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看護医療学科
2018.07.11
教員による研究授業レポート~看護医療学科「地域看護学概論」
平成30年7月9日(月)に看護医療学科 研究授業として、2回生を対象に松本泉美教授による「高齢者保健と看護活動」についての講義が行われ、教員12名が参加しました。 今回の授業の目標は、「高齢者保健の動向とその対策(地域包括ケアを含む)の概要が理解できる」でした。 まず、高齢化進行で課題となっている2025年問題の具体的な状況と介護する家族へ派生する健康課題、そしてそれらを社会制度として取り組むために開始された介護保険制度の概要と介護認定の動向について説明がなされました。 また、高齢者が「住み慣れた地域でその人らしい生活を継続できる」よう保健、医療、介護の連携による生活支援を充実させるための地域包括ケアシステムの構築の推進についての説明が行われ、そのあとに、認知症高齢者を支援する包括支援センターのドキュメンタリ-(DVD)を視聴しました。 DVDでは、介護保険サービス利用を拒否する認知症の高齢独居女性と認知症の妻の介護を独りでしている老夫婦に対し、他スタッフや関係機関と連携し支援しようとする介護支援専門員の活動を通して、認知症であるがゆえの介入の難しさが描かれていました。 DVD視聴後「認知症高齢者とその家族を支援する看護職として必要な役割について」を考える前提として、個人ワークでこの2事例が「今後生活を維持する上で生じる課題」を考え、グループワークでの統合が行なわれました。 学生個人のワークでは「認知症高齢者が回りの人との関わりを拒絶すると家族との溝が生じ、制度そのものが機能しなくなる」「ますます孤立化し、家族の心身の負担が増加する」が挙げられ、グループワークでも「自ら助けを必要としないため、周りも気づかず地域との関わりが減り孤立化する」「家族の精神的、身体的、経済的負担が増加する」などが挙げられました。 また全体の感想として、「多職種と連携しネットワークを作る必要性が理解できた。認知症高齢者の話に共感し信頼関係づくりを図ることの重要性を感じた。認知症高齢者・家族それぞれの気持ちを傾聴し精神的にサポートすることが大切だと感じた。」「施設ではなく地域で暮らす認知症の方への支援について学んだ。DVDを通じて、認知症の方の理解、看護、ヘルパーなどの制度の利用が重要であることを知った。認知症の方が2025年には5人に1人になるかもしれないこと、介護保険や国、市町村の行政での支援が可能であるかが課題となっていることを学んだ。」との記載もされていました。 2事例のDVDを真剣に観る学生の様子と短時間のグループワークで考えた発表内容から、講義内容と視聴覚教材で得られた内容とが結びつき、学生の看護職としての内面の学びが得られたことを感じました。 今後、学生が地域の認知症高齢者とその家族に、病院看護師、訪問看護師、地域包括支援センターの看護師、保健師として、技術の向上を図りながら責任を持ち、保健福祉に貢献できる専門職として成長できるよう共に学びを深めていきたいと考えます。 平成30年7月12日(木)13時~14時には、教員間での授業研究が行われます。 看護医療学科助教 丸山睦 【関連記事】 川上村民生児童委員会の方を対象とした「認知症を正しく理解する講習会」を開催!~看護医療学科 互助をテーマにした「川上村シンポジウム」を開催!~看護医療学科 「第1回大韓老人療養病院協会主催研修」が開催されました~看護医療学科 看護医療学科教員が、川上村の地域包括ケアシステム構築に向けての研修会企画・講師を担当!
2018.07.09
保健師をめざす学生の「地域看護学実習 学びの報告会」を開催!~看護医療学科
平成30年6月29日(金)に、保健師資格取得をめざす4年生の学校保健実習・産業保健実習での学びの報告会を開催しました。地域看護学実習は、学校保健実習か産業保健実習(どちらか選択制)と保健所実習で構成されています。平成30年6月4日(月)~22日(金)までを学校保健実習および産業保健実習期間として、学校保健実習では、奈良県内の県立高校5校と養護学校(特別支援校)2校と八尾市内の小学校(特別支援学級を中心に)に10名、産業保健実習では、2つの実習施設(企業)で10名が実習に参加しました。 それぞれの分野と対象が異なるため、公衆衛生看護活動の特性や対象者の発達段階の特性に応じた活動に参加し、学生が行った活動を通して実習目標に沿った学びの報告をしました。 発表を聞いての学生の学びの内容をご紹介します。 ≪学校保健実習の発表を聞いて≫ 生徒一人ひとりの健康を保持・増進するためには、学校だけでなく行政や関連機関との連携が重要であることが分かりました。また、同じ発達段階でも学校により健康課題は違うので、課題を明確にし、アプローチ方法も発達段階に合わせて行う必要があると学びました。 産業保健においても学校保健においても、対象がどのような環境に置かれているのか、集団での課題を分析し、健康課題を把握した上で対象者の生活背景を踏まえ支援方法を考えていくということは共通していると考えました。 学校保健と産業保健では対象が違いますが、対象が健康に生活を送ることができるよう支援していくという方向は同じであるので、保健師としてその方向性に向け対象に合わせた支援をしていくことが大切であると学ぶことができました。 井上知波 学校では、子どもたちを支援するうえで保護者だけでなく、地域住民や教育委員会、病院などの様々な関連機関との連携をとり、必要時につなげられるようにすることが大切であると学びました。また、保健師は就学前の乳幼児健康診査で子どもの状態を把握しているので、その子どもにとって適切な教育が受けられるように、地域の各学校の特徴を理解し、適した教育体制への支援をしていくことも重要な役割であることを学ぶことができました。学校保健についても今回の発表会を通して、これまでの授業内容と実際の活動が結びつくことで理解を深めることができ、充実した学びを得ることができたと思います。 山口真由 ▼産業保健実習風景①実習事業場である初田製作所企業製品の説明を聞く ▼産業保健実習風景②実習施設健康管理室にてメンタルヘルス事例検討 ≪産業保健実習の発表を聞いて≫ 産業保健における健康管理の活動および体制、保健師の役割を理解することができました。企業では、健康管理対象者(従業員)に対して健康診断やメンタルヘルス対策を実施し、対象者の健康を守るために様々な対策がされているのだと実感しました。また、作業環境の状況を知るために職場巡視を行い、対象者の置かれている環境を把握することで健康課題を見つけることにつながると学びました。また、学生が実施した保健指導内容を聞いて、健康診断の数値だけでなく、その人にとっての行動の目的を知り、対象者の価値観を尊重した保健指導の展開をすることで行動変容につなげていくことが保健師の役割であると学ぶことができました。 吉森由稀 対象者の言動から、行動変容ステージのどの段階にいるかを把握して、段階に応じた保健指導を行うことが大切であるということを学びました。無関心期の人に保健指導を行っても、対象者はお節介であると感じてしまい、聞く耳を持たないという状況でした。しかし、健康を維持していくためには対象者自身が気付き行動を起こすことが大切です。そのため、そういった人には一方的な指導ではなく、まずは自身の健康状態に目を向けてもらうために、質問を工夫して健康に対しての気づきや関心を持ってもらうことが大切であると学びました。また、関心期など行動を変えようとする意識がある人には、必要な情報提供や具体的にどのように行動変容をしていけば良いのかという具体案を提示し、一緒に目標を立ててセルフケア能力の向上を図っていく関わりが大切であると学びました。今後の保健指導には、行動変容ステージの段階を把握して、アプローチを変えていくことで、よりセルフケア能力が向上すると考えました。 野中沙起 ▼学校保健実習で作成した保健教育媒体 ▼産業保健実習で作成した保健指導媒体 教員として 産業保健実習では、対象者の方のアセスメントを事前に行いましたが、実習指導者様から保健指導が一方的にならないように、対象者の立場で行うことの重要性を具体的に指導していただきました。 また対象者の方の保健指導中の言動から、学生の保健指導に不足していたことやどう展開すればよかったのかという課題への理解が深まったことが、学生の報告から感じ取ることができました。 実習前は緊張し、不安げな表情であった学生が、実習に臨む中で保健師の役割を理解し、実習終了時には言語化でき、とても良い表情に変化をしていることを目の前で感じることができました。学校保健実習においても、発表内容から実際に対象者である生徒さんに接し、養護教諭の活動に参加して、看護活動のプロセスや看護職の役割は同じであることを学んでいました。この経験が9月から実施される保健所実習、市町村への実習につながっていくよう、教員として保健師をめざす学生の成長を促すサポートを行っていきたいと思います。 実習の実施にあたり、実習指導者様をはじめ施設の方々のご理解とご協力ならびに御指導をいただきましたことを深く御礼申し上げます。 看護医療学科助教 丸山睦 【関連記事】 保健師課程選択学生の講義・演習・実習がすべて終了!~看護医療学科 奈良県断酒連合会から学ぶアルコール依存症~看護医療学科「公衆衛生看護学概論」 保健師をめざす学生による健康情報発信!~看護医療学科「産業保健実習」 保健師をめざす学生の「地域看護学実習 学びの報告会」を開催 !
2018.07.05
3回生対象「第4回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科
3回生を対象とした「基礎看護技術自己学修会」を開催! 看護医療学科 基礎看護学領域では、3回生を対象として、4回目となる「基礎看護技術自己学修会」を実施しました。 平成30年6月15日(金)は、「フィジカルアセスメント(バイタルサインの測定と呼吸音・腹部の観察)」をテーマに自己学修会を行い、28名の学生が参加しました。 1回生後期の履修科目である「フィジカルアセスメント」では、健康上の問題を有する患者さんの身体を観察し、得られた情報から患者さんがどのような状態であるのかを考え、必要な援助を導き出すための視点や方法を学修します。具体的には、脈拍測定や血圧測定、呼吸音の聴診や腹部の観察方法等、患者さんの全身状態を観察するために必要な知識と技術について、学修します。 今回の学修会では、バイタルサイン測定と腹部の観察に加えて、フィジカルアセスメントモデル「フィジコ」と、呼吸音聴診シミュレータ「ラング」を用いた呼吸音の聴診を実施しました。 「フィジコ」と「ラング」は医学教育用シミュレータで、それぞれ健康上の問題を有する患者さん特有の症状を再現することができます。参加した3回生は、教員のアドバイスを受けつつ真剣な様子で取り組んでいました。 【参加した3回生の感想】 ラングとフィジコを使って副雑音を聞いて、副雑音の違いを認識することができました。1回生の時の演習でも聴診しましたが、知識が増えた現在もう一度聞くことで、実習で呼吸音を聴診する意味がわかりました。 田中南有 私は、特に呼吸や腹部の聴診に自信がありませんでした。しかし、3回生になり人体の構造・疾患についての知識や理解が1回生のときよりも深まっている今、呼吸や腹部の聴診を復習することで、人体の構造・疾患を関連付けて理解することができ、よい学びとなりました。 辻林もも 健康上の問題を有する患者さんに適した援助を実施するためには、患者さんがどのような状態であるのかを把握し、必要な援助を導き出せる力が必要となります。3回生後期の各論実習では、学生がこれまでに学修した知識・技術をフル活用して、一人一人の患者さんに、より良い援助を実践できることを願っています。 看護医療学科 基礎看護学領域 林有学・須藤聖子・小林智子・中西恵理 【関連記事】 3回生対象「第3回基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 3回生対象「基礎看護技術自己学修会」を開催!~看護医療学科 新生児蘇生法(NCPR)一次コース講習会を開催!~看護医療学科 「母性看護学援助論Ⅰ」教員による授業レポート~看護医療学科
2018.07.02
日本老年看護学会第23回学術集会に看護医療学科教員・健康科学研究科院生が参加・発表しました!
2018年6月23日(土)~24日(日)に福岡県久留米市にて行われた、日本老年看護学会第23回学術集会(約1,980名参加)に、老年看護学領域の教員4名が参加しました。 「つなぐ つくる つたえる 老年看護の創出―より豊かに生きることを支え合う-」をテーマに、様々な分野で活躍されている諸先生方の講演や一般演題発表が行われました。 認知症になっても暮らしやすい地域づくりやその人らしく生きるための意思決定支援など、高齢者が住み慣れた地域でより豊かに生きるために欠かせない倫理的な問題や課題、取り組みについての講演を拝聴させて頂きました。 また、人生の最終段階における医療・ケアについての講演、発表が多くみられました。 これは高齢多死社会の進行に伴う地域包括ケアシステムの構築に対応する必要があることや、英米国を中心にACP(アドバンス・ケア・プランニング)の概念を踏まえた研究・取組が普及してきていることを踏まえて、今年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」が改訂されたことに関連していると考えられます。 今回、畿央大学大学院生の島岡、尼﨑が示説発表を行いました。 尼﨑のテーマは「高齢者施設における終末期ケアの意思決定支援に関する文献検討」でした。 海外のACPのガイドラインがどのようなものかという質問があり、今回は高齢者施設の文献検討であったこと、イギリスではNHS主催の終末期ケアプログラムの一環としてガイドラインが開発されていることを説明しました。今後も、最期までその人らしい生き方、本人の意思を尊重したEnd-of-lifeケアの実践に向けて、研究活動を進めていきたいと思います。 島岡のテーマは「新オレンジプランにおける我が国の認知症カフェに関する研究の動向」でした(学術研究助成基金助成金 挑戦的萌芽研究 16K15979)。 発表後に今後の研究について、「認知症カフェにはいろいろなタイプがあるが、どのような方向性でまとめていくのか」と質問を受け、「認知症カフェは主に5つのタイプに分類されるが、これをベースとして更に新しい可能性を模索し、発展させたものをモデル化していこうと考えている」と答えました。このやり取りの中から自己の方向性が再確認できました。 また、今回聴講した発表の中には、認知症サポーターとなった大学生が認知症カフェを拠点にし、主体的に認知症の啓発活動を行っている紹介がありました。 Orange Projectの公式Facebookはコチラ! 若い世代の学生たちが認知症に興味を持ち、認知症を理解して当事者や家族の方たち、地域の方たちと関わることで地域のエンパワメントを高め、地域が活性化できる。また、他の同世代の若い人達に活動を紹介してくれることで更に認知症に関心を持つ若者が増えるという発表は、現在行っている認知症カフェの研究にとても役立つ内容でした。 今回の学会参加で自身の研究の発展につながる様々なヒントを得ることができ、とてもいい刺激を受けました。認知症になっても安心して暮らしていける町づくりに少しでも貢献できるように、今後も自身の研究を深めていこうと思います。 健康科学研究科修士課程 尼﨑裕子 島岡昌代 【関連記事】 川上村民生児童委員会の方を対象とした「認知症を正しく理解する講習会」を開催!~看護医療学科 平成30年度第2回「Kioオレンヂ喫茶(カフェ)分かち合いin御所」を開催!~看護医療学科 平成30年度第1回「Kioオレンヂ喫茶(カフェ)分かちあい in 御所」を開催!~看護医療学科
2018.06.28
TASK(健康支援学生チーム)活動レポートvol.57~6月勉強会は新入生に向けた機器説明!
こんにちは!健康支援学生チームTASK※現代教育学科2回生の兒嶋紗佳です。2018年6月25日(月)に勉強会を行いました。 ※TASKはThink, Action, Support for Health by Kio Universityの略称で、学科の枠を越えて協力し合いながら、地域住民の方々や畿央生の健康支援を目的として活動しています。 前回に引き続き、機器を使って測定する方法を新入生に向けて説明しました。今回は、握力、足指握力、体組成の3種類です。ペアになって実際にポイントをおさえながら測定し合ったのですが、みなさん積極的に取り組んでくれたのでとても頼もしかったです! 次回からは機器の説明ではなく健康に関する勉強会になるので、普段の授業では学べないことをもっと一緒に学んでいければいいなと思います。 ▲最後はみんなでTASKの「T」(^^)/ 現代教育学科2回生 兒嶋紗佳 ●TASK関連の情報はTASK(健康支援学生チーム)活動レポートで、詳しくご覧になれます。
2018.06.21
ポーポキプロジェクト「平和について考える」ワークショップを開催!~看護医療学科「国際看護論」
2018年6月2日(土) 今年も神戸大学大学院国際協力研究科教授ロニー・アレキサンダー先生とポーポキプロジェクト※メンバーを迎え、「平和について考える」ワークショップを開催しました。このワークショップは、看護医療学科4回生の必修科目「国際看護論」の授業15コマ中2コマに位置付けられています。今年で6年目になります。 ※ポーポキプロジェクト…主にワークショップを通して、環境、健康、人権、震災・防災、貧困、ジェンダー・セクシュアリティ、まちづくり、いのちなど多岐にわたる分野から平和について考えるプロジェクト 平和は「戦争がないから平和?」「自殺」や「虐待」、「自然破壊」など、自分自身が今住んでいるこの場所、この時間に存在する「平和ではない」状況を意識してみようという試みで、真の狙いは、「平和な世界のために自分自身ができること」を考えることです。五感を最大限に使うこと、平和は何色?どんなにおい?感触は?音は?味は? 戦争のこのワークショップに参加した学生たちは、どのような感想を持ったのか、紹介します。尚、学生コメント(吹き出しの中)は複数人の意見をまとめたものです。 多くの学生が、今まで漠然としていた「平和」の概念を見直す機会になったと振り返っていました。ポーポキプロジェクトの皆さん、今年もありがとうございました。 看護医療学科教授 堀内美由紀 ●ポーポキ・ピース・プロジェクト
2018.06.13
平成30年度離島・へき地医療体験実習(山添村)レポート~看護医療学科
看護医療学科では、本学の特徴的な実習カリキュラムに位置付けられている「離島へき地医療体験実習」が4回生の必須科目です。今年は、宇陀市大宇陀、川上村、五條市大塔、野迫川村、山添村の5地域で91名が実習をさせていただいています。 学内で山添村について事前学習を行い、山添村の地域を構成する要素と住民の健康の関連について興味を持ち、グループメンバーそれぞれが実習テーマを明確に持ちながら平成30年5月15日(火)~5月17日(木)の3日間臨地での実習に臨みました。 初日 (5月15日) 1日目は、「山添村の保健施策を知る」「物理的な環境を肌で感じる」機会となりました。 保健福祉課の前川様と社会福祉協議会の浦様からお話をお聞かせいただいた後、村内循環とグループに分かれての地区踏査を行いました。そこでは、住民の方とお話ができ、山添村の暮らしについて聞くことができました。また、自然豊かな環境を体験することができた一方で、山間地のため坂が多くそこでの暮らしの大変さも感じることができました。それぞれの地域には神社が必ずあり綺麗に掃除がされているのが印象的でした。 山添小学校では、松本校長先生はじめ養護教諭の先生から児童の健康についての貴重なお話を聞くことができました。診療所の医師からは、山添村の健康問題の特徴と山添村の医療について質問をさせていただいたことについて教えていただきました。 お昼ご飯は山添村で採れた新鮮野菜のサラダと美味しいカレーをいただきました。美味しくてお代わりする学生が続出!お昼からの活動に向けてエネルギーのチャージができました。 2日目(5月16日) 骨密度測定会を行いまいました。予想していたよりも多くの方が参加してくださり、この日のために頑張って準備してきた学生もイキイキと住民の方と接しながら血圧や骨密度、足趾握力などを測定しその結果についてお伝えしたり、測定会に参加いただいた方にいろいろとお話をお聞かせいただいたりしながら、作成したパンフレットを使用して骨密度がアップできるよう生活のアドバイスを行っていました。 お昼からは、地域活動に参加させていただき農業体験、シニアカー体験、公民館で行われている恒例の女子会に参加させていただけたことにより山添村の生活を身近に体験することができました。 3日目(5月17日) かすががーでんで 茶摘み体験、サツマイモの苗植え、フキ俵の郷土食作りの体験をしました。楽しいことも作業の大変さも知ることができた初めての体験でした。 お昼ご飯のおかずには、自分たちで収穫したお茶の葉のてんぷらを食べることができ、ひときわ美味しかったです。その他にも山添村で採れた山野草のお料理、山添村で採れたお米で作った伝統料理のフキ俵どれも全て美味しかったです。ごちそうさまでした。 児童館見学では、赤埴先生から児童館の特徴や取り組み等についてのお話を伺いました。そして、『直心是道場』の言葉を教えていただきました。この言葉を心に刻み頑張っていこうと思います。 ボランティアガイドの奥谷さんからは、山添村の歴史が縄文時代から続いており多くの遺跡や史跡があることを教えていただきました。 そして、長寿岩と呼ばれる強大な岩についての説明も受け、歴史の古い土地なのだと実感しました。 3日間はお天気にも恵まれ、多くの体験と学びの機会となりました。このような機会を与えてくださいました山添村の関係者の方に心から感謝いたします。 看護医療学科助教 秋吉久美代 【関連記事】 平成30年度離島・へき地医療体験実習(野迫川村)レポートvol.2~看護医療学科 平成30年度離島・へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)レポートvol.2~看護医療学科 平成30年度離島・へき地医療体験実習(野迫川村)レポートvol.1~看護医療学科 平成30年度離島・へき地医療体験実習(宇陀市大宇陀地区)レポートvol.1~看護医療学科 学生広報スタッフblog vol.225~看護医療学科「離島・へき地医療体験実習」レポート!
2018.06.07
川上村民生児童委員会の方を対象とした「認知症を正しく理解する講習会」を開催!~看護医療学科
平成30年6月6日(水)、奈良県川上村民生児童委員協議会の方々が、認知症について学習するために来校されました。民生委員とは、地域住民の身近な相談者として、助言や援助を行う役割をもち、人格識見が高く、児童福祉も含む社会福祉向上に熱意のある方が都道府県の推薦により、厚生労働大臣からその業務を委嘱された方々で児童委員を兼ねます。 今回は、川上村で文部科学省の科学研究助成を受けて展開している「安心して暮らすことができる地域づくり」を目指した川上村健康力向上プロジェクトの柱のひとつである認知症教育を実施する中で、民生委員の方々から自主的に認知症のことを学習したいとの申し出があり、6月定例会を畿央大学で開催することとして企画されたものです。雨模様の中、バスに乗って2時間弱の遠距離を16名全員の民生委員の方々と村役場担当職員の方2名の総勢18名が来校されました。 今回の講習会は、今年度7月と9月に計4回開催される川上村「認知症教室」講師である本学の老年看護学 山崎尚美教授による講義と民生委員の方の困りごとをお話ししていただくフリートークで構成されました。 地域における認知症カフェや臨床、介護保険施設における認知症ケア実践者でもある山崎教授から、普通の物忘れや認知症の物忘れの違いや認知症の原因となる病気の説明の後、認知症の方を混乱させてしまう対応と適切な対応を示したDVDを観て、認知症についての正しい理解を深めていただきました。 その後、日頃の活動の中で感じていらっしゃることを自由に話していただきました。 その中では、民生委員の方々が、認知症と思われる地域住民の方の相談に昼夜を問わず対応され、見守りつつも「このままで良いのか」と不安に思っていらっしゃることが多く語られました。 山崎教授から、その状況に応じた適切な対応をされていることの解説を受け、安堵されている様子を見て、民生委員の方々は、責任が重く心労が絶えない活動を日々されており、皆さんの負担を軽減する後方支援の必要性を感じました。 また地区で増えている独居高齢者の方をできるだけ一人で孤立しないように集いの場を自主的に開催されていることもわかり、行政の支援や私たち研究者も連携していく必要性を感じました。予定の時間を超えそうになるほど多くのお話をしていただいたことを今後の地域づくりや人材育成に活かしていくために、地域住民と行政の橋渡しをされるキーパーソンとして、民生委員の方々を始めとする地域の支援者の方々とのネットワークを構築していきたいと思います。 7月の地域住民の方を対象とした認知症教室は、7月8日(日) 川上村やまぶきホールで開催されます。 看護医療学科 教授 松本泉美 【関連記事】 平成30年度奈良県認知症ケア専門士会 第1回研修会を開催しました。 互助をテーマにした「川上村シンポジウム」を開催!~看護医療学科 看護医療学科教員が、川上村の地域包括ケアシステム構築に向けての研修会企画・講師を担当!
2018.06.06
緩和ケア病棟を見学実習!~看護医療学科「終末期ケア論」
看護医療学科3年生の履修科目である「終末期ケア論」では、毎年磯城郡田原本町宮古にある国保中央病院に併設される「緩和ケアホーム飛鳥」をたずねて見学実習を行っています。 今年も見学希望者15名と担当教員が飛鳥をたずねて施設内の見学や、看護師長からホスピスケアの実際についてお話をうかがいました。今回は多くの学びがあった見学実習の様子をレポートします。 ▲「緩和ケアホーム飛鳥」の覚野看護師長から施設案内や丁寧な説明をいただきました 平成30年6月2日(土)見学当日は、朝からさわやかな空模様でした。国保中央病院の周囲には田畑が広がり緑も多く豊かな自然が感じられますが、見学した飛鳥の庭園からの景色は本当に美しく心癒されるものでした。学生たちは、「庭園や屋上の景色や眺めも素晴らしいですが、何よりも施設内の廊下やお部屋がとてもきれいでゆったりしているので、終末期の患者さんや家族は心穏やかになれると思います」と感想を述べていました。 ▲飛鳥の庭園はボランティアさんたちの協力のもといつもきれいです ▲飛鳥の屋上庭園からは夏空を彩る大和郡山の花火が見えるといいます 国保中央病院緩和ケアホーム飛鳥は平成17年5月に奈良県で初めての緩和ケア病棟として開設されました。それまで奈良県は岩手県と並んで県内にホスピス・緩和ケア病棟が存在しない県であったため、多くの県民にとって待望の開設となりました。それから13年が経ち、緩和ケアホーム飛鳥は医師や看護師を中心としたチーム医療のもと、積極的な治療に対して反応しなくなった末期がんの患者さんへの身体的・精神的ケアやその家族のケアにおいて奈良県の中核を担っています。ここでは、次のような基本理念のもとにケアを提供しています。 ・あなたの人格のすべてを受け入れます ・あなたの思いや考えを大切にします ・あなたの生活を尊重します ・あなたの苦痛、その他の不快な症状を緩和します ・ご家族に対して心の安らぎが得られるよう支援いたします 基本理念の中で示されている、苦痛や不快な症状の緩和に必要な医療の中心が薬物療法です。緩和ケアを受ける患者の多くは痛み軽減の目的でオピオイド鎮痛薬といわれる「医療用麻薬」の処方を受けます。これらは、他の薬剤とは違って鍵のついた場所で厳重に保管する必要があることについて説明を受けた学生は、日ごろから痛みを我慢させない、安全で確実な痛みのコントロールを実現するために、現場の看護師が実践しているケアについて考えることができました。 ▲厳重に鍵のかかる金庫に保管された薬剤についての説明を受ける様子 また、患者さんの生活を尊重することやご家族が心の安らぎを得ることができるよう配慮された病室や家族とともに過ごすこともできるように造られた家族室を案内してくださった覚野看護師長から「まだ幼い子供さんを残して旅立たれた患者さんは、かなり体がつらくなったときに、この家族室で酸素吸入をしながらお子さんと過ごされました。お子さんたちは、お母さんが居なくなることはわからなかったかもしれないけれど、そのときにお母さんがしんどくてつらいことはわかっていたのでしょう。母として子供と過ごされた患者さんは体がつらくても満足されたようです」というエピソードを聞かせてもらった学生は、それぞれがその状況を思い浮かべて心をうたれたようでした。 ▲病室はすべて個室で大きな窓からみえる自然が心地よい空間です ▲家族室には患者さんが家族と過ごせるように酸素吸入の配管が供えられています 施設内を見学した後は、年に一度開催されている遺族会で上映される映像を見せていただきました。ホスピス・緩和ケアにおいて「遺族ケア」は大切なプログラムであり、患者さんが旅立たれたあとの喪失感や悲しみを理解し、家族がまた自分の新しい生活にむけて進んでいくことを支援するための取り組みとなっています。その映像を見ると私たち教員も毎回目頭があつくなります。 覚野看護師長からは「ご家族が旅立たれてすぐには、まだ気持ちの整理がつかなくて参加できない遺族も多くおられます。3年が経ってやっと来ることができた方ややっぱりつらくて今年は行けない、という方もおられます。しかし、参加されたご遺族は患者さんとの想い出の写真を懐かしみ、当時担当していた看護師と語り合うことで落ち着かれる方も多くおられます」とのお話がありました。一般の急性期病棟では、経験できない遺族との関わりを聞いた学生は「私は、患者や家族の悲しみの体験に自分自身が影響を受けやすいので、涙がこぼれてしまうかもしれません」と感情を口にしていました。それに対して覚野看護師長からは「その気持ちを変わらず持ち続けることは大切なことです。いつもいつも、患者さんや家族に共感して泣いてばかりいることは困るけれど、私たちも自分の気持ちに素直に涙することがあってもよいのです」との言葉をいただきました。 見学実習を終えた学生は終末期にある対象や家族と自身の向き合い方について新たな学びを得たようでした。 ▲質問も出て看護師長からのアドバイスもいただきました ▲飛鳥ホールで緩和ケア病棟での看護についての講義を受講 わが国の、緩和ケア病棟入院料届け出受理施設(認可されたホスピス・緩和ケア病棟)数は394施設、病床数は8068床となっています(2017年)。一方がんで死亡する人の総数は年間370,000人を超えていることから、私たち看護師は、一般病床や在宅でも終末期がん患者のケアを担っていかなければなりません。学生のみなさんが社会に出たとき、今回の見学実習での学びや自身の心に響いたことを忘れずに対象と向き合ってくれることを願っています。 最後になりましたが、お忙しい中、貴重な学びの機会を下さった覚野看護師長様はじめ看護部の皆様に感謝いたします。 看護医療学科 終末期ケア論担当 對中百合・大友絵利香 【関連記事】 「エンゼルメイク」の演習を実施!~看護医療学科「終末期ケア論」 がんから学ぶ「生」と「死」~看護医療学科「終末期ケア論」レポート 救急看護の基本、心肺蘇生法を学ぶ!~看護医療学科「急性期看護学援助論Ⅱ」
2018.06.01
ベビーマッサージ・マタニティヨガを体験!~助産学専攻科
平成30年5月21日に京都看護大学特任教授で助産院を開業されている森田婦美子先生から、マタニティヨガとベビーマッサージをご指導頂きました。 【マタニティヨガ】 マタニティヨガは、妊婦さんでも無理なくできるゆっくりとした動きで行う有酸素運動の一つです。体に負担がかからないストレッチを中心に、筋肉をほぐし、呼吸法を行います。これは、運動不足の解消だけでなく、出産に向けて骨盤を整え強化することにもつながり、同時に、自律神経のバランスを調整し、リラックス効果やマイナートラブル緩和への作用があります。また、呼吸を意識してメディテーション(瞑想)を行うことは、自分の体への気づきとなり、さらにおなかの中の赤ちゃんと向き合う時間になることを教えていただき、赤ちゃんと対話することにもつながることを学びました。 【ベビーマッサージ】 ベビーマッサージとは、赤ちゃんに優しく触れてマッサージをすることです。肌と肌で触れ合いながら親子のスキンシップをとることで、赤ちゃんに安らぎをもたらし、その心地よい刺激が赤ちゃんの心や体の発達に良い影響を与えると考えられています。またお母さん自身も、赤ちゃんの反応や気持ちを感じ取ることで、我が子への愛情が深まるというメリットがあると言われています。 ベビーマッサージは単に赤ちゃんに触れるということではなく、頭から足、中心から末梢に向かって行うことで脳や体の成長発達を促したり、お母さんが赤ちゃんに話しかけながら行うことで母子間での愛着形成が行われたりするなどの様々な効果があることを学ぶことができました。またこれらの効果が十分に得られるようにお母さんたちへのサポートを行うことが助産師として必要であると感じました。 助産学専攻科 英美帆・西口理美 【関連記事】 児童養護施設「飛鳥学院」を見学!~助産学専攻科 健康科学部長に学ぶ「超音波診断法の理論と実際」~助産学専攻科 平成30年度近畿地区助産師学生交流会 参加レポート!~助産学専攻科 妊娠中期・後期向け「両親学級」の演習を行いました!~助産学専攻科
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