2026.07.17
第13回 危篤・臨終・死亡時の看護の実際 ー エンゼルケア演習 ~ 看護医療学科「終末期ケア論」
看護医療学科3回生を対象に、エンゼルケア※演習を実施しました。
※エンゼルケアは、逝去時に身体や頭髪をきれいに整え、故人の生前の表情や血色に近いメイクを施し、「旅立ちにむけた整え」を行うことを指しています。エンゼルケアには、ご遺体からの感染予防や整容という目的のみならず、「故人のこれまでに敬意を払う」「ご遺族への哀しみに対するケア」という重要な意味があります。
今回は、エンバーマー※で遺体を衛生的に修復・保全する専門家である株式会社公益社の宇家 貴先生・田中 麻記子先生を講師にお招きし、エンバーミングの豊富な実務経験に基づいたエンゼルメイクの講義と演習を行っていただきました。また、DVD教材を視聴し、エンゼルケアの目的や実践方法、故人やご家族への配慮について、事例を通して実際の流れを観ることで、理解を深めました。
※エンバーマー…遺体を衛生的に修復・保全し、長期間保存する専門職のこと。

その後の演習では、メイクや整容の技術を実践しながら、死後の遺体の変化に応じた一つひとつの手技の意味や根拠を確認しました。学生たちはグループで協力し、故人の尊厳を守り、その人らしさを大切にする姿勢を意識しながら、真剣に取り組んでいました。

エンゼルケアは、故人への最後の看護であるとともに、ご家族の悲嘆に寄り添う大切なケアでもあります。今回の演習を通して、学生たちは技術だけでなく、人生の最終段階を支える看護師として必要な倫理観や思いやり、そして「その人らしさ」を尊重する姿勢について学ぶことができました。講義・DVD教材・演習を組み合わせた学びにより、知識と技術、そして看護職としての心構えを深める貴重な機会となりました。

実際に手を動かしながらエンゼルケアを学ぶことで、教科書だけでは得られない気づきや学びを体験することができました。学生からは、「男性と女性でメイクの方法が違うことを初めて知った」と驚く声や、「ご遺体へのケアだけでなく、ご家族への支援も含めた看護であることを実感した」「一つひとつの手技に込められた意味を理解できた」といった声も聞かれ、看護の本質について理解を深める有意義な演習となりました。

本学では、専門家を講師として招き、実践的な演習を取り入れることで、知識・技術・倫理観を統合した学びを大切にしています。今回のエンゼルケア演習も、教科書だけでは得られない実践的な学びを通して、学生たちが看護職として必要な知識や技術に加え、故人やご家族に寄り添う姿勢や倫理観を深める貴重な機会となりました。

看護医療学科
森岡 広美・對中 百合・福田 都美恵
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