレイをするとともに、その時の気持ちや思いを姑、嫁の立場で振りかえって話をしました。さらに大友先生から認知症の家族を介護する家族の立場からその思いが語られました。これらのことから、当事者、家族それぞれの思いを知ることができ、より良い関わり方を考えることができたようでした。このような内容を認知症サポーター養成講座では講義していて、また認知症カフェの運営について実践しているということを伝えることができました。 最後に、健康科学部学部長の植田正嗣教授が韓国語で挨拶をしてくださり、研修生の方々は感動のあまりに拍手をされていました。 3日目:7月11日(木) 天理市にある『ふれあいの里』の老人保健施設や特養を見学し、午後は若年性認知症のかたの支援を行っている「SPSラボきずなや」を見学されました。 7月の暑い気候の中、施設を回り、農業をされている場所を巡り、講義を受け演習をするなどかなりハードなスケジュールでしたが、皆さん熱心に見学し質問や意見をされていました。 看護医療学科の学生4人の活き活きとした姿勢にも興味・関心をもっていただきました。 看護医療学科 准教授 南部登志江(老年看護学) 【関連記事】 「第1回大韓老人療養病院協会主催研修」が開催されました~看護医療学科 マダム信子氏の講演会&意見交換会を開催!~第1回認知症の人と課題解決のステーションづくり in 畿央大学 認知症高齢者の緩和ケアをテーマに「第1回 認知症高齢者の終末期ケア研修会」を開催しました。
2018.07.11
教員による研究授業レポート~看護医療学科「地域看護学概論」
平成30年7月9日(月)に看護医療学科 研究授業として、2回生を対象に松本泉美教授による「高齢者保健と看護活動」についての講義が行われ、教員12名が参加しました。 今回の授業の目標は、「高齢者保健の動向とその対策(地域包括ケアを含む)の概要が理解できる」でした。 まず、高齢化進行で課題となっている2025年問題の具体的な状況と介護する家族へ派生する健康課題、そしてそれらを社会制度として取り組むために開始された介護保険制度の概要と介護認定の動向について説明がなされました。 また、高齢者が「住み慣れた地域でその人らしい生活を継続できる」よう保健、医療、介護の連携による生活支援を充実させるための地域包括ケアシステムの構築の推進についての説明が行われ、そのあとに、認知症高齢者を支援する包括支援センターのドキュメンタリ-(DVD)を視聴しました。 DVDでは、介護保険サービス利用を拒否する認知症の高齢独居女性と認知症の妻の介護を独りでしている老夫婦に対し、他スタッフや関係機関と連携し支援しようとする介護支援専門員の活動を通して、認知症であるがゆえの介入の難しさが描かれていました。 DVD視聴後「認知症高齢者とその家族を支援する看護職として必要な役割について」を考える前提として、個人ワークでこの2事例が「今後生活を維持する上で生じる課題」を考え、グループワークでの統合が行なわれました。 学生個人のワークでは「認知症高齢者が回りの人との関わりを拒絶すると家族との溝が生じ、制度そのものが機能しなくなる」「ますます孤立化し、家族の心身の負担が増加する」が挙げられ、グループワークでも「自ら助けを必要としないため、周りも気づかず地域との関わりが減り孤立化する」「家族の精神的、身体的、経済的負担が増加する」などが挙げられました。 また全体の感想として、「多職種と連携しネットワークを作る必要性が理解できた。認知症高齢者の話に共感し信頼関係づくりを図ることの重要性を感じた。認知症高齢者・家族それぞれの気持ちを傾聴し精神的にサポートすることが大切だと感じた。」「施設ではなく地域で暮らす認知症の方への支援について学んだ。DVDを通じて、認知症の方の理解、看護、ヘルパーなどの制度の利用が重要であることを知った。認知症の方が2025年には5人に1人になるかもしれないこと、介護保険や国、市町村の行政での支援が可能であるかが課題となっていることを学んだ。」との記載もされていました。 2事例のDVDを真剣に観る学生の様子と短時間のグループワークで考えた発表内容から、講義内容と視聴覚教材で得られた内容とが結びつき、学生の看護職としての内面の学びが得られたことを感じました。 今後、学生が地域の認知症高齢者とその家族に、病院看護師、訪問看護師、地域包括支援センターの看護師、保健師として、技術の向上を図りながら責任を持ち、保健福祉に貢献できる専門職として成長できるよう共に学びを深めていきたいと考えます。 平成30年7月12日(木)13時~14時には、教員間での授業研究が行われます。 看護医療学科助教 丸山睦 【関連記事】 川上村民生児童委員会の方を対象とした「認知症を正しく理解する講習会」を開催!~看護医療学科 互助をテーマにした「川上村シンポジウム」を開催!~看護医療学科 「第1回大韓老人療養病院協会主催研修」が開催されました~看護医療学科 看護医療学科教員が、川上村の地域包括ケアシステム構築に向けての研修会企画・講師を担当!
2018.07.09
保健師をめざす学生の「地域看護学実習 学びの報告会」を開催!~看護医療学科
平成30年6月29日(金)に、保健師資格取得をめざす4年生の学校保健実習・産業保健実習での学びの報告会を開催しました。地域看護学実習は、学校保健実習か産業保健実習(どちらか選択制)と保健所実習で構成されています。平成30年6月4日(月)~22日(金)までを学校保健実習および産業保健実習期間として、学校保健実習では、奈良県内の県立高校5校と養護学校(特別支援校)2校と八尾市内の小学校(特別支援学級を中心に)に10名、産業保健実習では、2つの実習施設(企業)で10名が実習に参加しました。 それぞれの分野と対象が異なるため、公衆衛生看護活動の特性や対象者の発達段階の特性に応じた活動に参加し、学生が行った活動を通して実習目標に沿った学びの報告をしました。 発表を聞いての学生の学びの内容をご紹介します。 ≪学校保健実習の発表を聞いて≫ 生徒一人ひとりの健康を保持・増進するためには、学校だけでなく行政や関連機関との連携が重要であることが分かりました。また、同じ発達段階でも学校により健康課題は違うので、課題を明確にし、アプローチ方法も発達段階に合わせて行う必要があると学びました。 産業保健においても学校保健においても、対象がどのような環境に置かれているのか、集団での課題を分析し、健康課題を把握した上で対象者の生活背景を踏まえ支援方法を考えていくということは共通していると考えました。 学校保健と産業保健では対象が違いますが、対象が健康に生活を送ることができるよう支援していくという方向は同じであるので、保健師としてその方向性に向け対象に合わせた支援をしていくことが大切であると学ぶことができました。 井上知波 学校では、子どもたちを支援するうえで保護者だけでなく、地域住民や教育委員会、病院などの様々な関連機関との連携をとり、必要時につなげられるようにすることが大切であると学びました。また、保健師は就学前の乳幼児健康診査で子どもの状態を把握しているので、その子どもにとって適切な教育が受けられるように、地域の各学校の特徴を理解し、適した教育体制への支援をしていくことも重要な役割であることを学ぶことができました。学校保健についても今回の発表会を通して、これまでの授業内容と実際の活動が結びつくことで理解を深めることができ、充実した学びを得ることができたと思います。 山口真由 ▼産業保健実習風景①実習事業場である初田製作所企業製品の説明を聞く ▼産業保健実習風景②実習施設健康管理室にてメンタルヘルス事例検討 ≪産業保健実習の発表を聞いて≫ 産業保健における健康管理の活動および体制、保健師の役割を理解することができました。企業では、健康管理対象者(従業員)に対して健康診断やメンタルヘルス対策を実施し、対象者の健康を守るために様々な対策がされているのだと実感しました。また、作業環境の状況を知るために職場巡視を行い、対象者の置かれている環境を把握することで健康課題を見つけることにつながると学びました。また、学生が実施した保健指導内容を聞いて、健康診断の数値だけでなく、その人にとっての行動の目的を知り、対象者の価値観を尊重した保健指導の展開をすることで行動変容につなげていくことが保健師の役割であると学ぶことができました。 吉森由稀 対象者の言動から、行動変容ステージのどの段階にいるかを把握して、段階に応じた保健指導を行うことが大切であるということを学びました。無関心期の人に保健指導を行っても、対象者はお節介であると感じてしまい、聞く耳を持たないという状況でした。しかし、健康を維持していくためには対象者自身が気付き行動を起こすことが大切です。そのため、そういった人には一方的な指導ではなく、まずは自身の健康状態に目を向けてもらうために、質問を工夫して健康に対しての気づきや関心を持ってもらうことが大切であると学びました。また、関心期など行動を変えようとする意識がある人には、必要な情報提供や具体的にどのように行動変容をしていけば良いのかという具体案を提示し、一緒に目標を立ててセルフケア能力の向上を図っていく関わりが大切であると学びました。今後の保健指導には、行動変容ステージの段階を把握して、アプローチを変えていくことで、よりセルフケア能力が向上すると考えました。 野中沙起 ▼学校保健実習で作成した保健教育媒体 ▼産業保健実習で作成した保健指導媒体 教員として 産業保健実習では、対象者の方のアセスメントを事前に行いましたが、実習指導者様から保健指導が一方的にならないように、対象者の立場で行うことの重要性を具体的に指導していただきました。 また対象者の方の保健指導中の言動から、学生の保健指導に不足していたことやどう展開すればよかったのかという課題への理解が深まったことが、学生の報告から感じ取ることができました。 実習前は緊張し、不安げな表情であった学生が、実習に臨む中で保健師の役割を理解し、実習終了時には言語化でき、とても良い表情に変化をしていることを目の前で感じることができました。学校保健実習においても、発表内容から実際に対象者である生徒さんに接し、養護教諭の活動に参加して、看護活動のプロセスや看護職の役割は同じであることを学んでいました。この経験が9月から実施される保健所実習、市町村への実習につながっていくよう、教員として保健師をめざす学生の成長を促すサポートを行っていきたいと思います。 実習の実施にあたり、実習指導者様をはじめ施設の方々のご理解とご協力ならびに御指導をいただきましたことを深く御礼申し上げます。 看護医療学科助教 丸山睦 【関連記事】 保健師課程選択学生の講義・演習・実習がすべて終了!~看護医療学科 奈良県断酒連合会から学ぶアルコール依存症~看護医療学科「公衆衛生看護学概論」 保健師をめざす学生による健康情報発信!~看護医療学科「産業保健実習」 保健師をめざす学生の「地域看護学実習 学びの報告会」を開催 !
2018.07.05
3回生対象「第4回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科
3回生を対象とした「基礎看護技術自己学修会」を開催! 看護医療学科 基礎看護学領域では、3回生を対象として、4回目となる「基礎看護技術自己学修会」を実施しました。 平成30年6月15日(金)は、「フィジカルアセスメント(バイタルサインの測定と呼吸音・腹部の観察)」をテーマに自己学修会を行い、28名の学生が参加しました。 1回生後期の履修科目である「フィジカルアセスメント」では、健康上の問題を有する患者さんの身体を観察し、得られた情報から患者さんがどのような状態であるのかを考え、必要な援助を導き出すための視点や方法を学修します。具体的には、脈拍測定や血圧測定、呼吸音の聴診や腹部の観察方法等、患者さんの全身状態を観察するために必要な知識と技術について、学修します。 今回の学修会では、バイタルサイン測定と腹部の観察に加えて、フィジカルアセスメントモデル「フィジコ」と、呼吸音聴診シミュレータ「ラング」を用いた呼吸音の聴診を実施しました。 「フィジコ」と「ラング」は医学教育用シミュレータで、それぞれ健康上の問題を有する患者さん特有の症状を再現することができます。参加した3回生は、教員のアドバイスを受けつつ真剣な様子で取り組んでいました。 【参加した3回生の感想】 ラングとフィジコを使って副雑音を聞いて、副雑音の違いを認識することができました。1回生の時の演習でも聴診しましたが、知識が増えた現在もう一度聞くことで、実習で呼吸音を聴診する意味がわかりました。 田中南有 私は、特に呼吸や腹部の聴診に自信がありませんでした。しかし、3回生になり人体の構造・疾患についての知識や理解が1回生のときよりも深まっている今、呼吸や腹部の聴診を復習することで、人体の構造・疾患を関連付けて理解することができ、よい学びとなりました。 辻林もも 健康上の問題を有する患者さんに適した援助を実施するためには、患者さんがどのような状態であるのかを把握し、必要な援助を導き出せる力が必要となります。3回生後期の各論実習では、学生がこれまでに学修した知識・技術をフル活用して、一人一人の患者さんに、より良い援助を実践できることを願っています。 看護医療学科 基礎看護学領域 林有学・須藤聖子・小林智子・中西恵理 【関連記事】 3回生対象「第3回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 新生児蘇生法(NCPR)一次コース講習会を開催!~看護医療学科 「母性看護学援助論Ⅰ」教員による授業レポート~看護医療学科
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